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居酒屋の成功率は低い?成功させるコツから想定年収まで徹底解説!

居酒屋の成功率は低い?成功させるコツから想定年収まで徹底解説!

お酒やおつまみなど、おいしい飲食物を提供する居酒屋に憧れて、「いつか自分で居酒屋を経営したい」と考える方は少なくないでしょう。

居酒屋は、開業する数が多いものの廃業する数も多く、経営が難しいと言われる業態です。

しかし、居酒屋の経営が失敗するケースや、成功させるコツを把握したうえで事業に取り組めば、長く愛される居酒屋を経営していくことができるかもしれません。

この記事では、居酒屋経営の現実からメリット・デメリットまで詳しく解説します。居酒屋の経営が失敗するケースと成功させるコツも紹介するので、居酒屋の経営を目指す方はぜひ参考にしてください。

関連記事 居酒屋開業を成功に導くポイントとは?資金や許認可手続きについても解説!

居酒屋経営は難しいという現実

居酒屋は、開業率・廃業率ともに高く、経営が難しいとされる業態です。

一般的には、居酒屋を含む「飲食業」の廃業率は、1年未満で約30%、2年後は約50%、5年後には約80%にも達するといわれています。

新たに開業したお店のうち半分以上が2年程度でお店をたたんでいると考えると、非常に厳しい業態であることがわかるかと思います。

また、収入に対して大きな労力や体力がかかることから、強いバイタリティがなければ経営を継続するのが難しいとも言えるでしょう。

もちろん客商売ならではのやりがいがあるため、人気の業態であることは間違いないのですが、実際に居酒屋の経営を検討する場合には、本当に自分に向いている業態なのかしっかり考える必要があります。

居酒屋経営のメリット

居酒屋を経営するメリットはさまざまありますが、主に以下のようなことが挙げられます。

・ 利益率が高い
・ 売上の多くを現金回収できる
・ 個性による差別化が行いやすい
・ 経営の安定化を図りやすい

お店の経営を継続するためには利益を上げることが重要ですが、居酒屋はお酒や枝豆・冷奴など、利益率の高い商品を数多く取り扱うことができます。ほかの飲食店と比較しても、利益を上げやすい構造であることは大きなメリットです。

最近はキャッシュレス対応の居酒屋も増えてきていますが、現金での支払いも多く売上をその場で現金回収できるため、手元の現金が少なくなって困るケースも比較的少ないでしょう。

お店独自の個性による差別化も行いやすく、たとえば「九州地方の郷土料理にこだわる」「海外から輸入したビールの品ぞろえが豊富」「全品298円統一でコスパがよい」など、やり方次第では周囲に競合が多い状況でもきちんと売上を確保できます。

「行きつけの居酒屋」としてリピーターになってもらうことで、常に一定の売上を見込むことができ、経営を安定化しやすいところも居酒屋経営におけるメリットです。

関連記事 居酒屋の利益率とは?利益率の計算方法や居酒屋の平均利益率、利益率の高いメニューを解説!

居酒屋経営のデメリット

居酒屋を経営するメリットがある一方、以下のようなデメリットも存在します。

・ 食中毒による売上減の心配がある
・ 顧客(リピーター)を確保できないと営業が厳しい
・ 競合が多い
・ 体力的に厳しい

すべての飲食業について回る問題ですが、食中毒を出してしまうと売上が一気に減ってしまう可能性が高いため、食品の取り扱いには細心の注意を払わなくてはなりません。

食中毒やその疑いがあった場合、保健所が立ち入り検査などを行い、営業停止や、最悪の場合、営業許可取り消しの行政処分を受けることがあります。

また、リピーターによる経営の安定化を図りやすいというメリットを裏返すと、リピーターを確保できなければ経営が厳しくなりやすいとも言えるでしょう。競合が多い業態である以上、何かしらのポイントで周囲のお店との差別化を図って、リピーターを確保しなくてはなりません。

さらに、居酒屋はホール・キッチンともに立ち仕事なうえに、日付を跨いで営業を行うことも多いです。年齢を重ねて体力が低下すると、毎日の立ち仕事を継続することが難しくなることも考えられます。

居酒屋の経営が失敗するケース

廃業していく居酒屋が「なぜ経営に失敗したのか」を知ることで、同じ理由によって経営がうまくいかなくなるケースを避けられるかもしれません。

居酒屋の経営が失敗してしまう主な理由について、詳しく説明します。

関連記事 なぜ飲食店の開業で失敗する?失敗する原因やオーナーの特徴について解説

利益確保のために過度なコストカットを行う

お店の経営を継続させるために、「利益を確保すること」は経営者にとって重要な使命であることは間違いありません。

利益の確保を目指し、人件費を減らすために少人数でホールを回すといった工夫は、経営上の努力として致し方ない部分ではあります。

ただし、利益の追求がいきすぎて、コストカットを行うために料理に使う素材の質を下げるなど、来店客に対するサービスの質にまで大きな影響を与えてしまうことは望ましくありません。

何度もお店に通う常連客ほど、料理のクオリティやサービスの質の低下にはすぐに気がつきやすいため、足が遠のく理由となってしまうでしょう。

周囲のアドバイスに耳を貸さない

自分の信念を貫くことは、お店を経営するうえで重要なことですが、それも度を過ぎると自己中心的な考え方になってしまう可能性があります。

周囲のアドバイスを経営に取り入れるかは自分の判断次第ですが、端から聞き入れないのではなく、一度は耳に入れて検討する柔軟さを常に持っておきたいところです。

周囲のアドバイスに耳を貸さないと、有効なアドバイスを実践する機会を失うだけではなく、頑固すぎて人の話を聞かない人だと判断されて、周囲から人が離れていくことも懸念点として考えられます。

職場の環境がよくない

自分一人だけで営業するケースを除き、居酒屋の経営を継続するためにはホールやキッチンで働いてくれる従業員が必要です。

ホールやキッチン業務を担うパートやアルバイトを採用して営業を行う場合、従業員の定着率は職場環境に大きな影響を受けるでしょう。

たとえば、パワハラをしてくる上司がいる、なかなか休みが取れない、時給や給料が高くないといった環境では、従業員は定着しません。

働いてくれる従業員にとって快適な環境であるかを定期的にチェックし、必要があれば積極的かつ迅速に改善するよう心がけましょう。

仕入れがうまく行えない

居酒屋にとって仕入れは生命線とも言えるので、いかに仕入れを上手に行えるかという点が、お店の経営に大きく影響します。

材料を仕入れるために仕入れ先とやり取りすることは必須ですが、仕入れ先との関係性が構築できずに高額で仕入れることとなれば、利益確保が難しくなるかもしれません。

双方にメリットがある取引を心がけることで、仕入れ先との関係性も自然とよくなることが期待できます。仕入れ先とは中長期にわたって取引を行うことになるので、なるべく早いうちから良好な関係を築きましょう。

居酒屋を成功させるコツ

居酒屋の経営を成功させるために、開業前の段階で考えておくべきことが複数あります。

居酒屋の経営を成功させるためのコツについて紹介するので、ぜひ参考にしてください。

居酒屋を成功させるコツ

コンセプト作り

毎年数多くの居酒屋が新しく開業しているため、常に競合と争いながら営業していかなければなりません。そんな中で生き残っていくためには、お店のコンセプトをしっかり固められているかという点が重要です。

ターゲット層を絞ったうえでお店の雰囲気やメニューを決めることで、特定の層から支持されやすいお店作りに繋がります。

コンセプト作りに成功すれば、客単価を高めに見込むことができるうえに、居酒屋経営において重要なポイントであるリピーターも獲得しやすくなるでしょう。

店舗の立地選び

店舗の立地は集客力を大きく左右する要素なので、立地選びは慎重に行わなければなりません。

オフィス街や駅の近くはまとまった集客が期待できますが、周辺にライバル店が多いうえに家賃も高くなりがちです。

客単価やお店のコンセプトを踏まえたうえで、勝算があると判断できる立地を選びましょう。

希望する立地に出店できないのであれば、焦らずによりよい立地で出店ができるタイミングまで我慢する勇気も必要です。

資金計画

資金をどの程度用意できるかによって、お店の開業から経営にかけられる金額は変わってきます。

資金が十分に用意できれば、高級な素材を利用する、集客が見込める好立地へ出店する、従業員の給料を高い水準に保つなど、多くのメリットがあるでしょう。

自己資金でまとまった金額を用意するのが難しい場合には、家族や知人から資金を援助してもらう、もしくは金融機関による融資や自治体の助成金を活用するなどして、資金を調達できます。

家族や知人からの援助は贈与税がかかる可能性がある、融資や助成金を受けるには事業計画書の提出が必要など、注意点を踏まえたうえで資金調達の方法を検討してください。

参考記事飲食店経営が難しい理由って?必要な考え方や成功に欠かせないポイントもご紹介

居酒屋経営に必要な資金

日本政策金融公庫総合研究所が2020年7月に行った調査によると、運転資金を含めた開業資金の平均値は989万円、中央値は560万円となっています。

開業資金とは、物件の取得費・備品の導入費・広告費用など、開業にあたって準備する事柄に関してかかる費用を指します。

居酒屋のような飲食店の場合は、前テナントの設備や内装が残ったままの「居抜き物件」を利用することで、開業資金を大幅に抑えることが可能です。用意できる資金に応じて物件を選び、場合によっては居抜き物件の利用も検討しましょう。

一方、運転資金とは、事業を開始して当面の間の出費をまかなうために必要な資金のことです。

開業してすぐに事業が軌道に乗るとは限らず、売上が芳しくない時期が続くかもしれません。そんなときでも家賃や従業員への給料を支払えるよう、事業の継続に必要な費用を6ヶ月分ほど準備しておくのが賢明です。

これらを踏まえたうえで、家賃15万円の物件で居酒屋を経営すると仮定したとき、開業のために必要な費用は以下のようになります。

・ 店舗の初期費用:約200万円
・ 内外装費用:約500~1,000万円
・ 機器や什器などの導入費用:約30万円
・ 合計:1,000万円前後

上記はあくまでも一例で、お酒の種類や備品にこだわる場合や、立地がよい場所に出店するのであれば、必要となる金額はさらに増える可能性もあります。事前にきちんとシミュレーションして、必要な資金を把握することが重要です。

関連記事 居酒屋開業に必要な資金の目安は?資金調達の方法や成功するためのポイントも解説!

想定される年収

居酒屋の経営者の年収は、特別な事情がない限り「売上-経費(=営業利益)」で計算することができます。

売上の90%程度が経費となることが多く、その内訳はおおむね以下のイメージです。

・ 食材費(仕入れ費用):約30%
・ 人件費:約30%
・ 家賃:約10%
・ 光熱費:約10%
・ そのほかの費用(広告費用や雑費など):約10%

売上から経費の90%を引き、残った約10%が経営者の年収となります。たとえば、月に500万円を売り上げるお店の場合、経営者の月収は50万円、年収は600万円ほどです。

居酒屋を経営するにあたり、どのくらいの売上を目指すかについては、「年収がどれくらい欲しいか」によって変わるとも言えます。

年収1,000万円を得たいのであれば、月収として約84万円が必要になるため、お店は平均的に月840万円ほどを売り上げなければなりません。

月々の売上は、お店の立地や規模からある程度の想像が立てられるので、そこから算出される年収が希望金額に及ばないのであれば、立地など根本的なことから見直す必要があるでしょう。

居酒屋経営に必要な資格

居酒屋を経営するにあたって、取得しなければならない資格や申請する必要がある届け出がいくつかあります。

それぞれの詳しい内容について説明します。

食品衛生責任者

食品衛生責任者は、居酒屋に限らず飲食店を開業するために必須となる資格です。

各都道府県の食品衛生協会が開催する「食品衛生責任者養成講習会」を受講することで取得でき、受講料は都道府県によって若干異なるものの、おおむね1万円程度となっています。

資格を取得したら終わりではなく、管轄の保健所に届け出なくてはなりません。

なお、栄養士や調理師の資格を有している場合は、食品衛生責任者養成講習会の受講が免除されます。

防火管理者

防火管理者は、収容人数が30名以上の飲食店を開業する場合に必要となる資格です。日本防火・防災協会開催の講習を受講することで取得できます。

店舗の延べ面積によって取得すべき資格が甲種と乙種に分けられており、それぞれ講習の時間や費用が異なるため、取得が必要な種別の講習を受けましょう。

食品衛生責任者と同様に取得するだけでは意味がなく、取得したうえで管轄の消防本部あるいは消防署に届け出る必要があるので、忘れずに行ってください。

深夜酒類提供飲食店営業開始届出書

深夜酒類提供飲食店営業開始届出書は、深夜12時を越えてアルコールを提供する場合に必要となる届け出です。

食品衛生責任者とは異なり、すべての居酒屋で必要な届け出ではありません。条件に該当する場合にのみ手続きを行い、管轄の警察署に届け出ましょう。

居酒屋はフランチャイズで開業することもできる

フランチャイズ本部が提供するサービスや、お店の看板などを利用する権利を得る「フランチャイズ」という形態で居酒屋を経営するのも選択肢のひとつです。

マニュアル化されたオペレーションが用意されていることが多く、従業員の教育に時間をかける必要がありません。本部がまとめて仕入れを行うため材料費が安く済むケースもあり、自分で仕入れ先を探す手間も省けます。

ただし、フランチャイズ本部に毎月ロイヤリティとして一定の金額を支払う必要があるため、その分の支出を踏まえた資金計画を立てなくてはなりません。

また、メニューや運営方針はフランチャイズ本部に依存することから、経営の自由度は大きく下がります。

フランチャイズに加盟するメリットとデメリットをきちんと比較したうえで、加入すべきかどうかを判断してください。

成功のコツをしっかり押さえて居酒屋経営を軌道に乗せよう

毎年多くの居酒屋がオープンする一方で、それと同じくらいの店舗が廃業していくことから、一般的には「居酒屋の経営は難しい」と言われています。

居酒屋の経営を成功させるには、きちんとしたコンセプトを設定し、出店する立地を慎重に選ぶなど、売上に繋がる工夫に取り組むことが重要です。

それでも居酒屋の経営に対する不安が拭えない場合には、飲食店の開業サポートを行っている「canaeru」のようなサービスを利用してはいかがでしょうか。

物件探しから内装業者の紹介まで担っており、開業の相談は無料で受け付けています。「canaeru」を利用して順風満帆なスタートを切ることで、居酒屋の経営を軌道に乗せやすくなるでしょう。

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この記事の監修

株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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