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なぜ飲食店の開業で失敗する?失敗する原因やオーナーの特徴について解説

失敗する飲食店は経営者が「モテない」のが理由って本当?…飲食店失敗例_記事画像

「開店3年目で廃業」ケースが多くみられる飲食業界。
中には1年ももたずに閉店してしまった……という例は珍しくありません。
特に飲食店は競争が激しい世界。
「失敗こそ最大の師」という映画『スターウォーズ』の名言にならい、失敗例から学んでいきましょう。

なぜ、飲食店開業・経営は失敗が多いのか?

日本政策金融公庫が2016年に発表した「新規開業パネル調査(調査期間2011年~2015年)」によると、業種別の廃業率トップは飲食店・宿泊業の18.9%であることがわかりました。
全業種の平均が10.2%であることを考えると、飲食店の経営の難しさが浮き彫りになった形といえるでしょう。
開業数以上に廃業数が高いのが飲食業界。失敗パターンをもとに廃業しやすい飲食店の特徴をみてみましょう。

資金不足

閉店に追い込まれた経営者の中には開業してすぐに手元の資金が尽きてしまった……という方は少なくありません。
毎月の支払として、テナントの家賃や仕入れ代金、またバイトを雇っていれば人件費などの固定費のみならず、融資を受けているなら、その返済に充てる費用も考慮しなければなりません。
そのため、一定以上の売り上げを維持しなければ、いずれ経営が行き詰まるのは目に見えること。
運転資金に悩まされる人は売上ばかりを気にしすぎて経費の計算ができなかったなど、考えが甘いと言わざるを得ないのです。

マーケティング不足

廃業に追い込まれる理由のひとつには、経営の基本となるマーケティング不足が挙げられます。
先にも述べましたが、飲食業界は参入障壁が低いのが特徴。
それだけに競合も多く、長く続けることが難しいもの。
料理の味はもちろん大切ですが、それ以上に大切なのがこのマーケティングなのです。
商圏調査に始まり、開店してからも他店との差別化のための戦略、店舗を多くの人に認知してもらうための宣伝方法や回転率を高める工夫など、さまざまな視点で実施しなくてはいけません。
開業する前も後も、自分の店にとって必要なマーケティングとは何なのか、しっかりと考えるべきです。

人手不足

店舗運営において人件費は大きな割合を占め、一般的には売上比率の30%程度が適正だといわれています。
そのことを考慮できなければ、従業員を何人雇うのか、採用コストにいくら掛けるのか計算できることはできません。
ただでさえ飲食業界は人材不足。
そのあおりを受け、人件費高騰で採算が取れなくなっている店は閉店を余儀なくされているのが今の日本の現状です。

そもそも、独立・開業・起業の業界に飲食業界が選ばれやすい理由は?

飲食店は身近な存在であるからこそ、自分なりのビジネスモデルを描きやすいともいえます。
それだけに他業種に比べて参入する人も多いのですが、廃業数も多い理由のひとつは考えの甘さがあります。
料理以外に必要な「経営者目線」が圧倒的に欠けている人はまさに顕著な例といえるでしょう。逆
に言えばこの目線は絶対的に必要なもので、経営ノウハウを身に付けていなければ厳しい世界では勝ち抜くことができません。
飲食業界で成功するには「商品開発力」を持つことも大切ですが、それ以上に「商売力」も持たなければいけません。
他店にはない新しいメニューが完成したとしても、肝心の接客や宣伝がイマイチでは話題にすら上りません。
「このメニューを大々的に売り出したい!」と思うのであれば、売る能力を磨くべき。
海外で流行っているからと日本で紹介したいと考える人は多いようですが、同じようにブレイクするとは限らず、そもそも流行りものや新しいものなら定番化させる必要があります。
その努力こそ「商売力」でもあるのです。

失敗する飲食店経営者に共通する特徴とは?

店舗が拡大し従業員も増えてくると、マネジメントについて考える必要があります。
これができない経営者だと従業員が離れていき、閉店に追い込まれることも少なくありません。
つまり従業員から「モテる」能力が圧倒的に欠けているということなのです。

モテない経営者に欠けている能力とは

会社を牽引するトップの多くが「リーダーシップ」、「決断力」、「知識」、「管理能力」を身に付けているものですが、このような素養は日々の勉強で身に付けることは可能。
ただし、従業員との「コミュニケーション」は勉強だけで積み上げられるものではありません。
従業員が辞めがちな店では、コミュニケーションが不足し、経営者との信頼関係が構築できていない場合が多々みられます。

口先ばかりの経営者はもちろんモテない

「文句ばかり言って自分は動かない上司」。
どんな職場にもこのような人はいるものですが、部下の信頼を最も失うタイプだといえるでしょう。
経営者はリーダーとして先頭に立ち、皆を引っ張って行く存在であることが求められるだけに、自身が率先してお手本となるような働きぶりを見せることも時に必要。
また経営者ともなると売上管理はしなければいけないことですが、数字を気にするあまり、従業員に対しあれやこれやと一方的な物言いに終始してしまったらどうでしょう。
店のために働いてくれる従業員へのケアもなく、ただただ数字に口うるさいだけだと、やる気をそぐことにしかなりません。

モテない経営者は「教育」を理解していない

従業員がミスをした場合、経営者として厳しく対応することも必要ですが、中途半端になってしまっては何が悪かったのか相手の理解を得られることはできません。
また相手の言い分に耳を持たず、一方的に叱るのは場合によってパワハラと捉えられることも。
大事なのは怒りに任せて叱るのではなく、従業員の成長を考えてどう対応するかということです。
「怒る」と「叱る」を履き違えたままでは、相手にとって理不尽な感情を植え付けてしまい、離職という結果を招いてしまいます。

失敗する飲食店の共通点

あるデータによると利益を出している飲食店は全体の3割程度。
つまり、飲食店の7割が赤字だというのです。
こうした赤字店にはある共通点がみられるのです。

1.リピート率・回転率が低い

開店当初はその珍しさから来てくれたものの、パタリと客足が止まってしまった……。
そんな経験を持つ店は少なくありません。
また行きたいと思うお店は、料理の味や酒類の豊富さ、接客の良さ、コストパフォーマンスなど「行く価値のあるお店」であることを印象付けられているのです。
リポートがないのは、そのお店に取り立てて印象を持つようなこともなく、行ったことすら忘れ去られてしまったということ。
一方、回転率の低さはオペレーションの悪さが原因になっていることが多いです。

2.メニューが無造作に多い

売上が悪いからと言って安易に料理メニューのバリエーションを増やしてしまうと、結果として仕入れ材料も増え、コストがかさみすぎてしまう原因に。
また、食材の大量なロスが出れば、廃棄コストがかかることもあります。
他店との差別化や集客のための新メニューの開発は大切なことですが、料理のロスや原価管理などのムダを放置してしまっては、結果として自分たちの首を絞めることになりかねません。

飲食店経営で失敗しないために抑えておきたいポイント

「儲かっている」と感じる度合は人によって違いがありますが、ここでは「全国平均給与並みにお金がもらえて、かつ貯蓄が可能な状態」を「儲かっている」と定義し、それを実現するための手段を見ていきましょう。
会社員の平均年収は約400万円台といわれていますが、小規模飲食店オーナーはそれを下回っているのが実状です。
もちろん、それ以上の所得がある経営者もいますが、この違いはどこで出てくるのでしょうか。

熟知すべきは「商圏」

そもそも飲食業界では自分のやりたい業態の店が商圏内でバッティングしないのが望ましいとされています。
儲けている経営者は、客層や繁盛する時間帯といったデータの収集に長け、見極めもうまく、他店にはない独自の商品やサービスを提供しています。
「商圏」を熟知しているからこその成せる業といえるでしょう。

お客様に覚えてもらえる「強み」を持つ

儲かっている店は、お客様に「行くならあの店」と覚えてもらえる打ち出し方をしています。
例えば、飲食業界において「アジアン料理店」はもはや定番ですが、これが「パクチーをたっぷり使ったアジアン料理店」としたらどうでしょう。
女性人気の高いパクチーだからこそ、このアプローチは効果的。
つまり儲かっている店とは、そうした売りをより具体的に明示し、武器にしているのです。

職人こそ「経営」視点を

「店は味がすべて」と考えがちな職人気質の経営者。
彼らに「経営視点」が抜け落ちていることは少なくありません。
例えば、「美味しいコーヒー」を打ち出すことはあっても、「個室感覚の予約席がある」と謳うカフェはそう多くはありません。
それゆえに「デートや打ち合わせのときはあの店」という意識を植え付けることも可能。
経営者として味以外に与えられる価値は何なのか考えることが大切です。

数字を徹底して追う

儲かっている飲食店ほど、「売上」や「原価」、「客数」といった数字分析を徹底して行っています。
小さな変動でも原因が明確になれば、改善につなげることができるからです。
例えば、ランチ客の流れに変化があった背景には、「常連のお客様が勤めている企業が移転していた」といった思わぬ要因が潜んでいることも。
分析ができていれば、メニューを調整するなどスムーズな対応も可能。
売上不振になるまで気がつかない経営者は、当然、飲食業界では勝ち残れません。

飲食店経営を成功させるための必要準備

市場リサーチをしっかりおこなう

飲食店を経営したい動機として、様々なケースがあります。
例えば、自分が料理好きでそれを職業にしたい場合や、人とコミュニケーションを取ることが好きで、人が集まる飲食店を経営したいという場合もあります。
希望を抱いて飲食店を経営することは悪いことではありませんが、安易な考えで経営に乗り出すのはよくありません。
安易なきっかけだけで飲食店をオープンさせても、お客様のニーズにマッチしないと売上を伸ばすのは難しいでしょう。

お客様のニーズを把握するためには、まずは市場リサーチを行う必要があります。
市場リサーチとは、出店を想定しているエリアにおいて、どのような人が集まるのかを調査することを指します。
また、周囲にはどのような飲食店があって、どのような客層が利用しているのかもチェックしていきます。
他店を実際に利用したり、場合によっては経営者に質問することで、大まかな客層などを把握することが可能です。
単に、競合店の真似をしても意味がなく、提供されているメニューの味や使用されている材料、そしてサービス内容などをリサーチして、他店との差別化を検討していきます。

お店のコンセプトを決定する

市場リサーチをすることで、どのようなお客様をターゲットにするべきかが見えてきます。
その結果から、経営する飲食店のコンセプトを決定していきます。
お店のコンセプトを決定すれば、店舗設計からメニューの種類、そして従業員の対応まで一貫性を持たせることが可能です。
お店を利用するお客様としては、一貫性があるお店はインパクトが強く、印象に残りやすいケースが多いです。
印象の残ればまた来店したいと思わせることができ、リピート客を獲得に繋がります。
また、特定のコンセプトがあるお店には、熱狂的な固定客が付きやすい傾向もあります。
コンセプトを決定する上で、とくに以下のポイントを具現化していくことが重要です。
・なぜ飲食店経営を始めるのか
・いつ頃にオープンするのか
・どのエリアでオープンするのか
・誰をターゲットにするのか
・何を提供するのか
とくに、なぜ飲食店経営を始めるのかについては、最も重要なポイントになります。

最適な物件を選ぶ

少しでも多くのお客様に足を運んでもらうためには、好立地な場所に出店できるかが鍵となります。
どれだけ、店の雰囲気が良かったり魅力的なメニューを提供しても、来店しにくいロケーションに出店した場合なかなか集客に繋がりません。
駅前や繁華街など人出が多い場所に出店するのがベターですが、通常は人が多く集まる場所は賃料が高い場合が多いです。
予算を意識しつつ、どの物件を選ぶかを慎重に決定してください。
市場リサーチの結果からどのようなお客様が来店しそうかを把握した上で場所選びするのもポイントです。
例えば、駅に近い場所ではアルコールの売り上げが伸びやすい傾向があったり、ビジネス街では企業で働く方からの需要が期待できます。
経営したいお店が、その需要にマッチしていないと意味がないため、エリアごとの特徴をしっかりと把握して物件を選びましょう。

魅力的なメニューを開発する

飲食店を利用する目的は様々ですが、やはりおいしい料理は必要不可欠。
そのニーズに応じてどれだけ魅力的なメニューを提供できるかがポイントとなります。
強いこだわりのあるメニュー一本で勝負するのも良いですし、なるべく豊富なメニューを提供して幅広いニーズに応じるのも良しでしょう。
コンセプトに合わせてスタイルを決めてメニューを開発してください。
メニュー内容と同時に、原価を意識して無駄なく調理できるかも重要になります。

人材確保と育成をおこなう

大きな規模の店舗を経営する場合は、人材の採用が必要となります。
人材採用の場合、どれだけ優秀な人材を採用できるかが重要なポイントです。
採用ポイントとしては、飲食店での勤務経験の有無をよく確認してください。
もし、飲食店の勤務経験があれば、それだけで即戦力となる可能性があります。
他にも、前職の雇用期間が長くすぐに離職するような人物ではないこと、コミュニケーション能力が高いことなどを重視しましょう。
人材を確保したらそれで終わりではありません。
従業員に一定の責任と権限を与えて成長を促すことも重要です。
従業員のモチベーションの維持・向上のため、定期的に面談したり報奨制度を採用して努力を評価するなどの対応を図ると良いでしょう。

関連記事 飲食店の開業に必要なこととは?開業までの準備を紹介

まとめ:「料理がおいしいこと」と「売上」は比例しない

ここまで読んで、気づいた人は気づいたと思いますが、飲食店経営の失敗談に、「料理」についての話しが出てきてないですよね。
そう、飲食店経営が失敗するのに、提供する料理はほぼ関係ないのです。

「あのラーメン屋、おいしくないから潰れた…」「あの焼肉屋は、肉が安っぽかったから潰れた」というような噂話し、よく聞きますよね。
飲食店はおいしくないから潰れるのではなく、経営者が「経営」をできないから潰れるのです。

これから飲食店を開業するならば、「料理」ではなく「経営」を学ぶべきなのでは、先人を見ても明確と言えるでしょう。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

canaeruは年間300件以上の開業サポート実績!

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