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飲食店の人手不足解消のカギとは?DXやロボティクス導入のメリットも解説

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コロナ禍によって大きな打撃を受けた飲食業界。一時は緊急事態宣言の解除によって人流が回復し、飲食店にも活気が戻ってきたものの、深刻な人手不足に悩まされています。未だコロナの収束の兆しが見えない中、飲食店はいかにして人手不足を解消していけば良いのでしょうか。
この記事では、人手不足を解消するための手段として注目されるDXについて解説。その1つであるロボティクスのメリットやデメリットについても紹介します。

深刻さを増す飲食店の人手不足

以前から叫ばれている飲食店の人手不足ですが、コロナ禍によってその状況はさらに悪化。2021年秋、緊急事態宣言・​​まん延防止措置の解除によって街中に活気が戻り、飲食店の求人数も急増しましたが、人手不足は改善されていません。
その理由の1つとして考えられているのは、働き手の間で飲食店離れが進んでいることです。長引くコロナ禍で解雇されたり、シフトを減らされたりしたことをきっかけに、他業界へ転職してしまったケースも。これまで働いていたスタッフが戻ってきてくれるという期待が薄くなり、飲食業界内では数少ない求職者をかけた人材争奪戦が勃発しています。

人手不足は負の連鎖を生む

しかし、人材が集まらないからといって、人手不足のままで店を回そうとするのは非常に危険です。人手不足の状態では

スタッフ一人ひとりの業務負担が増える

手が回らないことで不満が募り、スタッフが離職する

さらに人手が減少したことで、サービス品質が低下

お客様からのクレームが発生。客離れが進む

といった負の連鎖を生みます。
途中で新しいスタッフを雇えたとしても、スタッフ教育の時間が取れない状況であれば、サービス品質を上げることは難しくなります。その結果、新人スタッフの未熟な接客によって店の評判を下げてしまう可能性もあるのです。

2022年も厳しい局面が続く

新たな変異株が次々に登場していることから、未だコロナの収束の兆しは見えず、2022年も日本経済はしばらく厳しい局面が続くと見込まれます。
さらに、原油や原材料の価格高騰という深刻な課題も重なり、経営を圧迫する事態に。人材不足を補うために賃金アップを試みていた飲食店も厳しい状況におかれています。
よって、単に人員を増やすのではなく、人材不足を解消するための新たな施策が必要になってきます。

人手不足の解消方法は?

DXの活用

「DX」とは、Digital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略です。よく似た言葉として「IT」が挙げられますが、ITとは情報技術のこと。インターネットなどのネットワークを駆使してさまざまな物事を便利に、効率的に進めるための「技術」を指します。一方のDXは、こうした情報技術を手段として、製品やサービス、企業活動の「変革」を進めることを意味します。

飲食店におけるDX化事例として挙げられるのは、セルフオーダーシステムやキャッシュレス決済、WEBでの予約受付の導入など。業務のDX化によって業務の効率化やコスト削減といったメリットが期待できます。
また、DXを活用することで、お客様の注文内容や滞在時間、客単価といったデータの蓄積が可能に。顧客や売上のデータ分析・管理が容易になり、より効果的なマーケティング施策を打てるようになります。

・セルフオーダーシステムの導入
オーダー業務の効率化のため券売機を導入する手もありますが、券売機で対応できるのは、ラーメン屋や牛丼店といったメニュー数が少ない飲食店に限定されます。しかし、スマホやタブレットによるセルフオーダーシステムであれば、メニュー数の多い居酒屋やレストランでも対応が可能に。
オーダー業務を省人化する分、厨房での調理や接客に集中できるようになり、業務効率化と同時に、結果的に顧客満足度のアップにつながります。

・キャッシュレス決済の導入
会計業務の効率化に有効なのがキャッシュレス決済です。現金での会計とは異なり、お釣りの受け渡しが発生しないだけでなく、渡し間違いのトラブルも防ぐことができます。また、売上が全てデータ化されるため、レジ締め作業や経理処理も楽に行えます。

・スタッフ間の業務連絡もデジタル化
ビジネスチャットツールを導入することで、スタッフ間の業務連絡や引き継ぎ事項もよりスムーズに伝達できます。また、昔は手書きが当たり前だったシフト表も、デジタル管理することで利便性が高まり、急なシフト変更も即座に全スタッフに共有可能。その後の給与計算も楽になるなど、メリットづくしです。

このように、人材不足解消のためには、省人化・デジタル化できる業務と、人を手をかけるべき業務とを上手く切り分けていく必要があります。

ロボティクスの導入

「ロボティクス」とは、ロボットの設計、製作、コントロールを行う「ロボット工学」のことです。ロボティクスもDXの1つであり、飲食店においては、人手不足の解消策として配膳・運搬ロボットが注目を集めています。
配膳・運搬ロボットは人手不足を補うだけでなく、スタッフとお客様の接触機会を減らす意味でも有効で、ニューノーマル時代の需要にもマッチ。大手外食チェーンが続々と導入し、話題になっています。

3Dカメラや高性能のセンサーを備えた配膳・運搬ロボットは、タッチパネルなどの簡単な操作で目的の場所まで自走し、料理や食器などを安定的に運びます。障害物の回避が可能な上に、自動で客席から厨房へと戻る機能も。
料理や食器をロボットに乗せる作業は人が行うことになりますが、配膳やバッシング業務の一部をロボットに任せられるというのは非常に画期的です。

そんな飲食業界が注目する配膳・運搬ロボットのメリットとデメリットは、以下の通りです。

▼メリット
・一度にたくさんの料理や食器を運ぶことができ、人材不足の解消と業務の効率化につながる
・省人化によって人件費を削減できる
・コロナ禍における非対面・非接触のニーズに応えられる

▼デメリット
・1台あたり300万円程度〜と非常に高価である
・段差があったり、通路の幅が狭かったりする場合は導入が難しい
・ロボットで運ぶと無機質で冷たい印象になりがちで、人による温かみが薄れる

費用面や導入時の課題はあるものの、人材不足の解消と業務効率化のためには非常に有効な選択肢であるといえます。また、配膳・運搬ロボットそのものがまだまだ物珍しい存在であるため、配膳・運搬ロボットを導入していることが話題性や来客のきっかけにもつながるでしょう。

労働環境の改善

飲食業界は拘束時間が長い傾向にあり、一般的な企業と比べて年間休日が少ないなど、労働環境面の悪さから敬遠されがちです。有給休暇や連続休暇を取りやすい環境を整え、アピールするだけでも人が集まりやすくなり、人材の定着にもつながります。
その他にも、飲食店では珍しい退職金制度の整備、住宅手当の支給など、福利厚生を充実させることも有効とされます。事例として、大手うどんチェーン店の「はなまるうどん」は、福利厚生面が充実した企業として有名です。夏季休暇、冬季休暇として7連休を取得する制度や、単身赴任の場合に支給される帰省手当などが整えられています。

DXで人手不足の解消と業務効率化を目指そう

コロナ禍によって、より深刻さを増している飲食店の人手不足問題。人手不足をそのままにしておくと、サービス品質の低下やクレームの発生、客離れといった、負の連鎖を招きかねません。
それを避けるためには、ただ人員を増やすのではなく、セルフオーダーシステムやキャッシュレス決済、ロボティクスなど、DX化を進めていくことが必要です。省人化できる業務と、人を手をかけるべき業務とを上手く切り分けていくこと。それは結果的に、人手不足の解消のみならず、業務の効率化や顧客満足度のアップにつながっていきます。

ライター:上田はるか(フリーライター)

大学卒業後、輸入食品商社に勤務し、新規店舗の立ち上げや自社直営ティーサロンのメニュー開発を経験。その後、大手ギフト会社の企画開発部、広報宣伝部を経てフリーランスに。現在はWEB媒体をメインに、食ジャンルの原稿執筆を行う。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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