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個人事業主として開業するには?手順や方法、必要資金の目安を解説
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将来、独立や副業を検討しているものの、何から始めればよいかわからない方へ。この記事では、開業までのステップや必要な手続き、資金目安について最新情報に基づいて優しく丁寧に解説します。
具体的な手続きの流れや費用感がつかめ、自分にもできそうだという自信につながる内容です。さらに、資金を抑える工夫や支援制度の活用法にも触れ、初心者でも安心して準備を進められるイメージを持てるようにします。
目次
開業とは何か
開業とは、新たに事業を始めることを指します。特に飲食店や小売店など、物理的な店舗を持つビジネスを開始することが一般的に「開業」と呼ばれます。飲食店の開業を目指す方にとって、店舗の設立から運営までの一連の流れを理解することは重要です。このテーマでは、開業の基本的な概念を把握し、具体的なステップを明確にすることで、開業の第一歩を踏み出すための基礎知識を提供します。
開業には、事業の目的や規模に応じた計画の立案、資金調達、法的手続きなどが含まれます。また、開業は単に店舗を開くことだけでなく、事業の方向性や運営方針を明確にすることも求められます。こうした準備により、事業の成功に向けた基盤を築くことができるのです。開業前に知っておくべき基礎知識
開業前に知っておくべき基礎知識
開業前に知っておくべき基礎知識は、成功への鍵となります。個人事業主か法人かによって異なる手続き、責任、税金の違いを知ることが重要です。これにより、開業の準備や実行がスムーズに進められます。
個人事業主と法人の違い
手軽さやコストを重視するなら個人事業主、信用面や節税、責任においては法人が適しています。
個人事業主は開業届を提出するだけで開始可能で、手続きのコストもかからず簡単です。一方、税制面では所得税が累進課税として課されます。利益が増えるほど税率が上昇するため、リスク管理が重要です。また、個人資産で無制限の責任を負う点も考慮する必要があります。
法人は設立時に登記が必要で、設立に約20万円程度の費用と時間がかかります。法人税は一定率ですが、中小企業なら800万円以下に軽減税率があります。責任が有限になり、個人の財産を守れる面で安心です。ただし、運営に経費と管理が必要です。
開業後の戦略や成長を考慮して、最適な形態を選びましょう。
開業に向いている人・向いていない人
開業は適性と考え方が成功のカギです。
【向いている人】
・自ら積極的に動き、自律的な姿勢を持つことが重要です。
・行動力が高く、チャレンジ精神を持ち失敗を恐れない。これにより新たな機会を掴むことができます。
・リスクを受け入れつつ常に新しい発想で進化を図る柔軟な考え方を持つと、多様な環境に適応できます。
向いていない人
・安定を最優先し、変化を避けがちであると開業には不向きです。
・受け身で指示待ちになりやすいと、自らの力を発揮できない可能性があります。
補足として、スキルよりも起業に対する考え方や姿勢が大きく影響し、結果には時間軸と挑戦が伴います。
開業の主な種類(店舗・在宅・副業など)|簡単に始められるのは?
事業スタイルはライフスタイルに合わせて選ぶのが鍵です。
【店舗型(飲食・サロンなど)】
メリット:対面で集客しやすく体験価値を提供できる/デメリット:物件や設備、店舗運営のコストが高い
【在宅型(Web・ハンドメイドなど)】
メリット:初期投資が抑えられ、自宅で始められる手軽さ/デメリット:集客やブランド構築に工夫が必要
【副業型(週末起業など)】
メリット:リスクを抑えながら経験を積める/デメリット:時間が限られ、成長スピードは緩やかになりがち
個人事業主として開業するメリット
個人事業主として開業することには、多くのメリットがあります。特に、飲食店で働く方にとって、自分のビジネスを持つことは、夢を実現する一歩となるでしょう。
このテーマでは、個人事業主として開業する際の具体的なメリットを解説し、開業を検討する際の参考にしていただけます。自分のやりたい仕事や事業を自由に決められる
個人事業主として開業する最大のメリットは、自分のやりたい仕事や事業を自由に決められることです。例えば飲食店なら、メニューの内容や店舗のコンセプト、サービスのスタイルなど、すべて自分の思い通りに設計することが可能です。
これにより、自分のビジョンを具現化しやすくなり、やりがいのある仕事ができるでしょう。利益に上限がない
個人事業主としての開業では、利益に上限がないという点も魅力的です。会社員の給与のように固定された収入ではなく、事業の成功に応じて収入が増える可能性があります。
特に飲食店では、集客力やメニューの人気が直接利益に影響します。自分の努力次第で、収入を大きく伸ばすことができるのです。働き方を自由に決められる
個人事業主としての開業は、働き方を自由に決められる点でも大きなメリットがあります。飲食店であれば、営業時間や休日を自分のライフスタイルに合わせて設定することが可能です。
これにより、家庭やプライベートの時間を大切にしながら、仕事とバランスを取ることができます。また、必要に応じて新しい取り組みを試す自由もあり、柔軟な働き方を実現できます。個人事業主として開業するデメリット
個人事業主として開業を考えている方にとって、メリットだけでなくデメリットも理解することが重要です。
このテーマでは、開業に伴うリスクや困難について詳しく解説し、事前に知っておくべきポイントを明確にします。
収入が安定しない
個人事業主として開業する際の大きなデメリットの一つは、収入が安定しないことです。特に開業初期は顧客が定着するまで時間がかかるため、売上が不安定になりがちです。さらに、季節や経済状況によっても影響を受けることがあります。
そのため、安定した生活を維持するには、しっかりとした資金計画と経費管理が欠かせません。
事業が失敗するリスクがある
個人事業主として開業する際には、事業が失敗するリスクを考慮する必要があります。市場の競争が激しい中で、十分な差別化ができないと顧客を獲得できず、事業が停滞する可能性があります。また、経済状況の変動や予期せぬトラブルにより、計画通りに進まないこともあります。
このため、リスク管理や柔軟な対応策を準備しておくことが重要です。
資金調達が大変
個人事業主としての開業は、資金調達のむずかしさがデメリットとして挙げられます。銀行からの融資を受けるには、信用力や事業計画の説得力が求められます。また、自己資金だけで運営する場合、資金不足に陥るリスクがあります。
資金調達の選択肢を広げるためには、事業計画をしっかりと練り、必要に応じて専門家のアドバイスを受けることが有効です。
失業給付が受けられない
個人事業主として開業した場合、失業給付が受けられないこともデメリットの一つです。これは、個人事業主は雇用保険に加入していないためです。事業が不調に陥った場合でも、従業員としての失業給付を受けることができず、生活の不安定さが増す可能性があります。
このため、開業前に十分な貯蓄を用意し、事業が軌道に乗るまでの生活費を確保しておくことが重要です。また、事業が不調に陥った際の対策として、他の収入源を確保する方法を考えておくことも大切です。
開業するまでの全体の流れとスケジュール
個人事業主とは、法人を設立せず個人でビジネスを営む人のことで、個人経営の飲食店オーナーや、独立開業した美容師・税理士、在宅で仕事をするWebデザイナーなどが該当します。
個人事業主として開業するには、事前の計画と手続きが欠かせません。開業する流れを簡単にまとめたものが以下です。
1. 事業内容を明確にする
2. 初期費用&運転資金の確保
3. 税務署に開業届を提出する
4. 告知する
まず初めに、事業内容を明確にすること
から始めましょう。自身が提供する商品やサービスを具体化し、それを必要とする顧客層を定めていきます。その後、競合店の状況や市場の動向を調査し、ニーズがある事業なのか、収益がある事業なのかを確認します。
次に、初期費用や運転資金を見積もり、資金を確保
しましょう。自己資金だけでまかなえない場合は、融資や補助金など、利用できる選択肢から検討します。
開業の目途が立ったら、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を提出
します。事業内容によっては、営業許可や資格が必要となる場合もあるため、所轄の自治体で詳細を確認しましょう。また、事業運営に必要な銀行口座の開設や事業用クレジットカードの作成など、取引をスムーズに進めるための準備も行います。事務所や店舗を構える場合は、適切な物件選びや契約手続きも必要です。
最後に、事業を広く認知してもらうための準備を行います。WebサイトやSNSで情報を発信し、広告やチラシを活用してターゲット層にアピールしましょう。開業後も、顧客の反応を見ながらサービスを改善し、事業を成長させる努力を続けることが大切
です。一つずつ計画的に進めることで、スムーズなスタートが切れるはずです。
参考記事 個人事業主として起業するには?具体的な手順や手続きを解説
開業までの手順(全体像)
開業を成功に導くためにはスムーズな準備の全体像を把握することが重要です。
1. 事業計画:事業の目的や方向性を明確にすることで、計画の柱をしっかりと定めます。また、競合や市場動向を調査し、実現可能なビジョンを描きます。
2. 資金調達:必要な資金を詳細に見積もり、自己資金や融資の選択肢を検討。支援制度や助成金も視野に入れましょう。
3. 物件・準備:事業に必要な設備や拠点を選び、適切な環境を整えるために時間をかけて予算を管理します。
4. 手続き:開業届や許可申請などの法的な手続きを確実に進め、行政窓口とも密に連携します。
5. 開業:準備が整ったら、正式に事業をスタートし、計画に基づいた運営を開始します。全体像を把握することで、確実なステップが実現します。
開業6ヶ月前〜直前までのスケジュール
結論として、時系列に沿って計画を立てることで、効率的に開業が進められます。綿密なスケジュール管理が成功のカギとなります。
6ヶ月前:市場調査を実施し、事業プランを徹底的に検討します。競合分析と対象市場の定義、資金計画の大枠を立てることが求められます。
3ヶ月前:具体的な資金手配や物件契約、設備の手配を進め、安全性や見込み利益を再確認し、事業の可能性を評価します。
1ヶ月前:開業届提出、税務署や各種行政機関での手続きを完了し、必要な備品の調達や販促ツールの準備を整えます。ブランドやサービスの打ち出し方を最終調整します。
直前:最終的な確認として、営業動線やシミュレーションを行い、不備を見つけて修正します。この時期は全体のバランスを確認し、円滑にビジネスを開始する基盤を築きます。
開業するには何をするべき?必要な準備
開業に向けた準備では、まず事業の方向性と資金計画を整理しておくことが重要です。この後のステップでは、特に事業コンセプトの設計やターゲット調査、資金の見通しなど、それぞれ具体的に取り上げます。
事業内容・コンセプトを決める
誰に何を提供するかを明確にすることが、ブレない事業の軸を築くための第一歩です。
ステップ1:ターゲットとなる顧客層をしっかりと想定し、そのニーズに応えるサービスや商品を具体化します。例えば、若年層向けの健康志向メニューなどが考えられます。
ステップ2:競合との差別化ポイントを明確に設定し、価格や品質で独自性を出すことが重要です。
ステップ3:コンセプトが曖昧だと集客がぶれ、運営が不安定になり失敗リスクが高まります。したがって、継続的に見直しつつ、事業の方向性を安定させることが求められます。
ターゲットと市場調査を行う
市場調査を通じてターゲットのニーズと市場の状況をしっかり把握することが成功の基盤になります。
【調査項目】
・ターゲット設定:誰に提供するのか、年齢・性別・ライフスタイルなどを具体的に想定し、その具体的なニーズを深掘りします。
・競合分析:競合が提供するサービスや商品を詳細に分析し、強みや弱みを明確にします。
・立地・需要調査:店舗型であれば周辺地域の客層や需要、競合店舗の状況、自宅型ならばWebや配送の需要を確認します。
調査が不十分だとニーズとズレが生じ、開業後の集客や収益に大きく影響します。慎重に進めることが成功の鍵となります。
家族や周囲に相談・報告する
事業を始めるには、さまざまな場面で家族や知人の助けが必要になることがあります。事業がうまくいかない場合、家族のサポートを受けることもあるでしょう。同じ業界で働く知人に、経営の相談にのってもらうこともあるかもしれません。
開業後に協力をお願いする可能性がある近しい方々には、事前に開業することを報告し、理解を得ておくことが望ましいです。
取引先・販路を開拓する
開業に向けて、取引先の開拓を始めておきましょう。事業を安定して継続するためには、複数の取引先を確保することが必須だからです。
開業してから取引先の開拓を始めようと考える人も少なくありませんが、それでは開拓がうまくいかなかった場合、計画通りに事業を進めることが難しくなってしまいます。事業計画を立てるためにも事前に取引先を開拓しておき、売上や事業のスケジュールを盛り込めるようにしておくとよいでしょう。
企業向けにビジネスを行う場合は受注元、個人向けのビジネスを行う場合は仕入先を少しずつ開拓しておきたいところです。
事業計画書を作成する
事業計画書とは、事業内容やコンセプト、収益や経費の予測など、開業後にどのように事業を運営していくかなどを内外に説明するための書類です。
開業資金の算出や開業前後にやるべきことも明確になるため、スムーズに開業準備が進められるうえに、取り組むべき物事の優先順位もつけやすくなるでしょう。
また事業計画書は、日本政策金融公庫や銀行などから融資を受ける際に提出を求められます。自己資金だけでは開業に必要な資金が足りず、金融機関からの融資を検討している場合は必ず作成しましょう。
開業に必要な資金と資金調達方法
開業前の資金計画は、事業を成功させるための重要なポイントです。まず、開業時に必要な資金の具体的な項目を整理しましょう。ここでは飲食店の開業を想定して進めていきます。
開業費用の主な項目としては、店舗の内外装工事や厨房設備、必要な機器等を購入するための設備費
が挙げられます。さらに、開業後の数か月間にかかる人件費や仕入れ代金を賄うための資金である運転資金
と、予想外の出費に備えるための予備費
の3点があります。これらの合計金額の目安は、10坪の飲食店で、800万円〜1,000万円程度といわれています。
【飲食店の開業時に必要な経費の目安】
設備費 600万円〜800万円 運転資金 150万円 予備費 50万円
次に、資金調達方法を検討します。自己資金を活用する場合、リスクが少なく柔軟に事業を進められるものの、資金が不足することもあるでしょう。融資を利用する場合は、銀行や信用金庫などに収支計画書を盛り込んだ事業計画書を提出し、審査を通過する必要があります。また、政府や自治体が提供する補助金や助成金も活用できる場合があるため、各種制度を確認しましょう。
【収支計画表(月次)のサンプル例】
1月 2月 合計 売上高 売上原価 売上高総利益 地代家賃 人件費 水道光熱費 広告宣伝費 旅費交通費 通信費 その他 一般管理費の合計
※上記の表は1月と2月の2か月分のみ表記していますが、実際は12月まで記入します。開業資金の目安
業種や規模によって開業資金は数十万円から数百万円以上と幅がある点を理解しましょう。
金額の目安:在宅型であれば数十万円程度、自宅でパソコン・通信費が中心。店舗型(特に飲食店など)は広さや設備によって数百万円〜数千万円の規模に及ぶこともあります。
業種別の違い:自宅でPC中心のビジネスは費用が抑えられる一方、店舗型では家賃・設備・内装などの固定費が重くのしかかるため、見通しを組む際は両者の違いを意識してください。
資金の内訳と考え方
開業資金の項目をしっかり整理することで、準備不足による失敗を防げます。
【費用項目】
・設備費/物件取得費:店舗を構える際の敷金・保証金、内装や什器、備品などが発生します。
・仕入れ費・広告費:原材料や商品仕入れにかかる費用や、販促のための広告費が必要です。
・運転資金(数ヶ月分):家賃・光熱費・通信費・社会保険料など、事業を継続するための生活費や事業費が必要です。
・見落としがちな費用:許認可取得費、印刷物、会計ソフト、事業用口座の開設費など、予想しにくい経費も考慮しておくことが重要です。
開業資金を抑える方法
初期投資を賢く抑えることで経営リスクの低減を図ることが可能です。
【方法】
・自宅開業:店舗を構えずに家計と区別された設備のみでスタートすることで、家賃などの固定費を削減できます。
・中古設備の活用:調理器具や什器などを中古でそろえることで、初期費用を大幅に節約することが可能です。
・スモールスタート:まずは規模を小さくして、徐々に事業拡大を図ります。これにより、初期の失敗リスクを軽減できます。
・固定費削減:テレワークやサブスクを活用して、通信費などの継続的なコストを抑えます。
補助金・助成金について
返済が不要な資金として補助金や助成金を活用することは非常に有効です。
メリット:原則として返済不要であるため、資金負担を軽減できます。ただし、条件未達や不正受給があると返還を求められます。
具体例:「小規模事業者持続化補助金」などがあり、販路拡大や設備投資のための支援を受けられます。
注意点:申請には手間がかかりますが、要件を正確に理解して期限や必要書類に注意して対応することが重要です。実践力を高めるためには、情報を随時更新・確認する姿勢が求められます。
日本政策金融公庫の創業融資について
日本政策金融公庫の創業融資はいくつかの種類がありますが、個人事業主として開業する場合は主に「新規開業資金」を利用します。申請条件は、新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方です。
融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)、返済期間は設備資金が20年以内、運転資金は10年以内とされており、金利は保証人や担保の有無、特定の条件等で異なります。審査のポイントは、事業計画の具体性と実現できる可能性、自己資金の割合や過去の信用情報といわれています。
日本政策金融公庫への申請手順は以下のステップで行います。
1. 事前相談(電話・支店・オンライン)
2. 申し込み(オンライン)
3. 面談(支店・オンライン)
4. 融資決定
融資の申請に必要な書類は以下のとおりです。
●創業計画書
●設備資金の見積書
●担保を希望の場合は、不動産の登記簿謄本または登記事項証明書
●生活衛生関係の事業を営む場合は、都道府県知事の「推せん書」(借入申込金額が500万円以下の場合は不要。)または、生活衛生同業組合の「振興事業に係る資金証明書」
●運転免許証(両面)またはパスポート(顔写真のページおよび現住所等の記載のあるページ)
●許認可証(飲食店などの許可・届出等が必要な事業を営んでいる方)
●日本公庫電子契約サービス(国民生活事業)利用申込書(日本公庫電子契約サービス(国民生活事業)の利用を希望される方)
●送金先口座の預金通帳の写し(表紙、見開き1ページ目)(日本公庫電子契約サービス(国民生活事業)の利用を希望される方)
融資の申請に関して詳しくは「日本政策金融公庫|創業予定の方」をご確認ください。
「新規開業資金」は「日本政策金融公庫|創業融資のご案内」でチェックしましょう。
創業計画書(事業計画書)のテンプレートや書き方のサンプルが必要な方は下記の記事もご確認ください。
関連記事 事業計画書とは?書き方やメリット、記入例などを解説!無料のテンプレート付き開業に必要な手続き・届け出
ここからは開業するために必要な3つの手続き・届け出を解説します。
①開業届の提出
②保険・年金の手続き
③許認可の届け出
上記の手続き・届け出はいずれも難しいものではありませんが、場合によっては手続きに時間がかかるものもあります。計画通りに事業を始めるには上記の手続きが必須となるため、開業を目指す方は参考にしてください。
開業届の提出
まずは開業届を提出しましょう。開業届は税務署の窓口でもらえるほか、国税庁のホームページからダウンロードすることもできます。
記入する項目は以下のとおりです。
✓提出先(所轄の税務署名)・提出日
✓納税地(納税地以外に住所地・事務所等がある場合は記載)
✓氏名・生年月日・個人番号・職業・屋号(※必須ではない)
✓届出の区分・所得の種類
✓開業日
✓開業・廃業に伴う届出書の提出の有無
✓事業の概要
✓給与等の支払の状況
開業届は、開業から1か月以内に所轄税務署へ提出する必要があります。屋号をつけたい場合は開業届に記入して申し出るため、事前に考えておくとよいでしょう。
記入する内容は複雑に見えるかもしれませんが、難しいことを記入する必要はありません。詳細は別の記事で詳しく解説しているため、参考にしてください。
関連記事 開業届の必要書類とは?書き方や提出方法をわかりやすく解説
保険・年金の手続き
個人事業主として開業するときは、保険や年金の手続きが必要かどうかを確認しましょう。会社員の場合は社会保険として、健康保険や厚生年金保険に加入していることがほとんどですが、会社を退職すると社会保険の加入者資格を喪失します。そのため、独立開業時には自身で国民健康保険と国民年金に加入する必要があります。
ただし条件を満たしている場合は、会社員時代に加入していた健康保険を継続加入できる「健康保険任意継続制度」を利用することができます。
会社員のときは会社と折半だった保険料が全額自己負担となりますが、国民健康保険よりも保険料が安くなる可能性があります。任意継続制度を利用するには、会社員時代の加入資格を喪失した上で、再度申請する必要があるので注意しましょう。保険料の支払いが遅れると期間満了前に資格を喪失する可能性があるので、規則をしっかり理解しておくことも大切です。
国民健康保険・国民年金へは、退職日の翌日から14日以内に加入手続きが必要です。手続きは居住地の区市町村の役所・役場で行います。社会保険の被扶養者が個人事業主になる場合は、所得金額が扶養範囲内を上回らなければ社会保険をそのまま維持できるでしょう。
許認可の届け出
開業する業種によっては許認可の届け出が必要です。許認可とは、特定の事業を行うために警察署や保健所などから取得しなければならない許可のことです。
酒類の販売は税務署、飲食業は保健所といったように、定められた行政機関から許認可を得なければその事業を始めることができません。許認可が必要な事業を行う人は、最優先で許認可を取得するようにしましょう。
また許認可とは別に、資格が必要な業種もあります。飲食店の場合は「食品衛生責任者」、美容室を開業するなら「美容師免許」といったものです。
資格のなかには講習を受講すれば取得できるもの、国家資格など取得に時間がかかるものもあるため、開業に間に合うよう、余裕をもって資格を取得しておくことをおすすめします。
許認可や資格の取得が必要な業種には、以下のようなものがあります。
開業する業種 必要な許認可や資格 飲食業 食品衛生責任者、防火管理者、飲食店営業許可など 美容室 美容師免許、美容所開設届など マッサージ店 あん摩マッサージ指圧師、施術所開設届など
税務関係の手続き・書類一覧
す。提出期限を守ることで、節税効果や行政的な信頼も確保できます。
・個人事業の開業・廃業等届出書(開業後1ヶ月以内に提出)
・所得税の青色申告承認申請書(開業から2ヶ月以内、年初開業は3月15日まで)
・消費税関連(課税事業者選択届など、取引規模によって判断)
・給与支払事務所等の開設届・源泉所得税の納期の特例承認申請書(給与を支払う場合)
※提出期限に遅れると、不利益や節税機会の損失につながるため、早めの対応が望ましいです。
青色申告承認申請書
確定申告での所得税の申請には、白色申告と青色申告がありますが、基本的に青色申告をおすすめします。青色申告は白色申告に比べると帳簿付けの手間はかかるものの、それ以上に事業者に有利な特典が多いためです。
青色申告で確定申告を行えば最大65万円控除をはじめ、3年間にわたる赤字の繰り越しや、配偶者や親族への給与を経費で計上できる「青色事業専従者給与」など、さまざまなメリットを享受できます。
ただし、事業を青色申告で行うためには、開業日から1か月以内に青色申告承認申請書と開業届を提出する必要があるため注意が必要です。申請書は税務署窓口か国税庁のホームページで入手できるので、必要事項を記載し、納税地の税務署窓口へ提出しましょう。なお、申請書はe-Taxやマネーフォワードなどのオンラインサービスで作成・提出することも可能です。
申請書はこちらからダウンロードできます。
国税庁 所得税の青色申告承認申請書
【申請書の記入例】

青色専従者給与に関する届出書
青色専従者給与に関する届出書は、確定申告で青色申告を行う際に、配偶者や親族に支払う給与を経費計上するために必要な書類です。
確定申告を青色申告で行わない場合や、配偶者や親族を従業員として雇わない場合は、提出する必要はありません。
青色専従者給与に関する届出書は、最寄りの税務署の窓口で受け取るか、国税庁のサイトからダウンロードすることが可能です。提出先は店舗や事業所の所在地を管轄する税務署で、国税電子申告・納税システム「e-Tax」を利用して、電子申請を行うこともできます。
PDFの取得はこちらから
国税庁 青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書
所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書
所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書は、開業届で申請した納税地から別の住居に引っ越した、もしくは事務所等の所在地を納税地に変更する場合に提出が必要となる書類です。
令和4年度税制改正において、令和5年1月1日以後の異動においては提出が不要になりました。令和4年度内に異動があった場合は従前通り提出しましょう。
所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書は、最寄りの税務署の窓口で受け取るか、国税庁のサイトからダウンロードすることが可能で、提出先は店舗や事業所の所在地を管轄する税務署です。国税電子申告・納税システム「e-Tax」を利用して、電子申請を行うこともできます。
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国税庁 所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書は、従業員を雇って給与の支払いを行う際に、源泉徴収した所得税を毎月の支払いから年2回の支払いへと変更したい場合に必要な書類です。
ただし、この特例が適用されるのは、常時雇用する従業員が10人未満の場合のみです。従業員を雇わずに自分だけで事業を行う、または常時10人以上の従業員を雇用予定の場合は適用されません。
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書は、最寄りの税務署の窓口で受け取るか、国税庁のサイトからダウンロードすることが可能で、提出先は店舗や事業所の所在地を管轄する税務署です。国税電子申告・納税システム「e-Tax」を利用して、電子申請を行うこともできます。
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国税庁 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
給与支払事務所開設届出書
給与支払事務所開設届出書は、従業員を雇用して給与を支払う場合に提出が必要な書類です。従業員を雇わず自分だけで事業を行う場合は、提出の必要はありません。
提出期限は従業員を雇用することになってから1ヶ月以内なので、従業員雇用後はなるべく早く提出しましょう。
給与支払事務所等の開設届出書は、最寄りの税務署の窓口で受け取るか、国税庁のサイトからダウンロードすることが可能で、提出先は店舗や事業所の所在地を管轄する税務署です。国税電子申告・納税システム「e-Tax」を利用して、電子申請を行うこともできます。
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国税庁 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
適格請求書(インボイス)発行事業者の登録申請書
取引先が適格請求書(インボイス)の発行を求める場合は、「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出のうえ、インボイスの交付が必要となります。
インボイスとは適格請求書等保存方式のことで、2023年10月から取引先(買手)が仕入税額控除の適用を受けるために、売手である個人事業主がインボイスを交付しなければなりません。
インボイスを交付するためには、前年度の売上が免税事業者の基準(課税売上高が1,000万円以下)であったとしても、消費税を納める課税事業者になる必要があります。
本来、課税事業者になる場合は「課税事業者(選択)届出書」の提出が必要です。しかし、インボイス制度導入時の経過措置として、「適格請求書発行事業者の登録申請書」を提出するだけで課税事業者になることができます。その場合、インボイス制度が開始される令和5年10月1日以前は免税事業者、10月1日以降は課税事業者扱いになります。
インボイス制度が開始されても免税事業者のままインボイスを交付しない選択もありますが、企業は免税事業者との取引を敬遠する恐れがあります。そのため、個人事業主もインボイス制度にどう対応するかの判断は急務でしょう。
店舗・設備・環境の準備
店舗や設備、環境の整備は、開業の成功を左右する重要なステップです。計画的に準備を進めることで、事業運営がスムーズにスタートしやすくなります。適切な選定や設定は、経営の基盤となります。
物件選びのポイント(居抜き・スケルトン)
物件選びは資金と開業スピードに影響します。居抜きとスケルトン物件にはそれぞれメリットがあります。
居抜き物件は既に整った内装や設備を利用できるため、初期費用を抑え、短期間で開業可能です。一方、スケルトン物件は自由に設計できるため、理想を反映しやすいですが、費用と時間がかかります。
選び方は、予算と開業予定を見据え、立地条件を重点的に検討しましょう。飲食店では人通りや交通の便が特に重要です。資金面での判断が必要な場合、居抜きを選びつつ、余裕があるならスケルトンでの実現も視野に入れましょう。
インターネット・通信環境の整備
通信環境の整備は、業務効率と顧客対応に直結する重要な要素で、成功には欠かせません。
【必要な項目】
- 高速で安定したネット回線(Wi‑Fi・有線)
- 通話対応可能な電話回線(固定またはIP)
これらが整っていると、オンライン予約や在庫管理、スタッフ間のコミュニケーションが円滑に進みます。通信トラブルで業務が遅延すると、顧客満足度にも影響するため、万全の準備をしましょう。プロバイダー選びも重要で、契約時に条件やプランをしっかり確認し、自店に最適な環境を築くことが求められます。
POSレジ・キャッシュレス決済の導入
POSレジやキャッシュレス決済の導入は、業務の効率化と顧客満足度の向上に役立つ重要な施策です。
【メリット】
- 売上や在庫データの自動集計による管理業務の効率化
- 顧客利便性の向上に伴う来店動機の増加
- 初期導入には費用がかかるものの、多くのサービスが条件を設けて導入しやすくしている
キャッシュレス決済の普及により、新しい顧客層の獲得が期待でき、店舗運営の質と顧客体験の向上が実現します。システムの選択は慎重に行い、導入後もアップデートや改善策を継続的に講じることで、信頼性の高いサービスを提供できるよう努めましょう。
開業直前にやるべきこと
開業直前までにやっておくべきことは以下のとおりです。
①備品を用意する
②事業用口座、クレジットカードを用意する
③人材の採用と宣伝広告を行う
会社を退職する段取りが整い、資金調達の見込みが立ってくると、開業に向けた準備もいよいよ大詰めです。開業3か月前からを目安として、それぞれの準備を並行して進めていきましょう。
備品を用意する
パソコンやプリンターなど、事業を運営するために必要な備品の用意を始めましょう。商品や食材の仕入れが必要になる業種であれば、仕入先の候補を選出し、見積もりを依頼します。
小売業や飲食店の場合、コンセプトに合った備品選びも大切です。予算を抑えたいときは、中古備品の購入やリース契約を検討するのもよいでしょう。
個人事業主としてスモールスタートする場合、印鑑や名刺は必要ないと考える人もいますが、取引先の開拓や契約書を交わす際に必要となるため事前に作成しておきましょう。
名刺交換がきっかけで仕事につながることもあるため、自身の特徴を覚えてもらいやすい個性的なデザインにするのもおすすめです。
事業用口座・クレジットカードを用意する
個人事業主として開業する場合は、個人と事業のお金の流れが区別できるように、事業用口座と事業用クレジットカードを用意しておくとよいでしょう。開業届を提出する際に屋号をつけた場合は、屋号で事業用の口座を作ることができます。
個人の口座やクレジットカードでも事業を行うことは可能ですが、青色申告をする場合に複式簿記を用いた記帳が必要であるため、事業用口座を作っておくと入金の内容やクレジットカードの利用履歴の仕訳がしやすくなります。
個人事業主は会社員に比べて個人の信用力が落ちるため、クレジットカードの作成は退職前に行っておくとよいでしょう。
人材の採用と教育
人材の採用と教育は、店舗のサービス品質に直結する重要なプロセスであり、慎重に管理する必要があります。
採用は、求人媒体や人材紹介サービスを使い、店舗のニーズと一致した人材を見つけることが重要です。応募者には業務内容と求めるスキルを明確に伝える必要があります。
教育については、オペレーションマニュアルや体系的な研修制度を整備し、新人が自信を持って業務に取り組める環境を準備します。スタッフの能力は店の信用に直結するため、採用後も定期的なフォローアップと計画的な教育を続けることで、質の高いサービスを提供し続けることが可能です。
開業前後の集客・マーケティング戦略
集客やマーケティングは開業前後に欠かせない重要テーマです。SNSやホームページ、プレオープンといった手段によって認知獲得と信頼構築を図るステップを続く項目で分かりやすく解説します。
SNS・ホームページの活用
開業前後にはSNSで認知を広げ、ホームページで信頼を支える戦略が効果的です。
認知獲得の手段としてSNSは手軽で無料に始められ、多くの人に情報を届けられる点が魅力です。ホームページは事業者の信頼性を担保する看板となり、24時間情報提供や問い合わせ対応を可能にします。
活用のポイントとしては、SNSではプロフィール欄にホームページへのリンクを貼り、投稿から誘導を促すこと。ホームページには実績や問い合わせフォームを整え、信頼と行動を促す構成にすると効果的です。
プレオープンを実施
プレオープンは開業前の最終チェックと改善機会の場として有効です。
【メリット】
・オペレーションの確認ができ、業務の流れやスタッフの対応状況に問題がないか事前に検証できます。特に、料理の提供スピードや接客の質は、開業前に確認しておくことで本番でのスムーズな運営に繋がります。
・顧客の反応を直接見ることで、メニュー内容やサービスの改善点が明確になり、ストレスの感じやすいポイントを改善できます。このフィードバックを基に、より多くのニーズに応える柔軟な対応が可能になります。
・実際の運営を通じて改善機会を得て、本開業時に店舗全体の質を向上させられます。プレオープンの経験は、本番での自信と成功を支える重要な一歩となります。
初期集客を成功させるポイント
開業初期の集客には戦略的なアプローチが必要です。
【成功のポイント】
・ターゲットを明確にして、誰に向けてどんな価値を届けるかを定めることが重要です。具体的には、年齢層やライフスタイルに合わせたメッセージを発信することで、効果的なアプローチが可能になります。
・口コミやレビューを積極的に集め、信頼感や安心感を醸成することが集客の鍵となります。顧客の声を活用することで、潜在的顧客にリアルな体験価値を伝えられます。
・期間限定キャンペーンや特典を設定し、関心を引きつけ、初期の来店を促すこと。特にオープニング特典などの魅力的なオファーを用意することで、新しい顧客を引き寄せ、店舗認知度の向上につながります。
開業後にやるべきことと注意点
開業後には売上を安定させるための具体的な戦略を考えることが重要です。そして、スムーズな経営を維持するためには注意点をしっかりと理解する必要があります。以下では、特に重要なポイントを詳しく解説していきます。

確定申告を行う必要がある
開業した翌年から、1年間の所得と所得税を申告する確定申告を行う必要があります。確定申告をしないと収入の証明ができないほか、さまざまな控除も受けられません。
確定申告をしなかったり、納税を怠ると、買い物をする際にローンが組めなくなるほか、追加で事業資金の融資が必要な場面でも資金調達ができなくなるかもしれません。税務署は個人の収入をある程度把握しているため、「延滞税」や「無申告加算税」といったペナルティが課される可能性もあります。
確定申告は事業を営んだ翌年の2月16日〜3月15日までの間に行う必要があります。申告方法については税務署の窓口へ提出するほか、スマートフォンやパソコンから「e-Tax」を利用して電子申告を行うことも可能です。
参考記事 デメリットしかない!確定申告をしないとどうなるのか?売上を安定させるためのポイント
リピーターを育成し、継続的に集客を行い、サービスや商品の改善を重ねることが売上安定の鍵です。
【ポイント】
・リピーター獲得:既存客を大切にすることが低コストで効果的な売上の安定を促します。ロイヤリティプログラムを利用するのも有効です
・継続的な集客:イベントやキャンペーンを定期的に開催し、常に新しい顧客にリーチできるよう努力することが必要です
・改善の繰り返し:顧客満足度を高めるため、フィードバックをもとにサービスの見直しを行い、顧客のニーズに応えます。さらに、デジタルツールを活用して効率を改善しながら、対策を積極的に進めます
失敗しやすいポイントと対策
資金不足や集客不足、計画不足に陥ると、開業後の持続的な成功が難しくなります。
【失敗例】
・資金不足:運転資金に対する理解が浅く、開業初期に予算オーバーし、経営が難航することがあります
・集客不足:立地や顧客の動向を十分に考慮しない結果、目標とする集客数を達成できない場合があります
・計画不足:事業計画が不十分で、長期的なビジョンが描けず、日々の運営に追われることが多いです
【対策】
・資金不足への対策:開業前にしっかり資金計画を練り、不測の事態に備えて緊急予備資金を設けましょう
・集客不足への対策:市場調査を徹底し、地域の需要に合った集客施策を実施することが大切です
・計画不足への対策:専門家や実績のあるアドバイザーと相談しながらビジネスプランを構築し、柔軟に計画を見直すことで持続可能な成長を実現します
開業準備のチェックリスト
あなたのビジネスの成功を確実に導くための開業準備のチェックリストです。各種手続きから資金計画、設備や人材まで、必要なステップを丁寧に確認し、効率的に準備を進められます。
手続き関連のチェックリスト
以下は開業時に必要な法的・行政的な手続きのチェックリストです。まずは個人事業のスタートに欠かせない手続きをしっかり押さえましょう。
- 開業届:税務署へ事業開始後1ヶ月以内に提出し、青色申告の申請も検討すること
- 保険・年金:退職後は国民健康保険・国民年金への切替を市区町村で手続き
- 許認可取得:飲食店営業許可など、業種に応じた必要な許認可を確認・取得
- 税務手続き:青色申告承認申請や課税・免税事業者の選択も税務署で手続き
資金・お金関連のチェックリスト
資金準備は開業前に必ず行うべきです。以下のチェックリストで資金面の準備を万全にしましょう。
- 資金計画:自己資金の確認と必要額の見積もりを立て、融資や支援制度の活用も考慮する
- 口座開設:事業専用の銀行口座を開設し、収支管理を明確にする
- クレジットカード:事業用クレジットカードの利用開始で経費管理を効率化
- 資金調達:銀行融資や創業融資、地方自治体の補助金などを積極的に活用し、安定的な資金確保を
設備・備品など必要なもののチェックリスト
設備や備品の準備は事業運営において非常に重要です。以下のリストを参照して、必要なものを確実に揃えましょう。
- 物件:選択する物件の立地や賃料、契約条件を詳細に確認し、事業に最適な場所を選ぶ
- 設備:業務に必要な設備(オフィス家具、厨房機器、作業用具など)を選定し、整える
- 通信環境:高速インターネットやビジネス用電話回線を準備し、スムーズな通信環境を構築
- 備品:日常運営に必要な備品(文具、印刷物、掃除用具など)をリスト化し、準備を完了させる
その他(集客・人材など)
集客や人材の確保は、開業後の成功に不可欠な要素です。以下のリストで必要な準備を確認し、万全な体制を築きましょう。
- SNS・HP:公式ホームページやSNSアカウントを早めに開設し、定期的な更新でブランドイメージを構築
- 採用計画:必要なポジションやスキルを明確にし、効果的な募集方法を選定する
- スタッフ教育:新たに採用したスタッフに業務手順や接客スキルの研修を実施し、サービスの一貫性を保つ
- イベント企画:開業前後に特別なプロモーションやキャンペーンを計画し、新規顧客を惹きつける戦略を立てる
独立・開業・起業しやすい仕事ランキング5選
以下は、canaeruの内容に基づく独立・開業・起業しやすい仕事のランキングを簡潔にまとめたものです。手軽に始められる仕事が中心で、初期費用や専門性の観点から比較的ハードルが低い点が共通しています。
【独立・開業しやすい仕事ランキング5選】
・ライター:パソコン1台で始められ、低コストで柔軟な働き方が可能。
・デザイナー:Web系は在宅対応が進み、場所を選ばず活動しやすい。
・ITエンジニア:プログラミングスキルを活かし、高需要かつ将来性あり。
・高齢者向けサービス:生活支援など需要が高く、フランチャイズ展開も豊富。
・コンサルタント:資格不要で実績があれば独立可能、専門性も活かせる。
【《在宅》独立・開業・起業しやすい仕事ランキング5選】
・ライター:自宅で家事や育児との両立が可能な柔軟性が魅力。
・ITエンジニア:通勤不要で集中しやすく、在宅適性が高い。
・ネットショップ:初期費用を抑え、ドロップシッピングなど低リスクな始め方も可能。
・動画編集:資格不要でツールも多く、初心者でも手軽に挑戦できる。
・エステサロン:自宅サロンで開業しやすく、美容スキルを活かせる。
【《資格を活かせる》独立・開業・起業しやすい仕事ランキング3選】
・行政書士:比較的取得しやすく、独立率も高い専門職。
・塾講師:教員免許があれば信頼性が高まり、自宅開業も可能。
・キャリアコンサルタント:国家資格で取得しやすく、対人支援に強み。
【《フランチャイズ》独立・開業・起業しやすい仕事ランキング3選】
・飲食店:本部からの提供が充実し、未経験でもブランド力で集客しやすい。
・コンビニエンスストア:高いブランド認知と安定モデルが魅力だがロイヤルティに注意。
・家事代行:資格不要で始めやすく、本部のブランドを活用できる環境。
【女性が独立・開業・起業しやすい仕事2選】
・美容サロン(ネイル・エステ):女性の視点や需要を活かし、自宅や出張型で開業可能。
・家事代行:日常のスキルを活かせ、特別な資格なしでも始めやすい優しい選択肢。
【傾向まとめ】
どのカテゴリーにも共通しているのは、低資本で始めやすく、柔軟な働き方が可能な点です。スキルや資格をすでに持っている場合は専門性を活かしやすく、フランチャイズではブランド力がアドバンテージになります。女性向けの選択肢は、生活と両立しやすいものが多く、未経験でも参入しやすい構造です。
業種別の開業ポイント
主な業種ごとに開業の特徴とポイントを抑えることで、自分に合ったスタイルや準備の方向性を見定めやすくなります。
飲食店(カフェ・ラーメン)
飲食店開業は設備投資と手続きが特に重要です。
【ポイント】
・許認可の取得(営業許可が必須)
・設備投資が大きい(厨房機器や内装などで初期コストがかさみます)
・立地の重要性(集客や収益に直結するため、選定に慎重さが求められます)
ネイルサロン・美容系
美容系サロンは比較的低コストで始められ、リピーターを重視した運営が鍵になります。
【ポイント】
・資格の有無(施術内容によって国家資格や登録が必要な場合があります)
・リピーターの重要性(固定顧客を育てることで安定した収益が得られます)
・自宅開業の可能性(自宅スペースを利用すれば家賃などコストを抑えられます)
キッチンカー
キッチンカーは初期費用を抑えて柔軟に営業を開始しやすいスタイルです。
【メリットと注意点】
・初期費用が比較的低い(店舗に比べて車両・設備のみで開始可能です)
・移動販売の自由度(営業場所や時間を自分で選べ、需要に応じて対応できます)
・営業許可の確保が必要(食品衛生法に基づく許認可が事前に必要です)
不動産・士業
不動産や士業は信用と資格が成功の鍵となり、初期コストを抑えたスタートが可能です。
【特徴】
・資格や免許の必要性(宅建士、行政書士など、業務に応じた国家資格が求められます)
・信用が重要(専門性への信頼が集客や契約につながります)
・初期費用は比較的低い(事務所開設や設備投資が少なく済む場合が多いです)
よくある質問(FAQ)
開業に必要な最低資金は?
開業資金は業種や開業形態によって異なりますが、以下のような例があります。
例1:飲食店(小規模カフェ・居酒屋)
【最低資金】
300万円~1,000万円
【内訳】
✓物件取得費(保証金・敷金など):50万~500万円
✓内装工事費:100万~500万円
✓設備・什器購入費:50万~300万円
✓仕入れ・運転資金:50万~200万円
✓各種許可申請費用:5万~20万円
例2:自宅サロン(ネイル・エステ)
【最低資金】
50万円~200万円
【内訳】
✓ベッド・ネイルデスク・施術機材:20万~100万円
✓施術用の材料(ジェル、オイルなど):5万~30万円
✓広告・ホームページ作成費:5万~20万円
✓開業届・許可取得費用:数千円~5万円
例3:フリーランス(ライター・デザイナー)
【最低資金】
10万円~50万円
【内訳】
✓パソコン・ソフトウェア:5万~30万円
✓ホームページ・名刺作成費用:5万~10万円
✓コワーキングスペース利用料(必要な場合):月1万~5万円
自宅開業は可能?
業種によりますが、多くの事業で自宅開業が可能です。以下のような業種が向いています。
自宅開業が可能な業種
✓ネイルサロン・エステ・マッサージ(必要に応じて保健所の許可が必要)
✓フリーランス(ライター、デザイナー、プログラマーなど)
✓オンラインスクール・コーチング・カウンセリング
✓ハンドメイド製作・ネットショップ運営
ただし、いくつか注意点があります。賃貸物件の場合、契約内容に「事業利用不可」となっていないか確認しましょう。
また、事業とプライベート空間を分けることも必要です。特に顧客を招く場合は、生活感のある空間が見えてしまうと、特別な空間に来た印象を受けづらくなってしまい、リラックスや集中がしづらくなってしまいます。自宅開業においても、プロフェッショナルな空間づくりを意識することが重要です。
開業後の集客方法は?
開業後に安定した売上を得るには、効果的な集客が必須です。以下の方法を組み合わせて実施しましょう。
① SNS・WEB集客
✓Instagram・X・TikTok:業種に応じた発信(ネイルならデザイン紹介、飲食なら料理写真)
✓Googleマイビジネス:ローカル検索対策(Googleマップに表示されやすくする)
✓ブログ・YouTube:専門知識を発信し、信頼性を高める
② チラシ・ポスティング(地域密着型向け)
✓半径1~3km圏内にチラシを配布
✓スーパー・カフェ・美容院などの掲示スペースを活用
③ 口コミ・紹介制度の活用
✓既存客に「紹介割引」「口コミ投稿特典」を提供
✓友人・知人にPRし、SNSで拡散
④ 初回割引・キャンペーンの実施
✓「オープン記念〇〇%OFF」
✓「初回来店者にプレゼント」
開業は簡単ではないが手順通りに進めれば誰でも挑戦できる
開業を目指すにあたり、準備の流れや必要書類など、知っておくべきことはたくさんあります。準備が足りず開業後に後悔しないためにも、開業までのスケジュールを考えて、手順をシミュレーションしておくことが大切です。
また開業といっても個人事業主と法人では必要な書類や手続き、会社設立後に加入する社会保険などが異なります。まずは個人事業主と法人のどちらで事業を行うのかを決めたうえで、開業の準備を始めましょう。
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