お店のこと、はじめる前も、はじめた後も。

2016/12/01

飲食店などの開業時に資金はいくら必要?

飲食店などの店を始めるときに、一体どれぐらいの資金がかかるのでしょうか?開店準備から経営を続けるため運転資金、本当に必要な資金総額は?開業に必要な資金のことを紹介します。

店の開業準備に掛かる資金は?

開業にかかる資金は条件により大きく変動しますが、ざっくりと「カフェ・喫茶店」では100万円~1,500万円と言われています。

物件所得のための資金

まず、店を開業する場所 = 物件を所得するための資金が必要になります。保証金は賃料の約10カ月分が相場。契約日の翌月分の賃料を「前家賃」として支払います。これだけでもかなりの金額になりますが、保証金は退去時に償却額を差し引いた金額が返還されるようになっています。また、不動産業者を仲介しているなら手数料が発生し、地域によっては賃料の約2カ月分程度の礼金が必要な場合もあります。さらには、店舗が居抜きなら、前の借主に内装や設備を譲り受けるための費用が発生する場合があります。

内装、外装のための投資資金

物件が居抜きならある程度費用は抑えられますが、スケルトン状態の物件の場合は、新たに内装、外装工事の施工費用が必須です。ほかにも店内で使うレジや什器、さまざまな備品、設備を準備しなくてはなりません。事前に広告やグルメサイトなどで宣伝するなら、掲載料も必要となってきます。

物件を収得してから開業までの資金

実は、物件を正式契約しても、事前準備を怠ったばかりに、すぐに開業できないことがあります。よくあるのは、各種の申請が完了していないことに気づかず、いざ開業という時になっても営業許可が下りないというケース。すでに物件を契約しているので家賃は発生しますが、売上はないという状態が続くわけです。予定外の出費という、とんだ落とし穴。経営者にとってこれは非常に痛いでしょう。ある程度、資金には余裕をもっておきたいところですが、こうした空白期間をできるだけ短くするためにも、準備期間を長めにとり、段取りをきちんと踏んで、開業がずれこまないようにすることが大切です。

開業までの準備の流れ

準備は最低でも1年前から。開業8カ月前には物件を探しながら、融資を申請するために創業計画書を作成します。運よく理想に近い物件が見つかったら、仮契約をしましょう。融資が下りるまでは、物件は「仮契約」という形で押さえておくことができます。綿密な創業計画書は、オーナーからの信用を得るためにも必要です。空白期間はフリーレントにしてもらえるよう交渉するという手もありますが、その場合も正式契約後の変更は難しいので、事前に相談するようにしましょう。

具体的な申請

4カ月前には「建築確認申請」をします。居抜き店舗で内装工事のみを行う場合などでも必要です。管理行政によって若干ルールが異なっている場合もありますので、担当の管轄行政に問合せをして確認しておきましょう。実際に工事がすべて終わっているにもかかわらず、建築確認申請や用途変更届を提出していないがために開業できない、もしくは開業が大幅に伸びるというケースが頻繁に発生しています。また、申請をお願いしていた工事業者が申請を忘れていたり、後になって別料金を請求されたりするトラブルも。しっかりとした確認が必要です。2カ月前には「食品衛生責任者資格」の講座を受講して、資格を取得します。飲食店を開業するために調理師免許は必要ありませんが、食品衛生責任者の資格は必須です。そして開業1カ月前に「営業許可申請」を出し、保健所のチェックを受けて晴れて開業となります。こちらの申請の仕方なども各行政によって若干ルールが異なりますので、事前に問い合わせをするようにしましょう。

店の運営、いわゆる運転資金は?

売上が安定するまでの運転資金

ターゲットとなる客層や、経営方針によってもお店の運転資金は大きく違います。飲食店などの現金商売では、運転資金がほとんどなくても運営できる、という経営者もいます。
しかし、実際には開店してすぐに軌道にのる店は少なく、開業した店のうち、6割が軌道に乗るまでに半年以上かかったというデータもあります。店をこれから開店する場合は、売上が安定するまでにかかる運転資金を準備しておく必要があります。

店を維持するための運転資金

売上に関わらず、店を持てば、家賃、光熱費などの運転資金が毎月発生します。
お店で使う設備や備品、商品の原価も想定しなくてはいけません。実際に経営が始まると、固定費用に加えて一時的な費用もたくさん出てきます。仕入れている材料の値上げなど予定外の出費も少なくないでしょう。そういった場合に備え、少なくとも、赤字が出ても3ヵ月は持ちこたえられる運転資金を準備しておくことをおすすめします。

人件費と自身の給料

人件費だけでもかなりの運転資金が必要なのは言うまでもありません。まず、アルバイトを募集するなら、求人広告費が必要ですし、アルバイトに支払う給料は人件費として必ず発生します。開店前に研修を行なうならば、その分の人件費も発生します。
また、お店が軌道に乗るまでは、運転資金だけではなく自分自身が生活していけるだけの蓄えも必要でしょう。売上が安定し利益が出るまでは、自身の給料が何ヵ月もない、という状況は十分に考えられるからです。

資金の調達方法

金融機関から借りる

開店の際に活用できる代表的な融資としては、地方自治体の「制度融資」や日本政策金融公庫の「創業融資」が挙げられます。これらの融資は比較的低金利なので、ぜひ利用したいところです。
融資を受ける際は、開店準備資金と併せて申し込むことがほとんどでしょう。しかし、融資を受けられたとしても、6ヵ月分の運転資金全額を借りられることは稀です。特に飲食店などは直接現金収入があるため、融資額を絞られる場合があるからです。それらの点を踏まえると、やはり足りない部分を自身の資金で賄えるよう準備が必要です。

助成金を申請する

その他には、助成金や補助金などを申請する方法もあります。助成金や補助金は、融資とは違い基本的には返済不要な資金ですので、まだ軌道にのる前のお店を経営している時には大変助かります。ただし、誰もが助成金、補助金を受けられる訳ではありません。さまざまな助成金、補助金にはそれぞれ受給条件を満たしている必要があるので注意しましょう。助成金、補助金の種類や金額は地域によっても異なるので、情報収集をしましょう。

お店を開店させるのに自己資金はいくら必要なのか?

これまで見てきた通り、仮に金融機関などから融資を受けられたとしても、さまざまな費用がかかり、自己資金がゼロ円というわけにはいきません。では、一般的にどれくらいの自己資金をためれば開業できるのでしょうか? 日本金融政策公庫総合研究所の「2016年度新規開業実態調査」の資料によると、開業時の資金調達額は平均で1,433万円になっています。その内訳は、日本金融政策公庫や民間の銀行など「金融機関などからの借入」が平均931万円、「自己資金」が平均320万円という結果に。残りは「配偶者・親・兄弟・親戚」「友人・知人・自社の社員・関連会社」からの借入や出資といった順になっています。調達額の総額は2008年からそれほど変わっていませんが、ここ数年の傾向を見てみると、自己資金が減り、金融機関から借りる金額が増加しているようです。経営規模によって資金額はさまざまですが、大体の目安として頭に入れておきましょう。

文/canaeru編集部

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