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飲食店におけるインターネット回線は使用するデータ通信量と提供するサービスによって選びましょう。スポーツバーなど、テレビ観戦のサービスを提供する場合はCATVが一石二鳥です。お店に高速かつ安定したデータ通信を行える環境が欲しい場合は、光回線の有線タイプが高いパフォーマンスを発揮します。店内で利用できるWi-Fiを設置すると、モバイル端末を保有する層の集客が見込めます。飲食店開業で必要になるインターネット回線の選び方を解説します。
飲食店を開業するにあたって必要なのは各種資格や手続きだけではありません。
宣伝効果が見込めるSNSへの投稿やブログの運用といった集客術を試みるために、インターネット回線を設ける必要があります。
今回は、飲食店開業で必要になるインターネット回線の選び方とそれぞれの特徴を紹介します。目次
スポーツバーなどテレビ観戦ができるお店ではCATVが活躍する
CATV(ケーブルテレビ)は本来テレビチャンネルを受信することを目的に作られていますが、インターネットも利用できる回線です。取り扱いチャンネルが豊富なため、スポーツバーなどテレビ観戦のサービスを提供する飲食店では一石二鳥といえるでしょう。
電話線を利用してデータの送受信を行うADSLよりも通信速度が低下しにくいため安定性が高く、ラジオ無線など外部の影響も受けにくいです。プラン次第では固定電話とセットで割引が適用されるものもありますが、地域によっては付近にケーブルが引かれておらず回線工事ができないというケースもあるので注意しましょう。
CATVのインターネット利用料金は契約する通信速度によって異なり、早ければ早いほど高額となるプランが多く目立ちます。しかしテレビチャンネルの受信を除きインターネットを使うシーンは食品や備品の発注など最低限に限られるという場合は高額なプランを契約しなくとも事が足りるでしょう。ADSLは安価なプランが多い一方で利用者が減少傾向にある
一般的に固定電話で使われている電話線を利用し、モデムとパソコンを接続して高周波数帯域によるデータの送受信を行うインターネット回線がADSLです。光回線の普及によって利用者は減少傾向ですが、ISDNよりも高速なデータ通信が見込めて他のインターネット回線よりも安価なプランが多く目立ちます。
ADSLのデータ通信速度はエリアによって差があり、NTTの基地局が近くにあれば安定する一方で遠すぎるとまともにインターネットを利用できません。光回線の対象エリア外かつNTTの基地局が近くにあり、お店でインターネットをあまり使わないという場合に限りおすすめです。
動画や画像といったWEBコンテンツの大容量化が進む昨今。ADSLのデータ通信速度では、SNSやブログなど飲食店におけるネットを利用した集客ツールを利用するとき不便に感じるかもしれません。また一部のプロパイダはADSLのサービス終了期限を発表しているため、特別な理由がない限りは避けましょう。光回線の有線タイプは高速で安定した通信環境が得られる
光回線はガラスや樹脂などで作られている光ファイバーケーブルを利用し、電気信号を光に置き換えて情報を高速で送受信します。光回線は大別すると有線と無線の2種類であり、なかでも有線は他の電波による影響をうけにくいため安定した通信環境が得られるインターネット回線です。
光回線を自分にお店に引く場合は、近くの電柱から光ケーブルを配線するための工事が必要であり、デバイスとルーターを有線で接続するときはLANケーブルを使用します。そのため配線工事は業者に依頼しなくてはいけませんが、一度引き込めば、光の電気信号による高速なデータ通信が可能です。
昨今の一般的家庭および飲食店の多くは光回線を利用しているため、現代の主流なインターネット回線といえるでしょう。お店でデータ容量が大きい動画やゲームといったコンテンツを頻繁に利用するのであれば、他のインターネット回線よりも高いパフォーマンスを発揮します。
国内で光回線が登場してから間もない黎明期は高額なプランが多かったため、「光回線=高い」というイメージを持っている人が多いかもしれません。しかし普及するにつれて通話サービスがセットとなったお得なプランも出揃いつつあり、コスト面のデメリットは解消されつつあります。複数のデバイスが大容量のデータ通信を行うと遅くなることもある
高速で安定したデータ通信が行える光回線ですが、単一の光回線に接続している複数のデバイスが大容量のデータ通信を行うと遅くなることがあることを覚えておきましょう。戸建でなくマンションなどの集合住宅では、単一の光ファイバーケーブルを分配器によって各世帯に光回線として枝分かれさせているケースが多いです。
そのため賃貸ビルの一室などをお店の事務所として利用する場合、光回線を共有している他のデバイスが同時にインターネットを利用すると、データ通信が不安定になることがあります。また有線は店内に少なからずケーブルを巡らせることになるため、導線の確保は他の設備や機器との兼ね合いが重要になってきます。モバイル端末を保有する層を集客したい場合はWi-Fiを設置
店内で使えるWi-Fiを設置すると、スマホやタブレットといったモバイル端末を保有する層の集客が見込めます。さらに自分のお店と似たテイストの競合店が近くにあった場合、Wi-Fiの有無で集客力に差が出てきます。
大手飲食チェーンでは壁紙や窓といったお店の目立つ箇所にフリーWi-Fiが使えるという旨のステッカーや看板などを掲げているケースが多いですが、その需要はモバイル端末の普及によって高まりつつあります。
例えば、月あたりのパケット通信制限に達してSNSやアプリのレスポンスが遅くなってしまったモバイル端末を持つ人がお店の前を通りかかった場合、「店内でWi-Fiが使える」という文言は魅力的に感じる訴求であり、友人や知人との待ち合わせ場所としても利用される機会が増えるでしょう。
いわゆるガラケー時代はモバイル端末向けの無線通信サービスを設置して利用者に無償で提供している飲食店はほとんどありませんでした。しかし飲食店に求められるサービスは年を追うごとに変わりつつあり、Wi-Fiの需要はスマホが急速に普及しつつある現代の好例といえます。店内Wi-Fiを設置すればタブレットPOSレジも導入できる
タブレットPOSレジ(スマートレジ)は店内の敷地面積が狭く一般的なレジスターを設置することが難しいケースや、開業時のコスト削減としても導入されています。タブレットPOSレジはネットを経由してデータを送受信するため無線の通信環境が必要ですが、店内にWi-Fi環境があればすぐに使えます。
タブレット端末対応のPOSレジアプリはクレジットカード決済や各種会計ソフトとの紐付けが簡易です。そのため店内にWi-Fiを設置するのであれば、併せて導入を検討してみてはいかがでしょうか。
お客さんが店内Wi-Fiに接続したときに表示するページを任意設定できるサービスもあるため、お店のおすすめメニューやクーポンなどを表示する広告ページとして活用しましょう。お店のインターネット回線はデータ通信量とサービスに合わせて選ぶ
飲食店と一括りにいっても細かい業種や業態は様々であるため、インターネット回線はお店のデータ通信量とサービスに合わせて最適なものを選びましょう。
インターネット環境がなくても経営がうまくいっている個人のお店もあり、固定電話があれば事足りるケースもあります。しかし新たにインターネット環境を設けるとなるとプロパイダやプランを選定する時間がかかるため、開業と同じタイミングでの開通がおすすめです。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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