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飲食店の開業支援でキャリアアップ助成金の活用をしよう!

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キャリアアップ助成金は非正規雇用のスタッフを正社員に登用したり、給与のベースアップをしたりすることで厚生労働省から支給される助成金です。飲食店の開業段階で申請準備をしておけば、開業後に最短で助成金を受け取れる可能性があります。上手に活用すれば、費用の負担の多い開業時の資金繰りの助けになるでしょう。準備する手続きや該当する条件などを詳しく説明します。

飲食業のキャリアアップ助成金とは?

キャリアアップ助成金とは厚生労働省が進める助成金制度です。短時間労働者を社会保険に加入できるよう、労働時間を増やすなど労働環境の向上がみられた事業者が対象になります。助成金を受け取るためには、いくつかの申請手続きが必要になります。受給を希望する場合、飲食店開業前に各種の必要書類を準備しておくのが望ましいです。開業後であっても要件を満たしていれば申請して助成してもらうこともできますが、助成金支給までに時間がかかるため、早い段階で各種書類の作成を完了させておくとよいでしょう。

飲食店のキャリアアップ助成金の主な内容

パートやアルバイト、雇用期間に定めのない派遣社員に対して飲食店がキャリアアップ助成金を申請する場合、助成対象によって助成金の金額が変動します。パートやアルバイトなどのスタッフが多い場合、労働時間や契約を正社員に変更することで受給できる可能性があります。

現在、在籍しているスタッフのうち、新たに開業する飲食店で店長候補やフルタイム希望者がいる場合、助成金が申請できるか検討してみるとよいでしょう。申請内容は年度や経済事情により変更されることがあるため、申請前に所轄の労働局の担当窓口に確認してみてください。平成30年4月1日以降に申請する場合、以下の手続きが必要となります。

非正規雇用者を正規社員に転換

通算雇用期間が6カ月以上の「派遣労働者」「有期契約労働者」「無期雇用労働者」などの非正規雇用者を正規社員に切り替えると、助成金が受給可能となります。助成金額は6カ月以上の有期契約労働者は助成金が1人あたり72万円、アルバイトを正規雇用労働者に転換した場合は1人あたり36万円です。また、1年間で最大20人まで受給できます。

非正規雇用者の賃金を改定

基本給の賃金規定等を2%以上増額改定して昇給させた場合に、1年度1事業所あたり100人まで助成金が支給されます。すべての有期契約労働者等に対して賃⾦規定等を2%以上増額改定した場合は1〜3人で10万円、4〜6人20万円、7〜10人30万円、11〜100人であれば、1人あたり3万円です。

非正規雇用者に義務を除く健康診断を実施

有期契約労働者等を対象とし、「法定外の健康診断制度」を新たに規定した場合、4人以上の実施で助成されます。1事業所あたり1回のみで、支給額は40万円となります。

キャリアアップ助成金を受け取るには?

キャリアアップ助成金を受給するためには、7つ全てのコースで「キャリアアップ計画書」が必要です。キャリアアップ計画書は、計画と現実に実行した結果の整合性が取れている必要があります。申請したときの計画が立派でも、何ら結果が伴っていないと判断されれば申請は受理されません。「キャリアアップ計画書」に変更が生じた場合にも届け出は必要となります。計画性を重視しており、途中では事業主側で変更できない書類もあるため注意してください。

キャリアアップ計画書の記入内容

キャリアアップ計画書に対象コースと対象者の記入や計画期間の設定があります。計画期間は最長5年分を記載することができます。受給の可能性を高くするためには、十分に実行可能で具体的なプランを計画するのがよいでしょう。実際に計画内容の実行に移る場合は、内容に沿い、就業規則にも規定内容を記載した後に実行していきます。

どのような飲食店が対象になる?

実際にキャリアアップ助成金の支給を受けている飲食店は、レストラン、居酒屋、カフェなどです。非正規雇用や正社員雇用のスタッフの給与を昇給する予定がある場合、支給の対象となる可能性があります。ただし、暴力団など反社会的勢力が関連している事業は対象となりません。

審査対象の形態と条件

受給するには、飲食店の事業の形態が審査対象となります。まず、従業員に対して雇用保険適用事務所であることが条件です。事業主が子会社や持ち株会社の場合、経営がある程度の独立性があり、計画の継続性があると判断された場合が該当します。また、雇用保険適用事業所にキャリアアップ管理者を置いていることも条件です。飲食店に有期契約労働者等の キャリアアップに取り組むキャリアアップ管理者として、知識および経験を有していると認められなければなりません。一般的には事業者、役員、人事部長などが該当します。

キャリアアップ計画提出後の流れ

キャリアアップ計画書を提出し、計画期間内にキャリアアップに取り組んだ飲食店は受給の対象となります。その後、キャリアアップ計画書が管轄労働局長の受給資格の認定を受けていることが必要です。キャリアアップ計画書を提出後は、基本的に職場での給与のベースアップや非正規雇用の社員を正規雇用にするなど各種手続きを計画書に沿う方向で実行していきます。受給の可能性を高くするためには、事前に現実可能な計画を立てて、確実に進められるようにしておくとよいでしょう。

キャリアアップ助成金を確実にもらうには?

飲食店を開業する場合は、キャリアアップ助成金をもらえる可能性は十分にあります。新規に開店する店舗の店長候補のスタッフを正社員として登用するなど、現在の事業所内の配置転換や昇格のときに対象になりやすいからです。ただし、各種書類の手続きは煩雑で申請条件も慣れない人には複雑で手間も多いのが現状です。

助成金を受け取る可能性を高くする場合、自らで十分に助成金の内容を確認して続きを進める方法と、専門の社会保険労務士に依頼する方法があります。自ら手続きを進める場合には、厚生労働省のホームページに助成金の申請条件や申請金額が記載されています。

また、事業年度や日本の経済事情の変動があったと判断されたときなど、助成内容が変更される場合があるため確認をしておくとよいでしょう。基本的に変更は事業年度の4月1日と9月1日に変更され、新たな助成金が創設される場合もあります。

社会保険労務士などの専門家に依頼する場合、過去に申請の手続きを実行したことがあるか実績を確認しておくとよいでしょう。依頼の報酬は成功報酬の場合と手続きに対して報酬を支払う2つのパターンがあります。実際に申請して受給するためには、費用は発生しますが、過去に実績のある専門家に任せるほうが自分で全ての手続きを行うよりも確実な方法です。

実際に、助成金を受けている事業所の多くは、申請の手続きを委任して進めています。委任する場合には、開業前から相談して書類を提出し、開業後も給与の支払いや就労規則の作成など受給の審査対象になる項目について各種相談が可能です。計画書で守るべき項目について、書類作成を依頼した社会保険労務士に指導、監修してもらえば助成金受給の可能性は大いに高まります。


飲食店開業時には、事業所内の配置転換に合わせて新たに店長候補になる人や、社内での昇進などに合わせてキャリアアップ助成金の申請してみるとよいでしょう。専門の社会保険労務士に委任する方法で進めれば各種手続きなどの書類作成を任せられ、助成金受給の可能性も高くできます。助成金は基本的な申請対象の内容を守っていれば、受給できる可能性が高い制度なので、新規開業の機会に活用されることをおすすめします。


参考記事:飲食店が利用できるコロナ対応の助成金・補助金・融資まとめ!自治体ごとの支援も紹介

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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