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お金の流れを管理するための「資金繰り表」を作成するポイントをご紹介していきます。足し算と引き算を使って整理していくだけ、それだけでOKです。しっかりとポイントを押さえておきましょう。
キャッシュフローとは
キャッシュフローとは、企業が事業を行う際のお金の流れのことです。例えば、物販の場合には、商品を仕入れる時にお金が出ていきますが、逆に商品が売れるとお金が入ってきます。
1,000円で仕入れた商品を2,000円で売却した場合には、最初に1,000円のマイナスになりますが、売却した後は1,000円のプラスになります。このような状態をキャッシュフローがプラスと言います。逆に、1,000円で仕入れた商品の売れ行きが悪く、800円に値下げして売却した場合には、最初に1,000円のマイナスになるだけでなく、売却した後も200円のマイナスと言います。このような状態をキャッシュフローがマイナスと言います。
キャッシュフローがプラスであるということは安定した経営ができている状態を意味していますが、キャッシュフローがマイナスであるということは資金繰りが悪化しているため、経営状態が良くありません。この状態が続いた場合は、倒産につながる可能性もあるため、キャッシュフローがプラスの状態を維持することが重要と言えるでしょう。資金繰りの重要性
経営者が最も気を付けなければいけないことのひとつが「資金繰り」です。
資金繰りとは事業の経費などの支払いに対応できるよう、会社に入ってくるお金と出ていくお金の管理を行い、資金の流れをコントロールしていくことを意味します。このコントロールがうまくいかないと、支払いが滞ったり、従業員の給与が未払いになったりなど、負のスパイラルにハマってしまうことも珍しくありません。そんなことにならないように、お金の管理はしっかりと行いましょう。資金繰り表の使い方
資金繰り表は基本的に月で管理するのが一般的です。しかしながら、ケースによっては日で管理した方がよいといったことがあります。
月次資金繰り表
一般的な資金繰り表として、1ヵ月ごとに管理するものが多いです。まずは最低でも3ヵ月先までの資金の流れを作りましょう。
日繰り表
資金繰りが厳しい店舗は月単位の管理ではなく、日単位での管理がおすすめです。
月末は現預金残高がプラスでも、給料日の25日から月末まではマイナスになっているということがあります。毎日の資金繰りを管理し、お金の流れを把握しましょう。実際に資金繰り表を作ってみよう
会計ソフトやエクセル、ネットのテンプレートなどを使い、より自社に合った形式で作成しましょう。
1,前月繰越金の確定・記載
現金、当座、普通預金など即時の支払い手段となる現金残高を確定します。
2,当月実績の記載
当月の実績を集計、入力していきます。経理資料などに基づいて丁寧に行いましょう。
3,翌月以降の収入・支出の予測記載
現金売上、回収予定の売掛金などの収入および、現金仕入れ、買掛金・未払金の支払、支払手形の決済などの金額、人件費およびその他の経費などを予測して記載していきます。予測といっても今までの実績値などを参考に数値を出していきましょう。
4,借入金・返済など経常外収支の記載
返済予定表に基づき、借入金の入金や返済を漏れなく記載しましょう。
5,確認、検証
資金繰り表を作成したら、記載漏れがないか、間違いがないかの確認を行いましょう。そして、月末残高がマイナスになる月や、資金繰りに支障が出そうな月がないかを確認・検証しましょう。
結局のところ重要なのはこの3点
一見、難しそうに思われる資金繰り表作成ですが、結局のところ必要な情報は以下の3つだけなのです。
●現在いくらあるのか
●いつ、いくら入ってくるのか
●いつ、いくら、支払いが生じるのか
これを足し算と引き算を使って整理していくだけと考えると、そんなにハードルは高くありません。難しく考えずにチャレンジしてみましょう。キャッシュフローを経営に取り入れるメリット
キャッシュフローを作成するということは、日常生活で家計簿をつけるのとほとんど同じです。キャッシュフローの作成によって、どのような収入があってどのような支出が生じているか把握できますが、作成することにどんなメリットがあるのでしょうか?キャッシュフローを経営に取り入れるメリットについて見ていきましょう。
経営の安定度が高まる
企業は、製品を仕入れる際にお金を支払い、商品として売却する際にお金を受け取ります。お金を受け取って利益が生じたことによって、社員を雇用して給与を支払うことができるほか、国や地方自治体に税金を支払うこともできます。つまり、企業が存続していくには、利益を生み出すことが必須で、倒産を未然に防がなくてはなりません。
「倒産する=赤字」と思っている人が多いかもしれませんが、必ずしもそうとは言い切れません。黒字でも、大口の取引先が倒産したことによって売掛金を回収できなかった場合には、資金繰りが悪化して倒産する可能性もあります。キャッシュフローをしっかり把握すれば、現在の会社のお金の流れがどのようになっているのか分かるため、経営の安定度を高めることにつながるでしょう。対外的な信用力が高まる
キャッシュフローに基づいて会社を経営するということは、資金繰りを安定させて資金がショートするリスクを抑えることにつながります。もし、キャッシュフローが悪化している状況であれば、金融機関に融資を申し込むことで、一時的なキャッシュフローの悪化を補うことができます。
しかし、キャッシュフローを把握していない場合には、対応が遅れてしまい、結果的に資金繰りが悪化して倒産してしまうリスクが高まってしまうので注意が必要です。資金繰りの悪化に気づくことができたとしても、キャッシュフローをきちんと把握していない場合は、金融機関からの信頼を得られないため、融資を受けることができない可能性もあります。
このように、キャッシュフローに基づいて経営を行うということは、資金繰りの悪化に対し、すぐに対応できるようになるだけでなく、信頼度が高いため、万が一の事態でも金融機関のサポートなどを受けやすいことが大きなメリットと言えるでしょう。意思決定の自由度が高まる
赤字か黒字かといった単純な経営管理ではなく、しっかりとキャッシュフローに基づいた経営を行っている場合には、どのくらい資産に余裕があるのかも明確になります。
キャッシュフローに基づくことによって、計画的な資金管理が可能になるため、設備投資を行うといった事業拡大などもスムーズに進めることができるでしょう。キャッシュフローを経営に取り入れるデメリット
会社を経営する際に生じる利益は、あくまでも計算上の概念で実際のお金ではありません。逆にキャッシュは実際のお金であるため、会社経営がどうなっているのかという「事実」を表しています。つまり、キャッシュは預金通帳に記載されている残高と同じで、実際に手にすることがお金です。それに基づいて経営を行うということは、事実に基づいて経営を行うということなのでデメリットがむしろありません。
しかし、唯一のデメリットを挙げるとすれば、表を作成してしっかりとキャッシュフローを管理する手間が生じるということです。キャッシュフローの管理を行ってこなかった人にとっては、負担に感じられるかもしれませんが、これから安定した会社経営を行うためにはキャッシュフローの管理は必須と言えるでしょう。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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