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わずか10坪で月商650万円を売上げる話題の店舗「食堂かど。」など、コロナ時代を生き抜く居酒屋業態の新たな営業スタイル事例!

Withコロナ時代を生き抜く!居酒屋新業態特集_記事画像

年明け早々に二度目の緊急事態宣言が発出され、外食業界はふたたび厳しい経営を余儀なくされている。
感染拡大防止のポイントは人流の抑制、とりわけ夜間の人の流れを抑えることが必須との観点から、飲食店に対して20時までの営業時間短縮要請がなされた。
これによってもっとも大きな影響を受けるのは言うまでもなく居酒屋業態である。
ワタミ㈱が約200店の居酒屋業態を焼肉業態に転換すると発表するなど、大手居酒屋チェーンの中には“脱・居酒屋”の動きも目立ってきている。
まさに業態存続の正念場を迎えている居酒屋だが、外食の中でもっとも地域に密着した業態のひとつとして多くの消費者の支持を得てきたことは確かだ。
そうした業態のポテンシャルを生かしながら、新しい営業スタイルによって苦境に立ち向かおうとする意欲的な試みも出てきている。
今回は、withコロナの時代を生き抜くための居酒屋業態の新たな取り組みを紹介しよう。

3つの利用動機を狙って10坪16席で月商650万円!【食堂かど。】

東京・三軒茶屋で繁盛居酒屋「三茶呑場 マルコ」などを展開する㈱2STAPSの最新店が「食堂かど。」。
コロナウィルス禍の影響で2020年4月~5月にテイクアウトのみの営業をした後、6月にグランドオープンした。昼は定食と喫茶、夜は居酒屋という3つの利用動機を狙い、10坪16席で月商650万円を売るという大成功を収めている。
客単価は昼が1500円、夜が4300円。
ランチメニューはサバの味噌煮や生姜焼きといった定番のおかずにご飯、味噌汁、小鉢、ドリンクがセットになった日替り定食6品を用意している。
価格は1000~1300円で周辺のランチ相場より高めに設定しているが、カテゴリー原価率45%を投じてクオリティを追求。
13時30分~15時にはドリンク注文のみにも対応して喫茶需要を吸収し、昼は2時間の営業時間中に客席が2.5回転する。
さらにテイクアウトが売上げ構成比15%を占めている点も見逃せない。
メニューは700円の一律価格で、丼・弁当4品、200~250円でおにぎり4品、400~500円でおかず7品を用意。イートインのランチメニューが3日前後で商品を入れ替えているのに対して、テイクアウトはメニューを毎日変更し、より高頻度の利用につなげている。
ランチ営業よりも30分早くテイクアウト営業をスタートして作業を分散化し、生産性を向上させている点も特筆されよう。
一方、夜の時間帯のメニューは3カテゴリーで26品と品数を絞り込む。これも作業効率を高めるためだが、売れ筋の「肉焼売(3ケ)」780円をはじめ、つまみにもおかずにもなる料理を中心とした品揃えだ。
ドリンクもコーヒーと日本茶を使ったメニューを計15種と豊富に揃えており、ノンアルコールドリンクの売上げ構成比は10%を占める。
全時間帯で幅広い利用動機を吸収していることが、きわめて高い営業効率の実現につながっている。

営業利益率30%!高収益モデルを確立【大阪王 鶴橋店】

コロナ禍で需要が急増しているテイクアウトにフォーカスし、中食ニーズもとれる餃子酒場として坪月商50万円を超えるヒットを飛ばしているのが大阪・鶴橋の「大阪王 鶴橋店」である。
10.7坪のフロアにカウンター9席とテーブル14席を配置し、店頭には間口の左半分を割いてテイクアウト専用の窓口を設置。
単身者の居酒屋使いからファミリーの食事利用までの幅広い利用動機を吸引し、さらに近隣住民の持ち帰りニーズも掴んでいる。
大阪王ブランドは㈱ハンエイが関西エリアに10店を展開する餃子専門店で、鶴橋店は2020年8月にオープンした新モデルだ。
既存店が80品を超える品揃えであるのに対し、鶴橋店は7カテゴリーで30品にメニューを絞っている。
看板商品の焼き餃子は260円と安価に設定するとともに、フードメニューのプライスポイントを390円、790円に設定して値頃感を打ち出した。
サイドメニューは「四川★よだれ鶏」590円などの中華酒場の定番商品や「チャーシューエッグ」590円といった大衆酒場のトレンドを意識した商品を揃えるが、ポイントは「酢豚」や「天津飯」各680円といった食事メニューも揃えた点。
これが中食ニーズを吸収することにつながり、テイクアウトとデリバリーの売上げ構成比は33%を確保している。
売り方の幅を広げたことで、看板商品の焼き餃子は1日平均出数が200食を突破。
餃子は他に「海老餃子(5ケ)」390円、「紫蘇餃子(5ケ)」350円を揃え、焼き餃子と合わせた3品で売上げ構成比44%を占めるが、餃子はすべて自社工場で製造し、商品の均質化と作業の効率化を図っている点も見逃せない。
またイートインでもメニュー数を絞ったことでピーク時もキッチン2人、ホール1人で回せるオペレーションを構築。
FLコストを57%に抑え、営業利益率30%という高収益モデルを確立している。

参考記事「オーバーポーション」が原価率に影響?原価率の知識不足で閉店も!

SNSから火が付き、客数の8割が20代の女性【食堂うめぼし】

食事利用に対応することは居酒屋業態にとって喫緊の課題だが、売り物となるメニューをつくるとともに、その認知度をいかに上げていくかが重要だ。その点で注目したいのが福岡・天神の「食堂うめぼし」である。
店舗規模は20坪50席で、内外装は昭和の食堂をイメージしたデザイン。オープンは2018年6月だが、19年10月頃からお客によるSNS投稿が急増し、そこから売上げを大幅に伸ばしている。
とくに女性客からの支持が絶大で、客数のうち実に8割を20代の女性が占めている。

フードメニューは5カテゴリーで77品を揃え、中心価格を250~380円として値頃感を打ち出す。
「味玉ポテトサラダ」300円、「名物!肉豆腐」550円など酒場の定番料理を主力とし、料理にプラス300円でご飯、味噌汁などが付くセットメニューを用意。
これによって食事需要を吸引している。さらに注目したいのが料理のビジュアルだ。
売れ筋の「ごちポテト」480円はフライドポテトに生ハムをこんもりと盛りつける。
料理の見栄えや意外性のある食材の組合せなど、女性客の目にとまりやすい工夫をしているわけだ。
また、ドリンクメニューにオリジナル缶バッジをプレゼントするサワー3種を投入したところ、この缶バッジの写真をInstagramに投稿する女性客が続出。
バッジ目当ての目的客が急増し、店の認知度向上に大きく貢献した。
2020年5月から開始したランチ営業では30代~50代の男性客を吸収。
平日、週末ともランチタイムから通し営業の体制だが、食事利用に加えてちょい飲みニーズも掴み、幅広い時間帯で集客している。

ランチでも客単価1400円を確保し売上げアップ【豊洲場外食堂魚金】

居酒屋やバルで数多くのヒット店を生み出してきた㈱魚金が、食事利用も吸収する居酒屋の新モデルとして2020年6月にオープンしたのが東京・豊洲の「豊洲場外食堂魚金」である。
商業施設のレストランフロアに入居し、店舗規模は40坪74席。
オフィスワーカーに加えて子供連れのファミリーやシニア層など幅広い客層を吸収している。
14カテゴリーで84品を揃えるフードのメインは「六点盛りスペシャル」1980円をはじめとした魚金の定番料理46品だ。カテゴリー原価率が50%を超える刺身などお値打ちの鮮魚料理が並ぶが、それに加えて「若鶏の半身揚げ」980円、「がぶがぶハムカツ」580円といった酒のアテにもご飯のおかずにもなるメニュー9品を投入している。さらに注目したいのが商標登録出願中の「掴み寿司」だ。
すしを海苔で巻いて手づかみで食べるスタイルを提案し、盛合せ3品980円~、単品9品480円~をラインアップ。また、刺身の単品メニューに合わせることを想定したご飯セット5品380円も揃える。
ちょい飲みや仕事帰りの食事プラス1杯、家族のディナーなど幅広い客層と利用動機に応えるメニュー構成だ。
また、ランチタイムには1000~1580円の価格帯で定食6品、丼2品を提供。ご馳走感のある刺身や塩焼きをおかずのメインにすることで客単価1400円を確保し、これが売上げアップに大きく貢献している。

メニューにサプライズを潜めて女性客の支持を獲得【TexturA】

メニュー構成だけでなく、多彩な客席スタイルを取り入れることで利用動機の幅を広げ、売上げアップにつなげているのが東京・有楽町の「TexturA」である。
同店はモダンチャイニーズとスパニッシュという2つの料理ジャンルを取り入れている点が特徴だが、異色なのはそれだけではない。
66坪の店内を2フロアに分け、スタンディングを含めた42席のカジュアルダイニングエリア(Dエリア)と、テーブル42席を配置したレストランエリア(Rエリア)の併設店という営業スタイルをとっているのだ。

経営母体の㈱ウェイブスは神奈川・鎌倉の高級中国料理店「イチリンハナレ」や東京・二子玉川のスパニッシュカフェ「マヨルカ 二子玉川」などを展開。
TexturAではそれらの料理ジャンルが共存する業態づくりで、客層の裾野を広げるともに新しい外食シーンの創出を狙った。フードメニューはDエリアはアラカルト、Rエリアはコースを提供。
Dエリアのメニューはモダンチャイニーズの「Chn」とスパニッシュの「Esp」の2カテゴリーに分かれ、900~1600円を中心価格帯として計32品をラインアップ。
一方、Rエリアは5000~1万2000円の価格帯で3コースを用意している。
看板商品は、アラカルトでは900円で提供する「イチリンハナレのよだれ鶏」。また、ピンチョス各種300円~はファーストオーダー時にスタッフが料理を見せながらおすすめしたり、パエリアを時間限定で無料で提供する「幸せのおすそ分け」サービスを取り入れるなど、メニューの随所にサプライズを潜ませることで女性客の絶大な支持につなげている。

この記事の監修
株式会社柴田書店/株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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