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経営の相談はいつ・だれにする?相談相手の選び方や相談のポイントを解説

経営の相談はいつ・だれにする?相談相手の選び方や相談のポイントを解説

店舗・会社の運営や起業の準備は、常に順風満帆とは限りません。場合によっては、資金不足や経営難で悩んでしまうこともあるでしょう。

こういった経営に関する悩みは、経営者や弁護士といった専門家に相談すると解決できる可能性があります。

ただし、同じ人物に闇雲に相談すればよいわけではなく、「適材適所」を知った上で、適する内容の相談をすることが大切です。

この記事では、経営に関する相談内容の例や適した相談相手を選ぶポイントについて紹介します。経営に関する悩みを抱えており、相談相手を探している方はぜひ参考にしてください。

経営の相談は誰にすればいい?悩み別に適する相談相手を紹介

相談相手を探す際は、自分の悩みの解決に適した相手を頼ることが大切です。相談相手を間違えると、期待した結果を得られない可能性もあります。

ここでは悩み別に適した相談相手を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

経営者

経営の立て直し方をはじめとした経営に関する内容は、経営の経験者に相談するのがおすすめです。

これまで店舗や会社を運営してきた経営者の多くは、さまざまな失敗や成功を体験しています。経験豊富な経営者から受けるアドバイスはリアルな体験にもとづいているため、参考になりやすいでしょう。

また、同じ経営者という立場なので説得力があり、自分も納得しやすいです。同じような業種で活躍している経営者に相談すると、より的確なアドバイスをもらいやすくなります。

弁護士

法律に関するトラブルや裁判関係、法的な手続きや書類作成、経営再建などは弁護士に頼りましょう。法的な知識が薄い方でも、法律のプロである弁護士に相談すればスムーズに悩みを解決しやすくなります。

なお、「労働問題が得意」、「事業承継が得意」など、弁護士にもそれぞれ強みがあります。より迅速に課題を解決するためにも、自分の悩みに適した弁護士事務所を探してください。

税理士

経営をしていると経費の判断基準に迷ったり、税金対策に悩んだりする場合があるかもしれません。このような税金関係の悩みは、税理士に相談することをおすすめします。

税金関係の悩みは自分で解決できる場合もありますが、経営を始めたばかりの知識が浅い状態では困難なケースが多く、手探りでどうにかしようとすると、手続きの不備などのミスが発生する可能性があります。

「経費で落ちるのかわからない」「税務書類作成を頼みたい」などの税金関係については、税理士を頼ってください。

なお、中には資金繰りに関する相談を受け付けている税理士もいます。税金関係だけでなく経済面でも悩んでいる方は、探してみるとよいでしょう。

社会保険労務士

社会保険労務士の業務は、社会保険の手続き業務だけではありません。雇用管理や人材育成など、労働面の相談指導業務も行なっています。

そのため、「人材育成に悩んでいる」「労働に関するトラブルが発生した」などの悩みを抱えている方にはおすすめの相談先です。また、内容や窓口によっては、無料で相談できる場合もあります。

司法書士

起業の手続き面に疑問がある方は、司法書士に相談しましょう。司法書士は、起業に関する手続きを委任することが可能です。相談すれば疑問点を解決できるのはもちろん、必要な手続きを代理で行ってもらえます。

起業の手続きは自分で行うことも可能ですが、内容に不備があり後で手間がかかってしまうと、後悔しかねません。安心して経営を始めるためにも、起業の手続きに関しては司法書士に頼るとよいでしょう。

無料で経営相談できるのはどこ?

いきなりお金をかけることに抵抗があるという方には、無料で相談できる窓口の利用がおすすめです。

商工会議所

商工会議所は、地域の商工業の発展を目的とした、商工業者で構成される公益団体です。その地域に根差した会社経営者や個人事業主が集まる場でもあり、商工会議所の会員になれば、経営に役立つさまざまなサービスを受けることができます。役所ではありませんが、役所が行うような仕事も請け負うため、公的な機関と位置付けされています。

都道府県等中小企業支援センター

都道府県等中小企業支援センターは、各都道府県や政令指定都市に設置されている公的な中小企業支援機関です。中小企業の経営課題や資金調達などの相談に応じているほか、専門家派遣、セミナー開催など様々な支援サービスを無料で提供しています。支援センターや振興公社、振興財団など場所によって呼び方が少しずつ異なるので、利用する際は公式HPを見て最寄りの施設を確認するようにしましょう。

よろず支援拠点

よろず支援拠点は国が設置する無料の経営相談所です。こちらも中小企業や小規模事業者を対象に、経営に関する様々な悩みに答えてくれます。各全都道府県に設置されているため、多様な分野に精通した専門家が地域の特色に応じた解決策を提案してくれるでしょう。

経営の相談をするべきタイミングは?

経営において、他者に相談するべき明確なタイミングはなく、事業内容や課題によってさまざまです。参考として以下のようなポイントが挙げられます。

課題を発見し次第すぐに相談する

売上不振、人材難、資金繰りの悪化など、経営上の様々な課題を自力で乗り越えようと試みる経営者は少なくありません。しかし、一人で抱え込むよりも、早期に専門家に相談することをおすすめします。

たとえば、資金繰りが厳しい状況が長く続くと、最悪の場合、倒産に追い込まれる可能性があります。このように深刻な経営危機に陥る前に専門家からアドバイスを仰ぐとよいでしょう。スピーディな課題解決が健全な経営のカギとなります。

新規事業に着手するとき

新たな事業を始めるときは、自身の経験や勘だけで進めるのではなく、専門家に頼ることも大切です。専門家からアドバイスを得ることで、冷静な判断ができ、リスクを抑えることができるからです。

飲食店経営者が2店舗目や3店舗目の出店を検討する場合を想定してみましょう。立地の適切さ、人通りや競合状況、人材の採用見通しなどについて専門のコンサルタントと検討を重ねることで、より堅実な選択をすることができます。

平常時でも相談できる体制を整えておく

経営には様々な難しい課題が付きものです。そういった課題に個人で対応するのは簡単ではありません。自分の力だけで解決しようとすると、客観性を欠いた判断をしてしまう恐れがあります。

そのため、常に信頼できる相談相手と気軽に連絡がとれる体制を整えておくことが大切になります。問題の早期解決だけでなく、経営者個人の不安も和らぎ、より経営に集中できる環境につながります。課題に直面し、必要以上に焦ることのないように、あらかじめ相談ルートを確保しておきましょう。

経営に関する相談として考えられる内容

初めて経営に関する相談をする際、「こんなことで相談してもよいのだろうか」と悩んでしまうこともあると思います。参考として、経営に関する悩みとはどのような相談内容が多いのかについて、把握しておきたい方もいるのではないでしょうか。

そこでまずは、経営に関する相談内容の具体的な例を紹介します。相談内容は人によって異なりますが、よくある悩みとして考えられるのが次の3つです。

●資金に関連する悩み
●経営に関連する悩み
●起業に関する悩み

以下でそれぞれについて、詳しく説明します。

資金に関連する悩み

経営相談の内容としてまず考えられるのが、資金に関連することです。開業をする際に発生する初期費用や事業の継続に必須な運転資金など、店舗や会社を経営するにはお金のことを考える必要があります。

しかし、開業や経営に慣れていない場合は、お金に関する問題を抱えてしまうケースが多く、たとえば、資金繰りが上手くいかない、融資の調達先に迷っているなど、資金関連の悩みを抱える方は少なくありません。

これらの資金関連の悩みは、金融機関をはじめとしたさまざまな窓口で相談を受け付けているため、そのような窓口を活用することで悩みが解消される可能性があります。

経営に関連する悩み

状況によっては、「経営が傾いているので立て直したい」など、経営再建に関する悩みを抱えることもあるでしょう。

経営再建の悩みは、再建を専門とする団体、または弁護士などが受け付けています。中には無料で専門家を紹介してくれる団体もいるので、探してみるとよいでしょう。

なお、経営再建ができずにやむを得ず倒産する場合は、「私的整理」や「法的整理」などの手続きが必要です。これらの手続きに関する内容は、弁護士に相談することができます。

起業に関連する悩み

初めて起業をする場合は、手探りで準備を進めていくことが多いと思います。慣れていないこともあり、具体的な起業方法や必要な手続きがわからず悩んでしまうケースは珍しくありません。

こういった起業関連の悩みは、開業支援サービスや起業コンサルタントなどに相談すると解決しやすくなります。自分1人で経営の準備を進めるのは大変なので、不明点や悩みがあれば積極的に相談するとよいでしょう。

経営の相談相手を選ぶポイント

弁護士や金融機関、起業コンサルタントなど、経営に関する相談はさまざまな団体が受け付けています。頼れる相手が多いのは悪いことではありませんが、選択肢が多いと誰に相談するべきか悩む場合もあるでしょう。

経営の相談相手を探す際には、いくつかのポイントを押さえていれば選びやすくなります。ここからは、相談相手を選ぶ際のポイントを紹介します。

経営の相談相手を選ぶポイント

①サポート内容で選ぶ

経営に関する相談を行う際にまず確かめたいのが、具体的なサポート内容です。

どんな内容をどの範囲まで相談に乗ってくれるかは、相談先で異なります。たとえば、相談内容に対して解決策を提案するだけの場合もあれば、解決に向けて手伝ってくれる場合もあるでしょう。

最適なサポート内容かどうかは、自分が抱える相談内容によっても変わってきます。相談先を選ぶ際には、自分がどこまでのサポートを必要としているのかを考えた上で決めましょう。

②料金で選ぶ

相談先を選ぶときには、事前に相談料を確認しておきましょう。相談料の有料・無料は相談先によって異なります。

有料の場合、料金体系は各業者で変わってきますが、よくあるケースが時間単位や毎月の定額制です。時間単位は「1時間ごとに〇〇円」、毎月の定額制は「月々〇〇円」のような仕組みで支払いが発生します。

相談にどこまでお金をかけられるかは人により異なるため自分の経済状況に合わせて、相談先を選んでください。

③相談方法で選ぶ

相談先を選ぶ際は、自分にとって都合のよい相談方法が設けられているかについても確認しておきましょう。

相談をするために来店が必要となるのか、それとも電話やオンラインで対応してくれるのかなど、設けられている相談方法は相談先によって変わります。

手軽なのはオンラインや電話といった相談方法ですが、相談の際に資料を提示したい場合や、実際に自店舗を訪れてアドバイスをもらいたいときなどは対面のほうが適しています。

自分が抱える悩みの内容に応じて、相談方法を検討するとよいでしょう。

④専門家の実績で選ぶ

経営に関する悩みを受け付けている相談先は数多くありますが、どの相談先も実績がある専門家がいるとは限りません。相談先によっては、知識はあっても実績が少ない専門家が担当する可能性も考えられます。

相談内容に詳しい専門家はいるのか、過去の実績があるのかという点は事前に確認しておきましょう。

経営相談をする際に注意すべきポイント

経営相談は、専門家や窓口に相談するだけでは成果はなかなか期待できないかもしれません。重要なのは適切な準備と最適な相談先を見つけること、そして上手な相談の仕方にあります。

具体的には以下の3つに注目するようにしましょう。

相談内容を具体的にする

経営相談の際、最も大切なことは、現在直面している課題を明確にし、具体的な内容を伝えることです。漠然とした相談では、アドバイザーから的確なアドバイスを得ることが難しくなります。自社の状況や問題点を整理し、質問事項を明確に伝えることが重要です。

例として、現在経営上で困っている点を一つひとつ洗い出し、リストアップする方法があります。たとえば「売上が伸び悩んでいる」「人材確保に苦労している」「資金繰りが厳しい」など、現状の課題を見落とさずにメモしていきます。さらに詳しく掘り下げたい場合は、5W1H(いつ、どこで、だれが、なにを、なぜ、どのように)の観点から状況を整理すると良いでしょう。

また、課題に関連する数値データがあれば、併せて準備しておくことをおすすめします。売上や利益の推移グラフ、財務データ、従業員数や離職率など、実際のデータを示すことで、アドバイザーに正確な状況を伝えやすくなります。

信頼できる相手を選ぶ

上述の経営の相談相手を選ぶポイントを踏まえて、本当に信頼できる相談者を見つけましょう。適切なアドバイスを得られるかは、相手の専門性と経験値はもちろんのこと、倫理観や人格性などの内面的な資質も問われることになります。

また、長期的な信頼関係を構築できるかどうかも大きなポイントとなります。経営者は充分な時間をかけ、専門性はもとより人格面でも信頼できる相談相手を慎重に選定する必要があります。

フォローアップの機会を設ける

経営相談は一回きりでは十分な解決が難しいものです。経営課題は複雑で、適切な対策を見つけるまでには時間を要します。専門家からアドバイスを受けたら、実践した結果を報告し、追加の助言をもらうことが大切となります。

たとえば、資金繰りに課題がある場合を考えてみましょう。最初に財務改善の提案をされても、すぐには解決しません。対策を実行し、一定期間経過後に再び専門家に状況を伝え、フォローアップのアドバイスをもらいます。そして新たな取り組みを重ねていきます。このサイクルを繰り返すことで、徐々に最適な方法が見えてくるのです。

抱えている悩みに適した相談相手を頼って経営を成功させよう

経営に関する悩みは、自分だけだとなかなか解決できない場合もあります。早急に問題を解決するためにも、悩みを抱えている方は一人でどうにかしようせず、適切な相談先を探しましょう。

また、起業に関する悩みがある場合は、「canaeru(カナエル)」のような開業準備を支援してくれるサービスを頼るのもひとつの方法です。

「canaeru(カナエル)」では、飲食店や美容院をはじめとしたさまざまな業種の開業に関するサポートを行っており、資金調達や物件取得など開業準備にまつわる相談を無料で受け付けています。

開業準備を進める上で疑問や不安がある方は、ぜひ積極的な活用をご検討ください。

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この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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