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コロナ禍での飲食店ブランド力を考察!スターバックスに学ぶ飲食店ブランディング

コロナ禍での飲食店ブランド力を考える…生き残るための飲食店ブランディング…_記事画像

ネット全盛の今、料理の美味しさだけでなく、それ以外の情報の打ち出し方が成功へのカギとなるのは言わずもがな。
そのための「ブランディング」の重要性が高まっていますが、飲食店におけるブランディングとはどういったことなのでしょうか。

2020年、飲食業界は、新型コロナウイルス感染防止のための自粛要請によって、過去にないと言われる打撃や混乱が起こっています。
これからの飲食店の在り方について、「ブランディング」の視点からも考えていきます。

飲食店でもブランディング?ブランディングって、そもそも何?

ブランドと聞いて、エルメスやグッチなどの高級ブランドをイメージする方は多いと思います。
そもそも「Brand(ブランド)」の語源は、家畜に焼印を押す意味の「Burned」にあるといわれ、その昔、他人の家畜と間違えないように、自分の家畜に熱した鉄印を押して区別したことから転じて、他者との差別化を意味する言葉=ブランドになったそうです。

たとえばエルメスのバッグや時計を身に付けると自分の価値も高まったような気がするのは、エルメスというメーカーに価値を感じているからに他なりません。
元は馬具工房だったエルメスが結果として消費者に高い価値を感じてもらえるようになったのは、職人が手間暇かけてつくりあげた商品や販売スタッフによるホスピタリティの高い顧客サービスを通じて共感や信頼を勝ち取ることができたからです。
ブランドとは人が企業や商品に対して持つイメージであり、ブランディングとはそのブランドに対し、プラスの影響や印象を与える活動を意味します。

マーケティング戦略のひとつであるブランディングですが、その対象は商品やサービスだけでなく、それらを供給する企業や団体、人物や建築物、地域などあらゆるものが該当します。
たとえば、あなたが和食屋の「A」という名前のお店のオーナーになったのなら、ブランドとして認知されていないAを育て上げなければいけませんが、試行錯誤の末にAの名前を聞いて誰もが「あの美味しい和食のお店か!」「Aだから行ってみたい」などと思わせることができたのならブランディングは大成功なのです。

スターバックスにみる飲食店のブランディング例

1971年にアメリカのシアトルで創立し、世界中に3万近くの店舗を持つスターバックスコーヒー(以下、スタバ)。
ちなみに日本の店舗数は1,434ですが(2019年3月末現在)、その1号店は1996年、銀座にオープンしています。
おしゃれなイメージは今も健在、決して安くはない価格帯にも関わらず、店内は常に客であふれ、バッグやタンブラーなどオリジナルグッズも高い人気を誇っています。
実はスタバはテレビCMやチラシなどの広告宣伝に頼らず認知度を高めたとされ、その背景には徹底したブランディングにあるといわれています。
そもそもスタバは、利用者にとってのサードプレイス(家庭でも職場でもない、リラックスできる第3の場所)であることを目指していますが、そのためにバリスタの育成や居心地の良さを感じられる内装・インテリア、自由自在にカスタムできる飲み物のラインアップなどスタバを物語るすべての要素をパッケージした世界観の確立に成功。
その結果スタバでしか提供できない体験や付加価値を消費者に与えたことで、唯一無二のコーヒーショップの座を獲得することができたのです。
スタバのブランディングの成功は「コーヒーが美味しいから」「おしゃれだから」だけではなく、ひとつひとつの要因が三位一体となって醸成されたことにあるといってもいいでしょう。

コロナ禍でのスタバの対応とブランディングの関係

スターバックス コーヒー ジャパンは、新型コロナウイルスによる感染拡大を鑑み、いち早くその対応を消費者にインフォメーションしました。
Webサイトに「重要なお知らせ」が掲示されたのは3月2日。
以降も、その重要なお知らせは更新され続けています。

東京都が自粛の要請を出したのが3月25日ですから、飲食店としてはかなり早い段階でのインフォメーションと言えるでしょう。

内容は、マグカップ等での提供を中止し使い捨て紙カップの利用、マイタンブラーでの提供中止などからはじまり、ソーシャルディスタンスや店舗の営業時間短縮などがどんどん追記されています。

実際は、スターバックスも売上は減少していると推測はできますが、いち早くこの非常事態に対応しることが、スターバックスが放つブランドを維持していくのです。

個人経営の店でブランディングはどうやるのか?

ブランディングを行う際に、欠かせないのが「3C分析」です。

「Customer(顧客・市場)」

「Competitor(競合)」

「Company(自社)」

「3C」とはこれら3つの頭文字である「C」を採ったもので、3つの環境についてそれぞれ分析を行うなど、マーケティング戦略の分析ツールとして活用されます。
まず「Customer」で市場の規模や顧客のニーズ、消費行動などを分析したら、次に競合の環境や現状を知るために「Competitor」で業界全体について分析。
最後は「Company」で自社の強みと弱みを分析――。
このように3C分析を行うことは競合が参入できない領域=市場機会を発見することになるので、結果として差別化のポイントを見出すことも可能になります。そして、この差別化こそがブランディングに欠かせない要素となるのです。

スタバでみる3C分析

ちなみにスタバが日本に上陸した当時、隆盛を誇っていたのはドトールなどの庶民的なコーヒーチェーン店でした。
試しにここでスタバの参入時における3C分析を簡単に行ってみましょう。

「Competitor(競合)」

大きな特徴は喫煙もOKでコーヒーはセルフサービスで低価格。
商品の種類は少なく、フランチャイズが主流だったので店舗ごとに品質にバラつきがあった。

「Customer(顧客・市場)」

タバコの臭いがなく、おしゃれな空間で質の高いコーヒーが飲みたいという潜在的な顧客ニーズがあったにも関わらず、そうした店は皆無だった。

「Company(自社)」

既存店が提供できなかった要素(空間演出、本格的なコーヒー、禁煙等)を打ち出し、競合との差別化を図ることができた。

このように3C分析を行うことで、自社がとるべき戦略が見えてきます。

飲食店が「ブランド力」をつけた場合の最大のメリットとは?

たとえば、「アメリカで流行っているコーヒーショップがあるから、日本に持ち込んで展開してみよう」と考えた場合、圧倒的な強さを誇るスターバックスコーヒーをはじめとする競合に対し、どのように戦うかを考えなければいけませんし、料理や飲み物の美味しさだけではなく、新しい価値を創造できるかどうかにかかっています。
それにはまず、店のコンセプトを明確にし、競合が太刀打ちできないような差別化を図るなどのブランディングを進めることが大切です。
また店にブランド力がつけば、「このお店で働いてみたい!」というスタッフも出てくることでしょう。
これは慢性的な人手不足に悩む業界にとって非常に価値のあること。
ひいては長期に渡る安定経営もしやすくなるはずです。

じゃあ、スタバのような海外ブランドを個人経営がどうやって真似すればいいのか?

近年、日本初上陸!との触れ込みで、海外で人気の飲食ブランドが参入を果たしています。
たとえば2015年に日本1号店を原宿に出店させた台湾発のかき氷ショップ「アイスモンスター」は、日本にはなかったかき氷の新食感が受けて、連日大行列をつくったのは記憶に新しいところ。
このように、海外で見かける「日本にはない珍しい食材やメニュー」を日本で展開し、成功したケースはよくあることです。

また、スタバのような海外飲食ブランドが日本に定着した背景には、「コトの提供」があります。
例えば
「スタバで仕事をしているような人」
というイメージ像があり、それが「かっこいい」と認識されているという現象。
これに憧れている、もしくはそういう意識を持っている消費者が、お店をリピートしてくれるという構造が出来上がっています。
スタバが提供する飲食は、飲み物・食べ物だけではなく、それを取り巻くステイタスも提供しています。
店内の空間演出はもちろんのこと、カップのデザインやスリーブの提供、マイタンブラーの仕組みとタンブラーのラインナップ、商品のオーダーからピックアップまでの導線…挙げたらきりがありませんが、そのすべてが「かっこいい」を創出するために考えられている、と言っていいでしょう。

これは、個人の飲食店でも充分に可能な策です。

まとめ

日本の飲食市場はトレンドが目まぐるしく、常に話題性が求められているゆえ、「海外で人気の食を輸入すれば成功するのでは……」という考えから起業する方はいるかもしれません。
しかし、ここで大切なのはアイデアではなく、そのアイデアをもとに、どう「集客」していくかです。
どれだけ知ってもらえるか、来てもらえるか、リピーターになってもらえるかにつながる販促、プロモーションを行うためにも、ライバル店との差別化や付加価値、コンセプトづくりなどのブランディングが重要になってくるのです。

また、新型コロナウイルスによる自粛の影響によって、飲食業界は大きく様変わりしようとしています。
自粛が落ち着いても、おそらく、この新型コロナウイルスが登場する前の世界に戻ることはありません。
飲食店が生き残るためには、今までと同じコンセプトでは不十分である…という見方も出ています。
消費者に対して、より「安心・安全」を提供し、その安心・安全の証となる考え方や対応を知らせていく…スターバックスが新型コロナウイルス感染流行に対していち早く行ったような姿勢が、個人の飲食店でも必要になり、それがお店のブランド力を形成、生き残っていくためには「お客様に支持される」ことが重要になってくるのではないでしょうか。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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