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居酒屋やレストランなどの飲食店の店頭で、「ハッピーアワー」と書かれた看板をよく目にします。
指定された時間帯に、お得な価格でドリンクや料理が楽しめるサービス。
お客さんにとってはうれしい施策ですが、お店側としては儲けにつながっているのでしょうか。そもそも、ハッピーアワーって?
ハッピーアワーは一般的に飲食店がオープンする15時、16時頃から、店が混み始める19時あたりまでの2-3時間ほどの間、特定のメニューがお得になるサービスです。
夕方は企業などがまだ稼働している時間帯ですので、フリーランスで働いている人や主婦の方など、比較的時間が自由に使えるお客さんが利用することが多いです。
しかし、18時ともなれば、「帰り際に1杯」と考えているお客さんにも需要があります。
また、最近だと「ノー残業デー」、「フレックス制」、「プレミアムフライデー」などの制度を充実させている企業が増えてきました。
社員が会社を早く出られる環境が整いつつあり、マーケットとしては、今後の伸び代に期待ができます。ハッピーアワーは儲かるか?
ハッピーアワーはレギュラーの時間帯と比べれば、利益は当然のことながら下がってしまいます。
しかし、お客さんがいてもいなくても、調理スタッフや給仕スタッフはすでに店に入っているので、この時点ですでに人件費が発生しています。
客単価を少し落としても空席を埋めて、給料分の仕事をしてもらった方が、トータルで考えてメリットがあるといえます。
また、ハッピーアワーはお客さんが競合店に流れるのを防ぎ、店の回転率を上げる宣伝ツールと考えれば、問題はありません。
店に入ろうかどうか迷っているお客さんの目を引きつつ、お得感を煽って集客に結び付くような施策にしましょう。代表的な施策
同じハッピーアワーでも、飲食店の種類や狙うターゲットによって、さまざまな施策が考えられます。主なものを紹介していきます。
一部のメニューの値引き
なるべく多くのお客さんを引きつけるには、定番のドリンクを値引きするのが効果的。生ビールやチューハイなどのアルコールだけでなく、ソフトドリンクも対象にすれば、グループで入店してもらえる確率が高まります。
一方、ビール専門店やワイン専門店などでは、ベーシックなものに加え、珍しい銘柄をあえて対象にして、「この時間帯のみお手頃価格で楽しめる」という点をウリにするのも手です。全品値引き
全品を対象とすれば、ハッピーアワーのインパクトが強くなります。
ドリンクと軽食・つまみ類がメインの飲食店なら、一般的にはどれも原価率が低いのでこうした施策は有効です。
「ドリンク全品半額」、「おつまみ全品200円オフ」など、同じ全品でもカテゴリーごとにうたっている店が多いです。サービスメニューの値引き
飲み放題や食べ放題といったサービスを、「17時まで入店なら1000円引き」といった、さらにお得感のある価格に設定します。
また、こうしたサービスメニューには、一般的に90分などの時間制限がありますが、「19時までなら制限なし」といった施策をとる方法もあります。空席になってしまうのなら、来ていただいたお客さんの満足度を上げて、リピーターの獲得につなげる方が得策です。セットメニューの販売
ドリンクの値引きは魅力的ですが、アルコールを注文したらやはりおつまみが欲しくなるもの。
そこで、ドリンクの値引きではなく「ビール+おつまみ3点で1000円」といった料理とセットで販売することで、お得感を演出します。
とくに、「正規メニューの料理は一人で食べるには量が多い」と感じている“おひとり様”の足を立ち止まらせるには、有効な施策です。1杯目だけ格安
「1杯目100円!」など、安く飲みたい人に数字でインパクトを与えるには、これが一番。実はこうした施策は、仕事帰りの会社員だけでなく、意外にも家族連れに人気です。
小さな子どもなら、ジョッキサイズのジュース1杯で十分というケースが多いので、節約にはもってこいなのだとか。
お父さん、お母さんも子連れではあまりアルコールは飲めませんが、ビールで乾杯程度はしたいもの。
そんなニーズにぴったりというわけです。
このような施策なら居酒屋などのアルコールを提供する飲食店も、家族層をターゲットにすることができます。限定メニューの販売
ハッピーアワーにだけ楽しめるメニューがあれば、安売り感を出さずとも、集客に期待できます。
例えば、通常はバラバラに頼むしかないステーキとサラダをほどよい量のワンプレートにする、単品では高価な珍味を少しずつ盛り合わせるなど、組み合わせや量で変化をつけます。
また、「レギュラー時間帯は5個からオーダー可能な生ガキが、ハッピーアワーなら1個単位でOK」といった具合に、普段とは違うサービスをアピールするのもいいですね。
忙しい時間帯では「そこまで手をかけられない」ということも、接客に余裕のあるハッピーアワーなら対応できます。ハッピーアワーの時間帯は夕方だけじゃない
一般的には夕方の時間帯に設定されることが多いハッピーアワーですが、「集客のタイミング」は夕方だけではありません。
19時頃から飲み始めた場合、いわゆる一次会が終わるのは21時~22時頃。
店のお客さんの“入れ替え”時間です。家路に着く人が増えますが、「もう一杯」、「場所を変えて」と考えている人も少なくありません。
そんな二次会組を狙って、あえて21~22時あたりにハッピーアワーを導入するという手があります。
「もう1杯」が高じて、ラストオーダーの時間までいることは珍しくないので、お客さんが途切れることが少なくなります。また、数は少ないものの、11時、13時といった明るい時間帯に実施している飲食店、一般的なハッピーアワーを延長し、20時までやっている飲食店もあります。
他店がやっていない時間帯を狙えば、ニッチな客層の獲得に期待がもてます。ハッピーアワーのデメリットも考慮しよう
ドリンクやつまみ類は比較的原価率が低いので、値引きをしてもそれほど利益にダメージは出ないといわれています。
しかし、個別に計算すれば、ビールよりもチューハイやハイボールの方が圧倒的に原価率を低く抑えられます。
「利益よりも集客」が目的のハッピーアワーですが、少しでも利益を上げたいのなら、対象となるメニューは吟味して選ぶようにしましょう。
一律に「半額」とするのではなく、16時~17時は200円引き、17時~19時は100円引きといった、段階的な値引きをする方法もあります。
また、とくに「1杯目だけ格安」とした場合には、子どもがいると客単価が上がらないので、「子どもを含め1人1品」料理のオーダーを条件にするなどの工夫が必要です。【居酒屋】の開業方法はこちら≫「居酒屋を開業するには?開業資金や準備、繁盛するための対策とは?」
【バル】の開業方法はこちら≫「バルを開業するには?開業資金や準備、繁盛するための対策とは?」
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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