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非・駅チカ立地で安定した経営をする秘訣…三鷹駅から徒歩12分。住宅街のど真ん中に店を構える人気ラーメン店「さくら井」。

非・駅チカ立地で安定した経営をする秘訣…三鷹駅から徒歩12分。住宅街のど真ん中に店を構える人気ラーメン店「さくら井」。_記事画像

東京・武蔵野市西久保。三鷹駅から徒歩12分という住宅地の中にある「麺屋さくら井」は、人通りもまばらな裏通りに面していながら、2016年11月の開店当初から繁盛を続けている人気店だ。2017年には三鷹駅前エリアに幾つかのラーメン店が誕生し、特に北口側には「さくら井」と競合する無化調ラーメン店も出店した。しかし「さくら井」は影響をほとんど受けず、安定した経営を続けているという。その強さの秘密は何なのだろうか。店主の櫻井祐太氏を再度訪ねた。

売上げを安定させるため、「スープ切れは起こさない」。夜も最後まで営業させる

競合店が出来ても、お客さんが減ったとか、逆に相乗効果で増えたということはありません。最初のころから来てくれている常連さんが、今も変わらず来てくれている感じで、客層は安定しています。
敢えて変わった点と言えば、「売り上げが安定した」ということでしょうか。初めの頃は、「スープ切れ」で夜の営業を終わらせてしまう日が多かったのですが、今は仕込みの量を増やして、夜も最後まで営業するように努めています。そこが安定の一番の理由だと思います。

売上げを安定させるため、「スープ切れは起こさない」。夜も最後まで営業させる

住宅街のど真ん中にお店。それはある意味狙い通りの場所

自分もこのあたりが地元ですが、「ラーメンを食べよう」って思った時に、駅まで行くのって大変なんですよ。だから昔から、「このへんにラーメン屋があればいいな」ってずっと思っていて。「自分だったらきっと行くだろうな」っていうお店を作ったつもりです。地元・地域目線だから地元の常連さんがついてくれて、それが結果として安定につながっているんだと思います。

住宅街のど真ん中にお店。それはある意味狙い通りの場所

商圏は徒歩か自転車で来られるくらいの範囲をイメージしていたし、女性の方でも、子ども連れの方でも、おじいちゃんおばあちゃんでも入りやすい雰囲気の店にして、そういう方にも食べやすいラーメンを出そうと思っていました。実際に来てくれているお客さんもそんな感じなので、思ったとおりになっているのかな、という感じです。

「作りたいものを作る」ではダメ!その土地に合った味が存在する

僕の場合、いろんなラーメン屋さんを食べ歩いていたので、「流行っている店の場所と出しているラーメンの関係性」というか、「この場所で地域に根づきそうなラーメン」というものが、感覚としてあったんですね。だからこの店についても、自分が作りたい味から逆算して、「ここならいける!」って思って決めました。「このへんを歩いている人は、自分のラーメンを食べてくれそうだな」って。
ただ、「駅から遠ければあっさり系が売れる」とか、そういう単純なものではないんです。うまく言い表せないんですが、自分のやりたい味と、その地域の結びつきを感じ取ること、それが大事なところだと思います。

平日と休日でガラッと変わる客層。休日は家族連れが多くなる

平日の昼は、地元の人やサラリーマンの方が多いです。夜は会社帰りの人が多いですね。休日になると客層はガラっと変わって、このへんに住んでいる人や、家族連れの方が多くなります。平日にスーツを着て来る人は、土日にはほぼ見かけませんね。

昼はまずいませんが、夜は行列になることも少ないので、お酒を飲んで、1時間くらい長居をするお客さんもいらっしゃいます。ビールや日本酒を飲んで、最後にラーメン食べる、という感じですね。そういう方のために、カウンターの上にお酒を置いています。お酒好きな人は、ここに見えれば飲みたくなるのかなと思って(笑)。

地域に根ざした味、サービスを提供する

うちは化学調味料を使わずに、お年寄りの方でもお子さんでも食べやすい、優しい味に仕上げています。あとは、女性向けには紙エプロンや髪留めを置くなどしていますし、子連れの方については取り皿の用意などをしています。

地域に根ざした味、サービスを提供する

案内看板も出さない!お客様にお店を見つける楽しさもある?

結構わかりにくい場所で、城山通りを来ればまだマシなんですけれど、ネットで検索すると住宅街の中を来るように指示されるので、もっと不安になりますよ(笑)。でも、敢えて案内看板は出していないです。自分もよく食べ歩くんですけれど、「あ、ここか!」っていうのが楽しいじゃないですか(笑)。

地元じゃなければこの場所は選ばなかった

やっぱり「土地勘」がないと、駅から遠い場所は難しいでしょうね。僕は三鷹が地元だったので、この場所が不利と言われていても、なんとなく人の通りがあるのはわかっていたし、地元の人が通勤や通学でよく通る印象があったから、「きっと見つけてくれるんじゃないかな」って思っていました。まったく知らない土地だったら、この場所は選ばなかったですね。

駅から離れれば離れるほど、「地元に向いている」ということが大事になってくると思います。店の選択肢が減るので、リピーターさんの割合が増えるんですね。うちの場合は3、4割くらいがヘビーなリピーターさんだし、ほかのお客さんも、おそらく2回目、3回目なんだろうな、という方が多いです。そういう方に向けて、何度も来ていただけるようなお店作りをするというのが、安定の秘訣なんでしょうね。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

JR中央線三鷹駅北口から徒歩12分、バス通りに並行して南北に通る裏通り「城山通り」沿いにひっそりと佇むラーメン専門店。基本メニューは醤油味、塩味の澄んだスープのラーメンで、数量限定で煮干しが効いたスープのラーメンも出す。週末を中心に行列ができる人気店だが、平日、特に夜の時間帯は比較的落ち着いており、じっくり楽しめる。レアに仕上げた豚・鶏チャーシューがたっぷり入った「特製らぁ麺」が一押し。

櫻井 祐太

東京都武蔵野市関前出身。大学在学中にラーメンの食べ歩きを始め、年間に500杯を数えることも。その中で当時新進気鋭の店として話題になっていた「麺処ほん田」(東十条)を訪ね、味と店主の人柄に惚れて何度も通い、のちにアルバイトとして働き始める。最初の勤務地は東京駅構内の「東京ラーメンストリート」内の店舗。大学卒業後は「ほん田」で社員として勤務し、在籍5年の間に「夏海」などの支店長も務めた。2016年11月に独立し、地元に「麺屋さくら井」を出店した。

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