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飲食店経営のキモは「食材ロス」。フードシェアリングが救世主になるか?

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かつての「消費大国」と呼ばれた日本は現在「廃棄大国」と揶揄されています。
日本では、売れ残りや食べ残しの食品や規格外の野菜などが、年間でおよそ632万トン以上(2014年・WFP発表の数値)も廃棄されています。
このような廃棄は「フードロス」と呼ばれ、社会的に問題視されています。
その解決策として最近、注目を集めているのがフードシェアリングのサービスです。

フードシェアリング これからは“食材”をシェアする時代

シェアハウスに、カーシェアリングに、シェアサイクル。
日本においても年々広がりをみせる「シェアする」という考え方。
その新しいシェアの形として今、話題を集めているのが「フードシェアリング」、つまり「フード(食材)」を「シェア」するという試みです。

フードシェアリング  これからは“食材”をシェアする時代

フードシェアリングサービスとは

フードシェアリングサービスとは、まだまだ食べられる売れ残りや食べ残しの食品や規格外の野菜など、結果的に廃棄されてしまう食材を、必要としている人のもとへ届けることで、フードロス(食材廃棄)をなくそうというサービスのこと。
主にヨーロッパでは盛んに行われているサービスですが、日本ではまだ広く認知されていないサービスでもあります。

海外ではフードシェアリングサービスが盛んに行われている

世界的に見て、最も先進的なフードロス対策を行なっているのは、ヨーロッパの国々。
フランスでは、スーパーマーケットが慈善団体などの要請に応じ、売れ残った消費期限切れの食品を寄付するよう義務づける「反フードロス法」が2015年に可決。
世界的に大きな話題となりました。
また、アメリカの「スターバックス」でも、アメリカ国内の店舗で売れ残った食品を、生活に困窮する人々のために寄付する取り組みが始まりました。

海外ではフードシェアリングサービスが盛んに行われている

フードシェアリングサービスが始まった背景

このようなフードシェアリングが始まった背景には、やはり食材廃棄を「もったいない」と感じた人々の思いにあったのではないでしょうか。
しかしその「もったいない」ことをしているのは紛れもなく、この私たちなのです。

MOTTAINAIはどこへ行った? 日本の食材ロス

日本における食品ロスは年間でおよそ632万トンにも及びます。
世界では8億人以上が栄養不足に陥っています。
その食糧援助量は世界全体でおよそ320万トン。つまり、その約2倍近くの量を日本では廃棄している計算になるのです。(2014年・WFP発表の数値)
「MOTTAINAI」という気持ちは持ち続けているものの、その先へなかなか踏み出すことができずにいた人も多かったのが現実です。
しかし、ここ数年においては、さまざまな取り組みがスタートしています。
例えば、大手飲料メーカーでは2018年より、賞味期限の表示を「年月日表示」から「年月表示」への移行を順次拡大中。
コンビニ大手のファミリーマートでも、店舗から出る食品廃棄物を液体飼料化させてリサイクルするという試みがなされています。

さまざまなフードシェアリング系アプリ

食品を扱うため、ある程度のスピード感も要求されます。
そこで、注目されているのが、フードシェアリング系アプリです。
現在、世界各国でさまざまなアプリが開発、運用されていますが、どのようなタイプのアプリがあるのでしょうか?

さまざまなフードシェアリング系アプリ

廃棄食品が発生した時にフードバンクなどに連絡するアプリ

家庭であれば大量に作り置きして冷凍するなどして、多少味が落ちることも許容されます。
しかし、レストランやデリなど、対価を貰ってお客様に提供する飲食店の場合、味を落とすことはお店の信用にも関わるため、仕入れた食材を完全に使い切るというのは、至難の技です。
そんな時、廃棄予定の食品が発生したら即時、最適なフードバンク等、廃棄食材を寄付する団体へ連絡できる仕組みがあれば、廃棄予定の食材も有効活用ことができます。
それを叶えたのが、アメリカの「MealConnect(ミールコネクト)」というアプリ。アメリカは周知の通り、貧富の差も激しく、貧困にあえぐ人々へ食料が十分に行き渡っていません。
そんなアメリカ国内の飢餓撲滅を目指して開発されているのがこのアプリです。
飲食店等、食品を扱う業者なら誰もが登録可能。
食料情報をアプリに登録すれば独自のアルゴリズムによって最適の受け渡し先とのマッチングを叶えてくれます。
寄付先を探す手間も省け、必要とされる場所へ、必要とされる食材を届けることができます。

参考
MealConnect(ミールコネクト)公式サイト

残ってしまいそうな食材やお惣菜をディスカウント価格で販売できるフードシェアリングアプリ

日本においても、女性の社会進出や夫婦の共働きなど、家庭環境が変化することにより、スーパーやデパートの地下食品コーナーなどでは惣菜などの調理済み食材を扱う店が多くなりました。
しかし、スーパーやデパートの地下食品コーナーの惣菜は消費期限が短く、閉店間際になると売れ残った商品の大幅な値下げ合戦が始まり、たとえ原価ギリギリの価格であっても、惣菜類はその日のうちに売り切ってしまうことがほとんどのパターン。
この値下げ合戦(ディスカウント)は、夕方から夜にかけての時間が多いようですが、このタイミングを消費者側へ知らせてくれるアプリが、デンマーク発「Too Good To Go(トゥー・グッド・トゥー・ゴー)」です。(2018年4月現在、日本語未対応)
このようなフードシェアリングのスタイルは、スーパーだけでなく、レストランなどの飲食店にも波及。
廃棄される可能性が高い食材やメニューを無駄にすることなく売り切ってしまおうという考えを持った飲食店経営者が、続々と利用を始めています。
ディスカウントする時間を待てば、普段手の届かないレベルの料理を安く食べることが可能なので、客側にとってもおいしいシステムといえます。

参考
「Too Good To Go(トゥー・グッド・トゥー・ゴー)」公式サイト

定額制でレストランの余してしまいそうな食品を受け取ることができるシェアリングサービス

定額(月額1,980円)を支払うことで登録されたレストランの余してしまいそうな食品をテイクアウトすることができるシェアリングサービス「Reduce GO(リデュースゴー)」は、日本の企業が開発したアプリです。
消費者は、現在地周辺地域で余剰食品のあるレストランを検索。
目当ての店が見つかったらタップし、指定時間に店舗へ取りに行くだけ。
月額制なので、その都度決済する必要もなくスムーズに注文することができます。同時に、飲食店にとっては、店の宣伝にもなり新規顧客の開拓にも繋がる一石二鳥のサービスです。

参考
「Reduce GO(リデュースゴー)」公式サイト

作ったご飯の“おすそ分け”をしてくれる相手とされたい相手をミールシェアリングアプリ

“おすそ分け”は、日本でも古くから馴染みのあるフードシェアリングのスタイルですが、イギリスで開発された「OLIO(オリオ)」は、個人間で余剰食料をやりとりする“おすそ分け”専用のアプリです。
クッキーやチョコレート、豆類や小麦粉、缶詰などさまざまな食料が“おすそ分け”されています。

参考
「OLIO(オリオ)」公式サイト

フードシェアリングサービスのメリットとデメリット

日本でもようやく広がり始めたフードシェアリングのサービス。
このサービスが全国的に普及すれば、日本全体の食料廃棄量が減る可能性も十分に考えられます。
また、飲食店にとっても、フードシェアリングは、仕入れや廃棄などのコストカットに加え、宣伝費用のコストカットにも繋がるメリットの大きいサービスです。
しかし、長期的な目で見た場合「安くなるまで待つ」という消費者が増えすぎてしまうことで、通常価格での売り上げが低下するという可能性も考えられます。
飲食店としては、このようなデメリットも鑑みた上で、フードシェアリングのサービスの導入を検討する必要があります。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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