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バー開業の成功法!経営方法・資金・資格を徹底解説

バー開業の成功法!経営方法・資金・資格を徹底解説

お酒好きの方にとってバー経営は夢のある職業です。好きなお酒を提供したり、腕を磨いてオリジナルのカクテルを開発したりと、工夫次第で自分好みの魅力的なお店を作れます。

経営面で見ても、利益率の高いアルコール類をメインで提供するバー経営は、安定した収益も見込めます。しかし、バーの開業や経営には一般的な飲食店と異なる資格や準備が必要です。

本記事では、バー開業に必要な資格や準備を解説。さらに、バー経営に向いている人の特徴を5つの視点から紹介します。バー経営を志す方は、ぜひ参考にしてみてください。

バーを開業するにはいくら必要?

店舗の規模やスタイル(オーセンティック、ショット、スタンディング、ダイニング
)、立地にもよりますが、バーの開業資金は500万円〜1000万円程度が相場とされています。

バーで必要な開業資金は、おもに5つに分けられます。

●物件取得費
●設備工事費
●備品・消耗品費
●宣伝費
●お酒の購入費

それぞれの費用について、以下で詳しく説明します。

物件取得費:立地で大きく変わる初期投資

物件取得費とは、店舗となる物件を借りるための費用です。保証金(敷金)や礼金、仲介手数料などが該当します。物件や立地にもよりますが、保証金(敷金)は家賃の6~12ヶ月分程度、礼金および仲介手数料がそれぞれ家賃の1~2ヶ月分程度必要なケースが多いようです。

また、工事などを行う関係上、実際にバーをオープンさせる1~2ヶ月前から物件を取得しておく必要があり、その間の「空家賃」も必要になります。

設備工事費:内装や厨房設備にかかる費用

物件を取得したら、次は設備工事です。スケルトン物件の場合、電気・ガス・水道・厨房機器などの内装設備や、内外装を整備する必要があります。工事費は店舗の広さにもよりますが、一坪あたり30~50万円が一般的だといわれています。

居抜き物件は工事費を抑えられるメリットはありますが、別途、造作譲渡費を支払う必要があったり、レイアウトに制限があったりするため、注意しておきましょう。

備品・消耗品費:グラスやお酒の在庫など

備品・消耗品費は、グラスや食器などの什器、インテリアなどを購入するのにかかる費用です。これらは「どのようなコンセプトのお店にするか」によって大きく変わります。

たとえば、誰でも気軽に飲みに来られるアットホームなバーを目指すなら、グラスやインテリアに大金をかける必要はないでしょう。しかし、ターゲットを富裕層に設定するのであれば、ブランドもののグラスや高級感あるインテリアを揃えることが望ましいです。

高級ブランドの食器やグラスの購入には数百万円かかることも珍しくありません。備品を揃える際は、お店のコンセプトや雰囲気に合ったものを選ぶようにしてください。

宣伝広告費:オープン前後の集客に必須

広告の種類には、チラシやパンフレットをポストに投函する「ポスティング広告」や、InstagramやXを利用した「SNS広告」などがあります。ホームページの開設費もこちらの費用に含まれます。

宣伝はターゲットの客層に合わせた媒体を選ぶことが大切です。インターネットの利用率が比較的低い高齢者層に対しては、SNS広告よりポスティング広告のほうが効果的です。反対に、スマホ利用率の高い若年層をターゲットにするなら、SNS広告のほうがより効果的です。

お酒の購入費:品揃えで差をつける重要項目

バーをオープンする前に、ビール、ウイスキー、ジン、ウォッカなど、さまざまな種類のお酒を用意する必要があります。

お酒のラインナップは、お店のコンセプトに合わせて揃えるのが一般的です。ヴィンテージワインや高級ウイスキーを扱う場合や、昨今の為替相場などを考慮すると、お酒の仕入れ費用だけで数千万円かかることも珍しくありません。

バー経営の収益性と年収の実態

お酒を中心としたメニュー構成は収益性が高く、数ある飲食店のなかでも、バー経営は儲かる可能性のある業態です。

収益性や年収は地域や規模、経営方針によって大きく異なりますが、バー経営者の年収は300万円から600万円が一般的といわれ、経営が軌道に乗れば年収1,000万円以上も狙えます。これは、飲食業界全体の平均年収259.5万円と比較しても、高い水準にあることがわかるでしょう。

利益率は20%から30%程度で、以下の要因によって大きく変動します。

●立地条件
●客層と価格設定
●管理・運営の効率性
●イベントやプロモーションの実施

株式会社NBGが展開する、希少なウィスキーを1杯から気軽に楽しめる「お酒の美術館」は、2024年夏に全国100店舗の出店を達成した今注目のバーです。“あらゆる生活シーンにBAR文化を”というコンセプトのもと、路面店のみならず、駅構内や空港、さらにはコンビニ内に出店するという斬新な立地開拓とフランチャイズ展開で店舗数を増やしてきました。

バーカウンターには世界中から取り寄せたお酒がずらりと並び、まさに「お酒の美術館」を思わせる内装と、独自の仕入れシステムで希少なウィスキーやブランデーをチャージ無料・ワンコインで提供するリーズナブルさに多くのファンを獲得しています。

フランチャイズモデルの元本回収年数の目安は約2年、利回りも50%を目指せるという驚異の収益構造を提示しており、粗利の高さから加盟者が続々と集まっている状況です。コンセプトが明確かつ、ターゲットにあった立地と価格帯で、売上を伸ばしている好例です。

バー経営の平均年収と収益構造

バー経営の平均年収は約300万円から600万円ですがお店の収益構造は一般的に売上100万円あたり経費が70万円、利益が30万円と言われています。

また、先に述べたとおり年収や収益性は地域や規模によって異なりますが、収益に影響を与える主なポイントは以下のとおりです。

●立地:商業地区、住宅地など、出店地の選択
●規模:座席数や店舗の広さ
●客層:目標とする顧客層
●サービス品質:提供する飲食の質や独自性

これらが収益性を左右し、バー経営を成功へと導くポイントになります。

高収益バーの特徴と成功事例

立地や規模、客層などがバーの収益に大きく関わっていますが、実は高収益を上げているバーにはいくつかの共通点があります。

ひとつは、すぐれた立地選定です。商業地区や繁華街の一等地に位置することで、集客力が増します。次に、独自性のあるメニュー提供です。オリジナルカクテルや季節限定の飲料は顧客の興味を引き、話題性を提供し、顧客のリピートにつながります。

また、効率的な経営管理も利益率を高めます。コスト管理とスタッフの最適化により、無駄な支出を抑えることで、より高水準の経営状態を保つことができるのです。

例えば、2024年版「アジアのベストバー50」で5位にランクインした東京新宿の「Bar Benfiddich」は、自家製ハーブやスパイスを使用したオリジナルカクテルで知られ、ユニークな飲料提供が顧客の興味を引き、高い評価を受けています。立地の利便性と質の高いサービスが、成功の鍵となっています。

バー経営のリスクと対策

バー経営には多くのリスクが伴いますが、それらを理解し対策を講じることが成功への鍵です。主なリスクとしては、以下の5つが挙げられます。

●市場リスク:経済や嗜好の変化に影響されるリスク。定期的に市場調査を行い、メニューや価格の見直し、新メニューの開発などで対応します。
●財務リスク:高い初期投資と固定費が課題となるリスク。綿密な財務計画と効率的なコスト管理で対処します。
●運営リスク:スタッフの技能不足やサービス品質の低下が問題となるリスク。従業員の定期的な研修と厳格な品質監査が解決策です。
●法的リスク:営業許可や衛生規則の遵守不足に伴うリスク。年度ごとに更新される法規制を含め、法規の完全な理解と徹底した遵守が必要です。
●競争リスク:他のバーとの競争に直面するリスク。ユニークなサービス提供と顧客関係強化で差別化します。SNSなどを活用することも有効です。

リスク管理はバー経営で不可欠です。市場変動、法規制、財務リスクなど、さまざまな不確実性のリスクに備えることで、事業の安定と持続的成長を実現し、急な問題発生時にも迅速かつ効果的に対応できます。

経営難に陥りやすい要因と予防策

バー経営が直面する困難は多岐にわたりますが、よくある問題点としては以下の4つが挙げられます。

客足の減少
経済の低迷や周辺の競争激化により客足が減少することがあります。この問題に対処するためには、地元のコミュニティと積極的に連携し、特色あるイベントの開催やマーケティング戦略の強化が効果的です。

例えば、テーマナイトやハッピーアワーの導入、SNSを活用したプロモーションで注目度を高めることができます。

資金繰りの問題
運転資金の不足は、経営の持続可能性に直接影響を及ぼします。これを解消するには、定期的な財務分析を行い、現金流の改善を図らなければなりません。具体的には、売上データの詳細分析やコスト削減の検討、必要に応じて資金調達の選択肢を検討しましょう。

人材管理の失敗
優れた従業員の雇用・育成はバーの成功に不可欠です。採用ミスや教育不足はサービスの質の低下につながるため、適切な採用プロセスと従業員の継続的な教育・トレーニングが重要です。また、従業員のモチベーションを高め、離職率を低下させるための福利厚生の充実も考慮するべきです。

法規制の違反
バー経営においては、食品衛生法、酒税法、労働基準法など、多くの法律を遵守する必要があります。これらの法規制を破ると、罰金や営業停止などの重大な結果を招くため、常に最新の法規制を理解し、それに従う体制を整えることが不可欠です。

これらのリスクを事前に識別し、適切な対策を講じることで、予期せぬ問題にも柔軟に対応することが可能となり、安定した経営が期待できます。定期的なビジネスレビューを行い、業務の効率化や改善を図ることが、経営難に陥るリスクを低減させる鍵となります。

法的リスクとコンプライアンス

バー経営における法的リスクとコンプライアンスは重要です。

バー経営に関わる法律は食品衛生法、酒税法、消防法などがあり、これらの法律は店舗運営の安全性と公衆衛生を確保するために設けられています。法令遵守を怠ると、営業許可の取消し、罰金、信用失墜など深刻なリスクに直面します。

コンプライアンス体制を構築するには、法令に精通した顧問弁護士を雇い、定期的な法規チェックと従業員研修を実施することが有効です。しかし、弁護士の継続的な雇用が叶わない場合は、必要に応じて法律相談サービスを利用したり、業界団体のセミナーやオンラインリーガルサービスを活用する方法も考えられます。

さらに、非常勤の法律顧問の採用も一案です。これらにより、法規チェックと従業員研修を適切に行い、チェックリストを用いて遵守状況を監査することが、法令違反リスクの最小化と安定経営につながるのです。

バー経営の将来性と市場動向

バー業界は、消費者のライフスタイルの変化と経済の動向に敏感に反応します。2023年の市場調査によると、業界は一部地域で約3%から5%の成長率を示しており、特に都市部では新しい消費者行動の定着が見られます

参考 市場規模 5年間の推移予測居酒屋・パブ/XENO BRAIN

現在のバー業界では、以下の3つが主なトレンドです。

●クラフトカクテルの人気:個性的なフレーバーやカスタマイズが可能なカクテルが消費者の関心を集めています。
●持続可能な経営へのシフト:環境への配慮と地域社会との協力による持続可能な素材の使用が推進されています。
●テクノロジーの統合:デジタルメニュー、オンライン予約システム、ソーシャルメディアを活用したプロモーションが一般的になっています。

専門家によると、今後のバー経営は、健康志向の増加に応じたドリンクオプションの拡充が鍵を握ります。低アルコールやノンアルコールドリンクの需要は今後も増え続け、これにより新たな顧客層を引きつけることができると見られています。

また、個性的なバー体験を求める顧客の需要に応えるため、より創造的でパーソナライズされたサービスの提供が重要になるでしょう。これらのトレンドと市場の要求に対応することが、バー業界の持続的な成長と競争力の維持につながります。

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初期費用を抑えてバーを開業する方法

なるべく初期費用を抑えてバーを開業したい方には、次の3つの方法がおすすめです。

●「居抜き物件」を探す
●中古の什器・備品を探す
●リース賃貸を利用する

各方法について、詳しく解説します。

「居抜き物件」を探す

居抜き物件とは、前のテナントが利用していた設備や備品が残っている物件のことです。厨房設備や空調設備のほか、カウンターなどのインテリアがそのまま利用できるため、設備工事費や備品の購入費を節約できます。

中古の什器・備品を探す

新品で購入すると金額の負担が大きい冷蔵庫やエアコンなどの大型な備品は、中古品で揃えることで費用を節約できます。中古の什器・備品を利用したい場合は、リサイクルショップや中古家具店、業務用厨房機器の専門店などで購入しましょう。

リース賃貸を利用する

リース賃貸とは、設備や備品があらかじめ揃っている物件を借りることをいいます。自分で内装工事をする必要がないため、初期費用を大幅に抑えられます。

「居抜き物件」と似ていますが、居抜きが設備や備品の譲渡や購入を前提としているのに対して、リースはあくまでも賃貸を前提としている点が大きく異なります。設備や備品をレンタルする分、リース物件は通常の物件よりも賃料が高いのが一般的です。

バー開業に使える助成金・補助金を利用する

開業費用の負担を軽減するために、活用できる助成金・補助金を探すようにしましょう。バーの開業には比較的高額の費用がかかりますが、さまざまな公的支援策があります。

東京都内で開業を検討している方におすすめなのが、公益財団法人東京都中小企業振興公社の「創業助成金」です。上限400万円の助成金を受けられ、賃借料や備品購入費などの開業費用に充てることができます。

一方、都内の都心部を除く地域で開業する場合は、各都道府県が実施している「地方創生起業支援事業」を活用するのが有効です。最大200万円の助成金が得られ、設備投資や賃借料の支払いに充てられます。

これらの助成金や補助金は返済不要の制度のため、積極的に活用しましょう。

バーを開業するのに必要な資格は2つのみ

飲食店を経営するには「食品衛生法」と「風営法」で規定されているルールをクリアしなくてはいけません。また、必要な資格を取得せずに経営をしてしまうと、行政指導や罰則の対象になってしまいます。

バーの経営には、お店のオープン前に以下2つの資格を取得する必要があります。

●食品衛生責任者
●防火管理者

バーの開業に必要な資格①「食品衛生責任者」

業態に関わらず、飲食店の経営者には1人以上の「食品衛生責任者」の設置が義務付けられています。各都道府県が実施している6時間の講習を受講することで取得可能です。資格取得後は、営業開始までに保健所へ「食品衛生責任者設置届」を提出してください。なお、食品衛生責任者は必ずしも経営者である必要はありません。

バーの開業に必要な資格②「防火管理者」

店内の収容人数が30人以上の場合、火災の発生などに備えて「防火管理者」を選任する必要があります。防火管理者は、店舗の広さによって以下2種類に分かれます。

●甲種…延べ床面積が300平方メートル以上
●乙種…延べ床面積が300平方メートル未満

どちらの資格も、消防署が実施する講習会を受講して取得できます。甲種は2日間(約10時間)、乙種は1日間(約5時間)の講習を受け、受講後に消防署に申請して資格取得となります。

バーを開業する前に提出しなくてはいけない「4つの届出」とは?

バーの営業を開始する前に、関係各所に以下4つの届出を提出しましょう。

●営業許可申請書
●深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書
●防火管理者選任届出
●特定遊興飲食店営業許可

各内容について詳しく解説します。

営業許可申請書

営業形態に関係なく、飲食店を経営する際は「営業許可申請書」を保健所に提出してください。申請から許可までに時間がかかるため、開業の10日〜2週間前までには手続きを済ませるとよいでしょう。申請には地域によって1万6千円〜1万9千円ほどの手数料がかかります。

なお、営業許可申請書を提出せずに無許可で営業した場合、「2年以下の懲役または200万円以下の罰金」が科されます。

深夜における酒類提供飲食店営業営業開始届出書

深夜0時〜午前6時に酒類の提供をメインに行う飲食店は、管轄する警察署に「酒類提供飲食店営業営業開始届出書」を提出する義務があります。

手数料は無料で、申請した日の10日後から深夜営業が可能になります。なお、届出せずに無許可で営業した場合、風営法により「50万円以下の罰金」が科されます。

防火管理者選任届出

前述のとおり、収容人数が30人以上の飲食店はこちらの届出を行い、防火管理者を選任することが義務付けられています。

防火管理者を選任せずに営業を続けると、所轄の消防署から指導が入ります。それでも従わない場合、消防法により「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」が科されます。

特定遊興飲食店営業許可

午前0時〜6時に飲食物だけでなく、ダンスやカラオケなどの「遊興」を提供する飲食店は、こちらの届出をして営業許可を取らなくてはなりません。

申請をせず無許可で営業した場合、「2年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又はこれの併科」が科されるので注意が必要です。提供するサービスが遊興に該当するかわからない場合は、事前に警察署に相談しましょう。

バーを開業し、経営するのに向いている人

バーに限らず、飲食店の経営は生半可な気持ちでは成功しません。ここでは、バーを開業し経営するのに向いている人の特徴を5つ紹介します。

●独立心と信念を持つ人:困難に直面しても自分のビジョンを貫き、自己決定できる強さが求められます。
●行動力・決断力がある人:迅速な意思決定と実行力で、ビジネスチャンスを生かし、問題を即座に解決できる能力が必要です。
●冷静で客観的な人:感情に流されず、どのような場面でもデータと事実に基づいて合理的な判断を下すことで健全な経営を維持できます。
●逆境に強い人:経済的な困難やビジネスの低迷期も乗り越える忍耐力と持続力が重要です。
●プラス思考の人:失敗を乗り越え、常に前向きに次の一手を考えることができるポジティブな思考を持つ人は、従業員や顧客にもよい影響を与えます。

これらの特性を持つ人は、バー経営の多くの挑戦を乗り越え、成功へと導くことができるでしょう。

バーを開業するまでに決めておくべき6つのこと

バーを開業する前に、事前に決めておくべきことが複数あります。

①店舗の場所
②座席数
③従業員の有無
④バーで使用するグラスなどの選定
⑤お酒の仕入れ先
⑥メニューと価格

ひとつずつ内容を解説します。

バーを開業するまでに決めておくべき6つのこと

①店舗の場所

人通りが多い立地の物件は人気があるため、賃料も高いのが一般的です。開業してすぐに大きな売上を出せれば問題ありませんが、そうでない場合は高額な賃料が経営を圧迫するかもしれません。

駅から遠くて通行量が少ない場所でも、隠れ家的な存在として人気のある飲食店は多いです。とくにバーの場合、人通りが少ない場所にあることがむしろプラス要素になることもあります。

店舗の場所を決める際は、単に通行量だけを判断材料にせず、お店のコンセプトやターゲットの客層を加味しながら決めましょう。

②座席数

店内の座席数によって、見込まれる売上や確保すべき従業員の人数は変わります。用意できる資金と想定売上を勘案して、適切な座席数を決めましょう。

③従業員の有無

店舗の規模によっては、自分1人だけではお店を回し切れない場合があります。一般的に、20席以上ある店であれば最低でも1人は従業員を雇ったほうがよいといわれます。

従業員を雇う場合は、雇用する人数や給与額、どのような形で募集するのかを事前に決めておく必要があります。

④バーで使用するグラスなどの選定

グラスや家具、店内に飾る花や絵などは、お店の雰囲気を演出するのに欠かせないアイテムです。開業前に、お店のコンセプトに合った備品を仕入れましょう。

⑤お酒の仕入れ先

事前にお酒の仕入れ先を決めておくことも重要です。お酒を一般価格よりも安い業務用価格で仕入れるには、酒販会社との取引が必要になります。酒販会社とは、レストランやバーなどの飲食店にお酒を卸す小売業者のことです。

バーの経営者は、新規で取引してくれる酒販会社を探さなくてはいけません。知り合いの飲食店経営者に紹介してもらうケースもありますが、酒販会社が合同で主催する試飲会に参加する方法もあります。

⑥メニューと価格

1ヶ月の想定売上から客単価を導き出し、それをもとにメニューと価格を考えてください。他店と差をつけるために、提供するお酒やフードメニューを工夫することも大切です。コスパの高い目玉商品や、SNSで話題になりそうな個性的なカクテルなど、集客につながりそうなメニューを考案しましょう。

バーの経営で成功するための5つのポイント

一般的にバーの経営は、以下のポイントを守ることで成功する可能性が高まるといわれます。

①お店のコンセプトに合った立地を選ぶ
②サービス・接客が良い
③コスパが良い
④オリジナル商品がある

どのような内容なのか、順番に解説します。

①お店のコンセプトに合った立地を選ぶ

飲食店を経営するうえで「立地の良さ」は重要な要素です。しかし、繁華街や駅前などの物件は人気があるため、賃料が高い傾向にあります。また、駅前であっても人気がでない飲食店もあり、人通りが多ければ必ず繁盛するというわけではないようです。

バーの立地は、以下の3点を基準に選ぶのが定石とされています。

●お店のコンセプトに合っているか
●ターゲット層が多く通るか
●近くに競合店はあるか

たとえば、富裕層をターゲットにした高級店を学生の多い地域にオープンしても、期待したような来客数は望めないでしょう。また、近くに自分のお店と似た雰囲気のバーがあると、お客様の取り合いになることが考えられます。

②リピーターを増やす

どの業態にもいえることですが、安定した飲食店経営にはリピーターを増やすことが必要不可欠です。特にオーセンティックバーやショットバーなど、一人客が多いスタイルのお店では、何度も足を運んでもらえるような店づくりが大切になります。

リピーターを増やす施策として、以下の3つを押さえておきましょう。

●良い接客・サービスを心掛け、好印象を与える
●お客様の好みや性格などを把握し、居心地がよい場所にする
●クーポンなどを配布し、再来店するキッカケを作る

バーは、お客様一人一人との関係づくりが重要な業態です。会話を楽しみたいお客様とは積極的にコミュニケーションをとり、静かにお酒を楽しみたいお客様には気配りをしたりと、お客様がお店に何を求めているかをキャッチしなければなりません。

③コスパが良い

お酒類の提供がメインのバーは、レストランなどの飲食店と比べて原価率が低い(=利益率が高い)特徴があります。利益が増えるため、お店にとってはプラスの要素となりますが、お客様の中には「コストパフォーマンスが悪い」と感じる方もいるかもしれません。

「バーはコスパが悪い」という前提がある中で、原価ギリギリの商品を何品か用意しておけば、コスパの良さに魅力を感じて来客する方が増える可能性があります。コスパの良さで他店との差別化を図る方法も、集客には効果的です。

④オリジナル商品がある

集客力を上げるには、オリジナルのカクテルやフードなど、他店にはない看板商品を提供することもおすすめです。

バーの開業を考えている方の中には、前職で飲食店の料理人をしていた方もいるでしょう。たとえば、前職で中華料理店のコックをしていた場合、フードメニューに餃子やシュウマイなどを加えることで、その店独自の個性を出せます。

前職の経験をうまく活かせば、他店にはないオリジナルのメニューを作れるかもしれません。

⑤初めての方も入りやすい店づくり

バーは店外から中を覗きにくかったり、常連で賑わっているイメージがあることから、敷居が高いと感じる方も少なくありません。初めての方でもお店に入りやすくなるように、以下の工夫を施しましょう。

●店構えを「明るく」「温かみ」を感じさせるデザインにする
●入口に掲示物を置いて店内に誘導する

どれほどお酒がおいしいバーでも、店に入りづらいと集客につながりません。特に、初めてバーに来店する方は身構えている可能性が高いので、入りやすくなる工夫をすることが重要です。

もちろん、バーのコンセプトによってはマッチしないこともあるので、あくまでも一例として参考にしてください。

バーを開業するために必要な知識を身につけましょう

バーを開業するためには、専門的な知識が必要で、特にバーの運営に関連する法律、財務管理、マーケティングなど、多岐にわたる知識を身につけることが重要です。このプロセスで不安や疑問がある場合は、経験豊富な開業プランナーに相談するとよいでしょう。

飲食店などの開業支援を行っている「canaeru(カナエル)」では、様々な背景を持つ専門家が無料で相談に応じており、税務や金融に関する支援も受けることができます。

また、canaeruの運営元である株式会社USENは、国が定める経営革新等支援機関(認定支援機関)です。税務、金融および企業財務に関する専門的知識や支援にかかる実務経験が一定レベル以上ある支援機関として国に認められています。

不安や悩みをクリアにしたうえでバーを開業したい方は、ぜひcanaeruの利用をご検討ください。

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この記事の監修

Webライター/飲食店DXアドバイザー_サケサカ(町田英伸)

Webライター/飲食店DXアドバイザー

サケサカ(町田英伸)

10年間の自営店舗の経営を含む30年近い飲食業生活の後、50代でライターに転身。現在は飲食&店舗経営系、IT系、アウトドア系などのジャンルを中心にライターとして活躍するかたわら、YouTubeなどの発信活動や自身のコミュニティを持ち同世代のライターへの指導を行っている。

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