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メニュー名を変えるだけで売上アップ⁉売れるメニュー名をつけるコツと、メニュー表の作り方とは?

メニュー名を変えるだけで売上アップ⁉売れるメニュー名をつけるコツと、メニュー表の作り方とは?

自慢のメニューなのに、なぜかお客様に注文されない…と思ったことはありませんか?もしかすると、それはメニュー名が原因かもしれません。この記事では、企業事例や具体的なキーワードを交えながら、お客様が思わず注文したくなるメニュー名の考え方について解説します。

売上アップのヒントはメニュー名にあり!

メニュー名は、売上に大きく影響する重要な要素です。どんなにおいしい料理であっても、お客様に注文してもらえなければ売上にはつながりません。飲食店開業時、新メニューの開発時はもちろん、売上の低迷に悩んでいる場合には、メニュー名を見直してみるのも1つの方法です。

大前提として意識しておきたいのは、どんな料理なのかが想像できるメニュー名であること。例えば、単に「唐揚げ」と書かれていても、どんな唐揚げかがわからないと注文される確率も下がってしまいます。鶏もも肉なのか、手羽先なのか、軟骨なのか、あるいは魚なのかによっても違いますし、塩味か、にんにく醤油味かという味付けも、お客様にとって非常に気になる点です。
メニュー名をなんとなく付けているという飲食店も多いかもしれませんが、メニュー名をちょっと工夫するだけで、売上アップにつながります。

企業事例からメニュー名を考える

■キャッチーなメニュー名

日本マクドナルドの「グラコロ」「ダブチ」、ローソンの「バスチー」のように、キャッチーな略称にすることで商品に親しみが生まれ、お客様の印象に残りやすくなります。

日本マクドナルドの冬季限定商品「グラコロ」は、マカロニ・エビ入りのクリームコロッケと千切りキャベツを挟んだハンバーガー。当初は「グラタンコロッケバーガー」の名前で発売されましたが、2007年頃から通称名であった「グラコロ」が正式商品名に。
また、定番メニューの「ダブルチーズバーガー」の通称名「ダブチ」を上手く活用した「辛ダブチ」「濃厚白ダブチ」「はみトリチ」などの派生商品も、発売される度に大きな話題を呼んでいます。

2019年にローソンが発売した「バスチー」も、当初は「バスク風チーズケーキ」という商品名になる予定でしたが、お客様の目を引くことを意識して略称に。つい人に話したくなる、キャッチーで可愛らしい言葉の響きもプラスに働きました。

また、居酒屋チェーン店の「がブリチキン。」で販売されている「とまらん棒」もキャッチーなメニュー名の1つ。素揚げパスタを特製ダレにつけた人気のサイドメニューです。
他店では「揚げパスタ」「パスタスナック」「フライドパスタ」と呼ばれることが多いですが、「とまらん棒」という珍しい名前にすることで、お客様の目に留まりやすくなります。「これってどんな料理なの?」という質問が生まれるなど、お客様との会話が弾むきっかけとしても有効です。

なお、キャッチーなメニュー名は安っぽい印象に見えてしまう場合もあるため、特に高級店では注意が必要です。飲食店の客層や価格帯によって判断するといいでしょう。

■商品の特徴や良さを伝えるメニュー名

2021年11月に発売された、モスバーガーの「とびきり とろったま スキヤキ仕立て」は、合挽きハンバーグとすき焼き肉の上に半熟風たまごを乗せた贅沢なハンバーガー。卵をくぐらせて食べるすき焼きがハンバーガーで表現されています。
「とびきり」は贅沢感・プレミアム感を伝えるワード。本商品を含む「とびきりハンバーグサンド」シリーズは、国産肉(牛・豚合挽き肉)100%のハンバーグを使用。いつもよりちょっと豪華に、贅沢したいという需要を掴み、2008年の発売以来、累計約2億食に迫る大ヒット商品となっています。
「とろったま」は、卵がとろりと出てくる様子を分かりやすく伝える表現で、親近感のある温かい響きも魅力です。

メニュー名に入れるべきキーワード

ここからはより具体的に、メニュー名に盛り込むべきキーワードについて順番に解説します。

■産地や鮮度を表現する言葉

「◯◯県産の豚肉」「有機農家の山崎さんが育てたじゃがいも」など。産地・生産者名をメニュー名に入れることは、食材へのこだわりを伝えるだけでなく、お客様にとっての安心感にもつながります。
また「産地直送」「今朝採れたての」という言葉を使うことで、フレッシュ感や鮮度の良さが伝わります。その他にも「夏野菜」「新玉ねぎ」「秋の味覚」「今が旬の〜」など、季節・旬の食材を使っていることをアピールすることも有効です。

■調理法を表現する言葉

「手作り」「自家製」という言葉を使うと、こだわりや丁寧さが伝わりやすくなります。また、「◯時間煮込んだ」「炭火で焼き上げた」「土鍋で炊いた」という表現は、じっくりと手間暇をかけている印象を与えます。

■味や食感を表現する言葉

「とろーりチーズ」「ピリ辛」「肉汁がジュワッと溢れ出る」「メガ盛り」「コク旨」「シャキシャキ」「ふわふわ」など。五感を刺激する言葉を入れることでお客様の食欲をそそり、料理の味や食感も想像しやすくなります。

■限定感を表現する言葉

「1日30食限定」「12月限定」「幻の〜」など。人は「限定」という言葉に弱く、今食べておかないと損をするという心理が働く傾向にあります。

■人気・定番・看板

「人気NO.1」「当店自慢の看板メニュー」「リピーター続出の」などの表現は、特に初来店のお客様に響きやすいキーワードです。店自慢のメニューを味わってもらうことで、満足度アップやリピーターにつながる可能性も高まります。

以上の要素を上手く組み合わせて、商品の魅力を伝えるようにしましょう。

メニュー表を作る際のポイント

メニュー表は、メニュー名と同じく売上を左右する重要な販促ツールです。メニュー表の工夫次第で、お客様の注文内容を上手く誘導したり、客単価を上げたりすることも可能になります。

■見やすく、視線誘導を意識したレイアウトに

人は、選択肢が多すぎると選ぶことにストレスを感じる性質があります。見やすく、選びやすいメニュー表作りを意識し、メニューを詰め込みすぎないようにしましょう。
居酒屋などのメニュー数が多い飲食店では、前菜、メイン、デザートなどジャンル別に分けた上で、おすすめメニュー、人気メニューにマークをつけて目立たせるのがおすすめです。
また、人の視線はZ型に移動するため、看板メニューや注文してもらいたいメニューは左上(縦書きの場合は右上)に配置するといいでしょう。

■視覚的に食欲を刺激する料理写真

メニュー名や料理の説明文だけでは、どんな料理なのか、どのくらいの量なのかがイメージしづらい場合も。メニュー表に料理写真を載せることで注文につながりやすくなりますし、日本語がわからない外国人客にも重宝されます。
料理写真のポイントは、おいしそうと感じられるシズル感のある写真であること。シズル(sizzle)とは、ステーキを焼く際に肉がジュージューと音を立て、肉汁がしたたり落ちる状態を指す表現です。視覚的に食欲を刺激し、文字だけでは伝わらないメニューの魅力を伝えることが大切です。

メニュー名は、売上アップに直結するとっておきの販促ツール。費用をかける必要もなく、メニュー名の工夫次第で注文数が増えるのなら、試してみて損はありません。今までなんとなくメニュー名を決めていたという方も、ぜひこの記事を参考に見直してみてはいかがでしょうか。

ライター:上田はるか(フリーライター)

大学卒業後、輸入食品商社に勤務し、新規店舗の立ち上げや自社直営ティーサロンのメニュー開発を経験。その後、大手ギフト会社の企画開発部、広報宣伝部を経てフリーランスに。現在はWEB媒体をメインに、食ジャンルの原稿執筆を行う。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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