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独立する際、東京・池袋サンシャインシティから離れ過ぎないことを条件に店舗物件を探したというバロッサ(BAROSSA)のオーナー、マレーシア出身の堤 美里(ミーリー)さんにお話を伺いました。
JR池袋駅・大塚駅から徒歩10分以上の場所に店を構えた理由を教えてください。
バロッサ(BAROSSA)は、2000年4月にオープンしたのですが、それより以前は夫も私もサンシャインシティの中にある店で働いていました。夫はレストランのコックだったのですが、そこから独立する時に、サンシャインシティ時代のお客様に続けて足を運んでもらえる場所に店を構えるべきとなり、ここに決めました。そのため開店当時からサンシャインシティの繋がりで来てくれるお客様はとても多いです。オープンから18年が経ち、お客様も出世されて、今では部下の方たちを連れて来てくれることも多いですよ。
お店が駅から離れた場所にあることについては、どうお考えでしょうか?
やはり雨とか風が強い日、寒い日、暑い日など駅から歩かないといけないのはデメリットだなとは思います。ただ、この場所にあるからこそ今の価格で提供できるということがあります。今は人気のカレーランチを1050円で提供していて、ご近所のオフィスで働く人たちが多く利用してくれます。これが、駅の近くだと1050円という価格での提供は難しいです。家賃も高くなるので、今のランチ価格よりも高くなってしまいます。それに今は家賃が抑えられている分、広いスペースがあります。ここは33坪ほどあって60~70人ほどの貸し切りパーティができますが、この周辺では広いお店も多くはありません。だからディナータイムは、会社の歓送迎会や結婚式の二次会などで利用してもらえます。
人気のカレーはペーストとして商品化をされているのですね。
私のアイデアで、10年前に始めました。私の出身はマレーシアで、主人は日本人です。店がオープンした当初は、ハンバーグやパスタなど洋食中心のメニューだったのですが、私の出身地で食べられているマレーシアカレーをベースに作ったカレーをメニューに入れてみようとなって。そしたら、あっという間に人気商品になりました。テレビで紹介してもらえたこともあり、今では看板メニューです。多くのお客様がそれを目当てに訪れてくれます。でも、店だけだと箱の大きさが決まっているので、売り上げには限界があります。そこで、自宅でも気軽に食べられるようにカレーペーストを商品化することに決めました。マレーシアに住んでいる身内に頼んで、うちのレシピを使ってスパイスを調合して作ってもらっています。1パック500円で店頭販売をはじめ、今ではネット通販や全国のスーパーで取り扱ってもらえるようになりました。スーパーマーケットのコンサルタントをされている方が紹介してくれたのをきっかけに、1年前からは特に注文が多く入るようになった人気商品です。
お店を知ってもらうために宣伝はどうされているのでしょうか?
広告を出すということは一切ありません。実際に店を訪れたお客様が知人に紹介してくれるといった、口コミで広がっていきますね。中には有名な方もお客様にいらっしゃって、それがきっかけで、テレビや雑誌に紹介してもらうこともあります。そういったメディア紹介を見て、またお客様が来てくれるんです。
これから飲食店の開業を考えられている方へアドバイスをお願いします。
そうですね……とにかく「やるしかない」という気持ちで、これまでずっとやってきたので……。アドバイスとして言えることは、とにかくお客様の立場になって考えることでしょうか。「何がいいんだろう」って、相手の立場になって考えて、それを実践していくことですね。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。本格派洋風料理とAUSワインの楽しめる店 バロッサ(BAROSSA)
JR池袋駅東口から徒歩15分の場所にある洋風料理店。シェフ自慢のハンバーグやパスタはもちろん、シェフの妻、堤美里(ミーリー)さんの故郷・マレーシアの味がルーツのカレーは、そのスパイシーさがクセになるとリピーター続出の人気メニューだ。店の由来となったバロッサヴァレーがあるオーストラリアワインはなんと60種近くの品揃え。ディナータイムは貸し切りの場合が多いので、予約がベターとのこと。
堤 美里(ミーリー)さん
マレーシア出身。シェフを務める日本人の夫とともに、2000年4月にバロッサ(BAROSSA)をオープン。看板メニューのカレーは、マレーシアで食べられる味を日本人に合うようにと試行錯誤して生み出した。
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