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これから伸びる飲食業態?「ファストカジュアル」が儲かるワケは?

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「ファストカジュアル」って知っていますか? まるでファッション用語のようですが、今、飲食業界でもっとも注目されているトレンドワードなんです。これからの業界の勢力図を描き変えるとも言われている、一番ホットな飲食の形態。
これから店を始めたいと考えているなら、要チェックです。早速、ご紹介しましょう!

そもそも「ファストカジュアル」って何?

ファストカジュアルとは、回転率がよく、客数を確保できる「ファストフード」と、客単価が高い「ファミリーレストラン」のちょうど中間にあたるスタイル。
回転がいいから、美味しいものでも安く提供できるという、“いいとこ取り”をした、近年伸びている飲食店の形態なのです。

そもそも「ファストカジュアル」って何?

アメリカ生まれのファストカジュアル

ファストカジュアルが生まれたのは、外食産業のメッカとも言われるアメリカ。1900年代後半、1日が始まる朝食でさえ、ファストフードやダイナーで済ましてしまうアメリカ人に、家で「ご飯と味噌汁」が当たり前だった日本人は驚いたものです。ところがその後、アメリカでは肥満傾向に拍車がかかり、栄養価が低く、高カロリーな食事を見直す動きがでてきました。
そして、こうした健康志向の流れの中、食の安全に対する意識も相まって、「多少高くてもいいから、安全で体によいものが食べたい」と、お客様のニーズが徐々に変わってきたのです。
マクロビオティックやオーガニック・フード、日本食などがブームになったのも、こうした背景があったから。そんなお客様を取り込もうと、新たに誕生したのが「ファストカジュアル」なんです。

具体的にはどんなの?

生産者の見える、品質の高い食材を使っていることはもちろん、「安全性」という観点から、お客様の目に見える場所で、注文を受けてから調理を始めるのが基本。そのため、料理が提供されるまでの時間は、どうしてもファストフードより長くなってしまいます。しかし、作り置きでなく、調理したてのものが食べられるので、「おいしい!」とお客様の満足度も高い傾向にあります。値段はファストフードより少々高めですが、ファミリーレストランよりは安いか、同じ程度の価格帯に抑えています。

実は日本で何度も「ファストカジュアル」は流行りかけていた?

日本でファストカジュアルが脚光を浴び始めたのはここ1~2年ほどですが、実は、これまで何度も、「いよいよ」、「今度こそ」と、ファストカジュアルがブレイクすると言われた年があったんです。
ちょっとひと手間かけたメニューを提供する外資系のファストフード店、「フレッシュネスバーガー」や「サブウェイ」などが進出してきたときにも、こうした機運が高まりました。それに追随するように、日本のフードチェーンにも新たな客層を狙ってファストカジュアルの店を展開する動きがありましたが、不景気が長引くなか、外食業界全体が不振の状態に陥ったことを背景に、閉店に追い込まれたところもありました。
こうした流れから、これまでファストカジュアルはマーケットに定着するまでには至っていないとされてきましたが、今、景気が上向きになりつつあるなかで、再びブームの兆しが出てきたのです。

実は日本で何度も「ファストカジュアル」は流行りかけていた?

ファストカジュアルの代表例

日本独自のファストカジュアルの成功例としては、まず「丸亀製麺」が挙げられるでしょう。うどん打ちを実演する店はそれまでもありましたが、丸亀製麺は、うどんを打つのも、茹でるのも、天ぷらなどのサイドメニューを調理するのもお客様の目の前で行っています。
客単価は立ち食いうどん店よりも高めですが、通常のうどん専門店より安く、味もおいしいと評判です。
現在、海外進出をするまで急成長しているのもうなずけます。麺類のジャンルではほかにも、電動の石臼でソバの実を挽いているのが見える「蕎麦 冷麦 嵯峨谷」があります。原価の安いソバの実から仕入れ、製粉から製麺までを店内で行うことで、良質なメニューを格安で提供しています。

大手チェーンが手掛けるもののなかには、ファミリーレストランの「ロイヤルホスト」が運営するカレーショップ「スパイスプラス」があります。こちらは、メニューをカレーに特化することでコストを削減しています。現在、東京都内に2店舗ですが、こうした試みがこれからどこまで伸びるか、注目したいですね。

そして、つい最近、ニューヨークに4号店を出したばかりの「いきなりステーキ」も忘れてはいけません。基本的に「立ち食い」ですが、忙しい都市部の若い世代には、それがかえってはまったようです。
回転率がいいため、ランチタイムで混んでいても少し待てば入れますし、なにより高級料理と言われているステーキがリーゾナブルな値段で楽しめるので、立ち食い形式も気になりません。ファストカジュアルの本場、アメリカでも人気が急上昇。お肉を自分の好きな量だけ目の前で切ってもらえるのもウケているようです。

ファストカジュアルの代表例

ファストフードからファストカジュアルへ

ファストカジュアルが台頭するなか、安さと速さだけが武器のファストフードの店は、今、岐路に立たされていると言えます。今後はどのように展開していくのでしょうか。

ファストフードからファストカジュアルへ

消費者の需要の変化

多少まずくても安ければお客様は来ると考えている飲食店は、もう頭打ちです。
そんななか、ファストフード店がどんな手を考えているのか。ファストフードの代表格であるマクドナルドを見てみましょう。通常とは別にカウンターを設け、カフェ・メニューだけを扱う「マックカフェ・バイ・バリスタ」を店舗限定で実施しています。厳選された素材で、バリスタが注文を受けてから目の前で作ってくれるのが特徴。ドリンクだけでなく、ケーキにフルーツソースをあしらって提供してくれるなど、ひと手間かけた“おいしい”サービスもウリ。これもファストカジュアルの形態を取り入れたひとつの例で、「安かろう、まずかろう」と言われるファストフード店から脱却するための、新たな試みと言えますね。

ファストカジュアル 日本への進出も待ったなし!

ファストカジュアルのブームが再燃しているのをうけ、最先端のファストカジュアル店が続々日本に上陸してきています。例えば、シンガポール発のサラダ専門店「SALADASTOP!」が、表参道に日本1号店をオープンさせたのは2016年。メニューは「サラダ」のほか、トルティーヤのように薄皮で野菜を巻く「ラップ」、キヌアなどの穀物を加えた「グレイン」があります。基本的には目の前に並んだ食材から好きなものを選ぶのですが、ドレッシングだけでなく、食材を細かく切るか、大きめに切るかまで指定できるんです。作っている様子を間近で見ることができるので、エンターテインメント性もありますし、なにより安心につながります。
組み合わせによりますが、ボウルにいっぱい入ったサラダが1000~1500円ほど。サラダで1000円を超えてしまいますが、これ一つでお腹がいっぱいになりますし、“インスタ映え”もばっちりです。

ほかにも、「SALADASTOP!」と同様にお客様の好みでカスタマイズできるラップ&ボウルサラダ専門店「Saladish」がニューヨークから上陸するなど、都内はサラダ特化型のファストカジュアル店が目白押し。
時を同じくして、日本オリジナルのサラダ専門店も続々誕生しています。今後は競争が激化することも予測されますが、それぞれの店が話題となって相乗効果を生むことで、ファストカジュアルがしっかりとマーケットに定着すると期待できます。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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