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大食い大歓迎!食べ放題が儲かるワケは?

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顧客層の拡大や客単価のアップなど大きなビジネスチャンスとなる可能性を秘めた飲食店の「食べ放題」。
導入する際は原価や価格設定など熟考すべきポイントはありますが、「大食い」のお客さまがたくさん来ても、絶対に儲かる仕組みになっているのです。
一体どんな仕組みになっているのでしょうか。

食べ放題の原価計算をしてみる

そもそも、食べ放題の飲食店には「たくさん食べて元をとりたい!」という来店動機を持ったお客さまが多いもの。
そんな食欲旺盛な方が集まって普段以上の食欲を発揮して食べまくるのに、赤字にならないのはなぜでしょう?
まずは、利益の計算式で考察します。

・利益=売上-(「原価」+「経費」)
「原価」は材料費。
お客さまが食べた量に比例して増えていきます。
通常、35〜45%といいますから、ここでは40%で計算してみましょう。
「経費」は家賃や人件費など客数に関係なくかかる費用です。
これも通常用いられる計算式で、人件費30%+その他10%=40% としましょう。

食べ放題ではない普通の飲食店で1,000円の料理を販売した場合
・売り上げ1,000円 -(「原価」400円+「経費」400円〉= 利益200円・
となります。

これが食べ放題になると、お客さんは「2倍の料金を払って3人分の料理を食べれば大満足」というような考え方に変わり、飲食店側は販売価格を上げることができます。

そうなると計算式が変わり
・売り上げ(2倍)2,000円-(「原価」(3倍)1,200円 +「経費」400円)= 利益400円
お客さまが3人分食べても、一人当たり通常の2倍の利益が見込めます。
ポイントは、計算式からも分かる通り、経費が変わらないこと。
しかも実際はこの計算式の「原価」と「経費」をぐっと抑えることができるので、その分、利益がアップします。

店が「儲かる」という仕組みになっているのはなぜ?

どうやって「原価」を抑えるのか?

普通の飲食店では、どのメニューを注文されてもいいように多めの在庫を用意します。
当然ですが、注文が入らなければロスが発生します。
それに比べ、食べ放題は実は圧倒的にロスが少ないのです。
決まった料理を提供しなくてもいいので、店側の主導でメニューと量をあらかじめ決めて計算でき、過不足のない仕入れができるから。
食材が余ったとしても、別のメニューで消費すればいいので効率的です。
その上、大量仕入れによるディスカウントを得ることもでき、価格が高騰している食材を買い控え、安くなっている食材を使用するなど、工夫の余地があります。

どうやって「経費」を抑えるのか?

食べ放題は、お客さまがセルフサービスで各自テーブルまで料理を運ぶわけで、その分の人件費が削減できます。
また、提供する料理は大皿に盛りつけるので、一度の調理で10人分でも20人分でも作ることができます。
20人分作るのに、人件費が20倍かかるわけではありませんから、1メニューあたりのかかる人件費を安く抑えられます。
注文に振り回されず調理できるのもメリットです。
普通の飲食店では、どうしても忙しい時間帯とそうでない時間帯ができてしまいますが、食べ放題なら空いている時間を有効に使うこともでき、忙しい時間帯だけバイトを雇う必要もなくなります。
また、盛り付けや注文をとる、接客をこなす、という独特のスキルが低くても対応ができてしまいます。

食べ放題の価格はどうやって決まるのか?

「食べ放題」は、価格設定が大きなポイントとなります。
よく言われるのが原価から価格設定をすべきではない、ということ。
大事なのはお客さまにいかに「お得感」を与えられるかということ。
例えば、都内のホテルのランチビュッフェを見ると一番多い価格帯は3,000円。
ランチビュッフェは原価が高いと思われがちですが、実は意外と安いのです。
具体的な金額は後述しますが、いくら原価が安いからと言って、ホテルの格を落とすほどの価格設定をしてしまっては、お客さんの「お得感」が薄れ、逆効果なのです。

また、同じくらいの価格設定で2,980円の焼肉食べ放題は、ホテルのランチビュッフェとは別の理由から原価から価格設定をすべきではないと言えます。
焼肉食べ放題は原価が高く、ホテルのランチビュッフェの倍ほどかかると言われるほどなんです。
だからと言って、ホテルのランチビュッフェよりもはるかに高い価格設定をするとどうでしょう?
そこで、店の格やターゲットを考慮して「お得感」を出せる価格を決める方法がとられるわけです。
一般的に、その店の主力メニューの60%程度の価格に設定することで、お得感を出せると言われています。
主力メニューというのは「予算」と考えるとわかりやすいかもしれません。
食べログなどである「この店に行けばだいたいこれくらいで食べられる」目安として記載されている「予算」です。
例えば、都内のホテルの価格設定を見ると、ディナーコースが5,000円のホテルはランチビュッフェを3,000円で出しているところが多いのです。つまり、
・5,000円×60% = 3,000円
ということになります。
一方、2,980円の焼き肉食べ放題のお店は、予算5,000円弱で食べられるお店ということになります。

飲食店 VS 大食い客。それでも飲食店側が儲かる理由とは?

何としても元を取りたい!と考える客 VS 赤字を出すことなく儲けたい飲食店。
その攻防を制するのは…やはり飲食店側なのです。
実はそう簡単には元が取れないのが食べ放題なのです。
その仕組みについて考察します。

考察1: ホテルなどのビュッフェやバイキング

ビュッフェの原価率は30〜40%で、いわゆる普通の飲食店、レストランやファミレスと同程度です。
3,000円のビュッフェの場合、原価は1,000円〜1,200円。
ステーキなどの肉料理は比較的高く40%前後で、安いのはパスタ、ピザ、ご飯ものなど炭水化物で20〜30%程度。
一流シェフが作るローストビーフやステーキなどを売りにしているホテルもありますが、炭水化物をたくさん食べてもらえるように工夫して、トータルで利益がでるようにしているんですね。
前述のように、食べ放題形式は人件費や食材ロスが抑えられる分、普通の飲食店より原価率が高くなったとしても、利益をしっかり出すことができる仕組みなのです。

考察2: 焼肉の食べ放題

原価率の高いお肉ですが、実際どれくらい食べたら元がとれるのでしょうか?
3,000円の食べ放題の場合、その原価は1,000~1,200円。一人前のお肉の量は約100g。
カルビなら原価が100g150円、タンやロースは100円ほどです。
サイドメニューも一通り食べるとすれば、原価の計算は、大盛りライス1杯30円、スープ類1杯10円、デザート100円、野菜150円、肉700~900円(5人前程度)。
これを合計するとマックスでも1,200円の計算なので、3,000円以上食べようと考えた場合は、お肉を12~18人前食べなければ「元をとった!」ことにはならないという結果に。
ただ、要注意は原価が比較的高い野菜。
肉ばかり食べられるより野菜ばかり食べられるお客さまの方が店にとっては手強いと言えます。

考察3: 飲茶

通常の中華料理店での原価率は30%。これが食べ放題になると20%ほどに下げられると言います。
点心の多くは炭水化物なので、少し食べただけで満腹になってしまうのが特徴。
飲茶の食べ放題の価格設定が1,000円〜2,000円と安いのも、それで充分利益が得られるからなんですね。
いわゆる「食べ放題の攻略法」を見ても、飲茶に関しては「消化の良い大根やキャベツが使われているメニューがあれば先に食べる」というくらいで、これが飲茶で元をとることの難しさを表しています。

考察4: スイーツ

スイーツの食べ放題は、お店のターゲットによって幅は広くなり、1,500円〜4,000円の間で価格が設定されています。
ケーキの1個あたりの原価は、約20%。
通常販売で価格が高めのケーキでも原価は100円ほどです。
食べ放題で10個食べた!とお客さまが喜んでいても、お店側の原価は1,000円程度。
フルーツが乗っているものは比較的原価が高いですが、なかなか10個食べられるお客さんはいませんし、より原価率の低いアイスやシャーベットのラインアップを多くすればさらに原価率は下がります。
食べ放題にはドリンクがつきものですが、ドリンクの原価は驚くほど安く、全体の原価率を下げることはあっても上げることはありません。

食べ放題には「大量に仕入れることによって原価を下げ」「人件費を抑え」「原価の安いメニューをたくさん注文してもらえるように工夫する」という戦略が組み込まれているものなのです。
お客さまが元をとるにはとんでもない量を食べなければいけないということになり、結局は店側に利益が出る仕組みになっているのです。

食べ放題の魅力とは?

ここまで、店側とお客様側、両方の立場に立って「食べ放題」を考えてきましたが、いずれの立場でもポイントとなるのは「原価」だと言えます。

お店側は、いかに原価を抑えるか?
お客様側は、いかに原価が高く食べられるか?
これが、食べ放題のゲーム感覚を引き出している要因でしょう。

また、いろいろな側面から考察してみても、総じて「お店有利」の結果になります。
だからと言って、お客様側が損をしている、ということはないので、飲食ビジネスのスキームとしては積極的に検討してもいいのではないか、と思います。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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