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【小阪裕司コラム】第69回:1枚のハガキに目が釘付けに

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全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

自社と同じ仕様のハガキが届いた

 ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員の、ある卸業経営者の方から、面白い(?)ご報告をいただいた。それは、顧客との絆作り実践においてのことだ。
 彼がワクワク系マーケティングの存在を知ったのは、2021年に刊行された拙著『「顧客消滅」時代のマーケティング』。当時、価格と納期で同業他社と熾烈な競争下にあったという同社、彼も大いに悩んでいたところ、本書に出合い「これだ!」と感じ、実践会に入会。以後、特に顧客との絆作りに力を入れた実践で価格と納期の競争からも脱却。現在は日々楽しく商売を行い、業績も堅調だ。
 そんななか、先日行われた、全国から実践会員が集う場に彼も出席。多くの方と名刺交換ができたそうだが、今回の報告はその後の出来事についてだった。
 お客さんに限らず、「出会ったら、つながる」というのがセオリーの1つであるワクワク系。そこで名刺交換をした人たちから後日続々とレターやメールなどが届く中、あるハガキに目が釘付になったという。それは、ハガキの裏面上部に大きく「感謝」と書かれ、下に手書きで一筆メッセージが書き込めるようになっており、下部には社長の顔写真と自身の簡単な自己紹介などがあるものだが、彼は気づいた。自社が今、出会ったお客さんに送っているハガキと仕様がほぼ同じなのだ。それもそのはず。ワクワク系の学びと実践を始めて早々、彼が参考にした事例がこの会社の事例だった。同じBtoBの事業者ゆえ真似しやすかったこともあり、まさにこのハガキを真似させてもらったのだ。それから2年。すっかり自社の活動として定着しており、効果も実感しているこのハガキ。同社においてあまりにも自然な活動になっており、真似させてもらったことも忘れていたのだそうだ。

「知恵を分かち合うための集い」が重要

 前回、「分かち合うことがあるからこそ、集う」という話をした。「絆作りをやってこなかったわが社は何をすればよいか分からなかったので、事例を見て真似するのが手っ取り早かったのです」と彼も言うが、そのように分かち合うために我々は集っている。さらに彼は「実践して習慣化すると真似させてもらったこともすっかり忘れていました」とも言うが、そうなることが望ましい。
 前回から重ねて言うが、今日、「知恵を分かち合うための集い」がとても重要だ。ワクワク系マーケティング実践会23年。これからも一層、分かち合いを強化し、続けていきたい。

〇執筆者
小阪裕司(こさかゆうじ)
博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者
1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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