ラーメン屋を開業するには? 開業資金や準備、繁盛店を作るための心得!
飲食業の中でも開業資金が安く始められ、障壁が少ないとされているラーメン屋の開業。フランチャイズの募集も多く、加盟すれば開業準備が容易で利益を出しやすい業態です。一方で、個人でラーメン屋を開業する場合、ラーメンの口コミ評価によっては、顧客離れも起こりかねない厳しい業界でもあります。ここでは、ラーメン屋を開業するにあたり、開業資金や準備について触れながら、繁盛店を作るための心得を詳しく紹介していきます。
関連記事:ラーメン屋の開業に必要な費用や資格は?失敗しないためのポイントを解説
1. ラーメン屋開業に必要な準備
ラーメン屋を開業するにあたって、準備しておきたいことは次の4つです。ここでは、それぞれの詳細とポイントについて解説していきます。
- フランチャイズか個人店舗にするか
- 資金調達
- 店舗内装
- 開業手続き
フランチャイズか個人店舗にするか
ラーメン屋の開業スタイルには「フランチャイズ」と「個人店舗」の2種類があります。フランチャイズでラーメン屋を開業する場合、既に売れているラーメン屋の経営ノウハウや店舗の名前などを利用できるので、素人でも成功しやすいビジネス形態といえます。一方、個人店舗で開業する場合、お店のメニューやコンセプトは自分で決めることができますが、経営方針なども自分で考える必要があります。どちらのスタイルが良いのか考えて、開業スタイルを選びましょう。
資金調達
ラーメン屋は飲食業の中でも開業資金が少なくて済む業態といわれています。カウンターのみの極小規模なお店でも始められるので、資金調達にも比較的困りません。一般的に、開業資金として計算しておくべきものは、店舗内装費用、家賃、厨房機器、設備、備品、仕入、人件費です。算出した金額をもとに、自己資金、親や知り合いからの資金調達、金融機関の融資などを検討しましょう。
店舗内装工事
物件を探す際は、前テナントがラーメン屋のものを探せば、内装工事を容易に済ませられます。居抜き物件なら設備投資が抑えられ、スケルトンの物件ならデザインを自由に決められます。また店舗の内装工事をするときは、厨房の床素材にも注意しましょう。厨房内は滑りやすくなっているので、滑りを防止できる床素材にするのがおすすめです。さらにラーメン屋は常にガスを使用している状態なので、運転効率の良い設備になっているかチェックも行いましょう。
開業手続き
飲食店を経営するためには「食品衛生責任者」の資格が必須となります。各都道府県で実施されている講習会に参加し、開業前に必ず取得してください。また飲食店の開業には保健所や消防署への届け出などの手続きが必要ですので、書類の準備をしておきましょう。
ラーメン屋開業のポイントに関してはこちらの記事でも詳しく解説しています。
2. ラーメン屋開業までのスケジュール
ラーメン屋を開業するにあたり、準備段階からオープンまでの一般的なスケジュールをまとめました。以下で、時系列に合わせたスケジュール内容とポイントについて詳しく解説していきます。
ラーメン屋開業までのスケジュール例
時期 | 項目 |
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1年~半年前 |
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半年~3ヶ月前 |
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2ヶ月~1ヶ月前 |
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1ヶ月~10日前 |
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当日 |
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上記のスケジュールは、ごく一般的と思われるラーメン屋開業までの内容となっています。店舗の規模や、地域、形態によっても項目やスケジュールは前後する可能性がありますので、参考としてご覧ください。
1年~半年前
- メニュー作り
ラーメン屋の肝となるメニュー作り。こだわりの味を出せるかが繁盛のポイントになります。フランチャイズの場合は、周辺にある競合店と差別化ができるラーメン系列を選択してみましょう。客単価を想定し、ランニングコストなどから利益率も算出して価格帯の目安を見極めることも大切です。 - 店舗探し
店舗は、駅からのアクセス、駐車場、商圏地域か住宅、集客世代などを加味しながら探すのが大切です。ラーメン屋は、小規模なら10坪(10~20席程度)で開業できます。居抜きの店舗なら設備投資が抑えられますが、デザインを妥協する必要があるかもしれません。一方スケルトン物件は、好みのデザインを実現できる反面、場合によってはコストがかかります。またガス設備も都市ガス、プロパンガスによってランニングコストに差がでます。これらを考慮しながら、条件にあった物件を選びましょう。 - 事業計画
事業計画には、収支計画とともに営業立地や競合性も記入が求められます。目安の数字となるのが月商で、計算式は「(客単価(目標)× 席数 × 回転率(目標))× 営業日数 = 月商」となります。事業計画の詳細が融資の際の可否にも影響しますので、しっかりと経済面、ビジネス理念の落とし込みを行いましょう。 - 資格取得
飲食店を営むために必要な「食品衛生責任者」の資格は、あらかじめ取得しておきましょう。また、従業員を含む収容人数が30人以上の店舗には、「防火管理者」の資格も必要となりますので、確認と準備を行いましょう。
半年~3ヶ月前
- 資金調達
事業計画で収支計画が明確になったら、資金調達に取りかかりましょう。融資を希望する場合、金融機関によっては保証人や連帯保証人などを求められる可能性があります。また自己資金がゼロだと融資を受けるのが難しくなるので、自己資金整理も一緒に進めていきましょう。その際、個人ローンやカードなど借り入れが多いと融資が難しくなる可能性もあるので、注意が必要です。 - 物件契約
飲食店などの店舗賃貸契約は、一般的に保証金が家賃の6~12カ月分必要になります。敷金、礼金、仲介料なども店舗によっても変わるので、資金調達時までには確認しておきましょう。居抜き物件の場合、店舗契約とは別に厨房設備リース契約などがあるケースもあります。無償貸与、リース契約、造作買い取りなど契約区分を確認することをおすすめします。
2ヶ月~1ヶ月前
- 内装工事着工
物件契約が済んだら内装工事に着手します。ラーメン屋は水や油を多く使う環境なので、厨房、店舗内の床面素材は滑らないものを選ぶのがおすすめです。またラーメン屋ではカウンター越しに商品を提供することも多く、厨房内がお客さんから見える店舗が多くなります。そのため、お客さんから見られているのを想定した導線確保や貯蔵スペースにするのも大切です。またガス管など設備チェックも忘れてはいけません。工事の進捗などのチェックはこまめに行い、ミスやロスを軽減しましょう。 - 設備、調理器具搬入
居抜き物件を利用する場合、基本的に既存の設備が利用できます。その場合は、ラーメン屋の調理器具を搬入していきましょう。一方、新しく設備や調理器具を搬入する必要がある場合は、厨房スペースの使い方を考えることが大切です。一般的に、ラーメン屋ではスープストックが厨房のスペース広く占めます。そのため小規模のお店では、動線や使いやすさを考慮して巨大な貯蔵庫を設置せず、かわりに新鮮な材料を毎日業者から仕入れるなどといった方法がとられる場合があります。厨房の使いやすさを考えて設備や調理器具を搬入していきましょう。 - スタッフ募集掲載
ラーメン屋を開業する場合、店舗の規模にもよりますが、オーナー経営が多くなります。そのためスタッフを募集する条件も、短時間や土日のみといった繁盛期の時間帯だけで十分といった可能性もあります。店舗規模や働き方によって募集条件を検討しましょう。またスタッフの雇用形態によっては労災、社会保険などの書類提出準備も必要になります。
1ヶ月~10日前
- 営業に関する申請書提出
飲食業営業の許可を受けるために、内装完了の約10日前までに飲食店営業許可の申請書を保健所に提出する必要があります。また従業員を含め30人以上収容できる店舗は消防署へ「防火管理者選任届」の提出が義務付けられています。 - スタッフのトレーニング
ラーメン屋のオペレーションは限られています。基本的な研修は早く終わらせ、衛生管理やお客さんの誘導方法などを重点的にトレーニングするようにしましょう。また清算作業の正確化と簡易化を図るために、チケット機を導入するのも有効的です。
飲食店開業に向けた準備の流れに関して、さらに詳しくはこちらの記事でイラスト付きで紹介しています。
3. ラーメン屋を開業するのに必要な資金
ラーメン屋を開業するために必要となる資金は主に6つに分類できます。以下で、必要資金の内訳と詳しい内容について解説していきます。
- 物件取得費
- 内装工事費
- 厨房機器
- 家具、備品
- 運転資金
- その他開業資金
物件取得費
物件の取得に含まれる代金は主に保証金、礼金、仲介料、家賃です。店舗賃貸では、地域や規模にも左右されますが、保証金は家賃の約6~12ヵ月分が相場とされています。一般的には、開業資金の約20~30%にあたる資金が物件取得費に投入されているようです。
内装工事費
内装工事には、厨房、空調、テーブル(備え付けカウンターなど)が含まれます。内装工事費は、一般的には開業資金の約30%程度が見込まれるようです。ラーメン屋の内装工事は規模によって差があり、ごく狭小で約300万円からできる場合があります。
厨房機器
厨房機器は、開業資金の10%ほどを充てるのが目安とされています。手作り麺にこだわりたい方は製麺設備投資を検討しても良いでしょう。居抜き物件で基本的な厨房機器が設置されている場合は、コスト削減にもなります。
家具、備品
ラーメン屋の主な家具はテーブルとイス(カウンターのみなら椅子)です。備品では、レードルなどの調理器具、ラーメン鉢や調味料入れなどが含まれます。またこれらの備品とは別に、店舗の看板、メニューボードなど、一般的に10万~20万円ほどかかる場合がありますので、準備資金に計上しておきましょう。
運転資金
6割以上の飲食店事業で、経営が軌道にのるまで約6ヶ月かかるとされています。この時期を乗り越えるための予備資金として、約半年分の赤字補填資金を確保しておくと良いでしょう。運転資金の主な内訳としては、家賃、人件費、水道光熱費、材料費などが含まれています。
その他の開業資金
その他にあたる資金には、スタッフを雇用するための保険、労災などの手数料や調査費用、スタッフの研修費などが当てはまります。他にも印刷を要する広告やポスター、マーケティング費用なども諸経費として考慮しておきましょう。
開業資金に関する知識はこちらの記事でも詳しく紹介しています。
4. ラーメン屋開業に必要な資金の調達方法
自己資金を貯める
開業に必要な資金のうち、自己資金で3分の1以上準備できない場合、金融機関からの融資を受けられない場合もあります。貯金や投資の整理などで、自己資金をまとめてみましょう。あるいは、親や親戚から借りて融資に役立てる方法も有効的です。
金融機関から融資を受ける
借り入れ方法には、銀行や信用銀行などの金融機関から借り入れる方法と日本政策金融公庫のような制度を活用する方法があります。金融機関では審査や借入限度に制限などもあり、融資までに1~2か月程度とケースによって差があります。日本政策金融公庫の融資制度は、借り入れが比較的容易で審査のプロセスもスピーディーと言われています。事業主の状況に合わせた借り入れを選びましょう。
オンラインレンディング
最近では、大手銀行、携帯キャリア企業、Eコーマス企業などがAIを活用した審査方法により、貸付をインターネット上で完了できるシステムが拡大しています。登録、審査、融資まですべてネット上で完了することができ、法人なら無担保、保証人なしで融資が受けられる場合もあります。企業によっては金利が高いものもありますが、時間の短縮が図れるメリットがあります。
補助金や助成金を活用
実施する自治体によってキャリアアップ助成金や創業補助金制度を活用できます。事業資金の補填になりますが、審査や書類提出が多いことや、開業後に融資が下りるため、資金を受け取れるまでにやや時間がかかります。とはいえ、申請しておけば開業後の運転資金に加算できるので有効的といえます。
ラーメン屋開業に向けての資金調達について詳しくはこちらの記事でも紹介しています。
5. ラーメン屋を開業するのに必要な資格
- 食品衛生責任者
- 防火管理者
食品衛生責任者
「食品衛生責任者」は、各自治体により開催される講習を受講して資格を得ることができます。この資格は、「食品を提供するすべての事業者が取得すべき資格」です。事業主でなくとも店長といった従業員の1人が所得していればOKという資格ですので、早めに対処しておきましょう。
防火管理者
従業員を含む30人以上を収容できる店舗は、「防火管理者」の資格を取得しなくてはなりません。防火対策責任者という立場が所得しておくべき資格なので、オーナーもしくは店長という人物が取得するよう準備を進めていきましょう。
飲食店を開業するために勉強しておくべき知識についてこちらの記事で紹介しています。
6. ラーメン屋を開業するのに必要な届出
ラーメン屋を開業するための届け出は主に9種類あり、店舗の状況や就業人数などによって届け出が必要ないものもあります。以下で詳しく内容を解説していきます。
- 飲食店営業許可申請
- 防火管理者選任届
- 防火対象設備使用開始届
- 火気使用設備の設置届
- 深夜酒類提供飲食店営業開始届出書
- 個人事業の開廃業等届出書
- 労災保険加入手続き
- 雇用保険加入手続き
- 社会保険加入手続き
飲食店営業許可申請
営業許可書」という営業許可をもらうための申請書で「保健所」に提出します。後日、保健所の専門職員による店舗検査が入り、検査を通過すれば営業許可をもらうことができます。
防火管理者選任届
営業開始日までに申請が必要で、30人以上の収容数がある店舗は書類を「消防署」に提出します。事前に「防火管理者」という資格をオーナーや店長が所持して居る必要があります。
防火対象設備使用開始届
火器を新しい場所や店舗の一部で使用するという届け出で、「消防署」に提出します。使用開始の7日前までに届け出が必要ですが、内装のために工事会社が関与する場合は、業者から手続きを済ませることが多い申請です。心配な方は一度業者に確認しておきましょう。
火気使用設備等の設置届
火器を設置する際の届け出を、「設備の設置前」に「消防署」に提出します。対象となる機器には、バーナー、ボイラー、温風暖房機などが代表ですが、詳細は管轄の消防署に問い合わせることをおすすめします。
深夜酒類提供飲食店営業開始届出書
深夜0時以降にアルコールを販売する場合に届け出が必要となります。営業開始の10日前までに「警察署」に書類を提出しましょう。
個人事業の開廃業等届出書
個人事業主は、開業日から1ヶ月以内に「税務署」に開業届を提出します。申請することで、身内や家族の給与を必要経費扱いとして申告し、控除対象として申告できますので、税金対策でメリットがあります。
労災保険加入手続き
「雇用形態に関わらず」従業員を雇う場合には、雇用翌日より10日以内に労災保険の加入手続き必要とされています。手続きを行う場所は「労働基準監督署」です。
雇用保険加入手続き
雇用保険の対象となる従業員を雇用する場合は、雇用翌日より10日以内に「雇用保険被保険者資格取得届」を提出しなければなりません。なお従業員をはじめて雇い入れる場合は「雇用保険適用事業所設置届」の提出も求められます。提出先は「公共職業安定所(ハローワーク)」です。
社会保険加入手続き
法人は従業員に人数に関わらず加入が義務付けられています。個人事業主の場合、常時雇用する従業員が5人以上の場合は加入義務が発生し、5人未満の場合は任意となる手続きです。できるだけ速やかに、お近くの「社会保険事務所」に向かいましょう。
営業許可の流れや保健所手続きに関しては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
7. ラーメン屋を開業して成功させるポイント
ラーメン屋は開業がゴールではありません。開業して繁盛するお店を長く続けること大切です。ここでは多くの繁盛店が心がけてきた成功させるポイントを7つご紹介します。
研究心を忘れない
ラーメン屋は星の数ほどあり、次々と新店舗が誕生する激戦業界です。繁盛店の調査もしながら自店のラーメンの改善点はないのか常に向上心をもつことが求められます。ラーメンの味だけでなく、メニューのバラエティ度や量、スープなど、客の満足するクオリティを保っているかどうか常に探求心を持つということが重要です。
安定した味とサービスの提供
ラーメン業界は、開店当時と味が変わっていたり、サービスが低下していたりするとすぐに悪評価につながるという傾向があります。安定した味とサービスの提供でリピーターを確保して、繁盛店へと成長させていきましょう。
清潔な店舗の徹底化
ラーメン屋はカウンター越しでサービスすることも多く、お客さん側から厨房がよく見えます。このとき、調理スペースである厨房内が汚れているとお店の印象も悪くなってしまうので注意が必要です。スタッフへの清掃教育を徹底して、常にクリーンな環境を整備するようにしましょう。また厨房以外でも、トイレの衛生状態、店の入り口、食器棚なども清潔な状態にしておきたいところです。
回転数を上げる戦略
ラーメン屋の客単価は平均1,000円以下程度といわれるようで、「回転数×単価」が売り上げの肝となります。仕込みを万全に、ピーク時でも迅速なオペレーションで回転率を上げることが成功へのプロセスと考えられます。またお得なサービス販促などを行い、暇な時間を減らす運営戦略も成功の秘訣です。
原価の圧縮
ラーメンの単価は800円前後が一般的で、原価率は約25~30%とされています。原料は適量を目標にロスを出さないように発注しましょう。また盛り付けする量は一定に保ち、コストバランスを安定させることも大切です。
お店の拡大や多店舗展開後
店舗拡大は常連客が定着してからの展開が望ましいでしょう。ラーメンの味の決め手であるスープや麺のクオリティを一定化するために外注という選択も賢明かもしれません。また店舗販売だけでなく地元物販として固定客やEコーマスを活用した売り上げ向上を目指すことも有効なビジネスモデルです。
デジタルマーケティング戦略
人気のラーメン店になるためにはSNS発信は必須と言えるでしょう。Facebook, Instagram, Twitterといったソーシャルメディアを使い、広告活動や情報発信を拡大するマーケティングを取り入れます。またQRコード受付やスマホアプリ、ウォレット活用などスマホ世代にアピールする戦略も効果的に活用していきましょう。
飲食店開業の「成功の秘訣」はこちらの記事でも詳しく紹介しています。
8. ラーメン屋を開業するのに向いている立地とは?
ラーメン屋を開業して繁盛させるために、立地条件は非常に大切です。ラーメン屋の立地を考えるときに大切な4つのポイントにまとめました。以下で詳しく解説していきます。
- ターゲット層にマッチした地域
- 人通りが多い(交通量が多い)
- 居酒屋に近い
- 路面店舗
ターゲット層にマッチした地域
ラーメン屋の系統によって、ターゲットとなる客層が変わります。自分の作るラーメンが学生・社会人・家族連れなど、どの層をターゲットにしているのか確認しましょう。そして、店のターゲット層にマッチした地域性のロケーションに店舗を構えるのがおすすめです。
人通りが多い(交通量が多い)
駅やバス主要駅など人通りが多くアクセスが便利な立地を選ぶのもおすすめです。駐車場を完備する場合は特に、車の交通量が多い場所を選択すると良いでしょう。
居酒屋に近い
お酒を飲んだ後にラーメン屋に立ち寄るというのはよくある光景です。居酒屋の周辺や、繁華街、商圏周辺でも立ち寄る人が多くなるためラーメン屋の好条件立地といえます。
路面店舗
ラーメン屋を構えるときは、道路からすぐに入りやすい路面店舗の1階、ないしは2階の正面が好ましいといわれています。店舗前の道路はできれば車線変更をしなくて済む2車線まで、もしくは角地がよい立地と考えられます。
ラーメン屋の立地に合わせた経営戦略に関して、こちらの記事で事例を紹介しています。
9. 「ラーメン屋を開業」繁盛するラーメン屋参考データ(canaeru調べ)
最後に、すでに繁盛しているラーメン店の開業資金や客単価などの参考データをご紹介します。繁盛店の平均的算出データを基にラーメン屋の事業計画を考えてみましょう。あくまで独自調査ですので、1つの目安としてご活用ください。
開業資金
開業資金とは、お店の初期投資にあたる資金のことを指します。大きく分けると、家賃、内装費、厨房器具や備品、人件費などが含まれています。繁盛店の開業資金は平均で1,800万~2,300万円が相場とされ、店舗規模や地域によって数値は異なります。
月商
月商とはひと月の総販売額という意味です。通常月商は、「(客単価(目標)× 席数 × 回転率(目標))× 営業日数」 の計算式で求められ、繁盛店では月商約600万~900万円というデータがあります。この金額のうち約10~15%の純利益を挙げられる店舗が繁盛店とされています。
客単価
客単価とは、1人のお客さんが1回のお会計で支払った金額の平均です。ラーメン屋では、一般的に注文数がラーメン1点となることが多くなるため、客単価が上がりにくいとされています。独自調査でも、繁盛店の客単価は約550~1,100円程度という結果がでています。
回転数
回転数とは、全席が何回入れ替わったかという稼働率を表す数字です。「1日の客数÷席数」で算出されます。回転数が多いほどお客さんの出入りが多く、繁盛しているという目安になります。独自調査では、繁盛店といわれているラーメン屋の回転数は平均7.7~14回という結果になりました。営業時間やロケーションによって上下するので、目安としてお考え下さい。
席数
座席は店舗における集客数に関係しています。ラーメン屋の場合、客席と回転数は売り上げに大きく影響するといわれています。席数に関して、繁盛店では約20~45席のところが多いというような参考データがあります。
1席あたりの1日の平均売上
1席あたりの1日の平均売上は「1日の売上÷席数」で計算できます。ラーメン屋では客単価が上がりにくいので、席の「回転数」が多いほど1席あたりの平均売上も上がると考えられます。この数字を計上することで、月間および年間の繁盛期を予測することが可能です。繁盛店では1席あたりの1日あたりの平均売上は約7,700~10,600円となることが独自調査で分かりました。繁盛店の数値を参考にしながら、自店に必要な経営戦略を検討しましょう。
ラーメン屋の開業で成功するには原価圧縮と回転数の向上がポイント
ラーメン屋では客単価に限りがあるといわれているので、原価圧縮が利率向上に欠かせないポイントになります。また来客の集中する時間に迅速なオペレーションで席の回転数を上げる努力も重要です。ラーメン屋は開業してからが本番、品質を損なわないラーメンとサービス提供を徹底していきましょう。リピーターを定着させることで、店舗拡大にも移行しやすくなります。