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フランチャイズを活用して経営するメリットとは?開業するまでの流れも紹介

フランチャイズを活用して経営するメリットとは?開業するまでの流れも紹介

開業をする際には、自分で0から事業を始めるだけでなく、フランチャイズを活用する選択肢もあります。

フランチャイズを活用すれば、本部からのサポートを受けられる分、安心して経営を行うことができるでしょう。

この記事では、フランチャイズの仕組みやメリット・デメリット、フランチャイズを活用して経営するまでの流れなどについて紹介します。フランチャイズを活用した経営を検討している方は、ぜひご一読ください。

フランチャイズの概要

フランチャイズとは、フランチャイズビジネスを運営する企業と契約を結び、その企業が展開する商品やサービス、販売などを行う権利をもらって経営できるシステムのことです。

フランチャイズビジネスを運営する企業を「本部」、商品やサービス、販売などを行う権利をもらう側を「加盟店」と呼びます。

フランチャイズを活用すれば本部のサービスや商品を販売できるため、自分で0から基盤を構築することなく経営者になれます。

なお、日本でフランチャイズ展開している業種としては、コンビニエンスストアや飲食店などが有名です。

●フランチャイズの具体的な仕組み

フランチャイズの契約を行った本部に対して、定期的にロイヤリティ(権利の使用料)を支払うことで、本部の提供するサービスやノウハウを販売・利用する権利を得られる仕組みになっています。

多くの本部ではサービスや商品を販売する権利を与えるだけでなく、経営面や開業面のサポート体制も整っているケースが多いです。未経験者でも経営できるように仕組み化されているため、開業が初めての方でも安心して挑戦しやすいでしょう。

なお、企業によっては、フランチャイズ以外に「直営店」を展開している場合もあります。

直営店とは、本部が直接運営を行う店舗のことです。フランチャイズ契約を行って経営する加盟店とは異なるので、混同しないように注意してください。

フランチャイズを活用する3つのメリット

自分で0から開業する場合と比較すると、フランチャイズを活用して開業するメリットはさまざまあります。ここでは、フランチャイズを活用する主なメリットについて紹介します。

●開業資金を抑えられるケースがある

飲食店などを開業する際には、事前に店舗に関わるさまざまな準備が必要です。店舗を自分で用意する場合、設備費用や工事費用などを含めると1,000万円前後かかることも珍しくありません。

しかし、フランチャイズを活用すれば、既存の直営店をそのまま引き継げるケースもあります。すでに活動しているお店を引き継ぐことができれば、店舗を用意する必要がない分、大幅に初期費用を抑えられるでしょう。

●ブランド力に頼れるので集客しやすい

フランチャイズを活用する大きなメリットが、集客のしやすさです。すでに認知されているブランドを活用できるため、ある程度の集客力が見込める状態で経営をスタートできます。

また、広く認知されているブランドであれば広告費をかけずに集客できるため、資金を抑えて営業を行うことが可能です。フランチャイズは広告費を抑えられる上に最初から集客しやすい分、未経験でも挑戦しやすいビジネスだと言えるでしょう。

●サービスの開発や従業員育成の手間を省ける

自分で0から開業する際には、サービスや商品開発、店舗に配置する従業員の育成が必要となります。経営を行うためにはどれも必須な要素ですが、やることが多すぎて余裕がなくなってしまう場合もあるでしょう。

しかし、フランチャイズならすでに開発されたサービスや商品をそのまま販売できるので、自分で考案する手間が省けます。

また、従業員の育成は本部がサポートしてくれるケースが多く、その場合は自分で研修カリキュラムを組む必要もありません。時間に余裕ができる分、ほかの作業に集中して営業を行えます。

フランチャイズを活用する3つのデメリット

フランチャイズは初めて開業する方にとってメリットが豊富なシステムですが、その分デメリットもあるため注意が必要です。

ここからは、フランチャイズを活用する主なデメリットを見ていきましょう。

●ロイヤリティの支払いが必要

フランチャイズ契約を結ぶと、本部のサポートを受けて商品を販売する権利を得られますが、対価としてロイヤリティを支払わなくてはなりません。ロイヤリティの支払いが必要な分、入ってくる利益も減ってしまうことは覚えておきましょう。

なお、ロイヤリティの算定方法は「売上の〇〇%」や「定額制」など、本部ごとに異なります。後のトラブルを避けるためにも、算定方法は事前によく確認してください。

●経営の自由度が低い

フランチャイズを活用して開業する際には、本部が提供する経営ノウハウに沿って業務を行う必要があります。自分の意思で経営の方針を変えられないので、人によっては窮屈に感じるかもしれません。

また、販売する商品やサービスも基本的には本部が開発したものしか扱えないため、独自性を出しにくいです。オリジナリティを追求したい方だと、自分のアイデアを形にできない環境にストレスを感じる可能性もあります。

●ほかのチェーン店の影響を受けてしまう

フランチャイズはチェーン展開しているので、自分のほかにも同じブランドを掲げて営業している加盟店は数多くあります。そのため、同じブランドを扱うほかのチェーン店が問題を起こした場合、自分の店舗も影響を受けてしまうかもしれません。

たとえば、従業員が商品にいたずらをしてSNSで炎上する「バイトテロ」は、ニュースで度々報じられますが、このような問題が自分と同じブランドの店舗で起きた場合、集客や売上に悪い影響が出る可能性があります。

フランチャイズ本部ではどんなことをサポートしてくれる?

フランチャイズ本部が行うサポートの内容はそれぞれの本部によって異なりますが、多くの場合は下記のような形で加盟店をサポートしています。

• 従業員の研修や募集
• 物件の紹介
• 家賃負担などの資金面のサポート
• 加盟者に対する研修
• 新メニューの提案など

人材募集のサポートを受けられるだけでなく、用意された研修のプログラムに沿って教育を行えるため、人材育成の手間を大幅に減らせます。従業員だけでなく、加盟者に対しても業務研修を行っている本部であれば、未経験者でも挑戦しやすいでしょう。

また、店舗の確保が必要な場合は物件の紹介をしてくれることもあるので、物件探しに労力を費やす必要がありません。家賃負担といった資金面のサポートを行なっているケースも多く、運転資金を節約しやすい傾向にあります。

飲食業を展開する本部では、新メニューの提案を行なっている場合もあり、自分で新しいメニューを開発する手間が省ける分、ほかの業務に時間を使えます。

フランチャイズ本部ではどんなことをサポートしてくれる?

フランチャイズ展開をしている主な業種

フランチャイズで開業したいと思ったなら、まず業種を決める必要があります。自分に合ったジャンルで開業するためにも、フランチャイズ展開している業種を事前に把握しておきましょう。

ここからは、フランチャイズ展開をしている主な業種を紹介するので、ぜひ参考にしてください。

●コンビニエンスストア

フランチャイズ展開している代表的な業種と言えるのが、コンビニエンスストアです。大手コンビニエンスストアのほとんどは、フランチャイズ展開を行っています。

大手コンビニエンスストアの知名度は圧倒的に高く、集客しやすい点が大きなメリットです。サポート内容も手厚いものが多くなっており、下記のようなサポートを受けつつ安心して開業に挑戦できます。

• 店舗運営スキル習得の研修
• 店舗運営指導
• 従業員に向けた研修など

本部によっては、契約を結ぶ前に体験実習を受講できるケースもあります。向き・不向きを事前に確認した上で開業を検討できるのは、コンビニエンスストア業界でのフランチャイズ加盟を考えている方にとって嬉しい制度です。

関連記事 コンビニの開業資金はいくら必要?開業までの流れやオーナーの年収、必要な資格を解説

●飲食店

レストランや居酒屋、カフェや定食屋などの飲食店もフランチャイズ展開する企業が多い業種です。

自分で飲食店を開業する場合は食材や資材などの仕入れ先を見つける必要がありますが、フランチャイズに加盟すれば本部から供給されるケースが多いため、仕入れ先を探す手間がかかりません。

また、下記のようなサポートは基本的に本部が担ってくれるケースが多くなっています。

・ 調理スキルや店舗運営スキルの研修
・ メニューの提案
・ 調理器具の提供やレンタルなど

なお、飲食店の店舗として使う物件は自分で確保するケースが一般的ですが、場合によっては本部が所有する店舗を提供してくれる場合もあります。

●サービス業

ハウスクリーニングや高齢者への配食サービスなど、サービス業の領域もフランチャイズチェーンが多い業種です。

多くのサービス業は在庫を抱えずに業務を行えるため、過剰在庫のリスクを心配せずに営業に取り組めることから、経営面に不安のある方でも挑戦しやすいジャンルと言えるでしょう。

サービス業には多種多様な職種があるため、サポート内容も職種ごとに幅広くあり、下記のような基本的な部分は本部がサポートしてくれるケースがほとんどです。

・ 技術面での研修
・ 現場での研修
・ 営業研修など

サービス業は、飲食店などに比べると設備面の投資も少なく済むケースが多く、運転資金や開業資金も抑えやすい傾向があります。できるだけ少ないリスクで開業したい方におすすめの業種です。

フランチャイズを活用して開業するまでの流れ

フランチャイズの仕組みにメリットを感じる方は、早速開業に向けて準備を始めましょう。フランチャイズを活用して開業するまでの流れは下記の通りです。

・ 挑戦する業種を決める
・ 契約する本部を決める
・ 開業準備を進める
・ 開業する

それぞれの手順について、詳しい内容を紹介します。

●①挑戦する業種を決める

飲食店やサービス業など、フランチャイズ展開している業種はさまざまあります。具体的な準備を進めるためにも、まずは自分が開業する業種を決めましょう。

挑戦したい業種が決まらないのであれば、フランチャイズ本部のサポート内容を基準に判断するのもおすすめです。サポート内容が手厚いほど、安心して開業できると言えます。

サポート内容は本部に資料請求をしたり、インターネットで検索したりすると確認できるため、興味がある業種について情報を収集してください。

●②契約する本部を決める

挑戦したい業種を決めたら、その業界で加盟店を募集している本部を探しましょう。

ロイヤリティの金額や、自分で店舗を用意する必要があるかどうかなどの条件はそれぞれ異なるため、契約する本部を探す際には契約内容・条件をよく確認するようにしてください。

また、契約する本部を決める際は開業後のイメージを掴むためにも、実際に加盟店の店舗に足を運んで雰囲気や繁盛具合を確認することをおすすめします。

●③開業準備を進める

契約する本部が決まったら、開業に向けて準備を進めましょう。必要な準備は職種によって異なりますが、どんなジャンルでも以下3点は必要になるケースが多いです。

・ 必要に応じて店舗や備品を用意する
・ 従業員の募集・採用を行う
・ 資金調達をする

店舗や備品の確保、従業員の採用などは本部がサポートしてくれる場合もあります。ただし、サポートしてくれる範囲は本部によって異なるため、契約する本部の条件をよく確認しましょう。

また、多くの初期費用が必要になるのであれば、資金調達も行わなくてはなりません。資金調達をするには、日本政策金融公庫の融資制度を利用する、補助金や助成金を活用するなどの手段があります。

各融資制度や補助金・助成金は利用条件がそれぞれ異なるので、自分に適した方法を選びましょう。

関連記事 フランチャイズ開業に必要な資金とは?内訳や集め方を紹介!

●④開業する

資金調達や従業員の採用、店舗の準備などを整えたら、開業して経営をスタートしましょう。

開業や経営に関する不安を抱える方も多いかもしれませんが、業務に必要なスキルや知識は本部が行う研修などでサポートしてくれるため、過度に不安になる必要はありません。

多くの本部は未経験者でもスムーズに開業できるような仕組みを整えているため、自分で0から開業するよりも手間を省きながら開業できます。

フランチャイズ経営に失敗しないために注意するべきポイント

サポート体制が整っているとはいえ、経営に失敗する可能性は0ではありません。「開業後に失敗したらどうしよう」と心配な方もいるでしょう。

ここからは、フランチャイズ経営に失敗しないために注意するべきポイントを紹介します。

●契約前にロイヤリティの金額を把握しておく

本部に対してロイヤリティを支払うことで、さまざまなサポートが受けられるところがフランチャイズのメリットですが、最初から安定して売上をあげられるとは限りません。状況によっては、定期的に支払うロイヤリティが負担となる場合もあるでしょう。

資金面で困ることを極力減らすためにも、ロイヤリティの具体的な金額は事前に確認しておきましょう。できれば開業後の利益をシミュレーションし、ロイヤリティの支払いが負担とならないかも含めてチェックすることをおすすめします。

●契約期間や契約更新方法をチェックする

フランチャイズの契約期間は本部によって異なり、10年以上の長期にわたる場合もあれば、3年〜5年程度となる場合もあります。契約期間に応じて契約先を見直す機会も左右されるため、どのタイミングで契約が切れるのかを忘れずに確認しましょう。

また、フランチャイズの多くは自動更新制になっていますが、契約更新時に手続きが必要な場合もあります。契約期間だけでなく、更新手続きの内容や更新料の有無も併せて確認しておくと安心です。

●違約金を確認する

フランチャイズ本部では、契約内容の中に違反行為と違約金を盛り込んでいるケースが多くあります。違反行為を行っているつもりはなくても、認識違いによって違反行為に該当してしまうケースも考えられるため注意が必要です。

契約後の金銭トラブルを防ぐためにも、違反行為の内容と発生する違約金はチェックしましょう。

●一方的な中途解約はできない

本部と契約を結んだ後は、契約書に中途解約に関する旨が記載されていない限り、原則として一方的な中途解約はできません。加盟店側から解約する場合は、違約金の支払いが義務付けられているケースがほとんどです。

違約金を支払うことで金銭的な負担が大きくなるため、フランチャイズ契約を行う際には、中途解約をしない前提で手続きを進めることをおすすめします。

フランチャイズ経営を成功させるためにも準備を整えておこう!

フランチャイズに加盟して経営を行うと、従業員の育成や物件の取得など、さまざまな面において本部のサポートが受けられる分、開業に挑戦しやすくなっています。

最初から認知度のあるブランド力に頼れるため集客しやすく、自力で経営するよりは安定しやすいところもメリットです。

ただし、どんな形であっても経営にはリスクがつきものです。自力で0から開業しても、フランチャイズを活用しても、必ず成功するとは限りません。

フランチャイズ経営に挑戦する際には、少しでも成功率が上がるように入念に準備を進めることが重要です。開業準備に不安や疑問がある方は、「canaeru(カナエル)」のような開業準備の支援を行うサービスの活用も検討してください。

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この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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