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フランチャイズ経営の仕組みとは?経営するメリットやデメリットを解説

フランチャイズ経営の仕組みとは?経営するメリットやデメリットを解説

「フランチャイズ経営はどのような仕組みか知りたい」
「メリット・デメリットを整理したうえでフランチャイズ経営をするべきか判断したい」
開業を検討している方の中にはこのように考えている方もいるでしょう。

フランチャイズ制度を活用して開業すると、フランチャイズ本部からのサポートを受けられるため、ノウハウとブランド力を借りて開業できます。しかし、メリットがあればデメリットもあるのがフランチャイズ経営です。

この記事では、フランチャイズ経営の仕組みやメリット・デメリットを紹介します。フランチャイズ経営を検討されている方は、ぜひ参考にしてみてください。

参考記事:フランチャイズにおける7つのリスク&デメリットを解説。失敗しないためのポイントとは?
参考記事:フランチャイズで開業したい方必見!メリットやデメリット、加盟の流れをご紹介

フランチャイズ経営の仕組み

フランチャイズ経営では、フランチャイズビジネスを運営する企業と契約を結び、その企業が展開する商品やサービスを販売します。フランチャイズビジネスを運営する企業を「フランチャイザー」、商品やサービスを販売する側を「フランチャイジー」と呼びます。

フランチャイズ制度を活用すれば、すでに知名度がある本部のサービスや商品を販売できるため、自分でゼロからビジネスモデルを構築しなくても経営者になれます。

なお、国内でフランチャイズ展開している業種は、コンビニエンスストアや飲食店などが有名です。フランチャイズについて詳しく知りたい方は、下記の記事もあわせてご覧ください。

関連記事 フランチャイズとは?開業に必要な資金や本部選びのポイントを解説!

直営店と加盟店

フランチャイズ経営には、直営店と加盟店の2種類があります。

直営店は、フランチャイズ本部が直接経営する店舗です。別名RC(レギュラーチェーン)とも呼ばれており、店舗運営にかかわる内容はすべて本部が対応します。採用活動から人材育成、売上・経費管理なども含めた対応も本部が行っており、初期研修の店舗としてもよく利用されています。

加盟店は、本部とフランチャイズ契約を取り交わしたオーナーが経営を行います。「本部の名前を借りる」状態になるため、予め決められたルール内で経営することが特徴です。

加盟金とロイヤリティ

フランチャイズ経営において、ノウハウとブランド力を借りるために支払わなければならないのが「加盟金」と「ロイヤリティ」です。

加盟金は、フランチャイズ加盟時にオーナーが本部に支払うお金です。加盟するための「契約金」と考えておきましょう。最近は加盟金を取らないフランチャイズ本部もありますが、通常は初期費用として発生するのが一般的です。

ロイヤリティは、本部の看板を借りるためにオーナーが本部に対して毎月支払う「権利使用料」です。本部側はこのロイヤリティがフランチャイズ運営の主な収益源となります。

フランチャイズ経営のロイヤリティの相場は業態によって大きく異なり、飲食店は売上の3~10%、コンビニエンスストアは粗利(売上ー仕入れ)の30~50%ほどと言われています。

本部のサポート体制

フランチャイズ本部が行うサポートの内容は、企業によって異なります。一般的には下記のようなサポートを行っています。


  • 従業員の研修や募集

  • 店舗物件の斡旋

  • 家賃負担などの資金面のサポート

  • 加盟者に対する研修

  • 新メニューの提案


加盟店側は人材募集のサポートを受けられるだけでなく、用意された研修のプログラムに沿って教育を行えるため、新人スタッフの育成の手間を大幅に減らせます。従業員だけでなく、加盟者に対しても業務研修を行っている本部であれば、業界・店舗経営未経験でも挑戦しやすいでしょう。

また、物件の確保が必要な場合は物件の斡旋をしてくれることもあります。家賃負担といった資金面のサポートを行っている企業も多く、運転資金を抑えられる点は大きなメリットです。

飲食業を展開するフランチャイズ企業では、本部が新メニューの提案を行っている場合もあり、オーナーが新しいメニューを開発する手間が省ける分、集客やオペレーション改善に時間を割けます。

フランチャイズ経営を行う3つのメリット

ゼロから開業する場合と比較すると、フランチャイズ制度を活用して経営するメリットは多数あります


  • ノウハウがなくても開業できる

  • 開業資金を抑えられるケースがある

  • ブランド力に頼れるので集客しやすい

  • サービスの開発や従業員育成の手間を省ける


それぞれ詳しく解説していきます。

ノウハウがなくても開業できる

フランチャイズ経営の大きなメリットのひとつに、ノウハウがなくても開業できる点が挙げられます。

自ら開業する場合、物件探しから従業員の育成、提供する商品・サービスの開発など、すべて自分で実施することになります。経営や開業に不慣れな場合、物件・人材・資金・仕入れ先の確保やキャッシュフローのシミュレーション、事業計画書の作成などで頭を抱える場面も多いかもしれません。

一方、フランチャイズ経営で開業する場合は、本部がオーナーにノウハウを提供します。本部が培ったノウハウを活かして経営できるため、未経験から開業する方にとっては心強いシステムでしょう。

開業資金を抑えられるケースがある

飲食店などを開業する際は、店舗に関わるさまざまな準備が必要です。店舗を自分で用意する場合、物件の取得費や設備・工事費用などを含めると1,000万円前後かかることもめずらしくありません。

しかし、フランチャイズで経営すれば、既存の直営店をそのまま引き継げるケースもあります。既存店舗を引き継いで開業できれば、大幅に初期費用を抑えられるでしょう。

ブランド力に頼れるので集客しやすい

フランチャイズ経営は、ゼロから開業する場合と比べて集客がしやすいビジネスです。すでに認知されているブランドや店舗名で集客できるため、ある程度来店が見込める状態で開店できます

また、広く認知されているブランドであれば、広告費を抑えた集客が実現できるでしょう。その分毎月のロイヤリティを支払うことになるものの、闇雲に広告費をかけるよりも有意義な経費の使い方になるのは間違いありません。

サービスの開発や従業員育成の手間を省ける

自分でゼロから開業する際には、サービスや商品開発、店舗に配置する従業員の育成が必要となります。経営を行うためにはどれも必須の要素ですが、やることが多すぎて余裕がなくなってしまう場合もあるでしょう。

しかし、フランチャイズ経営ならすでに開発されたサービスや商品をそのまま販売できるので、自ら考案する手間が省けます。

また、従業員の育成は本部がサポートしてくれるケースが多く、その場合は自分で研修カリキュラムを組む必要もありません。時間に余裕ができる分、ほかの作業に集中して経営を行えます。

フランチャイズ経営を行う3つのデメリット

フランチャイズは初めて経営を行う方が多くのメリットを享受できる制度です。しかし、その分デメリットもあります。


  • ロイヤリティの支払いが必要

  • 経営の自由度が低い

  • 契約終了後も「競業避止義務」に縛られる

  • ほかの直営店・加盟店の影響を受けてしまう


ここからは、フランチャイズを利用して経営する主なデメリットを見ていきましょう。もし、フランチャイズのメリット・デメリットに絞って詳しく知りたい方は、下記の記事をご一読ください。

関連記事 フランチャイズのメリット・デメリットを事前にチェックしておこう!

ロイヤリティの支払いが必要

フランチャイズ契約を結ぶと、本部のサポートを受けて経営できますが、対価としてロイヤリティを支払わなくてはなりません。ロイヤリティの支払いが必要な分、手元に残る利益が減ってしまうことは覚えておきましょう。

なお、ロイヤリティの料率は「売上の〇〇%」や「定額制」など、本部ごとに異なります。後のトラブルを避けるためにも、計算方法は事前によく確認してください。

経営の自由度が低い

フランチャイズ制度を利用して経営するには、本部が提供するノウハウに沿って業務を行う必要があります。自分の意思で経営の方針を変えられないので、人によっては窮屈に感じるかもしれません。

また、販売する商品やサービスも、基本的には本部が開発したものしか扱えません。独自性を追求したい場合は、自分のアイデアを形にできない環境にストレスを感じることもあるでしょう。

契約終了後も「競業避止義務」に縛られる

フランチャイズにおける競業避止義務とは、フランチャイズ契約を終了しても、一定期間は同業種での開業を禁止するものです。

「競業避止義務」が課される理由は、フランチャイザーの経営ノウハウや独自のマニュアルを転用して独立することを阻止するためです。本部側としては、せっかく培ってきたノウハウを持ってすぐに独立されてしまうと、競合他社が増えることになります。

このような事態を防ぐために「競業避止義務」が存在しています。詳細は契約書に記載されているので、フランチャイズ経営を行う際は内容をよく確認しておきましょう。

ほかの直営店・加盟店の影響を受けてしまう

本部が幅広くフランチャイズ展開している場合、自分のほかにも同じブランドを掲げて経営している加盟店は数多くあります。そのため、同じブランドを扱うほかの店舗が問題を起こした場合、自店舗の経営にも影響を及ぼすかもしれません。

たとえば、従業員が商品にいたずらをしてSNSで炎上する「バイトテロ」は、ニュースで度々報じられています。このような問題が自店舗と同じブランドの店舗で起きた場合、集客や売上に悪い影響が出る可能性があります。

フランチャイズ経営をスタートするまでの流れ

フランチャイズ経営にメリットを感じた方は、早速開業に向けて準備を始めましょう。フランチャイズ制度を活用して開業するまでの流れは下記の通りです。


  • 挑戦する業種を決める

  • 契約する本部を決める

  • 開業準備を進める

  • 開業する


それぞれの手順について、詳しい内容を解説します。

①挑戦する業種を決める

飲食店やサービス業など、フランチャイズ展開している業種はさまざまあります。具体的な準備を進めるためにも、まずは自分が開業する業種を決めましょう。

挑戦したい業種が決まらないのであれば、フランチャイズ本部のサポート内容を基準に判断するのもおすすめです。サポート内容が手厚いほど、安心して開業できると言えます。

サポート内容は本部に資料請求をしたり、インターネットで検索したりすると確認できるため、興味がある業種について情報を収集してください。

②契約する本部を決める

挑戦したい業種を決めたら、その業界で加盟店を募集している本部を探しましょう。

ロイヤリティの金額や、自分で店舗を用意する必要があるかどうかなどの条件はそれぞれ異なるため、契約する本部を探す際には契約内容・条件をよく確認するようにしてください。

また、フランチャイズ経営を始める前には、開業後のイメージを掴むことが大切です。実際に加盟店の店舗に足を運んで、お店の雰囲気や集客状況を確認しておきましょう。

③開業準備を進める

契約する本部が決まったら、フランチャイズ経営に向けて準備を進めましょう。必要な準備は職種によって異なりますが、どんなジャンルでも以下3点は必要になるケースが多いです。


  • 必要に応じて店舗や備品を用意する

  • 従業員の募集・採用を行う

  • 資金調達をする


店舗や備品の確保、従業員の採用などは本部がサポートしてくれる場合もあります。ただし、サポートしてくれる範囲は本部によって異なるため、契約する本部の条件をよく確認しましょう。

また、多くの初期費用が必要になるのであれば、資金調達も行わなくてはなりません。資金調達をするには、日本政策金融公庫の融資制度を利用する、補助金助成金を活用するなどの手段があります。

各融資制度や補助金、助成金は利用条件がそれぞれ異なるので、自分に適した方法を選びましょう。

関連記事 フランチャイズ開業に必要な資金とは?内訳や集め方を紹介!

④開業する

資金調達や従業員の採用、店舗の準備を整えたら、いよいよ経営をスタートしましょう。

開業や経営に関する不安を抱える方も多いかもしれませんが、業務に必要なスキルや知識は本部が行う研修などでサポートしてくれるため、過度に不安になる必要はありません。

多くの本部は未経験者でもスムーズに経営できる仕組みを整えているため、ゼロからスタートするよりも手間を省きながら開業できます。

フランチャイズ経営におすすめの業種3選

ここからは、フランチャイズ経営におすすめの業種を3つ紹介します。


  • コンビニエンスストア

  • 飲食店

  • サービス業


上記の3つはフランチャイズの知名度が高く、加盟店も多い業種です。未経験からフランチャイズ経営をスタートする方はぜひチェックしてみてください。気になった業種があれば、さらに深堀りしてみるとよいでしょう。

コンビニエンスストア

フランチャイズ展開している代表的な業種と言えるのが、コンビニエンスストアです。大手コンビニエンスストアのほとんどは、フランチャイズ展開を行っています。

大手コンビニエンスストアの知名度は圧倒的に高く、集客しやすい点が大きなメリットです。サポート内容も手厚いものが多くなっており、下記のようなサポートを受けつつ安心して開業に挑戦できます。


  • 店舗運営スキル習得の研修

  • 店舗運営指導

  • 従業員に向けた研修など


本部によっては、契約を結ぶ前に体験実習を受講できるケースもあります。向き・不向きを事前に確認した上で開業を検討できるのは、コンビニエンスストア業界でのフランチャイズ加盟を考えている方にとって嬉しい制度です。

関連記事 コンビニの開業資金はいくら必要?開業までの流れやオーナーの年収、必要な資格を解説

飲食店

レストランや居酒屋、カフェや定食屋などの飲食店もフランチャイズ展開する企業が多い業種です。

自分で飲食店を開業する場合は食材や資材などの仕入れ先を見つける必要がありますが、フランチャイズに加盟すれば本部から供給されるケースが多いため、仕入れ先を探す手間がかかりません。

また、下記のようなサポートは基本的に本部が担ってくれるケースが多くなっています。


  • 調理スキルや店舗運営スキルの研修

  • メニューの提案

  • 調理器具の提供やレンタルなど


なお、飲食店の店舗として使う物件は自分で確保するケースが一般的ですが、場合によっては本部が所有する店舗を提供してくれる場合もあります。

サービス業

ハウスクリーニングや高齢者への配食サービスなど、サービス業の領域もフランチャイズチェーンが多い業種です。

多くのサービス業は在庫を抱えずに業務を行えるため、過剰在庫のリスクを心配せずに営業に取り組めることから、経営面に不安のある方でも挑戦しやすいジャンルと言えるでしょう。

サービス業には多種多様な職種があるため、サポート内容も職種ごとに幅広くあり、下記のような基本的な部分は本部がサポートしてくれるケースがほとんどです。


  • 技術面での研修

  • 現場での研修

  • 営業研修など


サービス業は、飲食店などに比べると設備面の投資も少なく済むケースが多く、運転資金や開業資金も抑えやすい傾向があります。できるだけ少ないリスクで開業したい方におすすめの業種です。

フランチャイズ経営に失敗しないために注意するべきポイント

サポート体制が整っているとはいえ、経営に失敗する可能性は0ではありません。「開業後に失敗したらどうしよう」と心配な方もいるでしょう。

ここからは、フランチャイズ経営に失敗しないために注意するべきポイントを紹介します。

契約前にロイヤリティの金額を把握しておく

本部に対してロイヤリティを支払うことで、さまざまなサポートが受けられるところがフランチャイズのメリットですが、最初から安定して売上をあげられるとは限りません。状況によっては、定期的に支払うロイヤリティが負担となる場合もあるでしょう。

資金面で困ることを極力減らすためにも、ロイヤリティの具体的な金額は事前に確認しておきましょう。できれば開業後の利益をシミュレーションし、ロイヤリティの支払いが負担とならないかも含めてチェックすることをおすすめします。

契約期間や契約更新方法をチェックする

フランチャイズの契約期間は本部によって異なり、10年以上の長期にわたる場合もあれば、3年〜5年程度となる場合もあります。契約期間に応じて契約先を見直す機会も左右されるため、どのタイミングで契約が切れるのかを忘れずに確認しましょう。

また、フランチャイズの多くは自動更新制になっていますが、契約更新時に手続きが必要な場合もあります。契約期間だけでなく、更新手続きの内容や更新料の有無も併せて確認しておくと安心です。

違約金を確認する

フランチャイズ本部では、契約内容の中に違反行為と違約金を盛り込んでいるケースが多くあります。違反行為を行っているつもりはなくても、認識違いによって違反行為に該当してしまうケースも考えられるため注意が必要です。

契約後の金銭トラブルを防ぐためにも、違反行為の内容と発生する違約金はチェックしましょう。

一方的な中途解約はできない

本部と契約を結んだ後は、契約書に中途解約に関する旨が記載されていない限り、原則として一方的な中途解約はできません。加盟店側から解約する場合は、違約金の支払いが義務付けられているケースがほとんどです。

違約金を支払うことで金銭的な負担が大きくなるため、フランチャイズ契約を行う際には、中途解約をしない前提で手続きを進めることをおすすめします。

フランチャイズ経営を成功させるためにも準備を整えておこう!

フランチャイズに加盟して経営を行うと、従業員の育成や物件の取得など、さまざまな面において本部のサポートが受けられる分、開業に挑戦しやすくなっています。

最初から認知度のあるブランド力に頼れるため集客しやすく、自力で経営するよりは安定しやすいところもメリットです。

ただし、どんな形であっても経営にはリスクがつきものです。自力で0から開業しても、フランチャイズを活用しても、必ず成功するとは限りません。

フランチャイズ経営に挑戦する際には、少しでも成功率が上がるように入念に準備を進めることが重要です。開業準備に不安や疑問がある方は、「canaeru(カナエル)」のような開業準備の支援を行うサービスの活用も検討してください。

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この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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