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店舗を持たない「出張料理人」という働き方。始め方やメリット・デメリットを解説!

店舗を持たない「出張料理人」という働き方。始め方やメリット・デメリットを解説!

働き方が多様化する昨今、店舗を持たない「出張料理人」という働き方が注目を浴びています。飲食店で働きながら副業として出張料理人を始めたり、料理人や飲食店の開業に興味がある方が、まずは出張料理人から始めるというケースも。
この記事では、出張料理人とはどんな職業なのか、出張料理サービスはどんな人に需要があるのかを紹介。出張料理人を始める方法や、メリット・デメリットについても詳しく解説します。

出張料理人とは?

「出張料理人」とは飲食店専属のシェフとして厨房で働くのではなく、依頼された場所に出向いて料理を振る舞う仕事です。出張場所としてはお客様の自宅キッチンやパーティールームなどが多く、その場で食材を調理し、配膳や後片付けも含む場合がほとんどです。
出張料理を依頼したい消費者と出張料理人をマッチングするサービスは年々増加し、その需要も高まっています。利用目的としては、家族や親戚が集まる食事会、友人とのホームパーティー、プライベートな接待などがあります。

働き方が多様化する中、飲食店でシェフとして働きながら、副業として出張料理人を始めたり、フリーランスとして出張料理人に転身する方も。また、料理人や飲食店開業に興味があるものの、最初から店舗を構えることに不安があるという方にも、新たな選択肢として注目されています。

コロナ禍で出張料理サービスの需要が拡大

昨今の新型コロナウイルスの感染拡大により、外食を避ける方が増加。中でも乳児や小さな子ども、高齢の祖父母がおられる家庭では、感染リスクを抑えるため、その傾向がより強く見られました。
その結果、高級レストランやホテルでの食事に代わるものとして、シェフを自宅に呼べる出張料理サービスの需要が拡大しました。
出張料理サービス自体はコロナ禍以前から存在していましたが、コロナ禍をきっかけにその存在を初めて知った、初めて利用したという方も多いようです。

出張料理サービスはどんな人に需要がある?

■ハレの日を祝いたい方

記念日や行事など、家族や親戚、友人が集まってハレの日を祝うシーンで利用されます。
自宅で食事会を開く場合、料理の準備や後片付けを億劫に感じる方もおられるかもしれません。しかし、出張料理サービスを利用すれば、シェフが自宅に来てくれるだけでなく、食材の調達、調理、配膳、後片付けまで全てを行ってくれます。自宅でくつろぎながら、本格的な料理を楽しめるのも魅力です。
自宅と外食、両方の良さを兼ね備えた出張料理サービスは、大人数が集まるハレの日のお祝いに最適というわけです。

■外食に抵抗がある方

小さな子どもや足腰の不自由な高齢者、介護が必要な方がおられる家庭では、場所の移動はなるべく避けたいもの。そうした外食に抵抗がある方々にも、出張料理サービスは重宝されます。

例えば、子どもが大声で騒いだり、ぐずってしまったりするのが心配という方も、出張料理サービスを利用すれば、周りを気にする必要がありません。食材の買い出しから調理、配膳、後片付けまで全てお任せでき、子どもの世話に専念できるため、育児と家事の両立に疲れた主婦層にも支持されています。

■忙しくて料理ができない方

共働き家庭など、仕事が忙しくて料理に手が回らない方、家事に疲れてしまった方が、出張料理サービスを利用する場合も。1週間分の作り置き料理をお願いできるサービスもあります。
また、出張料理サービスを通じて新たな発見や学びに結びつくことも。自宅の調理器具でこんなにおいしい料理が作れるんだ!自宅のお皿や器でこんな素敵な盛り付けができるんだ!という発見が得られ、リピーターになる方も多いのだそうです。

出張料理人を始めるには

■資格は必要?

飲食店を開業する場合、食品衛生管理者や調理師免許の取得、保健所への申請が必要となります。しかし、出張料理人の場合、基本的に仕事をする場所もお客様も毎回異なるため、法律上の届出や必要な資格は定められていません。よって、始めるにあたって敷居が低い職業と言えます。

■どうやって始めたらいい?

出張料理人専用のマッチングサービスに登録するのが主流です。マッチングサービスを介すことで、集客がしやすくなる上に、金銭面のトラブルなどリスクを減らすこともできます。
また、訪問介護に興味がある方であれば、ホームヘルパーとして登録し、出張料理人と兼ねて働く手もあります。
その他には、自身のWEBサイトを開設したり、SNSで発信する方法も。自身の料理を投稿し、出張料理サービスを行っていることを周知させることで、集客が見込めます。

出張料理人のメリット

■自由度の高い働き方が可能

働く時間、場所、メニュー、価格などを自分で決めて管理できます。普段飲食店で働いている方であっても、本業が休みの日に副業として始めるなど、空き時間を上手く利用できます。

■固定費を抑えられる

店舗を構える必要がないため、家賃や光熱費、人件費などの固定費を抑えられます。実際には、料理の下準備などで厨房がないと厳しい場合もありますが、シェアキッチンや、キッチン付きのレンタルスペースを利用することで対応可能です。

■お客様と直接コミュニケーションが取れる

飲食店専属の料理人の場合、オープンキッチンを採用している場合などを除き、仕事場は厨房に限られることがほとんどです。しかし、出張料理人であれば、お客様と直接コミュニケーションを取ることができます。
また、お客様の反応を間近で見られることは、メニュー開発のヒントにもなり得ますし、自身のやりがいやスキルアップにもつながります。

出張料理人のデメリット

■業務量が増える

前述の通り、出張料理人は食材の調達から調理、配膳、後片付けまでを自分一人で行う必要があります。その他にもメニューを決めたり、食材の運搬を行ったりと、飲食店の料理人に比べて業務量が圧倒的に増えるということを理解しておきましょう。
お客様の自宅やパーティールームで調理をする場合、調理器具や設備が不十分な可能性もあります。そういった点の事前確認を行う手間や、調理器具・食器などを自身で用意する手間なども考慮しておく必要があります。

■集客の難易度が高い

実店舗がないため、お客様が通りすがりに来店してくれる可能性はゼロです。そのため、実店舗を構えるよりも、集客の難易度が高いと言えます。
出張料理人専用のマッチングサービスを利用することで集客しやすくなりますが、その分、手数料が発生することも頭に入れておきましょう。

■収入が不安定になる可能性も

毎月の収入が約束されている飲食店の料理人とは異なり、お客様から依頼をいただけないと収入は得られません。
特に本業として出張料理人を始める場合は、安定した収入を得るために複数のマッチングサービスに登録するなど、十分に策を練りましょう。その上で、数多くの出張料理人の中から自分を選んでもらうための差別化要素も必要です。

自分に合うスタイルを見つけて「料理」を仕事に

働き方の多様化が進む今、料理人にもさまざまな選択肢が存在します。料理を仕事にしたい方、飲食店開業に興味がある方にとって、出張料理人は始めるのに敷居が低い職業の一つです。
メリット・デメリットを十分に理解した上で、まずは自分に合うスタイルかどうか見定めることから始めてみてはいかがでしょうか。

ライター:上田はるか(フリーライター)

大学卒業後、輸入食品商社に勤務し、新規店舗の立ち上げや自社直営ティーサロンのメニュー開発を経験。その後、大手ギフト会社の企画開発部、広報宣伝部を経てフリーランスに。現在はWEB媒体をメインに、食ジャンルの原稿執筆を行う。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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