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飲食業界でも目にするARとは何か…注目の先端技術が今後のトレンドに?

飲食業界でも目にするARとは何か…注目の先端技術が今後のトレンドに?

飲食業界では近年、AR技術を導入するケースが増えています。拡張現実という先端技術を活用することで、これまで以上の宣伝効果や顧客の満足度向上が期待できると言われており、いずれはARが飲食業界のプロモーションにおいてスタンダードになることが予想されています。

本稿では、飲食業界におけるARの活用事例をもとに、導入の効果やメリットについて理解していきましょう。

VRとは違う?ARとは

ARとはAugmented Realityの略語で、日本語では拡張現実と言われれます。よくVR(Virtual Reality)と混合されがちですが、仮想現実と訳されるこちらは、コンピュータ上に人工的な環境を作り出し、我々がバーチャルの世界で限りなく実体験に近い映像体験ができる技術です。

VRを利用する際には、基本的に専用のヘッドセットやゴーグルなどを必要としますが、一方のARはスマートフォンやタブレットのカメラなどを通して見ることで、現実世界にデジタル情報を付加する技術です。普段見ている現実世界に動画や3Dを重ねることができるため、エンターテインメント業界をはじめ、教育、製造、医療など様々な現場で取り入れられています。

飲食店のAR活用事例

そんなARですが、最近では飲食業界でもお店の宣伝や商品PRとしての利用が増えてきています。いくつか活用事例を取り上げてみましょう。

ドミノピザ

宅配ピザチェーンのドミノピザはAR技術を取り入れた「ピザシェフ」というアプリを開発。アプリを起動すると、画面上にトッピング前のピザが現れ、ユーザーは好みの生地や具材をチョイスし、自分だけのオリジナルピザを作ることができます。

完成形やサイズ感がその場でわかるため、実物とイメージの乖離が小さいのが利点。名前の通り、まるで自分がピザ職人になったかのような体験が味わえるエンターテインメント性が付加価値となり、ストレスフリーな注文に繋がっています。

スターバックス

スターバックスは「さくらAR」というアプリを導入し、毎年2月から3月にかけて新作のさくらドリンク・フードの発売と共にキャンペーンを開催しています。

ユーザーはレシートやショッピングバック、また店頭のポスターに記載されているQRコードをスマホで読み取ると、画面上に満開の桜が現れ、店内でお花見気分が味わえます。

2020年のスタートから毎年スケールアップしており、ファンの間では人気のコンテンツとして恒例化。元々おしゃれさや可愛さを強みとしているスターバックスですが、AR技術を活用し、よりSNS映えするコンテンツへ進化させています。

City Social

シティ・ソーシャルはロンドンのレストラン&バー。ミシュランの一つ星も獲得している威厳のあるお店ですが、ARを使ったユニークな試みを以前から行っています。

注文したカクテルを専用のアプリにかざすと、カクテルに合わせたアニメーションが画面全体に展開されます。のどかな田園風景が広がったり、架空のキャラクターがにぎやかに踊ったりと、そのバリエーションは様々。ついつい他のカクテルを注文したくなるような心くすぐられる仕様となっています。

AR導入で期待できる効果

飲食業界の中でもお店やメニューによって様々な活用方法があるAR技術。その導入事例を3つ紹介しましたが、具体的なメリットを挙げていきましょう。

顧客満足度の向上

顧客体験型であるARは良くも悪くも満足度に直結します。それが退屈なものであればネガティブな印象を与えてしまいますが、楽しく有用なものであれば、満足度を高めることができるでしょう。

中でもイメージしやすいのがエンターテインメント性の付与。City Socialのようにメニューと上手く融合させたアイデアのほかに、テーブルやPOPにARを導入することで待ち時間を楽しい時間に昇華させるアイデアも生み出されています。

購買意欲を高められる

飲食業界におけるAR活用法としては、メニューを3Dで表示するケースが最もポピュラーですが、3Dのメリットは、ドミノピザの事例のように商品を正確にイメージしやすいことにあります。

従来の平面(2D)での宣伝やメニューでは、どうしても想像と実物に差異が出てしまうことがありますが、3Dは360度の視点で見ることができるため、確度を高めることができます。特に日本語に疎い外国人に対しては、視覚で言語の壁を取り除くことができるため、非常に有効な宣伝方法と言えるでしょう。

トレンド性を生かして集客率アップ

ARを取り入れること自体が一つの宣伝になるという考え方もできます。徐々に浸透しているAR導入ですが、現状はマイナーであることは否めません。その目新しさが健在であるうちは、まだまだ話題作りの一手になる可能性は十分にあります。

一つのエンタメとして楽しんでもらえ、SNSでのシェアが増えれば、認知度上昇、ひいては売り上げアップにつなげられるでしょう。また、電子メニューにもなるため、飲食店においては近年その傾向にあるペーパーレス化や非接触サービスとしても期待できます。

飲食店にARを導入するには?

飲食店でARを最も手軽に導入できる方法はWebARという技術を利用することです。専用のアプリが不要で、ウェブブラウザがプラットフォームであることが特長です。

WebARとは

ウェブブラウザ上でARを体験できる技術です。ARを体験するには従来はアプリを使う必要がありましたが、WebARにより、スマホやタブレットをかざすだけで手軽に扱えるようになりました。

ユーザーはQRコードまたはURLからウェブカメラを起動し、指定された対象物を読み取ることで画面上にARが表示されます。アクセスが簡単で、アプリをインストールする手間がかかりません。

同サービスは2017年頃に登場しましたが、新型コロナウイルスの影響でデリバリーやテイクアウトの需要が増えたことにより、急速に飲食業界に普及し始めています。


WebARを活用したい場合は専門業者を頼りましょう。需要の高まりに伴い、関連のサービスが次々と出現しており、中でも『menuR』や『palanAR』、『OnePlanet XR』といったサービスは飲食店への多数の導入事例の実績を持っています。

一方、より高度なAR体験を求めるのであれば、アプリARを利用するのもいいでしょう。こちらは専用アプリを用いてWebARを凌ぐ精度のコンテンツが利用でき、「ポケモンGO」や「SNOW」など有名なアプリにも導入されています。

ただし、アプリ開発に時間と費用がかかるうえ、なんといっても専用アプリをユーザーにダウンロードしてもらう必要があるため、ハードルは高めです。

それでも、アプリを通じてアクセスログを貯められるため、ユーザーの属性やアプリ内での動きをデータとして集められるというメリットも。プロモーションの効果を可視化し、販売促進に向けた方針設定に役立てることもできます。

今後はARでの集客が一般的に?

コロナ禍という転機を経て、飲食業界でも頭角を現し始めたAR。うまく使えば集客率アップが狙える優秀なコンテンツです。

そして、食品そのものの美味しさや見た目はもちろんのこと、話題性に売り上げが大きく左右される昨今の飲食業界では、進歩し続けるAR技術が効果的な宣伝方法として徐々に受け入れられていくのかもしれません。

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