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お店作りの第一歩は、資金調達でも物件探しでもありません。まずは、「お店のコンセプトを作ること」。
これが決まらなければ、どのくらい開業資金が必要なのか?どこの、どのような、物件を探すべきなのか?を決めることができないのは明確です。
では「コンセプト」はどうやって作るのでしょうか?そして、作ったところで、どのようにアウトプット、可視化、見えるかしておけばよいのでしょうか?
目に見えない課題だからこそ、具現化しておく必要があります。目次
コンセプトはアイデアから!どうやって探し出すのか?
コンセプトを決める前に、まずはコンセプトの基になるアイデアを見つけましょう。
アイデアは以下のポイントを意識して、思いつく限りキーワードを書き出していくと見つけやすいです。自分の好きな物から考える
自分の好きなものに関しては自然と知識が身についています。その豊富な知識が武器になるかもしれません。
世の中の流行りを観察
世の中で流行っている物=ニーズがあるということ。
インターネットで流行りを検索してみたり、SNSのトレンドのチェックするだけでもヒントに繋がるかもしれません。他店に足りない物を探す
お店に足を運び「このお店やこの業界に○○があればいいのに…」と思ったら、それがそのままアイデアに繋がる可能性があります。
ただし、ここで注意したいのは「やっていない理由」があるかもしれないということ。過去に失敗し、やめてしまった可能性もあります。
今一度、そのお店や業界のことを考察してみましょう。アイデアを基にコンセプトを作り上げる
アイデアが生まれたら以下の順番に沿って、お店のコンセプトを完成させていきましょう。
1.メイン商品を決める
お店のウリにするメイン商品やメニューを決めていきます。
2.ターゲットを決める
メイン商品を基に、ターゲットとなる年齢、性別、客層、夜と昼どちらに利用するお客様を中心にするのかなどを考えます。
3.人材を決める
お店に見合った人材を明確にしていきます。
開業を目指すジャンルによっては、資格保有者やその道のスペシャリストが必要になることも。4.立地を決める
メイン商品がどのターゲットにニーズがあるのかを考えたら、効果的に売れる場所を決めます。
住宅地、繁華街、オフィス街、郊外または都心なのか、何階に店を構えるのかなど考えていきます。5.運営方法を決める
立地の次は運営方法を考えます。立地を決めることで、その土地での営業時間、定休日、予約の可否、会計方法、接客方法などが導き出せます。
6.お店のイメージを決める
店舗の広さ、どのような雰囲気またはデザインにしたいのか、厨房はオープンまたはクローズにするのか、日常使いまたは非日常使いなお店なのか、万人受けするお店または個性的なお店にするのかなど、細かい部分も考慮して決めていきましょう。
コンセプト作成において大事なこととは?
看板メニュー・商品はとことん磨く
同じような立地、雰囲気、価格のお店が近隣にあった場合にポイントとなるのが、「看板メニュー・商品」です。
これがあるのとないのでは、リピート率が大きく変化します。世の中のトレンドを常に意識
競合店と自店を比較してよい点、悪い点を研究しましょう。
お客様のライフスタイルや食の好み、世の中のトレンドは常に変わります。
その変化を自ら実感し、「コンセプト」に反映させていくことが、お店の継続へと繋がっていきます。「でも・しか」発想はしない
「カフェでもやってみるか」、「雑貨屋くらいしかできないかな」といった「でも・しか」発想はやめましょう。
こういった発想ではルーティンの経営になりがち。
ブームを読むなどの時代の変化に対応していくことが難しくなります。コンセプトを事業計画書に反映させる際のポイント
コンセプトを作成した後は、それを事業計画書に反映させていきます。
なぜ、事業計画書が必要になるのでしょうか?
事業計画書は、金融機関の融資を受ける際に、金融機関が融資を行うかどうかを判断する際に使用する書類です。
この書類が疎かな場合には、融資を受けることができず、せっかく作ったコンセプトも無駄になるので、しっかりコンセプトの内容を落とし込むことが重要です。
コンセプトを事業計画書に反映させる際のポイントについて見ていきましょう。簡潔に事業内容をまとめる
事業計画書は、分かりやすくまとまっているかどうかが重要です。
例えば、金融機関に事業内容について説明してくださいと言われて、説明に5分以上かかっている場合には、簡潔にまとまっているとは言えないでしょう。
事業計画書は、金融機関が融資を行うかを判断する重要な書類です。
その書類を見ても、内容が薄い場合には、融資判断の許可が下りにくいと言えます。
だからといって、内容が濃ければいいというものではありません。
融資担当者を納得させる必要があるため、相手が理解しやすいように1分程度の説明で終わるものと3分程度の説明で終わるものの2つを用意しておき、状況に合わせて使い分けることが重要と言えるでしょう。5W1Hを明確にする
5W1Hとは、「What」「Where」「Why」「When」「Whom」「How」のそれぞれの頭文字を取ったものです。
Whatには、提供するのがどんな商品やサービスなのか、また魅力的なのはどの部分なのかなどを盛り込みます。
Whereには、どの場所で展開するのか、またどの市場を狙って参入しようとしているのかなどを盛り込みます。
Whyには、事業を展開するきっかけである動機や理念、事業が求められていると考えた理由などを盛り込みます。
Whenには、事業に参入するタイミングや今後の成長・利益が確保できるタイミングなどを盛り込みます。
Whomには、誰に対して商品やサービスを提供するのかなどを盛り込みます。Howには、いかなる方法でビジネス展開を行っていくのか、ビジネスモデルは何なのかを盛り込みます。
これら5W1Hを事業計画書にしっかりと盛り込んでおけば、融資担当者も内容を理解しやすいため、融資許可が下りやすくなると言えるでしょう。分かりやすい言葉でまとめる
事業計画書を作成する際は簡潔に事業内容をまとめるほか、5W1Hを意識するということについては既に触れました。
この他にもさらに気を付けなければならないのが分かりやすい言葉でまとめることも重要です。
難しい言葉を使って事業計画書をまとめたとしても、事業計画書を読んだ人が理解できなければ意味がありません。
また、分かりやすい言葉を使って書かれていたとしても、内容が具体的ではなく抽象的であった場合は、事業内容がぼやけてしまいます。
簡潔かつ具体的に書くよう心掛けましょう。具体的な数字を盛り込む
事業計画を作成する際は、具体的な数字を盛り込む必要があります。
例えば、事業計画書に書かれている内容に数字が含まれておらず、「たくさんのお客さんに来てもらってある程度余裕ができたら多店舗経営を目指します」と書かれていた場合はどう感じるでしょうか?
「たくさんのお客さんって何人?」「余裕ができたらっていつ?」「どのくらいの売上目標を達成できたとき?」と質問攻めになってしまうことが予想されます。
とにかく事業計画書を作成する際は、具体性を持たせて融資の担当者がより事業内容を理解するために工夫しておくことが重要です。
融資審査では、事前にメールを添付した後、対面で概要だけの説明を求められる可能性もあります。
事業計画書に数字があった方がしっかり事業計画を立てていると判断されやすいため、融資を受けやすくなると言えるでしょう。アイデア・コンセプトの落とし穴
コンセプトの重要性とその構築の仕方について説明してきましたが、一番のポイントは、やはり「いかにしてアイデアを出すか?」です。
ただし、ここに大きな落とし穴があります。
貴方が「アイデア」だと思っている事柄は、本当にアイデアでしょうか?
一般的によく活用されている事柄だったり、実は使い古された手法だったり、大きなリスクしかない案だったり…というようなことはありませんか。
アイデア = ひらめきは、客観的に判断をしないとアイデアとならないケースが多くあります。
例えば、「海外ですごく流行っている食べ物を日本に持ってきて販売する」という場合、このようなアイデアはかなりの高確率ですでに先人がいます。
このアイデアを基にコンセプトを作る場合に、「私が第一人者だから絶対売れる!」とコンセプト作りをおろそかにしてしまうと、当然のことながら失敗してしまうのです。
また、自分に近しい人にアイデアの判断を仰ぐのも危険です。
女性が「海外ですごく流行っている食べ物を日本に持ってきて売りたい!」というのを、自分と同年代、同じ属性を持っている友人に「どう思う?」と聞いた場合、「すごくいい!」という返事が多いことは目に見えて分かります。
なぜなら、その友人は貴方と同じ感覚を持っているからです。
(同じ感覚を持っているからこそ、友人関係だとも言えるのでは?…)
第三者の評価は、専門家や経営の経験者に仰ぐべきでしょう。
お店のコンセプトは、オープンしてからの経営状態に簡単に響いてきます。
時間優先ではなく、じっくりと練り上げ、作っていくことが本当に重要なのです。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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