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パブリックビューイングとは、スポーツ中継やライブ・コンサートなどのイベントを公共の場で多くの人が集まって観戦・観覧することを指します。飲食業界においてはスポーツバーが代表的です。サッカーや野球を中心に需要の高い試合がある際に、大型モニターを設置してパブリックビューイングを行っています。
大きな集客効果が見込めるパブリックビューイングですが、営利目的で使用する場合、法律に抵触する可能性も。本記事では、飲食店でパブリックビューイングを実施する際の注意点やメリットを解説していきます。目次
飲食店でTV放送を中継する際の注意点
スポーツバー以外にも、テレビを設置している飲食店は多いです。しかし、何も知らずにテレビ番組を不特定多数の人にむけて提供することは、著作権を侵害している可能性があります。
関連記事 【弁護士監修】パブリックビューイングのやり方は?お店で開催する際の注意点著作権法とスポーツ中継
著作権法2条3項において、TV番組やスポーツ中継は「映画の著作物」として扱うとされています。普段TVで放送されているドラマやアニメ、スポーツ中継が著作権法で保護されていることを示し、無断で店内に流すことは禁止されています。
ただし、視聴料を徴収しないなどの非営利目的であれば違法にはなりません。また、TVモニターのサイズによって著作権法の侵害にならないケース(後述)もあります。
飲食店でのパブリックビューイングにおいては、集客という営利目的が発生します。モニターも大型スクリーンやマルチディスプレイを利用するケースが多いため、著作権者への申請およびライセンス料の支払いが必要になります。パブリックビューイングの開催をするための方法
パブリックビューイングを開催するまでには、主に3つの準備が必要となります。
①収容人数や放映機器を確認する
パブリックビューイングを開催する際には、会場の収容人数や面積、放映機器を確認しておきましょう。許可申請時に会場情報の提供を求められるケースが多く、収容人数に応じてライセンス料が変動する可能性があります。
②権利元や放送事業者に申請する
パブリックビューイングを行うには、映像の権利元や放送事業者からの許可が必要です。必要に応じてライセンス料の支払いも求められます。
たとえば、ワールドカップなどの大きな大会ではパブリックビューイング事務局というものが設けられており、許可申請はこちらで行います。その際に支払うライセンス料は店舗の収容人数によって異なり、2022年のワールドカップカタール大会では、500人未満であれば20万円、500人以上1000人未満であれば30万円と設定されていました。③SNSや店頭看板で告知する
パブリックビューイングの許諾を得られたら、集客のための告知を行いましょう。X(旧Twitter)やインスタグラム、TikTokなどのSNSを利用した告知が効果的です。人通りの多いエリアにお店を構えている場合、店頭に看板を設置する告知方法も効果が見込めるでしょう。
モニターのサイズに注意しよう
パブリックビューイングを行う際、モニターのサイズや種類によって著作権侵害になる場合とならない場合があります。
著作権法38条3項によると、「通常の家庭用受信装置」を使用するのであれば著作権侵害にはあたりません。また、著作権法第100条には「放送事業者は、そのテレビジョン放送又はこれを受信して行う有線放送を受信して、影像を拡大する特別の装置を用いてその放送を公に伝達する権利を専有する。」という記述があります。
著作権法においては、この「影像を拡大する特別の装置」というのが「通常の家庭用受信装置」以外のものにあたるとするのが、一般的な解釈とされています。
「通常の家庭用受信装置」とは、一般的な家庭用テレビのことを指します。具体的には55インチ以下なら家庭用テレビと見なされ、この場合なら問題はないそうです。
一方、「通常の家庭用受信装置(テレビ)以外のもの」と解釈されるのは、大型スクリーンやプロジェクター、マルチディスプレイなどのこと。たとえ家庭用であっても、プロジェクターを使用して大型スクリーン等に映し出す行為は、違法とみなされるので注意が必要です。
このように、スポーツ中継を含むテレビ放送を飲食店でそのまま流せるかどうかは、モニターの大きさが重要なポイントになります。中継を告知して集客アップを狙う!
スポーツバーを謳っていない飲食店で、観戦目当てのお客様を集めるには、「W杯観戦ができる店」などと知ってもらうことが第一。W杯をはじめとする、スポーツイベントのスケジュールをPOPにして店内やお手洗いなどに貼っておいたり、店内での観戦予定をSNSなどで告知したりすれば、大きな集客効果が期待できます。
W杯やオリンピックが迫った時期には、お会計の際に、口頭で案内をするというお店もあるようです。また、SNSを使って「現在、W杯観戦中」などと、店内のリアルタイムの状況を投稿したり、店内の盛り上がっている様子の写真をアップしたりすることでも、大きな宣伝効果が期待できます。
「日本代表カラーの洋服を着用のお客様は1杯無料」など、ちょっとしたサービスをアップするのも一案。代表カラー一色に染まった店内の様子はインスタ映えによる集客も狙えるかもしれません。スタンド型看板を出して「観戦できる店」をアピール
SNSでの告知と合わせて取り入れたいのが、スタンド型の看板。通行客の気を引くためには、やはりこのようなベーシックなやり方に勝るものはありません。
黒板のように字が書き込めるスタンド型の看板ならば、試合時間などを書き込むなど、用途に応じてさまざまな使い方ができます。試合開始時間などを書いて、積極的に「観戦」ができる店ということをアピールしましょう。
また、スタンド型の立て看板は、通常時もランチメニューやおすすめメニュー、営業時間等を通行客にアピールする販促ツールにも。パブリックビューイング時以外でも大いに役立ちます。パブリックビューイングの醍醐味!W杯やオリンピックなどのスポーツ中継の効果
W杯やオリンピックは、新規来店のお客様が多く集まるタイミングでもあります。楽しく観戦できたということがお客様の記憶に残ることで、2回目、3回目の来店にも繋がります。
また、たまたま席が隣同士だったというお客様が、試合観戦で意気投合し、次回の来店ではお客様同士が一緒に訪れてくれたという話も耳にします。
W杯やオリンピックの開催期間中は、店全体が「ひとつ」になれる数少ない機会。飲食店は、「飲」と「食」を提供する場であることと同時に「空間」や「時間」、そして「出会い」を提供する場でもあります。W杯やオリンピックのテレビ中継を積極的に利用して、集客アップを目指しましょう。
canaeruでは、飲食店経営のノウハウに関する記事を多数公開しております。また、運営会社である株式会社USENでは、飲食店でパブリックビューイングを可能にするサービスも取り扱っています。パブリックビューイングを活用した集客方法をお考えの方は、ぜひご検討ください。
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