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飲食店は開業から3年で7割が閉店すると言われているぐらい厳しい業界。料理が美味しくても、「どの場所で何を売るのか」。これが間違っていれば、失敗の可能性が高くなってしまうのです。それでは、成功の3割に入るにはどうしたらよいのでしょうか。
関連記事 なぜ飲食店の開業で失敗する?失敗する原因やオーナーの特徴について解説何を売るのか
飲食店をやるからには、まずは「美味しいものを提供したい」と思って始める人がほとんどでしょう。ただし、そこに大きな落とし穴が待っていることを忘れてはいけません。では、飲食店経営では具体的にどんな点に気を付ければいいのでしょうか?「何を売るのか」という観点から見ていきましょう。
「美味しい」だけでは繁盛店にはなれない
「美味しいものを提供すれば繁盛する」という考えだけでは安定経営は難しいです。「美味しいものを提供していれば最低でも半分はリピーターになってくれるのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、実際にはそんなに甘いものではありません。飲食店では、初回の来店客がもう一度来店してくれるは確率、高くても4割程度と言われています。さらに初回来店から3回目に再来店してくれる可能性は2割程度と言われています。飲食店で提供するものは、ある種「美味しい」のが当たり前。そこから先、ほかの店と差別化できる「何か」がないと、顧客のリピート率を上げることができません。「自分が欲しいものより、相手が欲しいもの」を基準に、商品展開やサービスを考えることが肝心です。
「美味しい」の前に考えること
料理を作る技術も大切ですが、飲食店経営者はまず、自分の店の魅力、強みを伝えることを第一に考えなければなりません。繁盛している店は、店の入りやすさや呼び込みのし方などの工夫を欠かさずしています。「美味しい」を追及するがあまりに、経営まで手がまわっていないという失敗例が多く見られます。また、コンセプトが最後までぶれないようにすることが重要です。飲食店を始める際には、必ず何らかのコンセプトを掲げています。例えば、高価な食材を使って少し高級なフレンチの飲食店を始めて業績があまり優れなかった場合、業績を回復させるためには値段を下げてリーズナブルなフレンチの提供にコンセプトを変えようと考えるかもしれません。
しかし、きちんとした信念に基づいてコンセプトを変える場合は、大きな問題はありませんが、コンセプトを変えたことで「前の雰囲気の方が好きだったのに」と、従来のコンセプトのリピーターすら失ってしまうこともあるので注意しましょう。どこで誰に売るのか
飲食店は「立地」が大事だと言われています。しかし、それは「駅前が有利で路地裏は不利」というような、単純な話ではありません。飲食店はお客様に求められて初めて成立するもの。求めてくれる人が多い土地=立地がよい、ということになります。では、飲食店経営では具体的にどんな場所で飲食店を始めればいいのでしょうか?「どこで誰に売るのか」という観点から見ていきましょう。
最先端を目指す店なら都市部
最先端の食材を使った最先端の料理がコンセプトなら、常にそうしたものにアンテナを張っている人が多い都市部が圧倒的に有利。賃料は高くつきますが、集客を考えれば一人当たりにかかるコストが安くなるかもしれません。しかし、「予約がなかなか取れないような店は東京に多いから自分たちも東京に進出すれば軌道に乗ることができる」と甘く考えてはいけません。東京に店舗を構えたからといって、必ず店が繁盛するとは限りません。
広告戦略を積極的に行えば、開店してすぐでもある程度の需要が期待できるかもしれませんが、飲食店は認識されるまでに時間がかかるのが一般的です。高い賃料が負担となって、認識され始めた頃に資金が底を尽きてしまうこともあるため、ある程度自己資金が必要になるでしょう。穴場の地方
新規参入者が多い都心では移り変わりが早いので、例え一時的に流行ったとしてもすぐに淘汰されてしまう可能性があります。一方、地方では東京で流行ったものが、少し遅れてブームになることがあります。その土地のニーズに合った商品にアレンジして出せば勝算があるかもしれません。しかし、そもそも穴場の地方は全体的な飲食店に対する需要が低いと言えます。場所選びを間違い、外食に対して消極的な地域に店舗を構えてしまうと、都市部よりは賃料を抑えられるものの、そもそも需要という面では都市部を下回る可能性もあります。
例えば、リピーター率が4割という基準を参考にすると、地方で1,000人の来店があったとしても、2回目は400人に減ります。都市部では1万人の来店があったとしても、2回目は4,000人と数では上回ることになります。これは単純な計算ではありますが人口が多く、仕事などで人の移り変わりが激しい都市部のほうが地方よりも需要が高いと言えるでしょう。ですが、その分競争率も高くなります。体力とリスクヘッジ
ほかの業種と同様に、飲食店も事前の「事業計画」が大切であることに変わりありません。ただ、スクールやセミナーなどで習った通りにことが運ばないのが実情です。そこでどう対処できるかが、成功する鍵となってきます。では、飲食店経営では具体的にどのように取り組んでいくのがいいのでしょうか?「体力とリスクヘッジ」という観点から見ていきましょう。
やってみなければわからない
いくら事前調査や市場の分析をしても、所詮は机上の空論。初めから計画通りに上手くいくことなどほとんどありませんし、軌道にのるまでには時間もかかります。売り上げが少なくても3年間は店を維持できるよう、資金には余裕をもって臨むのがベストです。
例えば、韓流ブームを思い出してください。韓流ドラマである「冬のソナタ」の大ヒットで韓流ブームが到来した時には、各テレビ局や雑誌がこぞって韓流ブームにあやかるために特集を組んだりしました。
しかし、これらのブームはいつ到来するか全くわかりません。もしかすると、朝ドラの撮影場所になったり、人気アニメに登場したことがきっかけとなって人が多く訪れるようになるかもしれません。
とにかく始めてから分かることも多いため、しっかりと下調べや資金の準備を行った上で開店しましょう。リスクに対する事前の心構え
完璧な計画を立てても、そこで安心してはいけません。売り上げが予定通りに上がらなかったことを想定して、事前にいくつか代案を考えておきましょう。いざというときに軌道修正が可能になり、簡単に店をつぶしてしまうことが避けられます。また、店舗経営者が料理長で、自分以外に料理を担当する人がいないような場合は、大きなリスクを背負っていることになります。万が一体調を崩してしまうと、その日の売り上げが0円になってしまうだけでなく、予約のお客さんなどがいた場合には店の信頼を失うことになるでしょう。
いくら店が繁盛したとしても、それに合わせてずっと売り上げも右肩上がりに増えるわけではありません。経営効率を上げるために人を雇ったとすると、経費が多く発生することになります。
また、いくら人を雇ったとしても座席に限界があるため、いつかは売り上げが頭打ちします。そうなった時に店舗を増やすかどうか考えなくてはならないなど、様々な事態を想定しておくことが重要と言えるでしょう。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。【特集:つぶれる店】の記事はコチラから!
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