独立して開業を目指したいと思っている方の中には、「人を採用することまでは考えていない」「人を採用すると責任が重くなり緊張してしまう」とお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
そのような方は、一人でもできる仕事で開業を目指すのがおすすめです。一人でできる仕事の種類は非常に多く、お店を構えて行うものもあれば、在宅で行えるものもあります。
この記事では、一人でできる仕事を幅広く紹介すると同時に、一人での開業を成功させるために重要なポイントについても説明します。
参考記事:独立開業におすすめの仕事19選!資格や成功するためのポイントについても解説
【在宅以外】一人で開業できる仕事5選
一人でできる仕事は、「在宅以外で行う仕事」と「在宅で行える仕事」の2種類に分けられます。
在宅以外で行う仕事として挙げられるのは、主に以下の通りです。
● サロン経営
● 講師
● カウンセラー
● 飲食店経営
● 配達員
なお、ここで触れる仕事の中には、オンライン形式にすることで在宅にて行える仕事や、小規模であれば自宅で開業できるも一部あるため、その点を含めて詳細を説明します。
●サロン経営
マッサージやネイル・エステなどのサロン経営は、小規模なものであれば一人で行うことも可能です。
自宅をサロンとして運営してもよいですし、小スペースの物件を借りて営業することもできます。マッサージやネイル・エステなどの資格を持っており、その技術を生かして開業したいと考えている方におすすめの職種です。
ただし、機器の導入のためにある程度の初期費用がかかる点には注意しましょう。
●講師
講師とは、生徒に対して何らかの知識やスキルを教える仕事であり、代表的な講師業として挙げられるのはピアノ講師や英会話の講師などです。
サロン経営同様に自宅で行ってもよいですし、小スペースの物件を借りて開業することもできます。
特定の分野に優れた知識やスキルを有している方であれば、誰でも講師としての開業を目指すことができますが、対外的にアピールできる資格や肩書きなどがあれば集客面でも優位に立ちやすいでしょう。
教える内容によっては、オンライン形式での講義や授業も可能です。
●カウンセラー
カウンセラーは、心理カウンセラーやキャリアカウンセラーなどが代表的ですが、人が抱える悩みの種類だけカウンセラーの種類があるとも言えます。たとえば、結婚を目指す男女のサポートを行う結婚カウンセラーもカウンセラーの職種のひとつです。
個人を相手にして開業するケースが大半ですが、カウンセリングの内容次第では対企業の仕事も可能です。
カウンセラーに直接悩みを訴えられることもカウンセリングでは重要な要素ではありますが、内容によってはオンライン形式で行うこともできます。
●飲食店経営
飲食店もお店の規模次第では、一人で切り盛りすることが十分可能です。
飲食店はキッチンやホールで多くの人材を採用することが多く、人件費が負担になるケースもありますが、一人での営業であれば人件費は発生しません。
その代わりお店の営業に必要なことはすべて自分で行う必要があるため、料理の仕込みや発注業務などをいかに営業時間外に済ませられるかが、大きなポイントです。
●配達員
宅配サービスとは、今やほぼ全国で利用できるUberEATSなどのデリバリーサービスや、コロナ禍で普及が広まったオンラインスーパーの宅配などを担う仕事です。
デリバリーサービスが利用できるエリアや、オンラインスーパーが配達可能としているエリアであれば開業できます。初期投資として必要なのは自転車やバイクの購入費用程度なので、元手が少なくても始めやすい事業と言えるでしょう。
宅配サービスの利用者が多いエリアで働くほうが売上は期待できますが、その分ライバルも多くなります。また、数をこなそうと思うと体力勝負になる部分もあるため体調管理も重要です。
【在宅】一人で開業できる仕事12選
在宅にて一人で開業できる仕事は多岐にわたり、主に以下のものが挙げられます。
● ライター
● イラストレーター
● Webデザイナー
● 翻訳家
● エンジニア
● コンサルティング
● インターネットショップ
● ハンドメイド制作
● データ入力
● 動画配信
● アフィリエイト
● スキル販売
それぞれの仕事について、詳細を説明します。
関連記事 自由業にはどんな職種がある?自営業やフリーランス、フリーターとの違いも解説
●ライター
ライターと一口に言っても、その種類はコピーライターやWebライターなどさまざまです。
元々ライターとは書籍や雑誌に投稿する記事の取材・執筆を主に行う職種でしたが、近年はWebメディアや電子書籍など執筆媒体が多様化しており、仕事の求人やライターの母数も増加傾向にあります。
記事の執筆には専門的な知識が求められることもありますが、テーマによっては幅広い方が対応できるものもあり、未経験でも挑戦しやすいのはメリットと言えるでしょう。
クラウドソーシングサイトでの仕事募集も多いため、まずはそのようなプラットフォームから仕事を探し始めるのがおすすめです。
●イラストレーター
イラストレーターは、雑誌や書籍、ポスターなどの印刷物に掲載するイラストやキャラクター作成、ロゴ作成などを主な仕事とします。絵を描くことが好きな方や得意としている方に向いている仕事です。
ライターと同じくクラウドソーシングサイトでも多くの仕事が募集されているため、仕事の内容を比較検討しながら応募するとよいでしょう。
どの程度のクオリティが求められるかは案件次第ですが、専門的に行う場合には機材等をそろえるために、ある程度の費用が必要になるケースもあります。
●Webデザイナー
Webデザイナーとは、ファッションやインテリアのデザインを担う「デザイナー」ではなく、Webに特化した業務を行うデザイナーのことです。
ホームページやWebサービスのデザインを主な仕事としていますが、そこから一歩進んで企画設計やコーディングなどを行う場合もあります。
専門的な知識が必要なので仕事にするハードルは少し高めで、デザインセンスだけではなく流行をいちはやくキャッチアップする能力も求められます。
●翻訳家
翻訳家は、日本語から外国語への翻訳、もしくは外国語から日本語の翻訳を行いますが、どちらかしか行わない場合もあればどちらも行う場合もあります。
英語だけでなく、フランス語や中国語など特定の言語に関する知識が豊富な方におすすめの仕事です。
翻訳する対象はマニュアル・契約書・小説・雑誌など多岐にわたり、英語以外の外国語が翻訳対象となるほうが仕事の単価は上がる傾向にあります。
●エンジニア
一般的に「エンジニア」と称されるのは、システムエンジニアやプログラマーといった職種です。
システムエンジニアはシステムの要件定義や仕様書の作成などを行い、プログラマーはシステムエンジニアが作成した仕様書をもとにしてプログラムのコード記述などを担当しますが、仕事や案件によっては、システムエンジニアとプログラマーの両方の役割を担うこともあります。
専門的な知識が必要な仕事なので、独学もしくはスクールに通うなどして知識をつけてから開業を目指すのがおすすめです。
●コンサルティング
コンサルティングの仕事は、コンサルティング会社に所属するコンサルタントとして行うのが一般的ですが、コンサルティング会社から独立して一人親方として行うことも可能です。
在宅で行える業務もありますが、案件の内容やクライアントの要望次第ではクライアントの現場に足を運ばなくてはならない場合もあります。
コンサルタントの種類は、アドバイスを行う内容によって業務特化型や業界特化型、それらの中間的な存在であるバランス型に分けることができます。
ただし、いずれのタイプでも十分な知識と知名度がなければ、個人のコンサルタントとして生計を立てるのは困難であることを肝に銘じておきましょう。
●インターネットショップ
インターネットショップの運営は、オンライン上に自分のお店を開いて商品を販売する仕事です。
商品として取り扱うものは自由なので、事業としての自由度が高くいろいろな方面で勝機を見出せるところがメリットと言えるでしょう。継続的に仕入れを行えるか、固定ファンが付くかという2点が、安定して売上を伸ばすためのカギを握ります。
また、自分のお店の存在や取り扱っている商品を知ってもらうことが重要なので、SNSなどを利用して積極的に広報や広告を行わなくてはなりません。
●ハンドメイド制作
ネットショップでは、仕入れたものだけでなく自分で制作したものを販売することができます。売り物にできるだけの小物やアクセサリーなどを作れるスキルがあれば、ハンドメイド商品を販売するのもおすすめです。
上述したインターネットショップ同様に(もしくはそれ以上に)、固定ファンが付くかどうかが売上を大きく左右します。
ハンドメイド商品の制作・販売を趣味として行うか仕事として行うかによって、売上において許容できるラインは異なるため、かかった労力に見合った販売金額になるかを検討した上で、取り組まなくてはなりません。
●データ入力
データ入力とは、商品や住所録のデータなどを決められたフォーマットに入力する仕事で、膨大な量のデータを取り扱うケースが多いので、作業の正確性と速さが求められます。
また、データ入力と少し似た仕事として、会議やインタビューでの会話・発言を文字に起こす「文字起こし」という仕事もあります。
どちらも誰でもチャレンジしやすい仕事ではありますが、文字起こしには多少のスキルが要求されます。
●動画配信
動画配信とは、いわゆる「YouTuber」のように、動画配信プラットフォームで動画配信を行うことで収入を得る仕事です。プラットフォームはYouTubeが代表的ですが、そのほかにも17LIVEやTwitchのようなさまざまなサービスがあります。
広告収入や「投げ銭」など、どのように収入を得るかは動画配信のプラットフォームによって異なりますが、いずれの場合も多くの人に見てもらうことが重要なので、人に興味を持ってもらえる特技などがある場合にはおすすめです。
プラットフォームによって特徴や利用者層が異なるため、動画の内容に合わせてどのプラットフォームで動画配信を行うかを決めるとよいでしょう。
●アフィリエイト
アフィリエイトとは、自分のブログ記事などにアフィリエイトリンクを張り付け、そこを経由してリンク先のページで商品購入を行った数などに応じて広告収入が得られる仕事です。
初期費用がほとんど必要ない点が大きな強みで、作成したブログ記事はすべて収入を得るための仕組みとして今後も働き続けてくれます。
ただし、参入するハードルは低いものの、それなりの収入を得るためにはかなりの時間と根気が必要です。最初はほとんど収入がないものと割り切って頑張れるのであれば、アフィリエイトを仕事として継続しやすくなるでしょう。
●スキル販売
オンライン上では、小物や食品といった「モノ」だけでなく、自分自身のスキルを売ることもできます。
売れるスキルの内容は、占い、キャラクターボイス、楽譜の作成、恋愛や子育ての相談役など多種多様なので、需要があるスキルを身に付けている方にはおすすめの仕事です。
たとえば「占いと譜面作成」など、販売できるスキルが複数個あるのであれば、ひとつのスキルを売るだけよりも売上が見込めるでしょう。
スキル販売を行えるサービスとしては、ココナラやタイムチケットなどが代表的なので、そういったサービスの利用を検討してください。
成功に繋げるためにすべきこと
一人で開業できる仕事にはさまざまな業種のものがありますが、それらを事業として成功させるためのポイントは共通している点も多いです。
一人での開業を成功させるために重要なポイントについて、以下で説明します。
●情報を収集する
開業は「したい」と思ってすぐにできるものではなく、資格を取る、関係各所に申請を行うなど、事前に行うべき準備がたくさんあります。
開業すると決めたのであれば、提出が必要な書類・許認可申請・資格などの情報収集を行い、計画的に準備を進めることを心がけましょう。
一人だけでの情報収集に限界があると感じた場合には、開業に関する相談ができるサービスを利用するなど、開業準備のサポートをしてくれる制度を積極的に活用しましょう。
●市場調査を行う
手続き等に関する情報収集だけではなく、開業しようとしている業種やエリアに関する情報収集も必要です。
事業は開業するだけでなく継続していくことが重要なので、競合やターゲット層などを踏まえて、継続できるかについて客観的に判断しなければなりません。
勝機がなさそうだと判断した場合には、事業の種類や開業の場所・タイミングといった計画を見直すことも検討してください。
●必要な費用を確認する
事業によって程度の差はありますが、開業には何かとお金が必要になります。
開業にこぎつけるだけでも資金が必要ですが、そのまま事業やお店を継続させるために必要となる資金のことも考えなければなりません。
どれくらいの費用が必要かをあらかじめ確認し、自己資金だけで足りない場合には、金融機関からの融資などを利用して資金調達することも検討しましょう。
自分のスキルや適性に合った仕事を選ぶことを心がけよう
一人で開業できる仕事には、飲食店の経営や宅配サービスのように在宅以外で行うものから、パソコンを使って在宅で行う仕事までさまざまな種類があります。
仕事として行う以上、生活できるだけの収入を得ることは必要不可欠なので、自分のスキルや適性に合った仕事を選んで売上をあげられるよう努めましょう。
開業にあたってはさまざまな準備や手続きが必要ですが、一人で開業前の準備を行うことに不安を感じるのであれば、開業準備を支援してくれるサービスを利用することをおすすめします。
「canaeru(カナエル)」では、開業に必要なさまざまな情報収集を行えるだけでなく、物件探しや資金面など開業に関する相談を無料で受け付けています。
開業に向けての心強いサポートが必要な方は、ぜひcanaeruを利用してはいかがでしょうか。
ご相談はこちら
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。
