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お店の回転率は、飲食店にとって売り上げアップに欠かせない大事な要素のひとつです。
回転率が良いお店と悪いお店には、決定的な違いがあります。
今回は、回転率の良さと売り上げの関係、飲食店を開業した人が実際に取り入れている回転率アップのノウハウをご紹介します。客席稼働率について
例えばですが、飲食店の売上をシミュレーションする場合には、「自分の経営をしているお店は客席の数が10席ということから、1日にお客様が10回転していくから…」などと、安易に考えがちです。しかしながら、ここで気を付けてほしいものの1つに、「客席稼働率」というものが挙げられます。そもそも客席稼働率とは、飲食店にて営業時間内にお客様が利用する席・テーブルの使用率を示す指標のこととなっていいます。
使用率を示す
このことから、売上を出すときのポイントとしては、「少ない客席だからといって客席のすべてがお客様で埋まっているということはほぼない」ということなのです。基本的には、どこの飲食店も平均の客席稼働率は65%〜70%と意外にも低めとなっています。100%近くの客席稼働率のお店は少ないのです。もちろん、カウンターだけのラーメン店だとすれば客席稼働率が100%であるということもあり得るのですが、しっかりと落ち着いて食べることのできるテーブル席など、例えば4人がけの席があったとして、そこへ2人だけで座るという場合は頻繁に起こりやすく、この場合に客席稼働率を計算する時には、かなりの注意が必要になってくるのです。
使用されなかった席についても考える
また、例えば1日だけの運営結果を数値だけで見るとすれば、お店の人はほとんどの方が「今日は300名の来店があって、うちの店は10席だから30回転か」などなるでしょう。しかしながら、この場合先程もご紹介をしたとおりに、4人の席に2人が座るなどと使われていない席が生まれていることがあります。イス1席あたりの回転数は33回転というふうにある場合もあるのです。
このようなことがあるので、ただ単純に割り算をするだけではなくて、「あの席は回転数が低い」「あの席は回転数が高い」など、個別のイスやテーブルごとに、回転数を落としているところがあるかないかということもしっかりと見るようにすると良いでしょう。かなり手間のかかるような作業ではありますが、飲食店の回転率をより上げるためには、必要不可欠となってくることです。回転率と利益の算出方法
回転率と利益には深い相関関係があります。飲食店経営において、この2要素の現状を把握することは非常に重要です。正しい回転率と利益の計算方法を知っておきましょう。
回転率と売上高、そして利益の計算方法
計算方法は以下の通りです。
・回転率・・・回転率=お客様の数÷客席数
・売上高・・・売上高=客席数×客席回転率×客単価×営業日数
・利益・・・利益=売上-費用
例)男性のお客様
一般的に、男性が食事にかける時間は15~20分、長くて30分といわれています。この食事にかける時間を逆算すると、1時間あたり約3人が同じ席に座れる計算です。
お店の席数を10席と仮定すると、概算で1時間あたり座れるのは、30人。客単価の平均を700円とした場合、1時間で21,000円の売り上げになります。
1日あたりの売り上げがこの数字よりも下回るなら、回転率や売上高について見直すべき点があると考えられます。
このように、回転率が高いほど売り上げが伸び、安定した利益確保につながります。回転率を重視した飲食店運営が、成功を手繰り寄せるのです。回転率を上げるために必要な3つの心構え
飲食店に求められるのは、「お客様が入りやすく、かつ出やすいお店作り」です。お客様に不快な思いを与えずに回転率を上げる、店側がもつべき心構えを紹介します。
1.提供と片付けはスピード感が重要
お客様に出す料理は、できるだけ早い提供を心がけましょう。特に多くの注文が予想されるメニューについては、素早くたくさん出せるように、前もって準備できることはしておく必要があります。また、片付けの早さも重要です。食事後に一息つきたいお客様は多いですが、長居のしすぎは回転率を大きく下げます。ただし、片付けの仕方によっては、帰ることを催促しているように感じさせ、不快にさせてしまうかもしれません。丁寧な一声を心がけましょう。
2.“あえて”長居させないようなお店作りをする
回転率を上げるために、故意的に長居させない工夫をすることも重要なことです。
例えば、立食形式、食べ放題・飲み放題などの時間制の導入など。これらは、長居したくなくなる、あるいは長居しずらい雰囲気を作り出します。
また、食べ終わったお皿、長時間残っているお皿は、手早く片付けましょう。お客様の長居の原因になります。ただし、居心地の悪さを感じさせないように、料理や価格のコストパフォーマンス、接客など様々な面からカバーし、お店の印象の良さはキープしましょう。3.選んでほしいメニューをアピールする
回転率や利益率を考え、おすすめのメニューをアピールするように心がけることが大切です。
初めて来店するお客様はとくに、メニュー選びだけでもかなりの時間を要します。そのため、スタッフが直接おすすめメニューについての声がけをしたり、メニュー表の中に大きく載せておくなどの工夫をすることで、誘導効果が得られます。また、おすすめメニューとして単価が高いメニューをおけば、利益アップにもつながります。
おすすめメニューの設定は、回転率、利益率を大きく変えるのです。飲食店がこぞって導入!回転率を上げる5つのノウハウ
回転率アップのヒントは、飲食店のランチタイムにあります。利用者が多い時間帯であり、回転率の早さに重点をおく飲食店が多いからです。ランチタイムの飲食店に見る、回転率アップの5つのノウハウをご紹介します。
①料理を早く提供するオペレーションを準備する
ランチでの回転率アップに欠かせない、料理の提供速度。1分でも早くお客様の元に届けるために、午前中に仕込みを済ませておくことが大切です。ランチタイムのお客様は、仕事の合間に来店するなど時間に追われているケースが多いです。その場合、食べ終わるとすぐにお会計を済ませてくれます。料理の提供速度が、回転率を上げる鍵を握るのです。
②アップテンポのBGMを流す
飲食店のランチタイムにアップテンポのBGMを選曲すると、食事の速度があがる傾向があります。音楽は、人間の深層心理に働きかける作用をもつのです。逆に、お客様が長居できる空間作りをするなら、バラード曲のようなゆったりしたテンポ感の曲をセレクトしましょう。
③テイクアウト・デリバリーを導入する
テイクアウト・デリバリーサービスを導入すると、席数を埋めずに売り上げにつなげることができます。満席でお客様に料理をすぐに提供できない、回転率があげられない際に、売り上げの補填になります。
④フォークとナイフよりもお箸を使う料理を増やす
フォークやナイフを使うよりもお箸を使う料理のほうが食べやすく、食事の時間が短くなる傾向があります。メニュー考案の段階で、箸中心の料理を増やすのはもちろん、食べやすいようにお肉を事前にカットしておくなどの工夫をしましょう。
⑤合席を活用する
繁盛している飲食店のランチタイムは、混雑に関してお客様もある程度理解をしてくれます。混雑時に合席のお願いをすることで、少しでも多くのお客様にランチを楽しんでもらいましょう。また、知らない人との合席は落ち着かないため、長居することも少なくなります。
まとめ
飲食店にとって、お店の回転率は重要な売り上げアップの要素です。
ただし、回転率を重視しすぎたためにお客様にとって居心地の悪い空間になってしまうと、本末転倒です。回転率アップの工夫は、接客・価格・メニューなど様々な面からアプローチできます。
飲食店を経営する上で、どんなお店づくりにしたいのか今一度コンセプトを考え直し、自分のお店に最適な回転率アップのノウハウを導入してみてください。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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