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企業や組織で働きつつ、「将来的には起業したい」と考えている方は少なくありません。
起業へ対する意欲を持つ方にとって、起業するためにどのようなステップを踏むべきかという点は、非常に関心があることでしょう。
いざ起業を志す際には、失敗しないためのポイントおよび成功に導くためのコツも押さえる必要があります。
この記事では、起業するためのステップや、選択肢となる起業形態について解説します。
起業に向いている方の特徴、起業を失敗させないためのポイントなども説明するので、ぜひ参考にしてください。
目次
起業とは新しい事業を起こすこと
そもそも起業とは、漢字のとおり「新しい事業を起こす」ことです。
事業を立ち上げて起業した人のことを「起業家」と呼び、既にある企業を引き継いで経営することになった方のことを起業家とは呼びません。
事業の内容は起業家によってさまざまであり、各人が持つ多彩なアイデアによって、多種多様なサービスが生み出されています。
決まった手続きを踏むことで事業をスタートさせることができるため、起業すること自体は難しいものではありません。
しかし、起業したあとに安定して事業を発展させるためには、事業活動を通じて利益をあげながら会社を存続させる必要があります。
起業したいときに検討する3つの形態
起業する際に考えられる主な形態は、「個人事業主」「法人(会社設立)」「フランチャイズ」の3つです。
それぞれの形態の特徴やメリット・デメリットについて、詳しく説明します。
個人事業主
個人事業主とは、個人で事業を行っている人のことであり、税務署に「開業届」を提出することで事業を始めることができます。
「青色申告申請承認書」を提出することで、特別控除が受けられるなどのメリットがある青色申告ができるようになるうえに、申請の手続きも比較的簡単です。
ただし、事業規模が大きくなり所得額が一定以上になると、法人化したほうが税制面で有利になります。
飲食店をはじめとする多くの業種において、起業して経営を続けるためには資金繰りがとても大切です。そのため、最初は個人事業主からスタートして、事業規模の拡大に応じて法人化する傾向が多くなっています。
ただし、個人事業主は法人と比べると「信用」という点で劣るため、金融機関などから融資を受けにくい可能性があることには注意しましょう。
法人(会社設立)
定款を作成して登記を行うなどの手続きを済ませることで、法人として会社が設立できます。
法人として事業を行う場合、株式会社を設立することが一般的です。しかし、初期費用を抑えたいのであれば、出資者と経営者が同じである合同会社という選択肢もあります。
法人は個人事業主よりも社会的信用が高いため、金融機関などから融資を受ける際にはその点が有利に働くでしょう。
とくに飲食店などの店舗を有する業種の場合、開業するにあたっては多額の資金が必要なケースも多いので、この点はメリットと言えます。
ただし、ある程度の利益をあげられるのであれば、個人事業主よりも税制面で有利ですが、その分、経理や決算を厳格に行わなければなりません。
専門の人材を雇う、税理士に依頼するといった点で、コストも発生します。
フランチャイズ
フランチャイズとは、本部の商標やサービス、商品のノウハウの提供を受け、店舗の経営を行う形態のことです。個人事業主と法人のどちらであっても、フランチャイズチェーンに加盟することができます。
フランチャイズチェーンのブランド力や知名度を生かせるため、抜群の集客力を誇る点が大きなメリットです。
クリーニング店や学習塾、介護事業など、幅広い業種でフランチャイズは行われています。飲食店に絞ってみても、和食店、居酒屋、牛丼屋など、種類はさまざまです。
調理や接客など、フランチャイズごとのオペレーションが決まっているため、従業員への教育も比較的容易に行えます。
ただし、フランチャイズを利用した場合、本部に対して毎月ロイヤリティを支払わなくてはなりません。その分の支出を踏まえた計画を立てる必要がある点は覚えておきましょう。
起業するための4つのステップ
起業は思い立ってすぐにできるものではなく、いくつかのステップを踏まなければなりません。
起業するために踏むべき4つのステップについて、詳しく説明します。
①起業する目的や理由を考える
起業する理由は人それぞれなので、どのような目的や理由であってもかまいません。
ただし、「なぜ起業するのか?」という目的が曖昧なまま起業すると、目指す方向性にブレが生じ、失敗という結果に終わってしまう可能性があります。
起業は、目的ではなくあくまでも手段であるべきです。
起業する目的を明確にしたうえで、達成したい目標に対してどのように動くべきかを考え、経営を進めていくことが望ましいでしょう。
②起業後の具体案を検討する
起業する理由が明確になったら、目的を達成するための具体的な計画を練ります。計画を練る際に重要になるのは「稼げる事業・サービスであるか」です。
前提として「いま考えているアイデアで絶対に成功させる」といった強い信念がある方は、そのまま掘り下げて計画を練りましょう。これから事業内容を考える場合は、以下の方法でアイデアを拾い出してみてください。
・SNSや掲示板で消費者の悩みを探る
・起業イベントやセミナーに参加する
・専門家に相談する
なかでも、消費者の悩みを知ることは起業アイデアを生み出すうえで重要です。消費者の悩みや不満を解決することがビジネスの基本なので、アイデアの発掘に活用してみてください。
参考記事:起業アイデアの出し方15選!具体例や成功につながるポイントも解説③資金を準備する
起業前に準備する資金は、「開業資金」と「運営資金」の2つに分けられます。
開業資金とは、店舗となる物件の取得費用や設備購入費用など、開業するまでに必要な費用のことです。
一方、運営資金とは、家賃や人件費など、事業を継続的に行っていくために必要な費用を指します。
開業資金および運営資金として必要な資金は、事業の種類や規模によってさまざまです。
参考までにいくつかの業種で必要な資金を挙げると、飲食店は1,000万円前後、病院・医院は1,000万円~1億円程度、美容院は500万円~3,000万円程度となります。
機器や備品の準備が必要ない事業であれば、開業資金をある程度抑えられるかもしれません。しかし、機器や備品を揃えようと思うと、その分費用が必要です。
自分が手がける業種について、開業にかかる具体的な費用を調査して見積もっておきましょう。
④起業の手続きをする
起業にあたって書類を提出するなどの手続きが必要な業種もあり、それぞれ申請・届出・許可の方法は異なります。
たとえば飲食店の場合、「食品衛生責任者」を取得し、保健所に「飲食店営業許可」を申請するだけでなく、消防署に「防火対象物使用開始届」の届け出も必要です。
マッサージ店の場合は、保健所に「施術所開設届」を提出しなければなりません。
開業したい業種に応じて必要な申請・届出・許可を確認し、事前に忘れずに手続きを行いましょう。
起業後の広報活動に必要なもの
起業後の広報活動に必要なものは、以下の5つです。
1.ロゴマーク
2.名刺
3.ホームページ
4.チラシ
5.営業関連資料
自社の広報活動はサービス内容を知ってもらうための重要な施策なので、しっかりと準備しておきましょう。①ロゴマーク
ロゴマークは、いわば「会社の顔」です。自社サービスの認知を広げてイメージを作っていくにあたり、ロゴマークは欠かせません。
以下の表は、大手企業が使用しているロゴマークの一例です。
図案 想起する商品・サービス 赤、オレンジ、緑が配色された「7」 セブンイレブン 丸みを帯びたチェックマーク ナイキ かじられたリンゴマーク Apple製品 青い小鳥マーク Twitter 緑の円に白い人魚マーク スターバックス
上記のロゴは、見ただけで「◯◯の商品・サービスである」と認識するのではないのでしょうか。すぐに大企業と同様の認知を得られずとも、一目見て自社を認識させられることは大切な要素です。起業後に自社の認知拡大を図るためにも、ロゴマークは確実に準備しておきましょう。②名刺
名刺も起業の際に準備しておくべきアイテムの一つです。
コロナ禍で直接顔をあわせる機会が減ったこともあり「名刺は不要では?」と考える方もいるでしょう。しかし、名刺交換は「取引の入り口」と言われているほどビジネスの世界では重要視されています。
取引先の担当が年配の方であれば、名刺を持っていないことに対して不信感を抱く可能性もあるでしょう。相手に不信感を与えないためにも、名刺は必ず作成しておきましょう。社員が持つ名刺のほかに、店舗を紹介するショップカードなどを用意することもおすすめです。
③ホームページ
これから起業をする場合は、必ずホームページを用意しておきましょう。総務省が実施した「通信利用動向調査(企業編)」によると、ホームページを保有している企業の割合は90%を超えています。この情報からも読み取れるように、企業の広報活動においてホームページは必須です。
近年は自作ツールも普及しており、低コストでもホームページを作ることができます。制作に費用をかけられない場合は、利用を検討してみるとよいでしょう。
反対に、費用をかけてホームページのクオリティや機能性を高めたい、取引先に良い印象を与えたいと考える方は、Web制作会社への依頼がおすすめです。制作会社によって上下するものの、シンプルなコーポレートページであれば10万円~50万円ほどで制作を依頼できます。
ホームページは制作費用のほかに、ドメイン管理費やサーバ費用などもかかります。情報を更新していくことも大切なので、一度作ったら終わりではなく最新の情報を掲示する努力も必要です。
総務省・通信利用動向調査(企業編)
関連記事|SNSやWEBサイトの活用術
④営業用の資料やチラシ
広報活動の中心が外回りになる場合は、営業用のパンフレットやチラシも用意しましょう。インターネットが発達した現代でも、足を使って売り込みに行く場面や、顔をあわせて営業活動を行う場面は避けられません。その際、営業資料やチラシを作っていないと口頭のみでサービスを説明することになり、商談相手が内容を理解するまでに時間を要してしまいます。
営業資料は起業初期から事前に準備しておき、徐々にアップデートしていくのが賢明です。
⑤SNSアカウント
SNSでの情報発信・収集が一般化している昨今、広報活動に欠かせないのが自社のSNSアカウントです。SNSアカウントを作るメリットは、大きく分けて2つあります。
・SNSを通して認知拡大が図れる
・見込み客と直接コミュニケーションが取れる
無料で自社サービスの宣伝ができるSNSは、初期投資を抑えたい起業初期において大きな助けとなるでしょう。特に、10~20代が見込み客となる場合は、認知拡大において絶大な効果を発揮します。
取り扱うサービスによって相性のよいSNSは異なりますが、もっとも取り組みやすいのは「Twitter運用」です。商品画像や動画などを用意できる場合は、Instagram、YouTube、TikTokといった選択肢も。どのような発信をするかを決めて、継続運用していきましょう。
関連記事|SNSで商品を販売する時代へ。ソーシャルコマースの魅力とは?資金や商品がなくても起業できる?
結論から言うと、資金や商品がなくても起業はできます。一般的に経営資源として語られるのは「ヒト・モノ・カネ」です。それぞれを言い換えると「従業員・商品や事務所・資金」になります。もし、すべての要素が揃っていなければ起業できないとあれば、大多数の人は事業を起こせなくなるでしょう。
従業員に関しては、起業後に募集しても遅くありません。手が足りないと感じた段階で求人広告を出してもよいでしょう。商品・サービスは初期段階で構想を練る必要がありますが、オフィスについては自宅と兼用する方法もあります。どんな手段を講じるにしても、スモールスタートを切れば多額の資金は必要ありません。
「ヒト・モノ・カネ」の経営資源の確保は、起業後も継続して課題となります。事業を拡大する、新規事業を立ち上げるなど、ビジネスを大きくしていくなら直面し続ける問題です。新たなビジネスアイデアが生まれた際は、この「ヒト・モノ・カネ」をどのように工面するかも同時に考えるクセをつけていきましょう。
関連記事:開業資金ゼロでも開業できる?主な方法や対策を解説起業に向いている方の特徴
誰もが手続きを行うことで起業できるものの、利益を生み出し発展させていくのは大変なことです。
起業したいと考えている方は、自分の性格や知識の有無を踏まえたうえで、起業に向いているか確認しましょう。
行動力がある
前述のとおり、起業する際にはさまざまな手続きが必要です。物件を取得する、宣伝広告を依頼するといった際には、企業間でのやり取りが発生します。
また、商品やサービス、お店の雰囲気をよりよくするために、さまざまなことを見聞きして経験することが重要です。
それらを確実に行うための行動力は、起業を目指す人が備えているべき素養と言えるでしょう。
行動力に加えて、事業が軌道に乗らなくても焦らない忍耐力、転換期にしっかりと決断できる決断力も大切な要素です。
柔軟に対応できる
事業を行うにあたって、自分の信念を貫き通すことは非常に重要です。
しかし時には、場面に応じた臨機応変な対応が求められることもあります。
周囲の意見に聞く耳を持たなければ、独りよがりの経営になってしまい、第三者から見た問題点が改善されないでしょう。
事業全体のことを考えて柔軟な対応ができることも、経営者には必要な資質です。
専門スキルがある
起業を考える場合、「調理スキルを活かして飲食店を起業する」といったように、「得意だからその分野で事業を行う」という流れが自然なことです。
専門的なスキルや資格は「得意さ」を裏付けられるものであり、大きな集客力を持つ場合もあります。
たとえば飲食店を例に挙げると、バリスタやソムリエの資格を持っていれば、それ自体がお店のウリになるでしょう。
ほかの飲食店との差別化が図れて「お店独自のスタイル」が確立し、それを目的にお店に集まる方も増えることが期待できます。
起業に向いていない方の特徴
続いて、起業に向いていない方の特徴についても説明します。
起業したあとに「こんなはずじゃなかった」と後悔しないためにも、事前に確認しましょう。
お金の管理が苦手
事業を継続させるためには、売り上げや経費をはじめとするお金の管理は必要不可欠です。
とくに人を雇って事業を行うのであれば、雇った方の生活にも責任を持たなければなりません。
「どんぶり勘定でなんとなく」というやり方は、事業がうまくいっている間は良いかもしれませんが、うまくいかなくなった際にすぐに立ち行かなくなってしまいます。
ただし、自分自身がお金の管理が得意でないと自覚している場合、会計士や税理士といった専門家に管理を任せてカバーすることも可能です。
経営を継続させるために自分でお金の知識をつけるほか、専門家へ相談する・雇う選択肢もあります。
関連記事 起業に失敗する人の特徴とは?原因と対策について解説!
感情のコントロールができない
感情のコントロールができない方は起業に向いていません。事業を行っていると、うまくいかない場面や想定外のトラブルは付きものです。想定外の場面で感情をコントロールできないと、対応が投げやりになったり、失言したりする可能性が高まります。
ビジネスは一人で完結するものではなく、顧客や取引先、従業員と行うものです。雑な対応や失言によって「この人とビジネスしたくない」と思われたら一巻の終わり。感情が表に出やすい方は、まずは冷静さを維持することから意識してみましょう。物事を他責で考える
事業が常にうまく行き続けることは決してなく、壁にぶつかって売上や利益が伸び悩むこともしばしばあります。
そのようなときに売上や利益が上がらない理由を他責で考えるようでは、事業の責任者としてはふさわしくありません。
カフェを営んでいると仮定して、新しいカフェが近所にオープンして顧客を奪われた場合に、「みんな新しいものが好きだからしょうがない」と諦めては、状況は改善しないでしょう。
経営が下降に転じる出来事が起きた際に、「どこを工夫すればお客様を取り戻せるか」と考えられる意識が重要です。
自分ですべて背負い込む
責任感が強いことは一種の美徳とも言えますが、経営者にとってはそれが仇となることもあります。
経営者はお店のトップではありますが、だからといって自分ですべてを背負い込む必要はありません。できる方や得意な方に任せるだけの度量も必要です。
キャパオーバーしないように仕事を適材適所に切り分けることが、経営者には求められます。
起業を失敗させないために知っておきたいこと
事業を始める際に、最初から失敗することを考える方はいないと思います。しかし、事業に失敗して撤退している起業家が多いのも現実です。
起業を失敗させないために、知っておくべき3つのポイントについて解説します。
資金調達の方法
資金を調達できるかどうかが事業の運命を左右することも多いため、複数の資金調達方法を知っておく必要があります。
主な資金調達の方法として挙げられるのは、以下のとおりです。
●金融機関の融資
●起業支援制度
●クラウドファンディング
●ベンチャーキャピタル
銀行などの金融機関からの融資は、資金調達の王道とも言える方法です。調達した資金は後に利息を上乗せして返済しなければなりませんが、まとまった資金を調達したい場合には重宝します。
起業支援制度とは、都道府県や市町村によって設けられている制度で、自治体によって制度の概要は異なります。比較的低金利で利用することができ、返済期間も長めに設けられていることが多いです。
クラウドファンディングとは、インターネットを通じて不特定多数の人から資金を調達できる方法を指します。融資ではなく出資という形になるため、基本的に調達した資金を返済する必要はありません。
ただし、出資者に対して事業の進み具合を適宜公開する必要がある点には、注意しましょう。
ベンチャーキャピタルとは、出資そのものを事業として行っている企業のことです。厳しい審査をクリアできれば、億単位での資金調達も可能となります。
さまざまな資金調達の方法の中から、必要とする金額や資金が必要になるタイミングに応じて、適した方法を選んで利用しましょう。
税金に関する知識
会社勤めのサラリーマンとは違い、起業後は税金を自分で納める必要があります。仮に税理士へ依頼する場合でも、財務状況を把握するためには税金の知識が必要です。また、毎年支払う税金を把握できていないと、資金繰りに悪影響を及ぼしかねません。
個人事業主が支払う税金の年間スケジュールは以下の通りです。
納税月 税の種類 概要 3月 ・所得税
・消費税(課税事業者のみ)所得税:前年の所得に応じた税金
消費税:間接的に受け取った消費税(納税事業者のみ納付)4月 ・固定資産税(1期) 固定資産税:事業用の償却資産に課税される 6月 住民税(1期) 住民税:自治体に納める地方税 7月 ・予定納税(所得税、1期)
・固定資産税(2期)予定納税:前年の所得を元に翌年の税額を一部納める制度 8月 ・住民税(2期)
・個人事業税(1期)
・予定納税(消費税)個人事業税:個人事業主が自治体に納める税金 10月 住民税(3期) ー 11月 ・予定納税(所得税、2期)
・個人事業税(2期)ー 12月 ・固定資産税(3期) ー 1月 住民税(4期) ー 2月 固定資産税(4期) ー
参照:個人事業|国税庁
法人の場合は、設定した決算月により税金を支払う時期が変化します。法人を設立した段階で、毎年支払う税金の予定をチェックしておくとよいでしょう。
事前に予定を把握していれば、税金の支払いに残しておくべき大まかな資金がわかります。「税金の支払いが予想より多かった」とならないためにも、最低限の知識は身につけておきましょう。
決算書の読み方
日々の事業で発生する経費や支払わなければならない税金について、きちんと把握する必要があります。
事業が好調かどうかを把握するためには、「決算書」を分析できることが望ましいです。
税理士やコンサルタントといった外部の専門家の力を借りるという手もありますが、経営状況を正しく把握するためにも、自身でも最低限のことは理解できるようにしましょう。
また、お金の動きを把握して今後の計画を立てるためには、予算策定の目安となる「管理会計」を行うことが重要です。
管理会計において情報やデータを活かすという点でも、決算書を分析できる力は役に立ちます。
マーケティングの重要性
事業を軌道に乗せて発展させていくためには、マーケティング力が必要不可欠です。
マーケティングの方法は多岐にわたり、どのような方法が向いているかは業種によって異なります。似ている業種の事例を参考にしながらマーケティングを行いましょう。
成功するにせよ失敗するにせよ、そこから得られるデータや経験は今後の糧になります。
失敗したから中断するのではなく、繰り返し何度も取り組んで、マーケティングに関する力を高めていくことが重要です。
起業を成功させるために重要なポイントやアイデア
起業して会社の経営を軌道に乗せるためには、押さえておかなければならないことがいくつもあります。
ここからは、起業を成功させるためのポイントやアイデアについて解説します。
目的に合わせて徹底した市場調査を行う
起業の目的に合わせて徹底した市場調査を行い、顧客の顕在・潜在ニーズを把握することが、起業を成功させるためには欠かせません。
起業を志した時、最初のステップとして起業の目的をはっきりさせます。この目的がブレていると適した調査が行えず、起業してもうまくいかない可能性があります。
また、ニーズを捉え間違えてしまうと、異なるターゲット層にアピールしてしまい、顧客獲得は難しくなるでしょう。時間をかけても良いので、市場調査はじっくりと行ってください。
無理のない規模で行う
どれくらいの規模で事業をスタートするかは人それぞれですが、最初は無理のない規模で行うべきでしょう。
最初から規模を大きくしすぎると、費用がかさんで赤字になってしまい、立ち行かなくなってしまう可能性が高いからです。
支出的にも無理のない範囲から初めて、軌道に乗ってきたら段階的に拡大していくと良いでしょう。
日々更新される情報に適応する
事業を取り巻く環境は日々変わり続けます。開業当初はうまくいっていた方法が、ある日突然うまくいかなくなるかもしれません。
日々更新される情報や環境に柔軟に対応していかなければ、事業の発展は難しいでしょう。
情報をアップデートするために、経営者向けのセミナーに参加する、インターネットを通じて情報を収集する方法などがあります。街の様子を何となく眺めているだけでも、流行やトレンドなどを把握できるものです。
行動を起こすことで最新の情報を入手し、市場の動向を把握するよう心がけてください。
周囲の助言を仰ぐ
事業に行き詰まった際に相談できる相手がいないと、八方ふさがりになってしまう可能性があります。
家族、知人、商工会議所、支援センターなど、関係性は問わず助言を仰げる相手が必要です。
普段の性格を知っている家族や知人から、励ましやアドバイスをもらえれば、精神的にも支えられるでしょう。
また、商工会議所や支援センターでは、開業に関する相談を無料で受け付けています。
起業に向けた準備方法はもちろん、業種選びから資金計画まで幅広い相談に乗ってもらえるため、必要に応じて利用を検討してください。
起業するにはさまざまなやり方がある!
起業を目指す際の選択肢には、個人事業主、法人、フランチャイズへの加入という形態があります。
手続きを行うことで誰もが起業家になれますが、経営が成功するかは別問題です。起業を失敗させないための知識を身に付け、常に情報をアップデートしていかなくてはなりません。
起業にかかる費用を事前に明確にしたうえで、まずは身の丈に合った範囲での起業を目指すことをおすすめします。
成功に導くためのポイントを押さえ、周囲の助言にきちんと耳を傾けることを忘れなければ、安定した事業の継続に繋がるでしょう。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
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