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Z世代が好むのは空間との一体感!?今注目のカフェトレンドとは?[人気記事]

Z世代が好むのは空間との一体感!?今注目のカフェトレンドとは?

誰もが一度は憧れるカフェ開業。カフェは飲食業界の中でも開業のハードルが低い一方、競合店の多さから最も存続しにくい業態といわれることも。今回は、カフェ開業を目指す方に向けて、Z世代ならではの食に対する価値観やカフェの楽しみ方を中心に、今注目のカフェトレンドをご紹介します。

Z世代の食に対する価値観とは?

若者マーケティング研究機関「SHIBUYA109 lab.」とCCCマーケティング株式会社が2021年8月に共同で実施した「Z世代の食に関する意識調査」によると、Z世代が日常生活で「食」に重きを置いていることがわかります。

食と同時に空間を重視

今回の意識調査では、Z世代が1か月の中で自由に使えるお金は平均37,046円であること、そのうち食に平均10,797円を使っており、食に最もお金をかけていることが明らかになりました。

また、食の中でもエンタメ食(普段の生活のための食事ではなく、カフェやお菓子など楽しむための食事)に40%以上を費やしていることも判明。食において重視している価値観を聞いたところ、「食を楽しむには、空間も大事だ(64.6%)」が最も上位になっています。その後に「食は誰かと楽しむためのもの(55.8%)」、「食を楽しむときも行く場所や人にあわせてファッションにもこだわる(43.8%)」が続く結果になりました。

グループインタビューでも、「InstagramやTikTokなどのSNSでお店の雰囲気を確認し、そのお店の雰囲気に合うファッションを友達と相談してコーデを決めている。友達とファッションの系統をそろえる方が仲良く見えるし、お店の空間にも馴染む。写真を撮る時も空間全体を撮るようにしている」という声が聞かれました。

食を楽しむには空間も大事だと考えるZ世代は多く、お店の雰囲気に合わせたファッションで自分たちも空間に溶け込み、一体化することを大事にしているようです。

食はZ世代のコミュニケーションツール

エンタメ食において重視する点を聞いたところ、「おいしいこと(73.6%)」に続き、「自分が楽しめること(68.5%)」、「友達や恋人と楽しめること(57.3%)」、「気分転換になること(54.6%)」という結果となりました。
味だけではなく、自分や一緒にいる人との時間を充実させられることを食に求めており、食を通してコミュニケーションを生み出すことが気分転換にもつながっているようです。

グループインタビューでは、「友達とSNSを見ながら行くカフェを決めて、当日は事前に見たSNSの投稿内容との答え合わせを楽しんでいる。SNSで見た情報と実際に体験したギャップがあっても、それを友達と話して共感するのが楽しい」「友達とその場の空間を楽しみながら話すのが好きなので、おいしくてもそうでなくても、話のネタになるので味はあまり重視していない」といった声が聞かれました。

また、「カフェに行ったらInstagramのストーリーズ用に縦型、フィード投稿用にスクエア型をそれぞれ撮る。カフェから帰る時はカメラロールが同じ写真ばかりになるくらい沢山写真を撮っている」「SNSへの投稿はもちろんだけど、撮影した動画や写真を後日見返して余韻に浸るまでがカフェ巡り」といった声も。

SNSを見ながらどのカフェに行くかを決め、当日の空間を楽しみ、SNS投稿後は余韻にも浸る…。食を通して友達とコミュニケーションを取ることに最も価値を感じていることがわかります。

引用:SHIBUYA109 lab. / CCCマーケティング共同調査

Z世代が好むカフェの傾向は?

従来のSNS映え写真といえば、色鮮やかでインパクトのある見た目のスイーツ・料理が主流でした。しかし、最近のSNS投稿では、白やベージュなど淡い色合いの写真が増えたり、カフェの内装とその日のファッションを合わせた写真も多く見られるようになりました。

いわゆる王道の映えというよりも、飾らない自然体な雰囲気の写真や、人と被らない新しいもの・空間を求める傾向にあり、Z世代が好むカフェもその方向性に移行しつつあります。

今注目のカフェトレンド

韓国カフェ

Z世代に人気の韓国カフェは、どこを切り取ってもおしゃれで写真映えする、ベージュ・グレー・ホワイトなどのペールトーンを基調とした韓国インテリアが魅力です。カトラリーや食器にも韓国らしいムードが溢れており、韓国に行った気分になれると人気。
無駄なものは削ぎ落とされたシンプルな内装が主流で、落ち着いた印象の中にも上品でかわいい雰囲気を感じられるところが支持を集めています。

無機質カフェ

韓国カフェと同様に昨今急増しているのが無機質カフェです。打ちっぱなしのコンクリート壁にステンレス製の机や椅子が並び、スイーツが並ぶショーケースもシルバーで統一。カラフルでフォトジェニックな空間とは対照的な冷たい空間がむしろ「自分映え」するとZ世代から支持を得ています。あえて盛らないのがおしゃれだとする心理は、韓国カフェとも通じるところがあります。

スタイリッシュで落ち着いた雰囲気から、Z世代に限らず、男性や一人でも入りやすいと客層も広がりを見せています。

フラワーカフェ

花や植物に囲まれて心身ともリフレッシュできるフラワーカフェは、Z世代だけでなく幅広い客層から注目を集めています。

東京・南青山の「Aoyama Flower Market TEA HOUSE」は、人気フラワーショップ「青山フラワーマーケット」が手がける、秘密の花園のような空間が魅力のフラワーカフェ。各テーブルにも花や植物が飾られており、温室の中でカフェタイムを過ごしているかのような気分に。エディブルフラワーを使ったスイーツや、無農薬・高品質のフレッシュハーブを使用したハーブティーも楽しめます。

また、東京・高円寺にあるお花の焼きドーナツ専門店「gmgm(グムグム)」は、天井に吊るされたたくさんのドライフラワーとアンティーク調のインテリアが魅力。どこを撮ってもおしゃれで写真映えする空間で、レトロかわいい雰囲気が漂っています。

Z世代にとっては、そんなレトロかわいい雰囲気に合わせたファッションコーデで自分たちも空間に溶け込み、写真や動画を撮るのがお約束。エディブルフラワーが散りばめられた看板メニュー「お花の焼きドーナツ」もSNS映えすると大人気です。

体験型カフェ

七輪で団子を焼いたり、好きな具材を選んで手巻き寿司を作ったり。自分で作ったものをその場で食べられる体験型カフェは、ひと手間まではいかない「0.5手間」な体験が楽しく面白いと、Z世代から人気を集めています。

東京・表参道にある「茶酒 金田中」では、自分で包んで楽しめるいちご大福が冬季限定で提供されています。一口大の求肥にいちごとあんこを包んで食べるスタイルで、SNSにはその様子を撮影した動画が数多く投稿されています。

また、京都・烏丸御池にある「包華堂」では、自分で包むフルーツ大福が大人気。運ばれてきたトレイの上には求肥、あんこ、フルーツが6種類用意されており、求肥に好きなフルーツとあんこを乗せ、包んで楽しみます。

友達と会話をしながら、自分だけのフルーツ大福を作り、写真や動画を撮影してSNSに投稿する。その一連の流れは「食を通して友達とコミュニケーションを取る」というZ世代の価値観とも通じています。

Z世代の価値観とトレンドを掴んだカフェ開業を

これからカフェ開業を目指す方にとって、今後マーケットの中心となるZ世代の価値観や最新のトレンドを知っておくことはとても重要です。「SHIBUYA109 lab.」のようなマーケティング研究機関が発表する意識調査データも定期的にチェックし、消費者が求めているものは何なのか?を常に追い続けることを意識しておきましょう。

ライター:上田はるか(フリーライター)

大学卒業後、輸入食品商社に勤務し、新規店舗の立ち上げや自社直営ティーサロンのメニュー開発を経験。その後、大手ギフト会社の企画開発部、広報宣伝部を経てフリーランスに。現在はWEB媒体をメインに、食ジャンルの原稿執筆を行う。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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