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【小阪裕司コラム】第45回:未来へお店を遺すためにできること①

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全国・海外から約1,500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

バーでアクセサリー販売。その結果は…?

 今回は、あるバーでの、未来を見据えた果敢な実践のお話。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員の取り組みだ。
 同店では、ワクワク系の実践をしてきたここ数年間で、顧客のストックとファン化を意識し、リピート顧客の会員化を促進、これまでにしっかりした顧客基盤を築いてきた。
 リピート顧客が着実に増えていくことが飲食店経営を安定させることは言うまでもないが、コロナ禍にあっても、バーという最も悪影響を受けた業種でありながら、テイクアウトやおつまみの通販、ウイスキーチケットの販売など様々な手を打ち、それを会員顧客が支える形で、堅調な業績を維持してきた。
 そんななか、同店が最近力を入れているのが物販だ。といっても、ウイスキーやワインなどお酒を売ろうというのではない。もっと別のもの、特に最近の取り組みは、アクセサリーの販売だ。
 バーでアクセサリーを売る――奇異な取り組みに見えるだろうか?しかも、千円ほどで買える手軽なものを店の片隅に置いて売るのではない。今回彼らが取り組んだのは、数千円から数十万円する、本格パールアクセサリーの展示即売会だ。
 そんな高価なものがバーで売れるのだろうか?そういう疑問を持たれた方がいても不思議ではないが、果たして結果は、2日間でなんと200万円を超える売上となったのである。

店主がこだわり抜いた展示即売会

 店主がテーマとしたのは、元々海外向けの本の表紙を飾るほどオーセンティックなバーである同店、その雰囲気の中で、お酒を味わいながらアクセサリーを選ぶ贅沢な時間を楽しんでもらうということ。来場者にはウエルカムドリンクとしてスパークリングワインで出迎え、非日常的な時空間を創り上げることにこだわった。
 また、今回の展示即売会は誰もが参加できるわけではなく、同店の会員もしくはその紹介者限定だ。会員の中でもVIPとしている方々には招待状も郵送した。
 ところで、なぜ店主はこのような取り組みをしているのだろう。もうバーに未来はないと見て、商売替えをしようとしているのだろうか?そこはまったく逆で、店主はバーをこよなく愛している。そしてこれは、これからもバーを続けていくために挑むべき、果敢な取り組みなのだ。それはどういうことだろうか?そこでは何がカギだろうか?この続きは次回に。

〇執筆者
小阪裕司(こさかゆうじ)
博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者
1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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