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今話題の蛇口酒場とは?人気の理由や導入事例を紹介

今話題の蛇口酒場とは?人気の理由や導入事例を紹介

蛇口をひねるとお酒が出てくる!そんな夢のような「蛇口酒場」が全国に急増していることをご存知でしょうか? その目新しさと自分で注げる楽しさが瞬く間にSNSで拡散され、今や外食業界のトレンドワードとなっています。
この記事では、蛇口酒場の人気の理由や魅力を解説するとともに、今後導入を検討される飲食店経営者に向けて、事例やメリット、デメリットについてもご紹介します。

蛇口酒場とは?

卓上にある蛇口やコックからビールやハイボール、サワーなどの酒類が注ぎ放題、飲み放題の居酒屋のことです。蛇口やコックはお酒の入ったタンクやサーバーとつながっており、蛇口酒・コック酒とも呼ばれます。
飲みたい時に自由に注げるのが特徴で、お得な飲み放題制を導入する店舗がほとんど。大手居酒屋・外食チェーン店でも客席に蛇口酒(卓上サーバー)を設置し始める動きが見られ、外食業界のトレンドワードとなっています。

人気の理由は?

■注文の手間や待ち時間を解消

店員を呼んで注文する手間がなく、飲みたい時に自分で注げるので待ち時間もゼロです。店内が混雑していて店員がなかなか来てくれない、注文したお酒がなかなか運ばれてこない、というイライラからも解放されます。

■目新しさとエンターテイメント性

蛇口からお酒を注ぐという斬新なスタイルは、その目新しさから若者の興味を惹き、SNSでも大きな話題に。見た目のインパクトだけでなく、自分でお酒を注げるという楽しさ(エンターテイメント性)も人気の理由の一つです。
また、お酒をマイペースに楽しめるだけでなく、自分の好きな割り物を選んで自由にアレンジしたり、お酒の濃さを自分好みに調整できたりする点も支持されています。

蛇口酒場の事例

■大衆ジンギスカン酒場ラムちゃん

東京都、神奈川県、千葉県で計11店舗を展開する居酒屋チェーンで、蛇口酒・コック酒のパイオニアといわれています。
全卓に「サントリーウイスキー角瓶」を使用した超高圧炭酸ハイボール蛇口を設置。コックを手前に引くとハイボール、奥に倒すと超高圧炭酸が注出される仕組みになっています。60分1人550円(税込)の飲み放題制で、名物のジンギスカンとともにお得な晩酌を楽しむことが可能です。

■仙台ホルモン焼肉酒場 ときわ亭

関東、東北、中京、近畿に50店舗以上を展開するホルモン焼肉居酒屋チェーンで、全卓に「0秒レモンサワー」と呼ばれるチューハイの卓上サーバーが設置されています。
卓上サーバーのコックをひねり、氷とシロップ、レモンを入れたジョッキにチューハイを注げばレモンサワーが完成。料金は、60分1人500円(税込)で飲み放題です。10種類のレモンシロップや4種類の生レモンなど豊富なトッピングが用意されており、飽きることなく楽しめると評判です。

■キンミヤ蛇口と大衆酒場とらや

東京・高田馬場と西荻窪にある海鮮居酒屋です。カウンター席に付けられた蛇口をひねることで、キンミヤ焼酎が好きなだけ楽しめます。料金は、30分1人399円(税込)の飲み放題制です。割り物は全て200円(税込)で注文でき、水や炭酸、お湯、緑茶、ウーロン茶などが用意されています。

■焼肉ホルモン牛蔵

大阪に3店舗を展開する「焼肉ホルモン牛蔵」では、全卓に設置されたビールサーバーから好きなだけビールが注げる「マイ生」を提供しています。料金は、60分1人980円(税込)の飲み放題制。生ビールを自分で注げるという体験も人気の理由です。

■勝手にサワー白木屋

白木屋、魚民、笑笑などの居酒屋チェーンを手がける株式会社モンテローザでは、全卓に卓上サーバーを完備した大衆居酒屋「勝手にサワー白木屋」を展開しています。90分1人500円(税込)で卓上サーバーからサワーが注ぎ放題です。
選べる10種類のサワーシロップに加えて、いちごやレモン、マンゴーなど5種類の冷凍フルーツトッピング(有料)も用意されており、SNS映えも良いと人気です。

■焼肉ライク

ひとり焼肉を気軽に楽しめるチェーン店として人気の焼肉ライクでは、一部店舗限定でハイボールとレモンサワーの卓上サーバーを設置しています。
卓上サーバー設置席は、おひとり様用の「ワンベロシート」550円(税込)とお二人様用の「ツーベロシート」1,000円(税込)の2種類。どちらも60分飲み放題で、ハイボールとレモンサワーを好きなだけ楽しむことができます。
また、ホルモンとキムチが60分食べ放題の「わんこホルモン」も980円(税込)で提供中。飲み放題と合わせて1,500円ほどに収まるコスパの良さで好評を得ています。

蛇口酒場のメリット

■人件費の削減

蛇口酒場のメリットは、注文を受けてお酒を作り、客席まで運ぶ過程が省略できることです。最初にジョッキや氷などを客席に運べば、あとはお客様が自分でお酒を注いでくれるため、スタッフの業務が大幅に省けて人件費の削減につながります。
スタッフの業務量や手間が省ける分、料理を低価格で提供してお客様に還元したり、接客サービスの向上に集中できたりするメリットもあります。

■集客効果が得られる

外食業界のトレンドワードとなっている蛇口酒場ですが、それでも導入している飲食店はまだまだ少なく、お客様にとっては目新しいサービスです。SNSでシェアされることも多いため、全卓に卓上サーバーを設置するだけでも一定の集客効果が見込めます。
蛇口から出るお酒が1種類だとしても、いろんな割り方やトッピングを用意することで飽きられることなく提供可能。他店との差別化やリピーターを生むきっかけにもなります。

蛇口酒場のデメリット

■客単価が下がる可能性がある

注文する手間がなく、待ち時間もゼロで飲み放題と大人気の蛇口酒場ですが、お客様によっては客単価が大幅に下がってしまう可能性も。料理を2品注文するルールや時間制限を設けるなど、利益を確保する工夫も必要となります。

■卓上サーバーの管理、手間が発生する

卓上サーバーを全卓に設置することで、タンクやサーバーの残量確認、消毒・清掃作業などの管理、手間が大幅に増加します。また、営業時間中に各席のタンクが空になってしまった場合、取り替え作業でお客様をお待たせしてしまう可能性も。
例えば「勝手にサワー白木屋」では、途中でサワーが切れてしまった場合に、卓上サーバーによるサワー飲み放題の時間を10分間延長するサービスを提供しています。そうしたデメリットを上手く補う施策も求められます。

蛇口酒を導入する際の注意点

導入方法は厨房内にサーバーを設置するのと同じ要領で問題ありませんが、店内の接客動線などを意識し、座席の設計にも十分注意を払いましょう。
また、客席に卓上サーバーを設けることによって、お客様が口を付けたグラスが注ぎ口に当たったり、お客様が注ぎ口を手で触ったりする可能性も。消毒作業をこまめに行う、注意喚起の張り紙を掲示するなど、衛生管理の徹底も必須となります。

オープンラッシュが続く蛇口酒場。いち早い導入で他店との差別化を!

注文の手間や待ち時間を解消でき、自分でお酒を注げるというエンターテイメント性も備えた蛇口酒場。毎月のように新規オープンが続いており、若者以外の世代にも広く浸透し始めています。人との接触も抑えられることからコロナ禍でも安心という声も見受けられ、蛇口酒(卓上サーバー)を導入する飲食店は今後さらに増加すると見込まれます。
設置費用や管理、手間は発生するものの、人件費の削減、集客効果に加えて、割り方やトッピングを工夫することで店のオリジナリティを出しやすいという利点も。他店との差別化要素の一つとして、いち早く導入を検討されてはいかがでしょうか。

ライター:上田はるか(フリーライター)

大学卒業後、輸入食品商社に勤務し、新規店舗の立ち上げや自社直営ティーサロンのメニュー開発を経験。その後、大手ギフト会社の企画開発部、広報宣伝部を経てフリーランスに。現在はWEB媒体をメインに、食ジャンルの原稿執筆を行う。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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