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起業する際には、個人事業主と法人のどちらの形態で起業するかをあらかじめ決めておかなければなりません。
たとえば法人として会社を設立すると決めたなら、もっとも一般的な株式会社以外に、どのような選択肢があるのか選択肢を把握しておくと、最適な方法で資金調達を行いやすくなります。
この記事では、起業する形態の種類や会社の種類、起業する場所や資金調達の方法などについて説明します。起業したいと考えているものの、具体的な内容を決めかねている方はぜひ参考にしてください。
起業する形態の種類
起業形態の種類として、個人事業主もしくは法人が一般的です。それぞれ起業する際に必要な手続きが異なるため、自分が選択した形態に応じた方法をきちんと把握しておかなくてはなりません。
それぞれの概要や、メリット・デメリットについて以下で説明します。
●個人事業主
個人事業主とは、法人を設立せずに個人で事業を営んでいる人のことを指します。
個人事業主として起業するためには税務署に「開業届」を提出する必要がありますが、基本的に必須の手続きはこれだけなので、法人を設立する場合と比べて手続きが簡単です。
また、事務負担や利益が少ない間の税負担が少ないことも、メリットとして挙げられます。
ただし、社会的な信用は法人のほうが得やすいため、金融機関からの融資に関しては法人よりも受けにくい傾向にあるため、デメリットとして把握しておいてください。
●法人
法人とは、法律の規定によって人と同じ権利や義務が認められた存在のことを指します。
法人は登記という手続きを経ることにより社会的な信用を得やすく、金融機関から融資を受けやすいことがメリットとして挙げられます。
また、個人事業主の下で働くよりも、法人に直接雇用されるほうが収入は安定しやすいため、優秀な人材が集まりやすいこともメリットです。
ただし、起業時には定款の作成・認証や登記申請など、行うべき手続きが多岐にわたるため、個人事業主と比べると事務負担が大きいことはデメリットとして考えられます。
関連記事 【比較】個人事業主と法人の違いとは?メリットやデメリットを解説!起業時の会社の種類
上述した法人としてもっとも知られているのは株式会社ですが、法人には株式会社を含めて下記のようなさまざまな種類があます。
・ 株式会社
・ 合同会社
・ 合資会社
・ 合名会社
●株式会社
株式会社は、法人の中でもっとも一般的で代表的な存在です。
株式を発行することで多くの人々から資金を集めて事業を行うため、利益の一部は配当という形で株主に支払わなくてはなりません。
株主は出資した限度で会社に責任を負う必要があり、この責任のことを「有限責任」と言います。
それに対して「無限責任」は、会社が倒産したり経営破綻したりした際に、負債総額の全額を支払う必要がある責任のことです。
会社の運営は株主によって選任された経営者(役員)が行い、利益分配や経営の意思決定も株主総会において株主によって行われます。
●合同会社
合同会社は、2006年の会社法の改正によって登場した新しい会社の種類を指します。経営者と出資者が同じになっており、社員全員が有限責任を有しているところが大きな特徴です。
設立手続きは比較的簡単で費用も少なく済むため、小資金で起業する場合に便利な形態と言えるでしょう。
●合資会社
合資会社は、有限責任社員と無限責任社員から構成される会社の形態です。有限責任社員と無限責任社員のそれぞれを置かなくてはならないため、合資会社を設立するには最低2人が必要となります。
資本金という制度がないため、出資は資金でなくてもよく、信用・労務や現物出資も可能なところが大きな特徴です。
株式会社と比べると、設立費用が安く、手続きが簡単なことがメリットと言えるでしょう。
●合名会社
合名会社は、無限責任社員だけで構成される会社です。
無限責任であることから、事業が失敗するなど会社が負った債務に関して、自己資産を用いてでも負担しなくてはなりません。会社が倒産したときに、社員にのしかかる負担が非常に大きいところがデメリットです。
それに対して享受できるメリットは合同会社とほぼ同じなので、合資会社と同じく近年わざわざ合名会社で会社を設立する人は、あまり多くありません。
起業する場所の種類
起業すると聞くと、事務所や店舗となる物件を必ず取得する必要があると思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし最近では、起業する場所の選択肢は以下のように多種多様です。
・ 会社や事務所を取得する
・ コワーキングスペース
・ 自宅で起業する
・ 地方や海外
それぞれについて、詳細を説明します。
●会社や事務所を取得する
上述したように「起業する」と聞いてまず思い浮かべるのが、会社や事務所を構えるという選択肢でしょう。
会社や事務所を構えることで、副業ではなく本腰を入れて事業を行っている、賃貸オフィスを借りられるだけの資金があるということを意味するため、対外的な信用力が高くなることがメリットとして挙げられます。
ただし、賃貸オフィスの家賃や光熱費などを含めた固定費がかかる点には、注意が必要です。
●コワーキングスペース
コワーキングスペースとは、事務所や打ち合わせ場所などをほかの人と共有しながらそれぞれが独立した仕事を行うためのスペースのことで、WeWorkなどが代表的です。
同じコワーキングスペースにいる人との交流を図りやすい、協業相手を見つけやすい、会社や事務所を構えるよりも固定費を抑えやすいことなどがメリットとして挙げられます。
ただし、会社や事務所を構えていないことから、腰掛けで事業を行っている印象を与えてしまう可能性もあるため、念頭に置いておきましょう。
●自宅で起業する
事業の内容によっては、会社や事務所を構えたりコワーキングスペースを利用したりすることなく、自宅で起業することも可能です。
新しい物件の契約が必要ないため、起業に際しての初期費用が安く抑えられ、通勤する手間が省けるところがメリットです。
しかし、コワーキングスペースの場合と同様に、腰掛けで事業を行っていると思われやすいことや、情報を得たり交流したりする機会が乏しいことがデメリットとして考えられます。
●地方や海外
通信技術を中心としたさまざまな技術が発展している現在において、起業する場所が「日本」の「都会」である必要性は決してありません。
地方では、起業する人の数が都会と比べて多くないため注目されやすくなる可能性があり、海外で日本人が起業する際にも同様のメリットが考えられます。
ただし、日本の都会で起業する場合と比べると、地方や海外での起業は、その土地や国独特の商習慣によって事業継続のハードルが高くなる傾向があるため注意しましょう。
起業する人材の種類
起業を目指している人材も、近年では多種多様となってきているため、年齢や性別を理由にして起業を諦める必要はありません。
現代においては、以下に挙げる通りさまざまな人々が実際に起業を行っています。
・ 会社員
・ 学生
・ 女性
・ シニア
それぞれについて、詳細を説明します。
●会社員
会社員としての本業を持ちながら、副業として起業する人も増えてきています。
会社員という安定した立場があるゆえに、起業に必要な融資を受けやすい傾向にあることがメリットです。
会社員で培った能力を活かせる事業であれば、これまでの経験が起業においてプラスに働くこともあるでしょう。
起業した事業の売上次第では、会社をやめてそちらを本業にするというケースも見受けられます。
●学生
若者に人気のある分野やIT系の事業では、学生の起業も目立ちます。
学生の起業自体が比較的珍しいことなので、メディアなどからも注目され取り上げてもらいやすいことが、メリットとして挙げられるでしょう。
高校生・大学生・大学院生などさまざまな立場での起業が考えられますが、いずれの場合でも卒業した際にそのまま事業を継続するか会社を売却するかについては、あらかじめ検討しておく必要があります。
●女性
妊娠や育児といった女性ならでは、または女性が担当することの多い分野では、女性が起業するケースも多いです。
学生同様にメディアで取り上げられやすいところがメリットであり、金融機関や自治体では女性の起業限定の融資・補助金・助成金などを設けている場合もあります。
●シニア
早期退職して、退職金を元手にして起業を目指す方もいます。
勤めていた会社で積み上げてきたノウハウが事業に役立つことも多く、これまで築いてきた人脈が活かせる場合もあるでしょう。
また、女性が起業する場合と同じく、たとえば日本政策金融公庫が設けている「女性、若者/シニア起業家支援資金」のように、シニア起業限定の融資を受けられることもあります。
起業時の資金調達の種類
自己資金だけでは起業に必要な資金をまかないきれない場合は、以下のような方法で資金調達を行う必要があります。
・ 融資
・ 補助金・助成金
・ クラウドファンディング
・ ベンチャーキャピタル
それぞれについて、詳しい内容を説明します。
●融資
融資は資金調達を行う際のもっともメジャーな選択肢で、一般の金融機関からの融資と日本政策金融公庫からの融資の2つに大きく分けられます。
一般の金融機関から融資を受ける場合の候補は、銀行・信用金庫・信用組合などになりますが、いずれの場合も比較的低金利で融資を受けることができ、その金融機関とすでに何らかの付き合いがある場合は融資も受けやすくなる可能性があります。
日本政策金融公庫も、一般の金融機関より低金利で融資を受けられる可能性が高く、中小企業や個人事業主の支援を主な目的として設立されている金融機関なので、起業時の資金調達を行うのにおすすめです。
日本政策金融公庫から融資を受けることを前提に、すでに何らかの取引を行っている金融機関があるのであれば、そちらから融資を受けることも検討するとよいでしょう。
●補助金・助成金
補助金・助成金は国や地方自治体などが設けている制度で、起業時に利用できるものもあります。
融資ではないため返済の義務がないことが、起業したばかりで資金に余裕のない時期には非常に助かるでしょう。
利用するためには、各補助金・助成金で設けられている条件を満たした上で、決められている応募期間内の申し込が必要のため注意しましょう。
●クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネット上の専用サイトに事業の内容を掲載し、その内容に共感してくれる不特定多数の人から資金を募る方法です。
属性などの理由によって金融機関からの融資を受けにくい方にとっては、非常に便利な資金調達の方法と言えます。
融資ではないため返済の必要がない場合が大半ですが、返礼品という形で出資者にお礼をすることが多いです。
多くの人に興味を持ってもらえそうな事業内容でなければ出資を集めにくいことや、プラットフォームに支払う手数料などが発生することは、把握しておきましょう。
●ベンチャーキャピタル
ベンチャーキャピタルとは、出資を行うこと自体を事業としている事業者のことで、ベンチャーキャピタルから出資を受けることでも資金調達を行うことが可能です。
個人ではなく会社からの出資となるため、ほかの方法と比べても多額の資金を調達しやすい点が大きなメリットと言えます。
その分、将来性や事業内容などをシビアに判断されるので、出資を受けられない可能性もあるため、念頭に置いておきましょう。
参考記事:起業に必要な資金はいくら?資金の目安と調達方法を解説
起業にはさまざまな種類があるので自分に適したものを選ぼう
起業するにあたっては個人事業主と法人のどちらかを選ばなくてはならず、法人の場合はさらに株式会社や合同会社などのいくつかの選択肢の中から、最適だと思われるものを判断しなくてはなりません。
また、一般的には会社や事務所となる物件を契約して起業するケースが多いですが、最近ではコワーキングスペースを利用したり自宅をそのまま事務所として利用するなどさまざまな方法があります。
起業に必要な資金を自己資金だけでまかなうのが難しければ、金融機関からの融資やクラウドファンディングなどを利用して資金を調達しましょう。
このように、起業に向けて行うべきことは数多くあり、資金調達の方法などを中心に悩むことが増えると思います。そのようなときには、開業までの準備を支援してくれる「canaeru(カナエル)」のようなサービスを利用するのがおすすめです。
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この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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