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飲食店のドライブスルー、個人店でも導入可能?導入に必要な手続きや注意点もご紹介!

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新型コロナウイルスの感染拡大を背景に、店内での飲食を避け、テイクアウトやデリバリーを利用する消費者が増加しました。そんな中、同じく需要が高まっているのが「ドライブスルー」です。
車から降りることなく、商品の注文から決済、受け取りまでを行えるうえ、人との接触を最小限に抑えられる。そんなドライブスルーの特徴が、コロナ禍における感染リスクの低減に役立つと再注目されているのです。

コロナ禍でドライブスルーが再注目!

2021年2月に実施されたドライブスルー利用に関する調査(ナイル株式会社調べ)によると、コロナ禍以前と比べてドライブスルーの利用頻度が増えた、と回答した人は66%。
その理由として、71.5%の方が「新型コロナウイルスが気になるから」と回答しています。人との接触をなるべく避けたいという意識がドライブスルーの需要を押し上げているようです。

実際に、大手外食チェーンではドライブスルーの利用率がアップ。日本マクドナルドでは、2020年春の1度目の緊急事態宣言から利用が急増し、4~5月の売上高の半分をドライブスルーが占め、増益につながったと報道されています。
日本よりも圧倒的な車社会であるアメリカでは、飲食チェーン各社がドライブスルー強化の戦略を打ち出しており、消費者と飲食業界の双方から関心を集めています。

飲食店以外の業態でも、ドライブスルーの導入が加速

コロナ禍を背景とするドライブスルー人気は飲食業界にとどまらず、飲食店以外の業態でも、ドライブスルーを導入する動きが加速化しています。
例えば、青果卸のフードサプライ(東京・大田)は、2020年5月に「ドライブスルー八百屋」を開業。事前に注文を受けた野菜や果物、米などのセットをドライブスルー方式で販売しています。販売日や地域は限定されているものの、スーパーでの人との接触を避けたい消費者や子育て世代、足腰の弱い高齢者にも支持されています。
その他薬局、クリーニング店、本屋のドライブスルーも登場しており、今後もさまざまな業態のドライブスルー参入が予想されます。

ドライブスルー営業に必要な手続き

ドライブスルーと聞くとファーストフードなどの大手飲食チェーン店のイメージが強いかもしれません。しかし実際には、さまざまな業態の飲食店がドライブスルー営業を行っており、個人経営の店舗でももちろん導入が可能です。

飲食店営業許可を受けている飲食店であれば、許可を受けた調理場内で調理した料理をドライブスルー方式で対面販売する場合、特別な許可は不要です。
しかし、店内メニューにない料理や食品を販売する際には、新たな許可が必要になる場合がありますので、保健所への確認が必要です。飲食店営業許可だけではドライブスルーでの販売が認められない食品の一例としては、以下のようなものがあります。

食肉・魚製品、冷凍食品、菓子、缶詰・瓶詰の食べ物

すぐに食べずに保存される(後から食べられる)可能性のある食品は、食中毒が起こりやすいため、特別な許可が必要です。

冷凍食品

長期保存される可能性が高く、購入されたお客様が再加熱する工程も管理できないため。

お菓子やアイスクリーム

お菓子やアイスクリームの製造・販売には、菓子製造業及びアイスクリーム類製造業等の許可を要する場合があります。

アルコール飲料

飲食店営業許可で認められているのは、店内でのアルコール提供のみです。アルコール飲料をドライブスルーで販売する際は、酒類販売業免許が必要です。

既にテイクアウトやデリバリーの営業を行っている飲食店であっても、ドライブスルー導入時に改めて保健所へ確認を取り、必要な手続きを行いましょう。

ドライブスルー営業時の注意点

続いて、ドライブスルー営業を始めるにあたって注意すべき点をお伝えします。

オペレーションの徹底

大手飲食チェーン店のようにドライブスルー専用の設備を作らなくても営業は可能。電話やネットで注文を受け付け、店舗の前や駐車場に到着したお客様の車に商品を運び、代金のやり取りをする流れで問題ありません。
ただし、通常の店舗営業やテイクアウト、デリバリーなどと併用する場合は、各セクションでのオペレーションを事前に確認しておきましょう。
また、店舗前の道路や駐車場に車が殺到して渋滞が発生、店舗に来店したお客様が車を駐車できない、といったトラブルを防ぐ対策も必要です。

食中毒対策の徹底

ドライブスルー営業には、店内で提供する場合に比べて大きな食中毒リスクがあります。食中毒予防の3原則「つけない」「ふやさない」「やっつける」を基本に、改めて食中毒対策を行うことが重要です。

つけない

調理従事者は、調理前の手洗いを抜かりなく行い、日々の体調管理も徹底してください。発熱や下痢、嘔吐などの症状がある場合、出勤は控えてください。包丁やまな板をはじめとする調理器具は、使用用途によって使い分けを行い、洗浄消毒をしたものを使用しましょう。

ふやさない

食中毒菌が増殖しやすいと言われるのは、約20℃~50℃の温度帯です。調理後は、10℃以下または65℃以上での温度管理を徹底するとともに、お客様にもなるべく早く召し上がっていただくよう、注意喚起を行いましょう。

やっつける

刺身やユッケなどの生肉の提供は避け、食材には中心部までしっかりと火を通してください。

アフターコロナでも期待できる、ドライブスルー需要

コロナ禍で再注目されているドライブスルーですが、以下のメリットを考慮すると、アフターコロナの時代においても、引き続き安定した需要が見込めると思われます。

【ドライブスルーのメリット】
・車から降りることなく商品を注文し、受け取りができる利便性
→一般の消費者にとってはもちろん、体の不自由な方や高齢者にも優しいサービスです。

・時間短縮につながる
→車の乗り降りや、店舗への移動時間が省けるため、店内利用よりも時間効率が良い。

・人との接触を極力避けることができる。
→新型コロナウイルスの流行が終わっても、インフルエンザ等の感染症はなくなりません。

さらに、近年ではモバイルオーダーやキャッシュレス決済を組み合わせた、より利便性の高いドライブスルーサービスが登場しています。
例えば、日本マクドナルドの「パーク&ゴー」というサービスでは、スマホアプリで商品を事前に注文し、キャッシュレス決済を済ませておけば、店員が駐車場に停めた車に商品を届けてくれます。

このサービスの特徴は、ドライブスルーのレーンに並ぶ必要がないこと。
ドライブスルーのデメリットであった、待機レーンでの渋滞や、受け取りまでの待ち時間の長さを解消できると注目されています。注文・決済・待機時間さえも削減し、効率化できる業務のデジタル化は、消費者と店舗の双方に大きなメリットがあります。
ドライブスルー営業を始めるのであれば、そうしたIT設備投資の検討もおすすめします。

まずは、ドライブスルー販売イベントに参加してみる手も

ドライブスルー需要が高まる現在、全国の自治体や民間団体が主催するドライブスルー販売イベントも、定期的に開催されています。ドライブスルー営業のための諸手続きや初期投資が気にかかるという方は、まず、こうしたイベントに参加するところから始めてみるのもおすすめです。
試しに一度参加してお客様の反応をうかがってみたり、イベントに参加している飲食店と意見交換をしたりするのも良いですね。アフターコロナを見据えた経営戦略の一つとして、検討されてみてはいかがでしょうか。

ライター:上田はるか(フリーライター)

大学卒業後、輸入食品商社に勤務し、新規店舗の立ち上げや自社直営ティーサロンのメニュー開発を経験。その後、大手ギフト会社の企画開発部、広報宣伝部を経てフリーランスに。現在はWEB媒体をメインに、食ジャンルの原稿執筆を行う。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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