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新型コロナウイルスの感染拡大は私たちの暮らしに大きな変化をもたらしました。たとえば食生活もそのひとつ。ステイホームが続き、外食もままならなくなった今、「テイクアウト」や「フードデリバリー」がスタンダードになったのはその一例ではないでしょうか。そんななか、トレンドの兆しが見えるのが「0.7食」です。
「0.7食とは?」
軽食といえば、コンビニなどのホットスナックを例にとっても進化の著しいジャンル。
レジ横にあるフライドポテトやチキン、アメリカンドックなどは小腹を満たしたい時にぴったりなメニューですが、株式会社リクルートライフスタイルの調査・研究機関「ホットペッパーグルメ外食総研」は、腹八分目ならぬ腹七分目程度にお腹にたまる「おやつ以上食事未満」の軽食ジャンルを「0.7食」と名付け、今後さらなる盛り上がりを見せるのではないか、というレポートを発表しました。その背景には、コロナによって大きく変わった私たちの食生活があるようです。
たとえば会社員の場合、これまでは通勤前に朝食をとり、お昼は同僚とランチ、仕事終わりなじみの店もしくは自宅で一杯がてら夕食をとる、といった1日3食のライフスタイルが確立されていました。
しかし、コロナによってリモートワークが広がり、出勤に伴う活動量が減ったことで、以前に比べて空腹をさほど感じなくなったという人は少なくありません。
朝食と昼食、あるいは昼食と夕食の境目がなくなり、1回の食事も小腹を満たす程度で終わらせる。つまり1日3回しっかり食べるというより、そのうちの1回を軽いもので済ますという人が増えたことに着目し、需要の高まりを見せる軽食ジャンルを「0.7食」と名付けたというわけです。
「0.7食」に着目する理由とは?実は外出自粛による「コロナ太り」が原因?
ステイホームや外出自粛が長期間化し、通勤に伴う移動や体を動かす機会が減った今、「体が重くなってしまった…」と感じている人は多いのでは?ホットペッパーグルメ外食総研の調査によれば、緊急事態宣言が発令された2020年4月以降、「体型の変化があった」人は女性34.6%、男性27.2%だったということです。その内訳をみると、「太った」と回答した女性は24.5%、男性で19.1%。
一方、「痩せた」と答えた女性は10.1%、男性で8.1%で、「コロナ太り」をした人だけでなく、痩せた人も男女ともに一定数いたとのことですが、コロナ禍は体型変化にも影響を及ぼしていることがうかがえる結果になっています。これからも在宅ワークが続く人にとって「コロナ太り」の解消は大きな課題。運動はもちろん、食べる量を調整しようとするなかで、「0.7食」と呼ぶ軽食ジャンルに着目したのも、自然な流れであると考えられます。
出典:株式会社リクルート「ホットペッパーグルメ外食総研」調べ
軽食の新トレンドに関するレポート(2021年4~5月調査)「おやつ以上食事未満」の0.7食として人気のある食べ物とは?
軽食ニーズの高まりによって、今後ますますの盛り上がりが期待される0.7食。では、「おやつ以上食事未満」といえば、どんな軽食が人気なのでしょう。ホットペッパーグルメ外食総研が注目するメニューをピックアップし(※選択肢は以下の通り:マリトッツォ、カンノーリ、ボンボローネ、ジーパイ、焼き小籠包、台湾カステラ、クロッフル、フルーツ大福、フルーツサンド、豆花、からあげ、その他、あてはまるものはない)、「今後食べてみたいもの」について聞いたところ、次のような結果になったそうです。
1位:フルーツ大福
2位:マリトッツォ
3位:フルーツサンド
4位:台湾カステラ
5位:焼き小籠包1位:色鮮やかな果物を白餡と求肥で包んだ「フルーツ大福」
みかんやキウイフルーツなどジューシーな季節の果物がぎゅうぎゅうに詰まった大福を2つにカットすると、瑞々しい断面が現れます。最近でこそSNSでよく見かけますが、1980年代に生まれたいちご大福が始まりだといわれています。
2位:2021年上半期の大ヒットスイーツ「マリトッツォ」
イタリア・ローマの伝統菓子で、軽い食感のパンに生クリームをたっぷりと挟んだ一品です。丸っこいキュートな見た目に加え、パンに生クリームという味わいが想像しやすいシンプルさが受け、日本で火が付きました。ピスタチオやチョコレートなどクリームの種類の豊富で、選ぶ楽しさもあり、コーヒーによく合います。
3位:再び注目が集まっている「フルーツサンド」
フルーツ大福同様、昭和の時代からなじみのある「フルーツサンド」。生クリームをたっぷり塗ったサンドイッチ用のパンにイチゴやキウイなどフルーツを丸ごと挟んだもの。冷蔵・冷凍でお取り寄せ可能な人気商品も増えています。
4位:タピオカに続く台湾スイーツ「台湾カステラ」
きめの細かいフワフワの生地を口にいれると、シュワッと溶ける食感に病みつきになる人が続出。シフォンケーキのようにクリームやフルーツを挟んだり、生地にフレーバーを加えたりするなど、アレンジ性が高いのもポイントです。
5位:台湾屋台グルメのひとつで日本でも人気の「焼き小籠包」
挽き肉の具を小麦粉の生地で包んだ小ぶりの包子(パオズ。いわゆる肉まん)を、鉄板で蒸し焼きにした点心のこと。カリっとした皮にかぶりつくと、ジューシーな肉汁が口いっぱいに溢れます。
外食産業の新たなトレンドになるかも?
コロナ禍ではテイクアウトやフードデリバリーなど食の新たな需要が生まれましたが、今回ご紹介した「0.7食」、つまり「おやつ以上、食事未満」のアイテム需要もこれから伸びることが期待できます。だからこそ、小腹を満たしてくれるようなメニュー開発にトライしてみる価値は大いにあるのではないでしょうか。
ゼロベースからつくるのはもちろん、すでにあるアイテムをアレンジするのもよし。最近では、「マリトッツォ」をモチーフにし、生クリームにあんこを加えた「あんこマトリッツオ」や、パンではなくどら焼きの皮で挟んだ「どら焼きマトリッツオ」などが話題になりました。
確かに厳しい状況ではあるものの、外食産業にとって「コロナは商機」。
新たなトレンドになるかもしれない「0.7食」は、ポテンシャルを秘めたジャンルといえるでしょう。この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。
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