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世界が「ヴィーガン」に大注目!ヴィーガンメニュー導入のメリットとデメリットとは?

世界が「ヴィーガン」に大注目!ヴィーガンメニュー導入のメリットとデメリットとは?

最近、日本でもよく耳にするようになった「ヴィーガン」という言葉。聞いたことはあるけれど、きちんと理解している方は意外と少ないのではないでしょうか。
この記事では、世界で注目されるヴィーガンの動向や人気のヴィーガンメニューを紹介するとともに、飲食店でヴィーガンメニューを導入するメリットや注意点についても解説します。

ヴィーガンとは?

動物性の食品を一切口にしない完全菜食主義、またはその思想を持つ人のこと。別名で「ピュア・ベジタリアン」とも呼ばれる、ベジタリアンです。
ベジタリアンには、卵は摂食可能な「オボ・ベジタリアン」や、乳製品は摂食可能な「ラクト・ベジタリアン」など複数の分類に分けられますが、ヴィーガンはその中でも特に厳格です。
肉・魚・卵や乳製品などの動物性食品はもちろんのこと、はちみつやゼラチンといった動物由来の食品も口にしません。また、動物由来の素材を使った衣類や家具も使用しない、という方もおられます。

そんな徹底した菜食主義を貫くヴィーガンですが、近年では、ヴィーガン思想を持たない人々にとっても、ヘルシーな健康食として注目されつつあります。メディアで特集される機会が増えるとともに、ヴィーガンメニューを取り扱う飲食店も増加傾向にあります。

世界的なトレンドとして大注目

アメリカやイギリスなどの欧米を中心に、世界ではヴィーガン人口が年々急速に増加しています。ヴィーガン専門レストランに加え、スーパーでも当たり前のようにヴィーガン商品を購入可能です。
アメリカ・ロサンゼルスを拠点とするビヨンドミート社は、スーパーへの供給に加えて、マクドナルドやスターバックスにもヴィーガン商品を提供。今後の数年間で、ピザハットやKFC、タコベルといった他のファーストフードにも提供を開始する予定です。

2021年2月には、スイスの食品大手ネスレがヴィーガン向けのチョコレート菓子「キットカットV」の発売を発表しました。こちらは乳製品を一切使わない製品で、乳製品の代わりに米を原料とする材料を使用しています。イギリス、ポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニアでは6月から販売開始となり、大きな話題を呼びました。

ヴィーガン後進国と言われる日本でも、ここ数年はヴィーガン料理の専門レストランや新商品を見かける機会が増えてきています。大豆ミートを取り扱うスーパーが増加し、IKEAでは動物性の素材を使わない「ベジドック」が話題に。
キットカットVの発売は未定であるものの、日本ネスレからは、植物由来の素材を使用した「ネスカフェ プラントベースラテ」(オーツラテ、アーモンドラテ、ライスラテ)が発売されるなど、ヴィーガンに対する注目は高まる一方です。

SDGsとの深いつながりも

ヴィーガンであることは、SDGs(持続可能な開発目標)が掲げる目標や、取り組みの達成に重要な役割を持つと言われます。例えば、深いつながりがある目標として、以下が挙げられます。

貧困をなくそう

牛肉や豚肉といった食肉を生産するには、家畜を飼うための膨大な土地が必要です。しかし、その土地を確保するために、そこに暮らしていた住民が追い出されて住居を失い、1日1ドルに満たない生活を強いられる現状があります。
ヴィーガン人口が増えることは、牧畜のための土地が必要なくなり、貧困をなくすことにつながります。

飢餓をゼロに

世界で栽培される穀物の約35%は、家畜用に生産されていると言われます。家畜用の穀物を飢えに苦しむ人々の食料に変えることは、飢餓を救う手立てになります。

安全な水とトイレを世界中に

家畜の排泄物や畜舎の掃除など、家畜を飼うためには膨大な水が必要です。例えば、とうもろこし1kgの生産には1,800 リットルの水が使われるのに対して、そのとうもろこしを食べて育つ牛から牛肉1kgを生産するには、約20,000 倍もの水を要します。
また、漁業は水の生態系への影響を及ぼしたり、養殖によって水質汚染が発生する可能性があります。ヴィーガン人口が増えることは、水資源や自然環境を守ることにつながるのです。

すべての人に健康と福祉を

糖尿病や肥満には、動物性食品の摂取が深く関係していると言われています。野菜や豆類、穀物を中心とするヴィーガンの食生活は、肥満の防止や生活習慣病の予防に役立ちます。

人気のヴィーガンメニュー

ヴィーガン料理はおいしくないと思われがちですが、決してそんなことはありません。肉の代わりに大豆、卵の代わりに豆乳など、限られた中でも食材を上手く代用することで、驚くほどおいしいメニューができあがるのです。人気のヴィーガンメニューとして、以下をご紹介します。

ハンバーガー

パティには、大豆ミートや豆腐、マッシュルームなどが使用される場合が多く、見た目はビーフパティにそっくり。グレープシードオイルなどの植物油を引いた鉄板でグリルした後、ヴィーガンマヨネーズ(卵の代わりに豆乳を使用)や野菜と一緒にバンズで挟めば完成です。
パティの肉々しさや食べごたえは、通常のハンバーガーと変わらないと感じる方も多いです。

パンケーキ

牛乳の代わりにココナッツミルクを加えることで、もちもち食感のパンケーキに。植物性チーズを使ってしっとり感を出したり、お酢を入れてふわふわ食感にしたりと、植物性食材だけでもパンケーキの食感を自由自在に変えられます。
はちみつの代わりに、メープルシロップやアガベシロップをかけたり、大豆で作ったアイスクリームをトッピングする手もあります。

パスタ

大豆ミートを使ったボロネーゼ、生クリームや卵の代わりに豆乳を使ったカルボナーラなど、定番のパスタメニューも植物性の食材だけでおいしく仕上がります。カシューナッツのペーストは、生クリームやチーズの代用品として重宝され、独特なコクととろみから、普通のクリームパスタよりもおいしいという声も聞かれます。

ヴィーガンメニュー導入のメリット・デメリット

【メリット】新規顧客の取り込みにつながる

官公庁が発行する「飲食事業者等におけるベジタリアン・ヴィーガン対応ガイド」によると、主要100ヶ国・地域におけるベジタリアン等の人口は、欧米を中心に毎年増加傾向にあり、2018年には約6.3億人に達しています。

在日外国人や外国人観光客の中にも、当然多くのヴィーガンが存在していますので、ヴィーガンメニューを導入することは、そうした層の取り込みにつながります。また、ヴィーガン思想を持たない場合であっても、健康志向を持つ消費者の集客も期待できます。

【デメリット】コンタミネーションや食材・器具の取り扱いに注意

コンタミネーションとは、元の原材料には含まれていないものの、特定の原材料が意図せずして料理に混入してしまうことを言います。例えば、動物性の食材を使っていなくても、調理器具についた肉汁が混入してしまうことで、クレームやトラブルにつながりかねません。

ヴィーガンメニューを取り入れる際には、健康志向の消費者だけでなく、ヴィーガン思想の方が安心して食事できる体制を整えることが大切です。ヴィーガン専用の調理器具を用意するほか、出汁や調味料などの加工品は、原材料に動物性食材が使われていないかを確認するなど、十分に注意を払いましょう。

情報発信もお忘れなく

ヴィーガンメニューの導入にあたっては、外国語メニューの準備やSNS発信など、ヴィーガンメニューを扱っていることをアピールすることも忘れてはなりません。ヴィーガン専門・対応レストランの口コミサイトに情報掲載することも有効です。

まずは、ヴィーガンについて知ることから始め、アフターコロナを見据えた施策の一つとして、ヴィーガンメニューの導入を検討されてみてはいかがでしょうか。

ライター:上田はるか(フリーライター)

大学卒業後、輸入食品商社に勤務し、新規店舗の立ち上げや自社直営ティーサロンのメニュー開発を経験。その後、大手ギフト会社の企画開発部、広報宣伝部を経てフリーランスに。現在はWEB媒体をメインに、食ジャンルの原稿執筆を行う。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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