お店のこと、はじめる前も、はじめた後も。

  • HOME
  • お店ノウハウ
  • 【カレー屋って儲かるの?】利益を出す秘訣とジレンマ/間借り営業で経験を積む【第2回】

2018/02/01

【カレー屋って儲かるの?】利益を出す秘訣とジレンマ/間借り営業で経験を積む【第2回】

出張料理人として全国でカレーを振る舞う傍ら、カレー教室の講師やカレー本の執筆、本格カレーを自宅で作れるスパイスセットの通販サービス「AIR SPICE」の代表など、多岐に渡る「カレー活動」で知られる水野仁輔さん。そんな水野さんが中心となり、「俺たち、カレー屋になるわ」という合言葉で集まったメンバーの中から、鹿島冬生さんが東京・戸越にカレー店を開業することに。「カレー屋は儲かるのか?」という永遠のテーマと、開業までの道のりを追っていきます。連載2回目の本記事では、水野さんが有名カレー屋店主から聞いた「儲かる秘訣」とスタイルを貫くジレンマ、そして「間借り営業」という新しい開業プレスタイルについてお届けします。

利益を出すには、売り上げを上げるか・原価を下げるかの二択しかない

――前回のお話で、「カレー屋が一番儲かる」という意見もあるとお聞きしました。その成功の秘訣は何だったのでしょうか?
水野:「エリックサウス」(八重洲)の稲田さんが言っていたのは、「美味しいカレーが作れるということは、カレー屋として成功するエッセンスの10%に過ぎない」ってことなんです。残り90%は別のことだと言うんですよ。それは接客サービスだったり、店作りだったり、原価の計算やロスを減らす努力、スタッフのローテーションやシフトの設計など、すごくたくさんのことです。カレーが美味しいかどうかは10%でしかなく、逆に言えば残りの90%がきっちりできていれば、例えカレーが美味しくなくても店は成功するって言う。でも、この手の話は飲食業界全体でよく聞くんです。

――極論だと思うのですが、それが「カレー屋が一番儲かる」という夢のある話に繋がるんですね。
水野:それは、うまく利益を出すためのノウハウを手にしてるっていう自信の裏返しでもあると思うんですよ。だって、90%は料理と関係しないって言っているから、その90%に自信があるんだと思うんです。実際、いろんなカレー屋さんを見ていると、彼は「もっとこうやったら利益出るのになぁ、と思うことがたくさんある」って言っていたから。
鹿島:多分、頭では分かっている人はいっぱいいると思うんですよね。それをやるかどうかはその人の気持ち次第というか。

――理論やテクニックは理解しているけれど、実際に取り組むかは別の話なんですね。
水野:多分、ポリシーやスタンスによるんじゃないですか。この話はカレー屋に限らず、ミュージシャンもそう。自分の技術や生み出すもので身を立てている人の多くが抱えている悩みで、みんなが求めていることをやるのか、自分が求めることをやるのかっていう、永遠に答えの出ない問題だと思うんですよ。

――音楽で言えば、自分のやりたい音楽をやるのか、売れる音楽をやるのかってことですね。
水野:そうそう。それが二択ではないんですよ。僕が思うに、カレー屋でちゃんと利益を出すなら大きくふたつあると思っていて。売り上げを上げるか、原価を下げるかのどちらかしかないんですよ。稲田さんの話っていうのは、ロスをなくすための手法がいっぱいあって、それをどれだけ上手にできるかっていうひとつの方法ですよね。これは多分テクニック論ですよ。もうひとつはマーケティングに近くて、お客様が望むものを提供できれば売り上げは上がるんですよ。この二択だと僕は思います。でも、もし原価を下げようと思ったら自分の使いたい食材は使えない訳ですよ。いやいや国産の有機野菜を使わないと僕のカレーにならないって思ったら原価は下がらないので、そこで利益を出すのは難しいじゃないですか。その材料で作ったカレーを美味しいですって言ってくれるお客様がたくさんいればラッキーだけど、もし「有機野菜なんてどうでもいいから、カツカレーはないの?」なんて言われたらどうするのか。「じゃあカツも揚げます」って言えば売り上げは上がるだろうけど、この二択とも両方に折り合いがあるんですよ。マーケティングとしてお客様の求めるものをやるのか、できるだけ切り詰めていくのか、それぞれの考え方もあるだろうし。でも、売り上げが上がるか・原価を下げるか以外に利益って出しようがないから、鹿島さんもどの辺りを狙っていくのかが問題ですよね。
鹿島:それはねぇ……、バランスですよね。バランスという言い方は好きじゃないんですけど、僕が会社に勤めていたときも、最初は尖がった人がたくさんいた訳じゃないですか。それがだんだん削られていって、みんな同じ感じになっちゃうんですよ。それが嫌だったから難しいですよね。とはいえ、会社ならば毎日行けばお金が入ってきたけど、今度はそういう訳にはいかないから、妥協点をどこに見つけるのかって話なんじゃないですかね。
水野:どこでバランスを取るのかは人それぞれ違うんですよ。ただ僕は、もしかしたらみんなが思っているかもしれないと思うのは、突き抜ける可能性もあるんじゃないかって希望を信じているところ。マーケティングしたものがいいものじゃない、妥協して切り詰めたものがいいものじゃない、これがいいんだって信じたものをやっていけば、多くの人に支持されることがあるかもしれない。その可能性が信じられなかったらやっていて辛いと思うんですよ。

――そうやって成功したお店もたくさんありそうですが。
水野:たくさんあるかはわからないけど、あるとは思いますね。その可能性に懸けたい気持ちはみんなが持っていると思いますよ。

つづきをよむ→

【無料】SNSでログインメールアドレスで会員登録してすべてのコンテンツをみてみよう!

会員登録していただくと、
その他のコンテンツも
“ずっと無料”でご利用できます!
・500記事以上!儲けるための開業・経営・資金の情報が盛りだくさん
・充実の店舗物件情報!約1000件の物件情報を掲載!
・【会員限定】お役立ちコンテンツがダウンロードし放題!

PAGETOPへ