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ボトルキープは日本にしかない絶対もうかる手法だった!?

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お酒を提供する飲食店でよく導入されている「ボトルキープ」。
実は海外ではほぼ見られない、日本独自のシステムだということをご存じでしたでしょうか?
そして、このボトルキープは売上向上につながるメリットがいっぱいの販促方法でもあります。

ボトルキープとは?

飲食店の棚などにズラリと並べられたお酒の中に、「〇〇様」と書かれたプレートやシールが付いているボトルを目にすることがあります。
これらはすべてお客様が注文したお酒。
お酒をボトル(瓶)ごと購入して、それをお店に保管しておけば、お客様はボトルの中のお酒が残っている限り、いつ来ても無料でお酒が飲めます。
これが「ボトルキープ」というシステムです。
また、グラスで注文するよりも、ボトルで購入した方がお値段もお得。
とはいえ、保管場所の問題もあり、お店側はずっとボトルをキープしておくわけではなく、3ヵ月や半年などの預かり期間を設けていることがほとんどです。

ボトルキープとは?

ウイスキーなどにぴったりな手法

ボトルキープは1970~90年代、バーやスナックというスタイルの店が増え始めた時代に、ブランドの認知度をアップさせようとウイスキー・メーカーが提案した販売促進の施策のひとつといわれています。
お酒の中でも、開栓後に品質が変わりにくい、蒸留酒の焼酎やウイスキーなどがボトルキープというシステムに向いています。
一般的に日本酒は味が変わってしまうので、あまりおすすめできません。

ウイスキーなどにぴったりな手法

ボトルキープは日本にしかないシステムだった…

この「ボトルキープ」という言葉、実は日本で作られた造語で、海外では通じません。
言葉だけでなく、システム自体が日本オリジナルのもの。
そのため、こうした習慣のない外国人は、キープされているボトルを見て、「中途半端に残っているお酒を陳列しているの?」、「飲み残しだから、勝手に飲んでいいの?」と誤解をしている人も多いようです。
最近になって、海外の日本食店のサイトやブログでもちらほら情報を見かけるようになりました。
しかし、その数はまだまだ少ないのが現状です。

ボトルキープのメリットとは?

グラスで注文するよりも安くお酒が飲め、また、自分が飲みたいお酒がいつも店に置いてある、お客さんにとってはうれしいシステムのボトルキープ。
実は飲食店にとってもメリットが盛りだくさんなのです。

利益を先に確保できる

たとえば、ウイスキーを1本仕入れた場合、グラスで提供していれば、注文が入るまでは利益は出ません。
そして、6、7杯と注文が出てようやく利益が出始めます。
つまりその間、ボトルの売上は赤字ということになります。
その点、ボトルキープならボトル代が先払いとなるため、店はまとまった利益を得ることができます。
在庫を抱えることによる負担が少なくなるのです。

常連客を獲得できる

ボトルを入れた時点で、お客様にとってはお気に入りのお店になった、また来たいと思えたということ。
そして、ボトルがある限り、「ボトルをキープしているから」、「もうすぐ期限が切れてしまう」など、お客さんが来店する理由付けが継続して生まれます。
何度も通っているうちに店員とも顔なじみになり、同じような客同士の仲間意識が生まれたりするので、ますますリピート率が高まるというわけです。

低予算で宣伝ができる

ボトルキープのお客さんは、最初にボトル代としてまとめて支払ってしまうので、以後酒代はいらなくなります。
そのため、気軽に友人を誘いやすくなります。
SNS時代にあって、昔からある口コミ宣伝の手段なのです。
飲食店としては、何も宣伝しなくても、お客さんがお客さんを連れてくるという、うれしい相乗効果が得られます。
また、お酒があれば当然おつまみも欲しくなります。
つまり、お酒以外のメニューの注文も増えることが期待できるのです。

ボトルキープのデメリットとは?

飲食店にとっても、お客さんにとってもメリットの大きいボトルキープ。
しかし、導入するには当たっては、デメリットがあることも頭に入れておく必要があります。

スペースと時間が取られる

まずは、物理的にボトル保管用のスペースを確保しておかなければなりません。
開店時の計画になければ、改装が必要になってくるかもしれません。
また、ボトルの数が多くなるにつれて、おのずと煩雑になってきます。
お客さんに言われてすぐに出せるよう、わかりやすく整理しておく必要があります。

ボトル管理が大変

ボトル管理に手間がかかるとはいえ、やり方次第で最小限に抑えることは可能です。
たとえば、お酒の種類や銘柄別にお客さんの名前をリスト化し、番号で管理。
その番号を書いたプレートをボトルに付けて陳列するという方法を取っているお店があります。
ボトルに直接名前を書くと、お客さんの個人情報が流出してしまうことにもなりかねないので、トラブルを防ぐためにも有効です。

預かり期間を過ぎたボトルはどうする?

預かり期間を過ぎたものは基本的に処分します。
しかし、ルールとはいえ、ボトルがあると思って来店をしたお客さんが、処分されてしまったことを知って不快な思いをする可能性もあります。
客単価が高いなど、手放したくないお客さんは、多少超過しても、品質に影響がない限りは一定期間様子を見た方が良い場合も。
そうしたボトルは別途リストを作り、邪魔にならない場所に保管しておきましょう。

預かり期間を過ぎたボトルはどうする?

持ち帰り厳禁!ボトル注文の注意点

さて、お客様がボトルで注文したお酒ですが、残ったときに、「家に持って帰りたい」と言われたらどうしますか?
ボトルキープを導入した際に失敗しやすい注意点を紹介します。

お酒は提供と販売で違う

「ボトル代は払っているから、持ち帰ってもいいんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、飲食店が「酒類販売業」という免許を取得していない場合、持ち帰りをさせるのは、酒税法が定めるところの違法行為になります。
通常、お客さんが店内で飲むお酒は、店が「提供」したとみなされ、この免許は必要ありません。
しかし、未開封の缶やびんのお酒を、お店以外の場で飲むことを予測できながら売ることは「販売」になり、免許が必要。
ボトルの持ち帰りもそれに当たります。

免許があればいいのか?

免許があればお客さんに販売コーナーなどでボトルを購入してもらい、店内で持ち込みの形で飲んでもらうことができます。
また、その際、お酒が残ったボトルを持ち帰ることも可能です。
ただし、こうした形態の飲食店にしたい場合は、仕入れるお酒を「提供」と「販売」の目的別に分け、それぞれ仕入れ先も管理も別々にしなければいけません。
販売コーナーと飲食スペースのすみ分けも求められます。
ほかにもさまざまな条件をクリアする必要があるため、飲食店の酒類販売業免許の取得は、非常にハードルが高いことを頭に入れておきましょう。

ボトルキープの戦略

ボトルキープの成り立ちを見て分かるように、このシステム自体は「販促策」です。
ここは、好意で実施せず、販促であることを意識して運用しましょう。
好意に偏りすぎると、期限切れのボトルをいつまでも置いておくことによる品質の劣化や、前述したような「お持ち帰り」を許すなど、お店の経営にリクスを招いてしまうことにもなります。

ボトルキープの特徴である「前金」は、飲食店経営にはかなりのメリットがあります。
ここは徹底的に、「前金」の利点を生かした運用・宣伝などを試みるのはいかがでしょうか。

【バル】の開業方法はこちら≫「バルを開業するには?開業資金や準備、繁盛するための対策とは?」

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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