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駅前の店より、もう一度来たくなる、人に教えたくなるサプライズのある店にしたい

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学芸大学駅から歩くこと10分ちょっと。五本木交差点のほど近く。歩いて入っていくのに少し躊躇するくらい民家が並ぶ細い路地。この先に飲食店があるようには思えない、そんな道の先にある庭付き一軒屋のレストラン。リノベーション可能な店舗を探したというオーナー。東京・学芸大学にあるレストラン「tokiya」飯村藤大郎さんにお話しを伺いました。

移転をされたそうですが、この物件を探した際の条件を教えてください。

特に細かくは決めていませんでした。唯一思っていたのは、古い建物がいいなというくらい。自分たちでリノベーションをしたいという気持ちがあったんです。エリアにもこだわりは特になく、遠くは鎌倉まで物件を見に行ったこともあります。ただ最初の店があった代官山は僕の育った場所でもあって、東横線には親近感がありました。すごく意識しているという訳ではないけれど、どうせなら全く知らないところよりはいいかなという想いはありました。

移転をされたそうですが、この物件を探した際の条件を教えてください。

学芸大学駅から徒歩10分ほどですが、「駅近」という条件を考えたことはなかったのでしょうか?

そうですね。あまりそういう考えはなかったです。駅の近くが嫌だというわけではないですが、自分のイメージする物件が駅の近くでは見つからないんです。僕は美大出身で、木を加工したりするのが好きなんです。だから店舗物件にも自分で手を加えたいと思っていました。ここは代官山の店を続けながら、8ヵ月かけてリノベーションしたんです。この物件は、築43年です。最初は庭に草木が茂っていて門から家が見えないくらい。紹介してくれた不動産屋さんからも「本当にボロボロですからね」って、最初に言われていたくらいでした。それを代官山の店が休みの日に、仲間たちと一緒に手を加えていきました。床を張り替えたり、カウンターを作ったり。でも、こんなやり方は駅の近くだとそうはいかない。それでなくても家賃が高いのに、物件を借りながら8ヵ月間もそんなことやっていられないでしょう(笑)。1ヵ月でリフォームして店をオープンさせないと大赤字です。だから、駅の近くに魅力がないというよりも、自分らしい店づくりとなったときに条件が合わないから「駅の近く」は選択肢になかったんです。

学芸大学駅から徒歩10分ほどですが、「駅近」という条件を考えたことはなかったのでしょうか?

駅から離れた場所にお店を出してよかったことを教えてください。

立地だけで言えば、むちゃくちゃ不利で有利な点は考えても中々ないですよね(笑)。駅降りてから歩くし、道を1本入った、わかりづらい場所にある。フラっと人が入ってくる店ではありません。でも、強いて言うなら、お客様が来た時にびっくりしてくれる。「こんなところに!?」って(笑)。学芸大学の駅に降りて、こちらに向かって歩いていても、こんな庭付きの店があるなんて想像できないから、お客様にとってはいいサプライズになっています。以前、株式会社イイコの横山貴子さんのインタビューで、駅前にある店よりも、敢えてわかりづらい場所にあって、わざわざ探した店のほうが「もう一度来たくなる」、「人に教えたくなる」という記事を読んだことがあるんです。以前の店もビルの4階にあって、しかも階段。エレベータがありませんでした。来店にはそれだけ負荷がかかるけれど、お客様は来てくれた。お店に辿り着いたときに達成感があるのだと思います。だったら今みたいな場所でもいいかなと。実際うちはリピート率がすごく高いです。

みなさん、どうやってtokiyaを知って来てくれているのでしょうか。

やっぱり多いのは、グルメサイトですね。あとはFacebookやInstagramです。店で唯一発信しているのはFacebookですが、やっぱりスピード感があってリアルタイムでお知らせができるのがいいですね。イベントの告知などもこちらで行っています。あとは実際に来店されたお客様がInstagramで発信してくれることもありますね。

これから飲食店の開業を志している方へ、アドバイスをお願いします。

損益分岐点をしっかり出して、資金繰りを考えること。最低限いくら稼がないといけないかがわかれば、席数に対しての客単価が決まってきます。そうすれば、自分のお店のスタイルも決まってくるんです。客単価を高くしたいとき、じゃあどうやったらお客様が来てくれるんだろうって方向性を持って考えることができます。

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tokiya

東急東横線学芸大学駅から徒歩10分の場所にある一軒家レストラン。築43年の古民家を店主が仲間とともに改装した、木の温もり溢れる空間で味わうのは、フレンチベースの創作料理。旬の食材を取り入れ、ほかにはない素材の掛け合わせで作られる美しいテリーヌは同店自慢の逸品だ。豊富な自然派ワインと合わせて楽しもう。

飯村藤大郎

1976年、東京都生まれ。美術大学を卒業後、代官山でレストランをオープンさせた母を手伝いはじめたことから料理の道へ。料理本などから独学で身に付けた料理は、独自のセンスが光り鮮やかで華やかで美しい。2008年、今の場所に「tokiya」を移転オープンさせた。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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