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40代で「仕事を辞めたい」と感じたら!後悔しないための選択と考えるべきこと

40代で「仕事を辞めたい」と感じたら!後悔しないための選択と考えるべきこと

40代に差し掛かり、「仕事を辞めたい」と感じる瞬間。その気持ちを抱えながらも、「年齢を考えると新たな一歩を踏み出す勇気がない」「もう手遅れかもしれない」という思いに囚われていませんか?確かに、歳を重ねるごとに、仕事を辞めることへのリスクも増していくのは事実です。そうした決断から生じるデメリットも、20代や30代の頃と比べると大きくなることがあります。

しかし、40代で仕事を辞めて新しい道を切り開くことのメリットと天秤にかけた時、果たしてデメリットの方が大きいのでしょうか?もしも65歳まで働くことを想定すれば、まだ16〜25年もの時間が残されています。社会人としての人生を満喫し、後悔のない人生を歩むために、本記事では「仕事を辞めたい」という思いが湧いた際に考慮すべきポイントや取るべき行動についてご紹介します。

40代で仕事を辞める人はどれぐらい?

厚生労働省の統計(令和4年雇用動向調査結果の概況)によると、40代における離職率は男性が40~44歳で5.7%、女性が9.6%(パートタイムを含む)と報告されています。また、45~49歳の男性の離職率は5.4%、女性は10.0%(同)となっています。

これらの数字は一見低いように感じられるかもしれませんが、およそ13人に1人が離職していると考えると、決して少ない数字ではありません。

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参考 令和4年雇用動向調査結果の概況

40代が仕事を辞めたいと感じる4つの理由

40代はライフステージの変化が多い年代であり、これまでに感じていなかった問題が浮上し、不満につながることもあります。では、具体的に40代が仕事を辞めたいと感じる理由は何でしょうか?厚生労働省のデータから見ていきましょう。

給与面での不満

40代男性が仕事を辞めたいと感じる理由の中で、最も多いのは「給料や収入が少ない」という給与面での不満です。特に既婚男性の場合、40代に差し掛かると住宅ローンや子供の教育費、さらには親の介護など、負担が増すケースが多いでしょう。

同時に、仕事の責任も増し、それに見合った昇進や昇給も期待されます。しかし、給与が思ったように上がらず、負担だけが増える状況であれば、十分な退職理由となり得ます。

人間関係における不満

40〜44歳の女性が離職理由の第1位となっているのは「職場の人間関係が好ましくなかった」というものです。また、45〜49歳の男女においても第2位に同様の理由が挙げられています。パワーハラスメントやセクハラが蔓延している環境では、会社に留まる理由はほとんどありません。このような時代において、逆行した職場で人材が留まらない状況が、社会全体にメリットをもたらすことは言うまでもありません。

また、同僚間のいじめや、ギスギスした雰囲気、自身に合わない環境によっても、メンタルへの影響が大きくなります。人間関係が悪化することで、能力を発揮できない状況や、上司からの理解が得られずに評価されない場面が生じることもあります。そのような場合は、逃げることが最善の選択となることもあります。

労働条件への不満

45〜49歳の女性が離職理由の第1位となっているのは「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」ことです。同様に、40〜44歳の女性においても第2位に同様の理由が挙げられています。40代に入ると、体力が落ちることもあり、若い頃と同じような長時間労働が難しくなるケースが多く見受けられます。また、子供の成長や親の高齢化といった家族の変化に伴い、家族に時間を割かなければならない状況も増えてきます。

一方で、これまで契約社員やパートなどの雇用形態で働いてきた人が、将来の安定を見据えて正社員に転職したいという動機もあります。

仕事の内容や会社の将来性に対する不満

上記に加えて、離職理由で上位に挙がっていたのが「仕事の内容に興味を持てなかった」「会社の将来が不安だった」というものです。60〜65歳で定年を迎えると考えると、40代はまさに折り返し地点です。会社員人生の後半戦を、本当にこのままの状況で過ごしていいのか?と改めて考えるのは当然のことでしょう。

10年、20年と勤めてきたものの、同じ仕事を続けても人生の充実感を得られそうにないと感じたり、入社当時からの景気変動により会社の安定性が揺らぎ始めている場合は、退職や転職を考えるのは自然なことです。

辞めるか会社に残るかを決めるための判断基準

仕事を辞めた後に後悔しないためには、退職後の自分を想像するとともに、自分なりの判断基準を持って検討することが重要です。近年、「転職は当たり前」という風潮が広まっていますが、40代でのキャリアチェンジは20代や30代と比べてリスクが高くなることも事実です。以下の基準を参考に、後悔しない選択を考えてみましょう。

理想とするキャリアを歩めるか

仕事を辞めた後のキャリアプランを描けていますか?将来的にどのような姿になりたいか、明確なイメージを持っている場合は、単純に年収アップや労働環境の改善だけを見て転職してしまうと、入社後のキャリア設計でミスマッチが起こり、後悔する可能性があります。年収や働く環境も大切ですが、今後どのような経験を積みたいのかを明確にしておくことで、次の職場のイメージも固まりやすくなるでしょう。

40代は生涯設計を考える時期です。将来の理想の姿をイメージし、5年後や10年後にどのような経験が必要なのかを検討しましょう。その上で、自身の希望に沿ったキャリアを歩むことが大切です。

経験や強み、スキルを活かすことができるか

これまでに培ってきた経験やスキルは、現在の職場以外でも活かすことができるでしょうか。仕事を辞める前に、自身の経験やスキル、強みを整理してみましょう。同業他社への転職の場合は、自身の知識や専門性をそのまま活かすことができますが、意外なスキルがまったく別の領域で活かせるケースも少なくありません。

自分がどのようなスキルを持っているのかわからない場合は、転職エージェントなどの専門家に相談してみるのも一つの方法です。自身の市場価値を確かめる良い機会になるでしょう。

企業や事業のニーズに貢献することができるか

40代でキャリアチェンジを考える場合、これまでの職歴や年齢から求められる成果も大きくなります。管理職ポジションに就く場合は、チームをまとめて事業の発展を推し進められるか、高い専門性が求められるポジションに就く場合は、自身の知識や経験がニーズに対して十分かどうかを見極める必要があります。

現在の仕事を辞めて転職する場合、転職先のニーズに応えられるかどうかは重要な判断基準となります。自身のスキルが通用するか、客観的に判断しましょう。

40代で仕事を辞めた人・辞めたいと思っている人の声

実際に40代で仕事を辞めた人たちはどんな感情を抱いているのでしょうか。仕事を辞めて良かったのか、それとも後悔しているのか。ネット上で多く見られる声を紹介します。

仕事を辞めて良かったこと

40代で仕事を辞める方の多くは、これまでの経験を活かして新しい道を歩むことができ、ポジティブな変化を感じています。長年勤めてきた会社を辞め、新たな仕事にチャレンジすることで、やりがいを持つことができたという方は少なくありません。特に、これまでの知識と経験を活かせる仕事に就いた人は、自身の能力を最大限に発揮できるため、より充実した日々を過ごせています。

中には、これまでの貯蓄を元手に、自身の夢に挑戦する方もいます。たとえば、貯金を使ってアロマの学校に通い、念願のアロマサロンを開業するなど、これまで叶えられなかった夢を実現するチャンスを得たと喜んでいる40代も少なくありません。

このように、40代で仕事を辞める人の多くは、新しいスタートを切ることで、自身の将来に明るい展望を持つことができています。これまでの経験を活かしつつ、自分らしい人生を選択できるのは大きな利点です。

仕事を辞めて後悔をしていること

40代で仕事を辞めて後悔してしまった方も少なくありません。最も大きな問題として挙げられるのは、やはり収入の減少です。仕事を辞めた後の生活設計が明確でない場合、将来の収入源が不安定になってしまうため、深刻な経済的影響を受けることになります。

特に40代という年齢になると、若者に比べて再就職の機会が減少してしまう傾向があります。これまでの経験や能力を活かせる職場が見つからず、やむを得ず条件の悪い仕事に就かざるを得ないということも少なくありません。仕事を辞める際は、次の就職先を見つけられるかどうかを慎重に検討する必要がありますが、そこまで十分な準備ができていなかったために、収入面での不安を感じている人も多いのが現状です。

さらに、仕事を辞める前に保有していた資格などの強みを活かせる新しい職場を見つけられないことも、40代の人々の後悔の種になっています。それまでの経験を最大限に活かせる仕事に就けないことで、充実感や達成感が得られず、結局は前の仕事に戻りたくなるケースも少なくありません。

仕事を辞める前に知りたかったこと

仕事を辞めた方が総じて抱える悩みはやはりお金の問題です。少しでも離職後の生活資金を賄うために、仕事を辞める前にやっておくべきことを紹介します。

有給休暇の消化:有給休暇の取得は法律で定められた正当な権利です。退職日から逆算して残りの有給休暇を確実に消化しましょう。

失業手当受給期間の延長申請:退職後すぐに働けない事情がある場合は、失業手当の受給期間の延長を申請できます。

退職後の生活費を貯金する:次の仕事が見つかるまでの間の生活費を確保しましょう。起業・開業を考えている場合は、より多くの資金が必要になることを考慮して準備しましょう。

補助金・助成金の申請:起業・開業をする場合は、各種の補助金や助成金を活用しましょう。給付金を受けることで、起業・開業資金の自己負担を減らすことができます。

40代で仕事を辞めるリスクや注意点

40代で仕事を辞めることにはいくつかのリスクや注意点があります。これらを把握し、慎重な判断が求められます。

経済的不安定:最も大きなリスクは収入源の喪失です。多くの40代は家族の生活を支えており、収入の急減は生活費やローン、教育費の支払いに影響を及ぼします。収入の変化は生活設計の見直しを迫り、精神的ストレスも引き起こす可能性があります。

再就職の難しさ:年齢が上がるにつれ、新しい職場を見つけることは難しくなります。経験や能力があっても、若手社員との競争に敗れ、不利な条件の仕事しか見つからないこともあります。特に異なる分野への転職は厳しい状況になる可能性が高いです。

ワークライフバランスの変化:仕事を辞めることで自由な時間が増えますが、社会とのつながりが希薄になり、孤独感や居場所の喪失を感じることがあります。生活設計を事前に立て、時間を有効活用することが重要です。

これらのリスクを十分に認識し、慎重に判断することが必要です。自身の状況を客観的に分析し、代替案を具体的に考えることが重要です。

40代で仕事を辞めた後の選択肢

40代で仕事を辞めた後、次の一手を模索する際には、以下のような選択肢が考えられます。

転職する

転職は、新しい職場での再出発を意味します。具体的な選択肢には次のようなものがあります。

同業他社への転職:これまでの経験やスキルを生かして、同じ業界の別企業に転職することが選択肢の一つです。

異業種への転職:新たなキャリアパスを模索し、異なる業界や職種に挑戦することも考えられます。その際には、スキルや経験をどのように転用できるかを検討することが重要です。

起業・開業する

自らビジネスを興すことで、独立して収入を得る道もあります。

起業:新しいビジネスを立ち上げ、独自の商品やサービスを提供することで収入を得る道です。自らのアイデアやスキルを活かして事業を展開することができます。

開業:既存のビジネスモデルを元に、独立して事業を始めることができます。例えば、コンサルタントやフリーランスとして活動することが考えられます。

フランチャイズ加盟:既存のフランチャイズシステムに参加し、そのブランドやノウハウを活用して事業を展開することができます。

これらの選択肢を検討し、自身の目標やスキル、リスク許容度に応じて最適な道を選択することが重要です。

例えば、音楽鑑賞やライブハウス巡りが趣味だった40代女性が、50代を目前にして知人と意気投合し、東京・西新橋にライブハウスカフェを開業。それまで勤めていた保険会社を辞め、右も左もわからない中、たまたま見つけた広告から開業コンサルタントに相談し、物件探しを開始。コロナ禍で苦労しつつも、見事開業までこぎつけました。

ほかにも、物流業から飲食業へジョブチェンジして開業を成功させた事例もあります。物流業でプロと呼ばれるキャリアを積みながらも、一念発起して飲食業へ。居酒屋で5~6年ほど下積みをして、経験と自信をつけてから40代で東京・蒲田に居酒屋をオープンさせました。

どちらの事例も、canaeruの開業コンサルタントへの相談や開業セミナーを受講して独立開業に至っています。初めて起業・開業する場合は、一人で行動するのではなく、専門家のサポートを受けることが成功への近道です。

詳細なエピソードに興味をお持ちの方は、以下の記事もご参照ください。

関連記事:念願だった開業に向けて一歩踏み出すも2000万円の損害!トラブルにもコロナ禍にも動じず開業の夢を叶えた開業者の話

関連記事:物流業から飲食業界へ。ボトルキープの数がモチベーションを高めてくれる!

関連記事:40代の開業・起業を成功させるためのポイントとは?リスクや失敗しないための注意点も解説

仕事を辞めたいときに気になる質問

「40代で仕事を辞めて本当に大丈夫かな」という不安は自然なものです。ここでは、そんな疑問や悩みに対する答えを紹介します。

40代後半でも転職・起業は遅くない?

かつては「転職や起業は若いうちの方が良い」と言われていましたが、現在ではその考え方は一般的ではありません。確かに、40代になると定年までの時間が短いため、企業が新たに人材を採用し、それを長期的に育成することに興味を持つことは少ないかもしれません。

しかし、40代の方でも求人は存在します。管理職経験や高度な専門知識を持つ人材は、即戦力として見られることがあります。また、40代であっても未経験の分野に挑戦したい場合は、独立や起業が現実的な選択肢となるでしょう。

40代前半と後半では年齢の壁があるのではないかと懸念する人もいます。しかし、総務省統計局の調査によれば、2022年度の35〜44歳の転職者数が56万人であり、45〜54歳の転職者数が54万人となっています。このことからも、40代前後での転職の傾向に大きな差はないようです。

40代後半でも希望と求人ニーズが合えば転職は可能であり、また準備と計画次第で起業も成功させることができるでしょう。

次の仕事が決まっていないのに辞めるのってどう?

経済的に余裕があるのなら、次の仕事が見つかる前に退職することも検討できます。しかし、家族がいる場合は家族の安心や社会保険の手続きなど、様々な心配事があるかもしれません。

前職で雇用保険に加入していれば、退職後に失業手当(基本手当)が支給されますが、支給期間や支給額は前職の給与よりも少ないことがあります。そのため、計画的な求職活動や起業の準備が重要です。

もし前職で心身ともに疲弊している状況であれば、しっかりと休息を取ることが大切です。リフレッシュした後、ゆっくりとキャリアプランを検討してみてください。

内定をもらったら、円満に辞めるにはどうする?

退職の申し出は、転職先から内定をもらった後、退職希望日の約1ヶ月~2ヶ月前を目安に行いましょう。法律上は退職日の2週間前までとされていますが、円満な退職を実現するためには余裕を持って伝えることが重要です。大切なのは、「前向きな退職理由を伝える」と「後任への引継ぎをしっかり行う」ことです。

実際、会社への不満や不安が転職の動機になることが一般的です。しかし、退職を伝える際には会社への不満を伝えることでトラブルを招く可能性もあります。例えば、「今の会社では昇給できない」と感じている場合、それを「自分の可能性を広げるために新しい環境で挑戦したい」とポジティブに表現することが重要です。

さらに、退職を伝えた後も円満に働くためには、引継ぎ業務に尽力することが必要です。退職日までの期間を考慮して、計画的かつ積極的に引継ぎを進めましょう。

まとめ

仕事を辞めたいと感じたら、それはキャリアプランを見直す絶好の機会です。自分がどのようなスキルや経験を持っていて、どのようなキャリアを歩んでいきたいのか、前向きに考えてみましょう。40代でもキャリアアップを目指した転職や、起業・開業は可能です。

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この記事の監修

USEN開業プランナー_加納健雄

USEN開業プランナー

加納健雄

株式会社USEN 開業サポートチームに所属。銀行で融資審査を担当していたキャリアを生かした事業計画書の作成サポートが強み。そのほかにも開業や経営の資金計画の立て方に関するアドバイスを行っている。

【主なサポート内容】
・開業資金にまつわる相談受付
・事業計画書の作成サポート
・資金調達時の面談アドバイス

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