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【小阪裕司コラム】第22回:調味料選手権

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全国・海外から約1500社が参加する「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰する小阪裕司が商売成功のヒントを毎週お届けします。

イベントはお客さんもスタッフも楽しめる

 今回は、ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員の、飲食店主からいただいたご報告。ささやかなイベントながら、店内でもLINEでも大いに盛り上がり、店のスタッフらも“仕事の楽しさ”を満喫できたというお話。
 その報告は、「見切り発車で始めたLINEでしたが、現在登録者数1000人を越えました。今年はその方たちと交流したいと思い、LINEを始めた当初からやりたかった小さなイベントを実行しました」から始まる。行ったことは「調味料選手権」なるものだ。
 説明しよう。同店では、ランチに出している皿うどんを楽しんでもらうため、卓上に数種類の調味料が置かれている。そのため新規客にはよく「どの調味料がおすすめですか?」と聞かれる。常連客にもそれぞれこだわりがあり、初めての方を連れてきたときは自分のルーティンを説明しているとのこと。そこで店主。「実際、どの調味料が一番人気なんだろうか?と思い、過去の事例で実践会の会員さんが調味料選手権(投票)をやっていたことを思い出し」、自店でも行ってみたのだった。
 まずはLINEで登録者に投げかけると、「送った直後、スマホが故障したのではないかと焦るくらい LINEの通知音が鳴りやまず、びっくりしました」。そして続々と、「ズバリ!シンプルなお酢ですね」「断然、酢醤油!そして味変で柚子コショウです」「最初は一口いつもの味を噛みしめる。二口以降コショウで微調整」などと送られて来た。
 当イベントの目的はお客さんとの交流ゆえ、店主はこの投票を受け、店内にある投票ボードに代わりにシールを貼り、その写真をそれぞれの方にメッセージで送り、双方向に盛り上がった。
 一方店内では、席や料理を待っている間にシールを貼ってもらうことにすると、貼る方はもちろん、投票ボードを見て新たに違う調味料にチャレンジする方、新しく連れてきた人にボードを見ながらレクチャーする方など、こちらも大いに盛り上がった。そして、シールがどんどん貼られ増えていく様は、スタッフにとっても楽しいようで、お客さんに積極的に参加を進めるなど共に盛り上がり、最終的には用意していたボードでは足らず、2枚目を作るほどの盛況ぶりとなった。

人は「美味しく」て「楽しい」お店を選択する

 飲食店ならば、「美味しい」ことは前提だ。そしてその上「楽しい」のなら、人は必ずそういう店を選ぶ。スタッフも、だ。それを、LINEなど新しい道具も活用し進めていく。それが古くて新しい、商売の本質に立った、営みなのである。

〇執筆者
小阪裕司(こさかゆうじ)
博士(情報学)/ワクワク系マーケティング開発者
1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。人の「心と行動の科学」をもとにしたビジネス理論と実践手法(ワクワク系)を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。現在全都道府県・海外から約1500社が参加。近年は研究にも注力し、2011年、博士(情報学)の学位を取得。学術研究と現場実践を合わせ持った独自の活動は多方面から高い評価を得ている。2017年からは、ワクワク系の全国展開事業が経済産業省の認定を受け、地方銀行、信用金庫との連携が進んでいる。

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