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内装工事費はほぼ0円?立ち飲み居酒屋「ドラム缶」の激安開業の秘密とは?
一般的には500万円くらいかかる内装工事費をほぼゼロでできてしまうんです(笑)
- 竹下大介/立ち飲み居酒屋 ドラム缶
お酒は150円から、おつまみは50円からと言う、徹底的に安さにこだわった立ち飲み居酒屋「ドラム缶」。店内にはテーブル代わりのドラム缶が並び、連日、多くのお客様で賑わっています。そして、このお店はメニューの安さだけでなく、開業費用にもお金をかけていません。内装費用にかかったお金はほぼゼロ円なのだとか。なぜ、そのようなことができるのか。そのカラクリをこの立ち飲み居酒屋を運営する株式会社ドラムカンパニーの代表取締役、竹下大介さんにお聞きしました。
20店舗までに増えたバーを譲り、立ち飲み居酒屋を開業。うまくいっているのにスピンアウトしたワケは??
――「ドラム缶」を開業されるまでの経歴を教えてください
職歴の最初は、実はミュージシャンだったんです。音楽を辞めてからは世界をブラブラして、輸入販売で食べていた時代もありましたが、28歳の時に始めたバーが当たって、結果として20店舗にまで増えたんです。結局、そのバーはスタッフに譲ることにして、そこからまた舵を切って今の立ち飲み屋経営にシフトしました。―― なぜ、うまく行っていたバーを手放すことに?
バーは、20店舗すべて直営だったのですごく大変だったんです。40人ほどの従業員を抱えていましたが、長く働いてもらうのってこんなに大変なんだ! と痛感しました。基本的に飲食をやっている人は独立が目標なので、2~3年かけて育てても、これからというときに辞めてしまうことが多くて。バーはヘアサロンと同じで店員に客が付くんです。その人が辞めるということは、客をごっそり持っていかれるということ。それなら最初から従業員の独立ありきで、店舗経営の法人を作りのれん加盟店、いわゆるフランチャイズ化する形で、何か新しいこと始めようって考えたんです。「せんべろ」の立ち飲み居酒屋スタイルにたどり着いた緻密な戦略
――店舗の形態として、立ち飲み屋を選んだ理由は?
家の近所に立ち飲み屋があって、繁盛していたんです。ちょうどその頃、世間的にも立ち飲み屋が流行りつつあって、これから火がつきそうだなと思ったことがきっかけですね。いろいろ偵察に行く中で、どうしたら集客できるか、どうしたら店員が誰であっても同じオペレーションができるか研究したんです。その答えが「価格勝負が一番」ということ。そこからまた価格を下げるにはどうすべきか?日本一安いと思う価格は?コンビニの総菜より安くする?とイメージを具体化していきました。――店名にもシンボルにもなっているドラム缶の発想はどこから?
立ち飲みでよくあるのはビールケースをひっくり返して使うテーブル。でもケースはレンタルなので、他に何かないかとホームセンターに行った時にドラム缶を一目見て「これだ!」と決めました。後になってよかったなと気付いたことですが、四角いテーブルだと客数も4人になってしまうけど、ドラム缶は席数が固定されないし、囲む形で人数問わず盛り上がれるんですよね。約500万円かかると言われる居酒屋の内装工事費がほぼ0円?そのカラクリとは?
――立ち飲み、せんべろという業態で、本店が銀座なのはインパクトありますよね?
最初は、店舗物件として空き物件を持っていたので茅場町に出店したんです。この業態は、出店が比較的簡単、テーブルをとっぱらってドラム缶を入れるだけ。広さにもよりますが一般的には500万円くらいかかる内装工事費をほぼゼロでやりました。厨房はそのまま、壁紙もそのまま。壁には画用紙を買ってきて貼るだけ。準備が出来たら赤字覚悟でまずはテスト営業を開始しランチで、300円のカレーをはじめたんです。普通に出したら普通なので、ご飯とカレーはオールセルフで盛り放題にしたら、みんな限界まで山盛りにして楽しんでくれましたね。これで話題を呼びました。ランチに来るとこの壁一面のメニューが目に入るので「夜もむちゃくちゃ安いじゃん!」と集客にもつながった。そして、銀座に本店を出したんです。やはりインパクトの大きさがちがうから。1000円もあれば十分に楽しめる店はそうないでしょう。銀座に出すことでメディアの目にとまり、取材も増えます。うちにとってブレイクポイントになりました。――のれん加盟店は加盟金0円で、月額固定費だけ!これは型破りですよね。それでも経営が順調なのは?
本部の組織体を極限まで小さくしてコストがかからないようにしようと思い、多くの作業を外注でやろうしているんです。だから、加盟金は無くても、ランニングで実費があれば
大丈夫、というシンプルな理由です。本部は現在、僕と弟の2人だけ。将来的には多くても本部は3人までで、まず直近の目標は100店舗ですが、最大200店舗はやれると考えています。確立したノウハウがあるので、二週間研修すれば開店できるというオペレーションシステムをつくり上げました。
仕入れももっと安いところを知っているという人はそれでもいいことになっていますが、うちの仕入れが一番安い!手間も食材もロスが0(ゼロ)というオペレーションも強みです。――竹下さんのお話しを聞いていると、ここののれん分けで開業すれば絶対大丈夫、という感じがします。開業を失敗しないために必要なモノって何だと思いますか?
うちに加盟すればほとんど大丈夫!と言い切る自信はあります(笑)。でもやっぱり最終的には「人」の力なんだと思います。どんなにいい武器を持っても失敗する人は失敗する。開業を目指す多くの人と面接をしてきて感じることは、失敗する人は「どんなことについても甘い人」だと思います。加盟さえすれば、例えば、いきなり月100万円程度の月収が得られるとか、絶対儲かるとか、他力本願の人もたくさんいます。僕が見るのは本人が「やる!」という強い気持ち。「やる気」ですね。「立ち飲み居酒屋 ドラム缶」の『不利な立地でもつぶれない店 -歩いて出会う名店-』のインタビューを見る!
竹下大介
1978年生まれ。千葉県出身。株式会社ドラムカンパニー 代表取締役。東京ディズニーランドでバイトを始め、並行して音楽活動も開始。弟と組んだバンドでメジャーデビューを果たすものの、バンドは解散に。その後、海外を回りながら輸入ビジネスをスタート。また28歳で開業したバーは20店舗にまで拡大するが、2016年に立ち飲み屋スタイルの「ドラム缶」に転向。破竹の勢いでフランチャイズ展開中。
立ち飲み居酒屋 ドラム缶http://drum-company.net/
2016年6月に茅場町1号店をオープンし、銀座や神田など現在までに8店舗を展開する新鋭の立ち飲み店。テーブルはドラム缶。壁紙はメニューの画用紙。お酒は150円から、おつまみは50円からと「せんべろ」天国を銀座に出現させ、瞬く間に話題となる。激安の実現だけでなく、独自の絶対失敗しないオペレーションシステムとフランチャイズ展開にも注目が集まる。
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