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長引くコロナ禍で外食産業・テイクアウト市場が拡大を続ける中、ファミリー層から注目を集めているのが子ども向けの食事、いわゆる「キッズメニュー」です。小さな子どもがいる家庭では、外食やテイクアウトの店を選定するポイントとしてキッズメニューの有無はとても重要なのです。
今ではファミリーレストランだけでなく、さまざまな外食チェーンがキッズメニューを展開中。代表的なメニューやメニューづくりのポイントをおさえて、あなたのお店でもキッズメニューを取り入れてみませんか?
目次
キッズメニューの需要が拡大中!
在宅勤務や登園・登校自粛が続いた昨今、忙しく、ストレスが溜まりがちなファミリー層にとって、日々の一助となっているのが外食やテイクアウト。なるべく食事は手づくりしたくとも、仕事や子どもの面倒を見ながらの食事づくりは大変。そこで、手軽に食事を用意できる外食やテイクアウト、デリバリーを重宝する家庭は増えています。
外食を利用するにあたって、特に幼児~小学校低学年の子どもがいる家庭で重要視されるのがキッズメニューの有無。キッズメニューがあることで、子どもと一緒に食事をとりやすく、テイクアウトやデリバリーを利用する場合も一店舗で家族全員の食事を調達することができます。
コロナ禍でも堅調な外食市場において、ファミリー層に選ばれる大きなポイントとなるのがキッズメニューなのです。
外食チェーンがキッズメニューを牽引
キッズメニューといえば、ファミリーレストランやハンバーガーチェーンのイメージが強いですが、今ではファミリー層の取り込みを狙うさまざまな外食チェーンがキッズメニューを展開中。各社とも、価格の安さや子どもに喜ばれる趣向を凝らし、話題となっています。
ファミリーレストラン
キッズメニューがある店舗といえば、まずはファミレス。カレーやうどん、ハンバーグが乗ったお子様プレートなどの定番メニューがラインナップ。
中には税込み300円以下という驚きの価格のメニューも。さらに、低アレルゲンメニューや離乳食などを提供している店舗もあり、小さな子供を持つ家庭への配慮が行き届いています。
提供時間や大人の食事時間を待つ対策として、おもちゃのプレゼントや、ぬり絵などの遊びを用意する店舗も。外食チェーンのすかいらーくグループでは、店舗の利用でたまるポイントでキャラクター商品をプレゼントするなど、グループを横断した取り組みも支持を集めています。
ハンバーガーショップ
マクドナルドのハッピーセットをはじめ、大手ハンバーガーチェーンではミールとおもちゃがついたキッズメニューが定番化。
最近では、グルメバーガー寄りの中・高価格帯チェーンでも小さいサイズのハンバーガーや、パンケーキセットなどを用意し、よりファミリー層が利用しやすくなっています。
回転寿司チェーン
コロナ禍でも堅調な業績で話題となった回転寿司チェーンでは、キッズメニューはもちろん、生魚が食べられない子どもでも食べられる玉子やツナ、コーンなどの寿司ネタも好評。うどんやポテトフライ、デザートなどのサイドメニューがリーズナブルに食べられるのも人気の秘訣です。
また、各社とも話題のアニメやキャラクターとコラボし、グッズをプレゼントするなど子どもが喜ぶイベントも盛りだくさんです。
弁当・牛丼・カレー・うどんチェーンなど
そのほかの代表的なチェーン店でもキッズメニューは提供されています。弁当チェーンでは、キッズメニューの数が少なく、単価もやや高いものの、おかずの種類が豊富であったり、容器にキャラクターが描かれていたりと子どもが喜ぶポイントが押さえられています。
また、牛丼やカレー、うどんチェーンでは子どもサイズのものや、やさしい味付けに変えたメニューを提供。これまでキッズメニューの提供は店舗を限定していたチェーン店も、徐々に対応店舗を増やしています。
キッズメニューを提供するメリット
子どもと一緒に外食を楽しむことができる
小さな子どもがいる家庭では、外での食事は外出時の大きな懸念事項。キッズメニューのある店舗が外出先にない場合は、外食がままならず、食事を持って外出することも。キッズメニューがあれば食事の持参は不要になり、気軽に外食を利用することができます。
また、大人の食事をとりわける方法もありますが、子どもの好みに合わせて大人のメニューを選ぶと選択肢が狭まりがち。各々好きな食事を楽しむためにも、キッズメニューの需要は高いのです。
子ども連れに寛容な店という印象を与える
子どもがいる家庭にとって、子連れに寛容であるか、子どもが食べられるメニューはあるのかという点はお店を選ぶ基準となっており、事前にリサーチする家庭もあるほどです。キッズメニューがあれば一目で子どもも歓迎してくれることがわかります。
来店・購買機会が増える
ファミリー層が外食したい、テイクアウトしたいと考えたとき、自ずとキッズメニューがある店舗が候補に挙がります。また、好きなメニューが食べられる、おもちゃがもらえる、楽しいイベントがある外食は、子どもにとってちょっとしたテーマパークのようなワクワク感も。
外食での楽しい体験は、毎日の食卓の救世主としても、日々の小さなご褒美としても、利用する機会を増やすきっかけになります。
キッズメニューづくりのポイント
キッズメニューを提供したいと考えた場合、どのようなポイントを押さえてメニューづくりをしていけばよいのでしょうか。
アレルギー品目の除去・明記
子どもに提供する食事で最も重要なのは、アレルギー品目が入っているかどうか。食物アレルギーを持つ子どもにとって、アレルギー品目の有無は命に関わる場合があります。
また、食物アレルギーがなくとも、3歳くらいまでの子どもはアレルギー品目を徐々に試している段階であることが多く、知らずに摂取してしまった場合、突然症状が現れてしまうことも。
大手ファミレスチェーンでは、低アレルゲンメニューと称して、卵、乳、小麦、落花生、エビ、カニ、そばの7大アレルゲン(特定原材料)を除去したメニューを提供している店舗が多くあります。
低アレルゲンメニューの提供が難しくても、7大アレルゲンが入っているか、どのような材料を使っているかをメニューに明記しておくと安心です。彩りがよく、優しい味付け
子どもが「おいしそう!」と感じる見栄えにするには彩りが大事。コーンやにんじん、ブロッコリー、フルーツなどを添えると食事がカラフルになり、子どもの食欲や興味をそそるきっかけに。野菜や果物が入っていると、外食への罪悪感が薄れ、保護者にも喜ばれます。
また、大人と同じ味付けだと子どもは塩辛く感じることもあり、塩分をおさえた優しい味付けが好ましいでしょう。
おまけやデザートを付ける
提供時間や、大人の食事が終わるのを待つ時間は子どもにとっては長いもの。そんなとき、ちょっとしたおもちゃなどのプレゼントがあると、小さな子どもは夢中になって遊んでくれます。おもちゃのプレゼントの用意が難しい場合は、おもちゃや絵本の貸し出しがあると嬉しい配慮になるでしょう。
また、小さなデザートやジュースをセットにすると、子どもが喜ぶだけでなく食事に集中してくれる側面もあります。
リーズナブルな価格
大手チェーン店では、キッズメニューの多くはワンコイン以下で提供されています。可能であれば、同じような価格帯で提供することが望ましいでしょう。ブッフェや食べ放題を提供している店では、小さな子供の料金を半額・無償にすると、大変喜ばれます。
キッズメニューを提供するのが難しい場合
食材の確保やオペレーションの問題などで、通常メニューとは違うキッズメニューを用意するのが難しいこともあるでしょう。
その場合は、子どもに好まれるメニューを半量サイズにして提供したり、少しだけ調味料を加減して薄味にしたりと、少しの工夫で通常メニューを子ども用に変えることができます。それも困難である場合は、子ども用の取り皿やカトラリーを用意するだけでもファミリー層には嬉しい心遣いです。
客層や単価、コンセプト、内装や設備の問題などで、子ども客を受け入れるのが難しい店舗もあります。そのような店舗では、ホームページや店頭にその旨を記載、来店時に説明するなど、事前にお断りする機会を設けましょう。
もし、無理をして子ども客を受け入れた場合、店舗側に用意がなかったり、他の来店客とのトラブルに発展してしまうことも。全ての客層に気持ちよく利用してもらうためにも、子ども客への対応をどうするかは事前に決めておきましょう。ファミリー層を取り込んで、店舗を活気づけよう
コロナ禍でも業績が落ちなかったファーストフード、回転寿司、うどんチェーンなどの共通項として、ファミリー層も気軽に利用できるという利点があります。
また、最近では居酒屋チェーンが子連れ客を歓迎した「昼飲み」の推進や禁煙店舗を増加、カラオケチェーンでもキッズメニューを強化したり、遊具を設置したキッズルームを用意したりと、ファミリー層に向けたさまざまな施策が打ち出されています。
ファミリー層を取り込むことは、大人が利用する夜の時間帯だけでなく、昼の時間帯の売上にも繋がります。まずはキッズメニューの提供から取り組んで、ファミリー層へ向けた来店施策を試してみてはいかがでしょうか。ライター:鈴木あけみ
大手家具専門店の広告制作、音楽誌の編集を経て、制作会社にて企業のポータルサイトやオウンドメディア、子供向けIPコンテンツの制作・運用などを行うWEBディレクター兼ライター。プライベートでは1児の母。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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