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「MEO」や「MEO対策」と聞いて、ピンと来ない飲食店経営者も、まだまだ多いかもしれません。しかし、飲食店を選ぶ際に大半の人々がSNSやインターネット上の情報を参考にしている現在、ネット上における店舗のアピール力が高まる「MEO対策」は、やるのとやらないのとで集客に大きな差を生み出します。
難しそうに見えても、仕組みさえわかってしまえば恐れることはない「MEO対策」。デジタル時代の店舗経営には必須のMEOとその対策について、今回は詳しく紹介します。目次
- MEO対策とは
- 飲食店がMEO対策を行うメリット
- 来店意思の高いお客様を集客できる
- 店の情報を一目で伝えられる
- 口コミからの集客が期待できる
- 無料でできる
- インバウンド対策にもなる
- 飲食店がMEO対策を行うデメリット
- シビアな口コミが書かれることもある
- 効果が出るまでに時間がかかる
- 順位が変動する可能性がある
- MEO対策のはじめかた
- Googleビジネスプロフィールに登録する
- オーナー権限の付与をGoogleに依頼する
- MEO対策で上位表示させるコツ
- 必要な情報を投稿する
- 投稿機能を活用する
- 口コミに返信する
- 常に最新の情報にしておく
- 【番外編】Instagramの新機能「地図検索」も活用しよう
- MEO対策は「マメさ」が命
MEO対策とは
MEOとは「Map Engine Optimization」の頭文字を取ったもので、日本語に訳すと「マップエンジン最適化」となります。つまり「MEO対策」とは、地図上での検索結果を最適化する試みであり、噛み砕いて言うと、Google マップ上で表示順位を上げていく、つまり店舗を見つけてもらいやすくするための施策と考えてもらってよいでしょう。
「WEB集客ラボ by GMO」が調査した「Google マップ及びGoogleマイビジネス利用状況の実態調査」によると、Google マップを利用したことのあるユーザーは83.1%にのぼり、そのうち42.1%のユーザーが「Google マップ上の情報をお店選びの参考にしたことがある」と回答しています。
空き時間にカフェでお茶をしたいとき、誰かと待ち合わせてランチをするとき、はたまた猛烈に「〇〇が食べたい!」と思ったとき、まず多くの現代人がすることといえば、スマホを手に取りGoogle マップを開くことです。
そこで「コーヒー」や「ランチ」といったキーワードを地名と一緒に検索して、手頃な店がないか探すーーそれが現代人のごく一般的なライフスタイルになっていることは、現在ほぼ半数の消費者がGoogle マップ経由で店舗を探しているという調査結果からも明らかです。
スマートフォンの普及率が9割に迫る現在、Google マップで検索されたときに自店舗がヒットしないというのは、大きな機会損失にほかなりません。逆に、検索されたときに魅力的な写真やポジティブな口コミとともに店舗の情報が表示されれば、高い確率でそのまま顧客を招き入れてくれるのです。
つまり実店舗を経営する業態にとって、MEO対策は経営努力における必須項目であり、飲食業はその恩恵を最も享受できる業種でもあるのです。
参考
Google マップ及びGoogleマイビジネス利用状況の実態調査
飲食店がMEO対策を行うメリット
来店意思の高いお客様を集客できる
Google マップで店舗を探すユーザーの大半は「場所+〇〇」というキーワードで検索をしており、「その場所で〇〇が食べたい」という明確な来店意思を持っています。そんなユーザーの目に留まれば、直近で来店してもらえる確率が高くなるのは言うまでもありません。
店の情報を一目で伝えられる
Google マップには店名や地図のみならず、住所・電話番号・営業時間・Webサイト・メニューなどの詳細情報も掲載できます。アクセスしたユーザーが求める情報を一度に届けられるため、例えば電話をして予約を入れる、同行する相手と情報を共有する等のアクションをすぐに取ってもらうことができるのです。
口コミからの集客が期待できる
Google マップでは口コミ投稿も表示されます。それを参考に店舗を決めるユーザーも多いため、ポジティブな口コミが多ければ多いほど、集客が期待できるのは当然でしょう。
また、近年さまざまなグルメサイトが展開されていますが、広告表示の多さやアルゴリズムが不明瞭、ステマや点数・ランキング操作の疑いがあるといった要因により、徐々に信頼性が失われつつある面も。その点、ユーザーのリアルな声が反映されやすいGoogle マップの口コミは、よりリアルな声を反映していると高評価を得ており、その信用度の高さも大きな魅力です。無料でできる
Google マップに店舗を掲載・編集するためには、Googleビジネスプロフィールへの登録が必要になります。この登録はなんと無料。情報と写真さえ自分で用意すれば、初期費用ゼロで集客施策を始められるのも、掲載料を要求されるグルメサイトとは異なる大きなアドバンテージです。
インバウンド対策にもなる
アメリカで創設されたGoogleは、全世界で利用されているプラットフォームであり、外国人旅行者が来日した際も、多くの方々がGoogle マップを見ながら移動しています。さらに、投稿されたテキスト情報は翻訳も容易なため、これらを元に食事をする店舗を決めていることも多々。実際、口コミには外国人からのコメントも多く寄せられています。
Google マップ上で有益な情報を提供し、旅行者の目に留まりやすくすること。それは、同時にインバウンド対策にもなり得るのです。
飲食店がMEO対策を行うデメリット
シビアな口コミが書かれることもある
ポジティブな口コミは集客に役立ちますが、当然その逆もしかりです。ユーザーの口コミは忖度なしで書かれるため、ネガティブな口コミが投稿される可能性もありますし、それが集客にマイナスになったとしても、店舗が削除することもできません。
否定的な口コミを避けるため、Googleビジネスプロフィールを登録し、口コミが投稿できる状態になって以降は、いっそう顧客を満足させるサービスを心がけましょう。
効果が出るまでに時間がかかる
MEO対策の効果を上げるには、ユーザーの興味をそそる写真を投稿し、好意的な口コミを揃えることが必須。そうすることでGoogle内での評価が上がり、検索されたときに上位表示されやすくなるのですが、当然そこに到るまでにはそれなりの時間がかかります。
顧客に対し、誠実で品質の高いサービスを心がけ、効果が出るまであきらめずに継続していくこと。口コミがあれば返信し、こまめに写真や情報を更新していく等の対策を、最低でも数か月は続けていくことが大切です(具体的な対策については「MEO対策で上位表示させるコツ」をご参照ください)。
順位が変動する可能性がある
Googleのアルゴリズム(=どの店舗をより上位に表示させるかを決定する仕組み、その評価基準)は非公開のうえ、日々変動しています。そのため、今日は上位に表示されていた店舗が理由もなく下位になったり、それまで効果的だった施策が突然通用しなくなるかもしれません。
いったん上位表示になったからといって安心せずに、施策と順位の関連性を日々分析していくことも、MEOの効果をキープするためには重要になってくるのです。
MEO対策のはじめかた
Googleビジネスプロフィールに登録する
MEO対策の第一歩は、Googleビジネスプロフィールに登録することです。
まずGoogleのアカウントを取得し、以下のリンクに進めば登録を開始できます。
https://www.google.com/intl/ja_jp/business/
こちらに店舗の情報を入力することで、その情報をGoogle マップ上に登録&表示させることができます。
開店してから時間が経っていると、すでにGoogleによって店舗が登録されており、Google マップにも表示されているかもしれません。その場合、次の「オーナー権限の付与をGoogleに依頼する」に進んでください。オーナー権限の付与をGoogleに依頼する
Googleビジネスプロフィールを登録したら、その店舗のオーナーが本当にあなたであり、情報の編集や口コミ管理の権限を持つことをGoogleに申請しなければなりません。
まずはGoogle マップで自店舗を検索し、店名をクリックして表示される「ビジネスオーナーですか?」のリンクから、オーナー登録を進めます。
まだオーナーが登録されていなければ、電話もしくはハガキでオーナー権限の所得申請が可能です。
万が一、無関係の第三者がオーナー登録をしていた場合は、オーナー権限付与リクエストをしてください。通常3日でオーナー権限を新たに取得できます。
MEO対策で上位表示させるコツ
必要な情報を投稿する
まずは、店舗の基本情報をGoogleビジネスプロフィールに登録しましょう。店舗名や住所、電話番号はもちろん、営業時間・料理のジャンル・メニュー・WebサイトのURL・支払方法・店舗の説明文等、ユーザーが知りたいであろう情報は不足なく入力してください。
また、WebサイトやFacebook、InstagramなどのSNSアカウントを持っている場合は、すべてのNAP情報(Name/名前、Address/住所、Phone/電話番号)を、Googleビジネスプロフィールに登録したものと表記を統一させましょう。漢数字と算用数字、半角と全角といった些細な違いでも、表記がバラバラだとGoogleのアルゴリズムが同一の店舗だと判断できず、順位表示が下がってしまう恐れがあります。投稿機能を活用する
Googleビジネスプロフィールには投稿機能があり、そちらに写真や最新情報を投稿することができます。食欲をそそる料理や清潔な内装等の写真で来店意欲を喚起したり、開催中のイベントやキャンペーン情報を周知できるのはもちろん、特典機能ではお得なクーポンの発行も可能。Google マップという、誰もが目にする場所でのプロモーションは、より高い効果が望めます。
口コミに返信する
評価の高い口コミを積み上げることは、MEO対策における大事な要素の一つです。よって、良い口コミに対してはお礼を返して顧客との信頼関係を構築し、悪い口コミに対しても謝罪と改善策の提示などをして、誠実な対応をとる店だという好印象を与えるようにしましょう。
もちろん書き込まれた口コミを放置せず、小まめに返信していくことも大切です。
常に最新の情報にしておく
営業時間やメニュー等、何か変更があるたびに逐一情報を上書きして、常に最新の状態にしておくことも、Google内での評価を上げるためには有効です。
特にコロナ禍の今は営業時間が変わったり、新たにデリバリーに対応したりと、さまざまな変更が起きやすい状況です。例えば「通常の営業時間はこうだが、今はこう」など、正確で詳細な情報を発信することにより、ユーザーにも安心感を与え、好意的に来店・利用してもらうことができます。【番外編】Instagramの新機能「地図検索」も活用しよう
2022年5月に、Instagramでも「地図検索」が新機能としてリリースされました。アプリ内で店舗を検索することが可能で、表示されたスポット名をタップすると、その場所に紐づけて投稿された写真や動画、店舗情報などが表示されます。
現在、地図検索機能に対応しているカテゴリーはカフェ、レストラン、観光名所、ホテル、美容院、ラーメン、パン屋、スイーツ、バーの9つ。特に「インスタ映え」が有効なアピール材料となる飲食店にとって、Instagramでの検索に写真がヒットすることは、大きな集客効果につながります。
すでに店舗でInstagramを運用している場合は、投稿のたびに必ず「場所を追加」をタップして自店舗の位置情報を紐づけてください。それによって地図上に写真を表示させることができます。
また、ビジネスアカウントであれば店舗の住所や電話番号、営業時間、WebサイトのURL等の情報を掲載できるうえ、問い合わせボタンや注文ボタンも実装可能。登録自体は無料の上に、フォロワーの属性確認や分析もできるので、個人アカウントで運営しているのであれば、ビジネスアカウントへの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。
MEO対策は「マメさ」が命
Google マップにせよInstagramにせよ、地図検索を利用して店舗をアピールしていくMEO対策で必要になってくるのは、一にも二にも「マメ」であることです。
いずれも登録し、始めること自体に費用はかかりませんが、こまめに情報を更新し、写真を投稿し、口コミへの返信を行い、表示順位をキープするために施策の効果を分析し……と、いずれもマメでないとできないことばかりです。
細々としたことを続けるのが苦手だったり、そのための時間を確保することができないようであれば、専門業者に委託してしまうのも一つの手です。ただ、その場合でもMEO対策の仕組みやルールを知っておくことは、悪質な業者を避け、より優良な業者を見極める上でも重要になるでしょう。
ライター:清水素子
早稲田大学商学部卒業後、女性向けコミック/小説誌、音楽誌の編集を経てフリーランスのライター&編集に。エンタメ系からビジネス系まで幅広く執筆中。
この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント
○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。
○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。- NEW最新記事
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