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【飲食店による通販ビジネスの始め方を解説】お取り寄せグルメ需要が拡大中!

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長引くコロナ禍も相まって、お取り寄せグルメの需要拡大が続いています。飲食業界においても、店の味を自宅でも楽しんでもらおうと、通販ビジネスを始める動きが活発化。ウィズコロナ、アフターコロナに対応する新たな施策として注目されています。

お取り寄せグルメの需要が拡大中

元々安定的な需要のある食品通販市場ですが、その市場規模は年々右肩上がりとなっています。
矢野経済研究所が発表した調査結果(出所:(株)矢野経済研究所「食品通販市場に関する調査(2021年)」2021年9月22日発表)によると、2020年度の国内食品通販市場規模は、小売金額ベースで前年度比13.1%増の4兆3,057億円。コロナ禍における外出自粛と巣ごもり需要の拡大によって、初めて4兆円を突破しており、食品通販市場は追い風であることがわかります。
2020年4月以降、食品通販事業に新規参入する企業は急増しており、飲食店においてもお取り寄せ・通販ビジネスを始める動きが見られます。

出典
(株)矢野経済研究所「食品通販市場に関する調査(2021年)」2021年9月22日発表

どんなお取り寄せグルメが人気?

普段より少し贅沢しておいしいものを食べたい、自宅で旅行気分を楽しみたいというニーズの高まりから、贅沢グルメ・ご当地グルメの人気が上昇中。お取り寄せ情報サイト「おとりよせネット」が発表した「2021年上半期のお取り寄せランキング」においても、その傾向がうかがえます。

スイーツ部門では、海外ブランドやホテルメイドの焼き菓子、ケーキが多くランクイン。おうち時間を充実させる存在として、普段よりも贅沢感・特別感を得られるスイーツに注目が集まっています。
昔から定番のチーズケーキも人気の高いお取り寄せグルメの一つです。ベイクドチーズケーキ、スフレチーズケーキ、バスクチーズケーキといった豊富な種類に加えて、使用する食材も多様化。例えば、日本酒を使ったチーズケーキやスイートポテトと組み合わせて2層に仕上げたチーズケーキなども登場し、年々進化を遂げています。
配送中に崩れにくく冷凍してもおいしさを保てる点から、チーズケーキはお取り寄せに適したスイーツともいわれます。レストランのシェフが手掛けるチーズケーキのお取り寄せが増えているのも昨今の特徴です。

グルメ部門で上位にランクインしたのは、餃子やラーメン、鍋料理などご当地グルメの定番といえるものばかり。名店の味を気軽に楽しめることはもちろん、忙しい毎日の自炊を助けてくれる存在としても重宝されています。

お取り寄せ・通販ビジネスを始めるメリットとデメリット

【メリット】新たな収益の柱になる

テイクアウトやデリバリーを始めたり、夜営業の飲食店がランチ営業を始めたりすることと同様に、お取り寄せ・通販ビジネスは、新たな収益の柱になります。
飲食店における商圏はどうしても一定の範囲に限られる一方で、通販ビシネスを始めれば商圏は全国に広がります。お取り寄せをきっかけに、次は実店舗へ来店してもらえる可能性も。売上はもちろん、新たな顧客獲得にもつながります。
また、店舗の営業時間外であっても、24時間注文が受けられるメリットもあります。

【デメリット】実店舗営業との両立が大変な場合も

お取り寄せ・通販ビジネスには、通販サイトの開設や注文管理、商品の製造、梱包、発送など業務内容が多く存在します。
短期間に大量の注文が入ってしまうと、慣れないうちは実店舗営業との両立が困難になる可能性も。デリバリーやテイクアウトのように、実店舗営業の延長として始められるものではないことを理解しておきましょう。

お取り寄せ・通販ビジネスの始め方

商品を決める

飲食店がお取り寄せ・通販ビジネスを始める場合、看板・人気メニューを冷蔵・冷凍して販売するのが一般的です。レストランのシェフが作るチーズケーキが人気なように、通販限定の商品を開発するのもいいでしょう。
商品の賞味期限・消費期限は、保健所ではなく、製造・販売する飲食店側が決める必要があります。消費者庁の「食品期限表示の設定のためのガイドライン」を参照するとともに、理化学試験や微生物検査を行っている検査機関へ検査を依頼するのが望ましいです。

商品に応じた営業許可を取得する

お店のメニューをパッケージ化して販売するには、商品に応じた製造業・販売業の許認可が必要です。例えばラーメンセットの場合、めん類製造業(生麺)、食肉製品製造業(チャーシュー)、調味料等製造業・そうざい製造業(スープ)などが挙げられます。
しかし、製造業の許認可には高度な設備が必要とされ、一般の飲食店では取得困難なケースも。そんな場合でも、製造業の許認可を持つ業者に製造を委託すれば、販売業の許可だけで営業可能となります。

また、冷蔵・冷凍配送を行う場合には「食品の冷凍業又は冷蔵業」の許可が必要です。しかし、この許認可も規格基準が非常に厳しく、設備投資を行っても認められないことがあります。その場合は「冷凍流通保存品」として届け出る手段も。
まずは一度保健所へ相談し、どんな設備や手続きが必要なのかを確認するところから始めましょう。

食品表示も必須

販売する商品には、食品表示法に基づいた食品表示が必須となります。食品表示の内容は、名称、原材料名、内容量、消費期限または賞味期限、保存方法、製造者、栄養成分、容器包装の識別表示など。商品パッケージや包装容器に貼付するとともに、通販サイト上にも同じ内容の記載が必要です。
食品表示ラベルは専用のソフトやアプリを使うことで容易に作成できますが、手が回らない場合は専門業者に委託する手もあります。

通販サイトを立ち上げる

専門知識がなくても、「ASPカート型」と呼ばれるプラットフォームを使うことで、手軽に通販サイトが開設できます。ASPカートとは、サイト構築に必要なシステムをクラウド上で提供するサービスのこと。受注管理やショッピングカートのシステムが含まれ、初期費用・月額費無料から利用できるサービスも存在します。
その他に、Yahoo!ショッピングや楽天市場といったECモールに出店したり、クラウドファンディングサイトを利用する方法もあります。
実物を見ずに注文する通販ビジネスでは、おいしそうと感じてもらえる商品写真やインパクトのある商品ネーミングも重要です。人気の通販サイトを参考にしながら、サイトの準備を整えましょう。

梱包や配送方法、送料にも注意

商品配送時に必要となる段ボールや緩衝材など、梱包資材の準備も必要です。各資材の費用は安いものの、配送数が積み重なれば利益にも影響してきます。梱包資材を取り扱う専門店を比較して、費用をなるべく抑えられるようにしましょう。
配送方法に関しては、荷物のサイズや配送先によって料金が異なりますので、どの配送会社を選ぶのがベストかを比較検討することをおすすめします。

また、送料の決め方について悩まれる方も多いことでしょう。送料の設定パターンは「全国一律の料金」「配送先別の料金」「全品送料無料」「一定金額以上で送料無料」などさまざまです。
消費者は送料に対してとてもシビアで、送料が高いから購入をやめるというケースも。消費者にとって一番嬉しいのは「全品送料無料」ですが、その一方で自分たちの利益は削られてしまいます。
送料無料にすることを広告宣伝費と捉えたり、期間限定で送料無料にしたりする手もありますが、主流なのは「一定金額以上で送料無料」とする方法です。「送料は全国一律で800円、3,000円以上の購入で送料無料」という風に設定することで、購入単価のアップも期待できます。

アフターコロナ時代においても、安定した需要が見込めるお取り寄せ・通販ビジネス。新たな経営戦略の一つとして、検討されてみてはいかがでしょうか。

この記事の監修
株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

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