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飲食店に必要な広さは?10坪で売り上げるコツや開業資金の目安を解説

飲食店に必要な広さは?10坪で売り上げるコツや開業資金の目安を解説

飲食店をはじめて開業しようとする場合、どのぐらいの広さの店舗をオープンさせるべきなのでしょうか。
自分自身が理想とする店舗のイメージに合った広さを選択するのもひとつの方法ですが、不安が付きまとうはじめての開業では、小さな店舗からスタートして少しずつ規模を拡大していくのもひとつの方法です。
小さな店舗…具体的には10坪程度の店舗物件を開業するメリットをここでは解説していきます。

飲食店には何坪くらいの広さが必要?

はじめての開業の場合、canaeruでは開業者によっては10坪程度の小さなお店の開業をおすすめすることがあります。
10坪程度のお店とは、具体的にオーナー(店長)1人、あるいはオーナー(店長)1人+アルバイト1人の雇用で経営できる広さの店舗です。
なぜ、10坪程度の小さなお店がおすすめかと言えば、まず第一に開業資金の少なさが挙げられます。
店舗の開業には物件取得費用、内装工事費用、開業諸経費、運転資金など、さまざまなお金が必要になってきますが、これらは当然ながら店舗の規模が大きくなればなるほど、費用がかかります。
自己資金や金融機関からの融資で開業する場合、これらの費用を用意するだけでも一苦労。また、開業した店舗の周囲でどんなお客様が来店するのか、メニューは大丈夫か、この地域にはどんな需要があるのかなど、多くの不安があります。
店舗が軌道に乗るまで、経営が持ちこたえられるように、当面の運転資金は多めに用意しておきたく、また、家賃や固定費に関しても低めに設定しておいた方が息の長い経営に繋がると考えているからです。
小さなお店からはじめて、徐々に店舗の規模を拡大していく方法も開業を成功に導くひとつの手段でしょう。

10坪程度のお店がおすすめの主な理由まとめ

・開業資金の準備が大規模店舗よりもしやすい
はじめての開業の場合、当面の運転資金もできるだけ多く残しておきたいところです。

・家賃、人件費などの固定費が低くなる
当然ながら家賃や人件費は店舗が広いほどかかります。
また、固定費が低いので経営を軌道に乗せるまで持ちこたえられる可能性があります。
店舗が軌道に乗るまでの期間は半年から1年程度かかる場合もあります。

・外的要因が発生した場合に比較的リスクが少ない
固定費や人件費が低ければ、新型コロナウイルスといった外的要因が起きたとしても損害が少なくて済む可能性があります。

10坪の飲食店経営にかかる費用

10坪ほどの店舗物件にかかる大まかな開業準備資金、運営資金をご紹介します。資金の目安にしてください。

開業準備に必要な資金

●物件取得費用
物件取得費用とは前家賃、保証金(賃料の3~12カ月分)、礼金(0~2カ月分)、仲介手数料(1カ月分)、保険料、造作譲渡料などを指します。
物件の大きさや地域・立地、大家さんの条件によって、費用が変わるため、物件取得にいくらが必要なのかの具体的な数字は言えませんが、
例えば、賃料20万円の店舗で、保証金6カ月、礼金2カ月だった場合に、仲介手数料・前家賃を合わせて、10カ月分で約200万円。
そこに保険料や造作譲渡料も必要になる場合があります。

●内装工事・設備費
内装・設備工事にかかる費用のことです。居抜き物件なのか、スケルトン物件なのかによっても費用が変わり、居抜き物件でもその状態によっては、工事が必要になり、費用が膨らむことがあります。
また、開業時期によっては、木材価格の高騰などの影響を受ける場合もあります。
ガスや電気、水道、ダクトの費用も引き継ぐ店舗の状態によっては、必要になってくる場合があります。
冷蔵庫などといった厨房機器も考えておきましょう。
100~800万円ぐらいが相場でしょうか。

●開業諸経費
開業諸経費とは、開業するためにかかる費用のこと。例えば、調理器具や食器、事務用品、広告宣伝費、開業前の人件費などが開業諸経費です。
意外と忘れがちな費用なので、しっかりと準備しておきましょう。
100万円ぐらいかかる場合もあります。

運営に必要な資金

運転資金は店舗の運営にかかる毎月の資金です。
主に以下が挙げられます。
・家賃
・人件費
・光熱費
・食材費
・広告費
小さなお店の場合、この運転資金が広い店舗より少なくなりますが、運転資金は多めに用意しておくことをおすすめします。
メニューやオペレーションを確立することや、常連客を増やすことなど、店舗を軌道に乗せるには時間がかかります。
飲食店は開業から3年以内の廃業率が70%、5年で確率が80%まで上昇し、10年では90%しか残っていないと言われていますので、はじめての開業の場合は、リアルな経営を学びながら自分自身のお店の色を出していった方がよいでしょう。
この運転資金、開業する店舗によって条件が異なってくるので、具体的にいくら必要なのか明言することは難しいですが、3ヵ月~半年程度は用意しておくのが一般的とされています。
しかし、3ヵ月~半年でお店が常連客でいっぱいにする…というのは現実問題なかなか難しいかもしれません。
それ以上の金額を用意しておいた方が良いでしょう。

飲食店の経営はどのくらいの売上が必要?

1ヶ月間にどのくらいの売上が必要になるのかわからない場合、以下の2つの方法で確認することができます。

・坪月商を出してみる
・かかる経費から逆算する

それぞれどのような方法なのか、順番に解説していきます。

飲食店の経営はどのくらいの売上が必要?

坪月商を出してみる

坪月商とは、飲食店が店の面積に対してどれだけ効率よく売り上げているのかを示す指標です。

【坪月商 = 月商 ÷ 坪数】

たとえば、お店の広さが20坪で月に600万円を売り上げている飲食店の場合、坪月商は30万円となります。坪月商は20万円程度までならば一般店、30万円を超えると繁盛店とされています。

かかる経費から逆算する

飲食店の経営には店舗の家賃の他に、人件費や水道光熱費、原材料費などさまざまな経費がかかります。これらの経費に自身の生活費やその他必要な経費を加算することで、月に必要な売上を算出することも可能です。

飲食店の売上を上げる10のテクニック

飲食店の経営には店舗の家賃の他に、材料費や水道光熱費、人件費や広告宣伝費などさまざまな費用がかかります。こうした費用を支払いながら利益を出すためには、積極的に売上を上げるための工夫をして、競合店と差別化を図る必要があります。

飲食店の売上をアップさせる方法には、おもに以下の10個があります。

①家賃を払いすぎていないか見直してみる
②飲食店のコンセプトを変える
③客単価の見直しをする
④回転率を上げる
⑤テイクアウトやデリバリーを始めてみる
⑥食品ロスを減らす
⑦POSレジを導入する
⑧期間限定メニューを出してみる
⑨グルメ情報サイトに掲載依頼してみる
⑩SNSを活用する

それぞれどのような内容なのか、順番に見ていきましょう。

①家賃を払いすぎていないか見直してみる

飲食業界では、家賃比率(売上に対する家賃の比率)は7〜10%が適正とされています。もし家賃比率が10%を超えていて売上が赤字の場合、高額な家賃が経営を圧迫している可能性が高いでしょう。

そのような場合、売上に見合った家賃の物件に移転するか、大家や管理会社に連絡をして、家賃を安くしてもらえないか交渉することをおすすめします。家賃交渉に成功すれば毎月数万円のコストを削減できることもあるので、売上アップにもつながります。

②飲食店のシステムやコンセプトを変える

ターゲットにしている客層を集客できていないなら、お店のシステムやコンセプトを変えて新規顧客の獲得を目指す方法もあります。

たとえば、ワインなどのアルコールを提供している飲食店の中には、数年前から「BYO」を導入するところが増えてきました。BYOとは「Bring Your Own」の略で、日本語では「自分で持ってきてください」という意味になります。レストランでBYOの表示を掲げている場合、「ワインの持ち込みOK」ということを意味します。なお、持ち込み料や持ち込み上限量など店によって規定があります。

購入や保管にコストがかかるワインを何種類も用意しておくよりも、持ち込んでもらった方が費用削減につながるという理由から、BYOを導入する飲食店もあります。このように、それまでのシステムやコンセプトを変えることで、コスト削減や売上アップにつなげていくやり方もあります。

③客単価の見直しをする

来客数は少なくないのに売上が伸びない場合、客単価が低い可能性があります。そのような場合、メニューを値上げすることで客単価を上げ、売上アップを実現する方法もあります。

ただし、メニューの値上げは顧客がもっとも敏感に反応するポイントでもあります。値上げする金額や理由によっては客離れの原因にもなるため、慎重な判断が必要になります。

④回転率を上げる

ラーメン屋やファーストフードなどの客単価が低い飲食店では、回転率を上げることが高収益を達成するための必須条件となります。

たとえば1〜2人などの少人数で来店するケースが多いのに、4〜6人掛けのテーブルが多く設置されている場合などは、店内のスペースを有効活用できずに回転率も下がってしまいます。こうした問題を避けるためにも、店内のレイアウトはメインとなる客層に合わせて設定することが大切になります。

⑤テイクアウトやデリバリーを始めてみる

テイクアウトやデリバリーサービスを開始して、売上を上げる方法も効果的です。最近はUber Eatsや出前館などのデリバリー代行サービスも充実しているので、自ら配達員を雇わなくても手数料さえ支払えば簡単にデリバリー業務を始めることが可能です。

⑥食品ロスを減らす

本来使う予定の食品だったのに、何らかの理由によって使われずに廃棄することを「食品ロス」といいます。食品ロスが多い飲食店は、他の飲食店と比べて廃棄した分だけ余分に食品を仕入れることになり、費用が膨らみます。

飲食店で利益を出すためには、いかに食品ロスを減らせるかが非常に重要なポイントになります。食品ロスを減らすには、以下のような方法が効果的です。

・在庫管理を徹底する
・食材保存のルールを決める
・調理工程を見直す
・ロスの出にくい冷凍食品を活用する

⑦POSレジを導入する

POS(Point of Sales)レジとは、POS(販売時点情報管理)機能を備えたレジのことを指し、会計作業と同時に売れた商品の名称や価格、売れた時間などを記録・分析することができます。

飲食店はPOSレジを導入することで、個々のメニューの売上状況を正確に把握できるため、どのメニューが人気で、どのメニューが売れていないといったデータを分析し、メニューの見直しに役立てることができます。さらに、会計・レジ締め作業も簡略化できるので、業務効率のアップと人件費の削減にもつながります。

⑧期間限定メニューを出してみる

話題性のある期間限定メニューを開発して、集客につなげる方法も有効です。

「インスタ映え」という言葉が少し前に流行りましたが、10〜20代の若い年代をターゲットにしている場合、SNSに投稿した際に注目を集めるようなユニークなメニューを開発できれば、口コミ効果で大きな集客に発展する可能性があります。

⑨メディアに取り上げてもらう

知名度を上げるという点においては、メディアに取り上げてもらうのが効果的な方法といえるでしょう。テレビや新聞、グルメ系の情報を扱う雑誌やサイトなどにお店を紹介されれば、それを見た一定数の人たちが来店してくれることが期待できます。

ただし、他の飲食店にもあるような特色のないメニューばかりだと話題性に欠けるため、メディアが取り上げてくれる可能性は低くなります。先ほどの期間限定メニューと同様に、メディアで紹介してもらうためには、他の店にはない話題性のあるオリジナルメニューを用意しておく必要があります。

⑩SNSを活用する

TwitterやInstagramなどのSNSやブログなどで積極的に情報発信し、お店を宣伝することも大切です。特に開業したばかりで知名度がない飲食店の場合は、自分のお店がどこにあり、どのようなメニューを扱っていて、どのようなコンセプトをもとに営業しているのかといった情報を発信することで、見た人に興味と親近感をもってもらうことが重要になります。

また、お店のSNSアカウントをフォローしてくれている人たちは、自分のお店のファンともいうことができます。新メニューを開発したときなどは、そうした人たちに向けてSNSで紹介することで手軽に宣伝でき、効率よく集客することが可能になります。

さらには、昨今、インフルエンサーマーケティングという言葉が出てきました。これはインフルエンサーにSNSやYouTube等で情報を発信してもらう方法です。
グルメサイトは活用せず、SNSやYouTube等で情報を集めるという層が増えてきているため、意外と侮れない販促方法です。

10坪の飲食店で売上アップした事例

10坪の小さなお店。どんな業種・業態がおすすめなのでしょうか。
・高単価、高売上
高単価、高売上を目指すなら高級和食店や高級すし店などがおすすめです。ただし、高単価を目指す場合、料理の腕も必要になってくるでしょう。
・回転率重視
ラーメンなど、回転率を意識したメニューもおすすめです。しかしながら、ライバルが多いのもこの業態の特徴でもあります。
・テイクアウト、デリバリーの活用
10坪の飲食店でもテイクアウト、デリバリーの活用によって、坪数以上の売上を残すことも可能です。
小さなお店をオープンする場合は、テイクアウト、デリバリーの活用は必須と言ってもいいでしょう。

飲食店経営のお悩みはcanaeruが解決

小さなお店は開業の第一歩として非常におすすめです。
「事業計画書の作成が難しい」「開業準備をどう進めればよいかわからない」とお困りの方は、まず専門家のアドバイスを聞くことから始めてみてはいかがでしょうか。
USENの開業支援サイト「canaeru(カナエル)」では、開業に関するセミナーや無料相談を行っています。初めて開業する人はぜひ一度「canaeru(カナエル)」をご利用ください。


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飲食店の売上を上げるためのノウハウを覚えましょう

飲食店の経営には、「これさえやっておけば必ず売上がアップする」という鉄則のようなものはありません。売上を上げるためには、店舗作りやメニュー開発を戦略的に行うのはもちろん、食品ロスなどのコスト削減やSNSを利用した宣伝活動など、あらゆる面で地道に努力を重ねていくことが大切になります。

今回ご紹介した10個のテクニックは、時間とお金をかけずにすぐに実践できるものばかりです。気になる方法があったら、ぜひ試してみてください。

この記事の監修

USEN開業プランナー_長原雄一

USEN開業プランナー

長原雄一

株式会社USEN 開業サポートチームに所属。日本政策金融公庫のほか、地方銀行や都市銀行など複数の金融機関にて融資業務を担当。
資金調達の豊富なノウハウを活かし、店舗開業者のサポートを行っている。

【主なサポート内容】
・開業資金にまつわる相談受付
・事業計画書の作成サポート
・資金調達時の面談アドバイス

株式会社USEN/canaeru 開業プランナーの詳細はこちら

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