更新日:

原価率とは?適正な計算方法や目安を解説[人気記事]

原価率とは?適正な計算方法や目安を解説

原価率がどの程度なのかによって店舗の利益は大きく変わってきます。そのため、原価率を意識した飲食店経営をすることはとても重要です。そこで、今回の記事では原価率の考え方や適正な原価率の見つけ方、また原価率の抑え方などをわかりやすく解説します。

原価率とは売上に対する原価の比率

原価率とは売上高における原価の割合を指す数字です。
つまり販売した商品の原価率が高いと、
購入する側は「質の高いものをお得に購入できた」ということになり、
販売する側は「売上金額に対して利益が少ない」ということになります。

飲食店の例でわかりやすく言うと、提供した料理をつくるためにかかった原材料費や人件費が、販売価格の何%を占めているかを表します。

原価は商品を提供するまでにかかった費用を指し、材料費の他にも、製造機材の減価償却費や水道光熱費、商品の製造に携わるスタッフの人件費も含まれます。

一方、販促のためのチラシなどの広告宣伝費や商品の運搬にかかる運送費などは販売費に分類されるため、商品の原価には含まれません。
※経費のうちどこまでを原価と呼ぶかは業種によって異なる場合があります。

飲食店経営に活かす!原価率についての基本的な考え方

原価率が高いということは、売上に対する材料費の割合が多いということです。売上から経費を引いたものが利益となるので、原価率が高いほど、結果として利益が少なくなります。逆に言えば、売上が同じ状態で原価率が低ければ、利益は多くなります。つまり、利益を増やしたければ原価率を低く抑えることが大切なのです。

ただし、利益を増やすためにむやみに原価率を下げることは商品やサービスの品質低下などの悪影響を招く可能性があります。そのため、原価率はある程度の適正レベルを維持することが望ましいとされています。

参考記事「オーバーポーション」が原価率に影響?原価率の知識不足で閉店も!

【店舗経営に活かす第一歩】原価率の出し方、計算方法について

原価率は売上に対する原価の割合で求められます。計算式は次のようになります。

原価÷売値×100(%)=原価率(%)

たとえば、800円で仕入れたものを1000円で販売したとします。上記の計算式に当てはめると、原価800円÷売値1000円×100%=80%となります。つまり、この場合の原価率は80%だということがわかります。

応用編!原価率から売値を決める計算式

原価率の計算式は、応用として売値を決める際に使うこともできます。その際の計算式は次のようになります。

原価÷原価率(%)=売価

たとえば、500円で仕入れ、原価率を40%に設定したいと考えたとします。上記の計算式に当てはめると、原価500円÷原価率40%=1250円となります。つまり、1250円で売れば、500円の仕入れで原価率を40%に抑えることができるとわかるわけです。

適正な原価率について

健全な飲食店経営をするためにも、適正な原価率を維持することが大切です。一般的に適正な原価率の目安は25~30%程度が上限といわれています。ただし適正な原価率は業種によっても異なるため注意しましょう。加えて、飲食店などはロスが出たり、季節による食材の高騰があったりして原価率が上下しやすい傾向にあります。こうした想定外に備えるために、原価率にはバッファーを持たせておくことも大切です。

注意!原価率を決める時に知っておきたい3つのポイント

飲食店経営をする中で原価率をどの程度にするかを決めることはとても重要です。原価率を決める際は以下の3つの点を意識することが大切です。

適正な原価率は業種によって異なる

一般的な原価率は25~30%程度と言われています。ただし、業種によって適正な原価率は異なるので注意が必要です。また同じ業種でも経営方針によって原価率をどの程度にするかは大きく異なります。なぜなら、原価率をおさえて利益を確保する方法もあれば、逆に原価率が高くても数を売ることで利益を確保するいわゆる薄利多売という方法もあるからです。

原価率はメニューごとに異なる

原価率は全てのサービスや商品で一律である必要はありません。むしろ、原価率をおさえた利益率の高いメニューで売上を確保しつつ、一方で原価率の高いメニューで集客をするなどして商品やサービスごとに原価率を変え、バランスを取ることも大切です。また、仕入れる商品の価格は季節によって変動する場合があります。そのため、同じメニューであっても季節によって値段を変えることなども検討する必要があります。

原価率70%超えのデカ盛りでも利益が出る秘訣についてはこちらの記事で紹介しています。

関連記事「デカ盛り」でも利益が出るわけについて見てみる

原価率はロス率と共に考える

食材を使い切れずに破棄にしてしまう、不良在庫として破棄を余儀なくされてしまうなど商品のロスは必ず発生します。ロスした商品はそのまま原価に上乗せされて、原価率を押し上げる結果につながります。原価率を決める際は、どの程度ロスが出るか、またどの程度ロスを許容するかを考慮することも忘れてはいけません。

原価率を抑え、利益率を高める方法

原価率が想定以上に高くなっている場合は下げる努力が必要です。原価率を下げる際のポイントをそれぞれ詳しく解説致します。

「利益率」についてはこちらで詳しく解説しています。

関連記事【必見】利益率とは何か?計算方法や考え方、飲食店経営での目安や種類を知ろう!

関連記事居酒屋の利益率とは?利益率の計算方法や居酒屋の平均利益率、利益率の高いメニューを解説!

在庫管理を徹底する

無駄な在庫を抱えると結果ロスに繋がり、原価率を押し上げる原因になってしまいます。在庫管理をしっかり行うことで、原価率を無駄に押し上げない努力が大切です。そのためには、売上データから毎月どの程度の商品が売れているかを確認し、必要最低限数の材料や商品を仕入れるようにすると良いでしょう。また、毎月末、棚卸しをして在庫数を把握することで、在庫がある状態での余剰な仕入れを防ぐこともできます。

オーバーポーションを減らす

オーバーポーションとは規定の量以上の食材を使用してしまうことを言います。オーバーポーションが多いと、想定を下回る商品数しか売ることが出来ず、結果として原価率が高くなります。飲食店においてはメニューの変更やマニュアルの作成、業務効率化をすることでオーバーポーションを防ぎ、原価率を適正に維持することができます。

仕入れ先を再考する

仕入れを安くできればそれだけ原価率を下げられます。安く仕入れられる仕入れ先を探す、または仕入れ値を安くしてもらうよう交渉することも原価率を下げるのに有効な方法です。ただし、仕入れ先業者も商売なので無条件で値下げをしてくれるとは限りません。一度に大量の商品を仕入れる、または継続して仕入れを行うなど仕入れ業者のメリットになるような条件を提示し、上手く交渉につなげましょう。

適正な原価率で健全な飲食店経営を目指そう

原価率をどの程度に設定し、維持するかは店舗の利益に直結します。適正な原価率は業界や経営方針によって異なるので、自社にあった原価率を導き出し、維持できるように努力する必要があります。在庫管理の徹底や業務効率化、メニュー価格の見直しなどをして原価率を適正値に維持し、健全な飲食店経営を目指しましょう。

この記事の監修

株式会社USEN/canaeru 開業コンサルタント

○会社事業内容
IoTプラットフォーム事業・音楽配信事業・エネルギー事業・保険事業・店舗開業支援事業・店舗運用支援事業・店舗通販事業。

○canaeru 開業コンサルタント
銀行出身者、日本政策金融公庫出身者、不動産業界出身者、元飲食店オーナーを中心に構成された店舗開業のプロフェッショナル集団。
開業資金に関する相談、物件探し、事業計画書の作成やその他の店舗開業における課題の解決に取り組む。

canaeruは年間300件以上の開業サポート実績!

メールアドレスの登録で
開業までのサポート完全無料で受けられます!

個人情報の取り扱いについて

メールアドレスを入力してください

無料会員登録でできること
① 「日本政策金融公庫」の創業融資をはじめとする資金調達の相談が出来る!
② 開業時に必要な事業計画書の作成サポートが受けられる!
③ 店舗開業や運営に関するさまざまな疑問点・お悩みを何度でも相談可能!
※ 金融機関出身者、元飲食店オーナーら店舗開業のプロが対応します

PAGETOPへ