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【2024年10月版】飲食店で使える補助金・助成金は?申請の流れも解説

【2024年10月版】飲食店で使える補助金・助成金は?申請の流れも解説

社会の変化に伴い、飲食店経営者はさまざまな課題に向き合う場面が増えてきました。仕入れ費用・人件費の高騰への対応や、雇用の安定、職場環境の改善など、課題と費用は増える一方です。

そうした問題に対し、国や地方自治体などは費用面での負担軽減を目的とした補助金・助成金の制度を設けています。中小企業や個人事業主の飲食店が活用できる制度もあるため、用途にあった補助金・助成金はないか本記事でチェックしてください。

【2024年】飲食店が使える補助金や助成金の特徴と傾向

制度や時代の変化により、近年の飲食店には生産性の向上が求められています。生産性の向上とは、使った費用や時間に対して、より多くの成果をあげることです。飲食店で言えば、スタッフの人数・就労時間を変えずに、より多くのサービスを提供し、売上を伸ばすことでしょう。

生産性を重視する動きは数年前から始まっており、2024年も引き続き生産性の向上に関わる補助金や助成金が多い傾向にあります。また、新型コロナウイルスの影響で、売上が落ち込んだ飲食店を支援するための補助金や助成金も継続されています。

つまり、2024年は「生産性の向上」と「コロナ禍のダメージ回復」の2点において、補助制度が充実している年と言えるでしょう。

そもそも助成金って?

助成金とは、国や地方公共団体、民間の団体などが、法人や個人事業主の特定の活動や事業を支援するために提供するお金のことです。

助成金は「雇用の促進」や「職場の改善」などの解決を目的とした事業や活動を対象とし、書類の提出や審査を経て支給されます。

助成金の種類は多岐に渡り、飲食店が使える助成金も多数存在します。助成金は返済の必要がなく、制度の要件を満たしていれば申請が通りやすいため、支援を受けたい方におすすめの制度です。

支援制度を活用するなら知っておきたい補助金と助成金の違い

補助金と助成金は、どちらも国や自治体、民間の財団などが行う財政援助ですが、いくつかの違いがあります。補助金は、事業者が特定のプロジェクトや活動に取り組む際に、その費用の一部を国や地方公共団体が負担するものです。

補助金の申請には、具体的な事業計画や目的が必要であり、申請者は計画の実施に伴う全体の費用の一部を自己負担するのが一般的です。また、補助金は予算や定員が限定されており、厳しい審査を受ける必要があります。

対して助成金は、労働条件の改善、雇用の創出、環境保護など、公共の利益に資する特定の目的を達成するために用意されたものです。社会貢献に関わることから、助成金は制度の要件を満たせば申請が通りやすい傾向が見られます。

給付金との違いは?

給付金とは、国や地方自治体などが特定の条件をクリアした国民に支給するお金のことです。

例えば、コロナ禍で休業をしいられた労働者のうち休業手当を受けられなかった人に対する「新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金」や、低所得者、子育て世帯に向けた給付金などがあります。

これらの給付金は、基本的に使途は自由で、返済の義務もありません。補助金・助成金同様、審査や書類の準備などを必要としますが、条件をクリアしていれば支給されます。また、補助金が採択件数に制限があるのに対し、助成金・給付金は採択件数に制限が設けられていないのも異なるポイントです。

助成金と補助金、そして給付金の違いを表にまとめたので、参考にしてください。


助成金補助金給付金
使途雇用の促進、
職場の改善など
事業拡大の補填、
創業支援など
自由
審査ありありあり
※場合によって申請不要で支給されることも
採択件数制限なし制限あり制限なし
金額少額(数万~数十万円)少額~数千万円以上少額(数万~数十万円)
返済義務なしなしなし

【公募中】飲食店が使える補助金・助成金一覧

飲食店が使える、現在公募中の補助金・助成金をご紹介します。これらの補助金・助成金以外にも、地方自治体が取り組んでいる補助金・助成金もあるので、お住いの地域で該当するものはないか調べてみましょう。

【公募中】飲食店が使える補助金・助成金一覧

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が経営計画に基づく販路拡大や、業務効率化に取り組む経費の一部をサポートする補助金です。飲食店であれば、メニュー開発やマーケティング戦略の強化などに利用できます。

現在は、〈災害支援枠(令和6年能登半島地震)〉のみ申請を受け付けています。災害から事業の再建に向けた取り組みに要する経費の一部の補助を受けられます。

■対象者

石川県、富山県、福井県、新潟県に所在する令和6年能登半島地震により被害を受けた小規模事業者のうち、下記要件をいずれも満たす、日本国内に所在する小規模事業者(日本国内に居住する個人、または日本国内に本店を有する法人)等であること。
●商業・サービス業:常時使用する従業員の数 5人以下
●宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員の数 20人以下
●製造業その他:常時使用する従業員の数 20人以下

■補助金額(上限)
①200万円(自社の事業用資産に損壊等の直接的な被害があった事業者)
②100万円(間接的(売上減少)な被害があった事業者)

■補助率
補助対象経費の2/3以内

■補助対象経費
●機械装置等費
●広報費
●Webサイト関連費
●展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
●旅費
●新商品開発費
●資料購入費
●借料
●設備処分費
●委託・外注費

■申請受付
申請は、必要書類を小規模事業者持続化補助金事務局サイトからダウンロード&記入のうえ、事務局へ書類一式をご郵送ください。
●申請受付開始:2024年9月9日(月)
●申請受付締切:2024年10月7日(月)【締切日当日消印有効】

公式サイト 小規模事業者持続化補助金事務局サイト

IT導入補助金

IT導入補助金は、インボイス制度に対応した受発注システムを導入したい、DXを導入して業務を効率化したい事業者をサポートする補助金です。

■対象者

【小規模事業者】
常勤の従業員数が下記の数字以下となる会社または個人事業主。
●商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く):常勤従業員数5人以下
●サービス業のうち宿泊業・娯楽業:常勤従業員数20人以下
●製造業その他:常勤従業員数20人以下

■補助金額
【通常枠(A・B類型)】
1プロセス以上:5万円〜150万円未満
4プロセス以上:150万円〜450万円以下

【インボイス枠(インボイス対応類型)】
インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト:50万円以下/50万円超~350万円以下
※導入する機能によって異なる
PC・タブレット等:10万円以下
レジ・券売機等:20万円以下

【インボイス枠(電子取引類型)】
中小企業・小規模事業者等が申請する場合の補助率:補助対象経費の2/3以内、~350万円以下
その他の事業者等が申請する場合の補助率:補助対象経費の1/2以内、~350万円以下

【セキュリティ対策推進枠】
補助対象経費の1/2以内、5万円〜100万円以下

【複数社連携IT導入枠】
業務上つながりのある「サプライチェーン」や、特定の商圏で事業を営む「商業集積地」に属する複数の中小企業・小規模事業者等が連携してITツールを導入し、生産性の向上を図る取り組みを支援するもの。金額は、導入するツールによって異なります。

■補助対象経費
●ITツール及びハードウェアの導入(インボイス対応システム、予約受付、顧客管理、受発注、EC関連などに必要なソフトや機材)
●デジタル化の推進費用
●セキュリティ対策費用

■申請受付
●申請受付締切:2024年10月15日(火)17:00

公式サイト IT導入補助金2024|追加公募のお知らせ

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、非正規雇用労働者のキャリアアップを促進するため、正社員化、処遇改善の取り組みを実施した事業主に対して助成する制度です。

■対象者

全コース共通で、次のすべてに該当する事業者が対象です。

①雇用保険適用事業所の事業主
②雇用保険適用事業所ごとに、キャリアアップ管理者を置いている事業主
※キャリアアップ管理者は、複数の事業所および労働者代表との兼任はできません。
③雇用保険適用事業所ごとに、対象労働者に係るキャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の受給資格の認定を受けた事業主
④実施するコースの対象労働者の労働条件、勤務状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類を整備し、賃金の算出方法を明らかにすることができる事業主
⑤キャリアアップ計画期間内にキャリアアップに取り組んだ事業主(支給申請時点で各コースに定めるすべての支給要件を満たしている事業主)

上記に該当していても、労働保険料を納入していない事業主や、労働関係法令の違反を行った事業主は対象外となるため、受給資格があるかWebサイトに掲載されている要件をしっかり確認しましょう。

■補助対象
●正社員化コース
●賃金規定等改定コース
●賃金規定等共通化コース
●賞与・退職金制度導入コース
●社会保険適用時処遇改善コース

■申請受付
各コースの支給申請期間内に、支給申請書および添付書類を事業所の所在地を管轄する都道府県労働局またはハローワークに提出してください。
●申請受付期間:通年

公式サイト キャリアアップ助成金|厚生労働省

商店街起業・承継支援事業(東京)

東京都の商店街で、新たに店舗を開業しようとする方に向けた助成事業です。店舗の工事費など、経費の一部を助成することで開業初期の費用負担軽減となる支援をし、都内商店街の活性化を図ります。

■対象者

●都内商店街で創業しようとしている創業予定者・個人事業主・中小企業者
●交付決定日から1年以内に開業(開店)できる者
●都内商店街において開業する業種が公社の定める業種に該当すること
●商店街における開業において、申請時点で当該商店街から出店の確認が取れていること
●以下のいずれかにより、経営に関する知識を有していること
・申請日までに1年程度の経営実務経験を有していることを職務経歴書等で証明できる
・経営等に関する資格を有していることを証明書等で証明できる
・申請日までに経営知識の習得研修を受講している又は開業までに受講できる

〈研修例〉
研修主催者研修
(公財)東京都中小企業振興公社商店街起業促進サポート事業(商店街開業プログラム)
TOKYO起業塾
女性起業ゼミ
プランコンサルティングなど
東京都内商工会議所
東京都商工会連合会・商工会
創業者向けセミナー
創業ゼミナール
事業計画策定相談など

都道府県
区市町村
金融機関(銀行・信用金庫など)
上記に類する創業・起業支援セミナー
特定創業支援等事業など

※1年程度の経営実務経験又は経営等に関する資格を有する場合、研修受講は不要

●申請する事業に関する実務知識を有していること
●大企業もしくは大企業が実質的に参画している企業のフランチャイズ加盟業者ではないこと
●申請者本人(法人の場合は代表者または正社員)が本申請に係る店舗において、助成対象期間中及び助成事業終了後も申請店舗における事業にもっぱら従事すること など

■助成金額
事業計画書_記事画像19

■申請受付
申請は郵送もしくは電子申請システムの オンライン申請フォーム(jGrants)で行います。
●申請受付締切:2024年10月11日(金)17時必着

公式サイト 商店街起業・承継支援事業

若手・女性リーダー応援プログラム助成事業(東京)

女性または若手男性が都内商店街で実店舗を新規開業する際に、必要な経費の一部を助成する事業です。商店街におけるリーダーとなり得る人材に対して開業を支援し、都内商店街の活性化を図ります。

■対象者

●都内商店街で創業しようとしている女性または39歳以下の男性
●申請時点で都内に限らず実店舗を持っていないこと
●創業予定の個人もしくは個人事業主(法人、法人代表者は対象外です)
●交付決定日から1年以内に開業(開店)できる者
●都内商店街において開業する業種が公社の定める業種に該当すること
●商店街における開業において、申請時点で当該商店街から出店の確認が取れていること
●以下のいずれかにより、経営に関する知識を有していること
・申請日までに1年程度の経営実務経験を有していることを職務経歴書等で証明できる
・経営等に関する資格を有していることを証明書等で証明できる
・申請日までに経営知識の習得研修を受講している又は開業までに受講できる

〈研修例〉
研修主催者研修
(公財)東京都中小企業振興公社商店街起業促進サポート事業(商店街開業プログラム)
TOKYO起業塾
女性起業ゼミ
プランコンサルティングなど
東京都内商工会議所
東京都商工会連合会・商工会
創業者向けセミナー
創業ゼミナール
事業計画策定相談など

都道府県
区市町村
金融機関(銀行・信用金庫など)
上記に類する創業・起業支援セミナー
特定創業支援等事業など

※1年程度の経営実務経験又は経営等に関する資格を有する場合、研修受講は不要

●申請する事業に関する実務知識を有していること
●大企業もしくは大企業が実質的に参画している企業のフランチャイズ加盟業者ではないこと
●申請者本人が本申請に係る店舗において、助成対象期間中及び助成事業終了後も申請店舗における事業にもっぱら従事すること など

■申請区分
●開業

■助成金額
事業計画書_記事画像20

■申請受付
申請は郵送もしくは電子申請システムの オンライン申請フォーム(jGrants)で行います。
●申請受付締切:2024年10月11日(金)17時必着

公式サイト 若手・女性リーダー応援プログラム助成事業

創業補助金(東京)

都内開業率の向上を目標に、東京都及び公益財団法人東京都中小企業振興公社では、都内で創業予定の個人または創業から5年未満の中小企業者等に対し、賃借料、広告費、従業員人件費、市場調査・分析費等、創業初期に必要な経費の一部を助成する事業を実施しています。

■助成対象期間

交付決定日から6か月以上2年以下

■助成限度額
上限額400万円 下限額100万円

■助成率
助成対象と認められる経費の2/3以内

■助成対象経費
賃借料、広告費、器具備品購入費、産業財産権出願・導入費、専門家指導費、従業員人件費、委託費(市場調査・分析費)

■申請受付
申請は郵送もしくは電子申請システムの オンライン申請フォーム(jGrants)で行います。
●申請受付締切:2024年10月4日(金)

公式サイト 東京都創業NET

【2024年公募終了】飲食店が使える補助金・助成金一覧

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、生産性の向上や新商品の開発、生産プロセスの改善に必要な設備投資を支援する補助金です。飲食店の場合、新たな調理機器の導入やレイアウトの改善などに活用できます。

ものづくり補助金には、「省力化(オーダーメイド)枠」「製品・サービス高付加価値化枠」「グローバル枠」があります。

省力化(オーダーメイド)枠
■基本要件

下記の要件を全て満たす3~5年の事業計画を策定すること。
●給与支給総額の増加
●最低賃金の引き上げ
●付加価値額の増加

■対象者
【小規模企業者・小規模事業者】
常勤の従業員数が下記の数字以下となる会社または個人事業主。
●製造業その他・宿泊業・娯楽業:常勤従業員数20人以下
●卸売業・小売業・サービス業:常勤従業員数5人以下

※上記条件のほか、【中小企業者(組合・法人関連)】【特定事業者の一部】【特定非営利活動法人】【社会福祉法人】も対象

■助成金額
従業員数
●5人以下 :100万円~750万円
●6~20人 :100万円~1,500万円
●21~50人 :100万円~3,000万円
●51~99人 :100万円~5,000万円
●100人以上:100万円~8,000万円

■補助率
【中小企業者】
補助金額が1,500万円まで:補助対象経費の1/2
1,500万円を超える部分:補助対象経費の1/3

【小規模企業者・小規模事業者】
補助金額が1,500万円まで:補助対象経費の2/3
1,500万円を超える部分:補助対象経費の1/3

※上記条件のほか、大幅な賃上げに取り組む事業者には補助金上限額を引き上げる特例あり

■補助対象経費
●機械装置・システム構築費
●技術導入費
●専門家経費
●運搬費
●クラウドサービス利用費
●原材料費
●外注費
●知的財産権等関連経費

■申請受付
申請は、電子申請システムの オンライン申請フォーム(jGrants)で行うため、あらかじめ「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です。

【申請受付期間】
令和5年度補正予算に基づくものづくり補助金の公募は終了しています。今後の公募予定は未定です。

公式サイト ものづくり補助金総合サイト

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者が経営計画に基づく販路拡大や、業務効率化に取り組む経費の一部をサポートする補助金です。飲食店であれば、メニュー開発やマーケティング戦略の強化などに利用できます。

■対象者

下記要件をいずれも満たす、日本国内に所在する小規模事業者(日本国内に居住する個人、または日本国内に本店を有する法人)等であること。
●商業・サービス業:常時使用する従業員の数 5人以下
●宿泊業・娯楽業:常時使用する従業員の数 20人以下
●製造業その他:常時使用する従業員の数 20人以下

■助成金額(上限)
[通常枠]50万円
[賃金引き上げ枠・卒業枠・後継者支援枠・創業枠]200万円
※インボイス特例対象事業者は、上記金額に 50 万円の上乗せ

■補助率
【補助対象経費の2/3(賃金引き上げ枠のうち赤字事業者は3/4)

■補助対象経費
●機械装置等費
●広報費
●Webサイト関連費
●展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
●旅費
●新商品開発費
●資料購入費
●借料
●設備処分費
●委託・外注費

■申請受付
●申請受付締切:現在申請可能な公募はございません

公式サイト 小規模事業者持続化補助金

事業承継・引継ぎ補助金

事業承継・引継ぎ補助金は、事業の承継や引継ぎに必要な費用をサポートする補助金です。
飲食店での事業承継や新たな事業展開に際して、必要な経費をカバーするために役立ちます。

■対象者

事業承継を契機として新しい取り組み等を行う中小企業者等及び、事業再編・事業統合に伴う経営資源の引継ぎを行う中小企業者など

■補助対象
補助対象事業の遂行に必要な経費であり、補助事業期間内に契約・発注を行い支払った経費。また、補助事業期間終了後の実績報告で提出する証拠書類等によって金額・支払い等が確認できる経費(原則、相見積の取得が必要)が対象。

上記の条件を踏まえた上で、事業承継・引継ぎ補助金は3つの枠が用意されています。

【経済革新枠】
●補助率:補助対象経費の3分の2以内または2分の1以内
●補助上限額:950万円
●専門家活用及び廃業・再チャレンジ枠との重複申請が可能

【専門家活用枠】
●補助率:補助対象経費の3分の2以内または2分の1以内
●補助上限額:750万円
●経営革新枠及び廃業・再チャレンジ枠との重複申請が可能

【廃業・再チャレンジ枠】
●補助率:補助対象経費の3分の2以内

■申請受付
申請は、電子申請システムの オンライン申請フォーム(jGrants)で行います。
●申請受付締切:現在公募は受け付けておりません。

公式サイト 事業承継・引継ぎ補助金

コロナ禍によりダメージを受けた事業を支援する補助金や助成金

コロナ禍の影響を大きく受け、売上減少により困難な状況にある飲食店の事業者が、経営の再構築や雇用の維持に取り組む際に利用できる補助金や助成金を紹介します。

コロナ禍によりダメージを受けた事業を支援する補助金や助成金

事業再構築補助金

売上減少により事業の再構築を余儀なくされている中小企業に対して、新分野転換や業態転換、事業・業種転換、事業再編などに取り組む事業者を支援する制度です。補助金額や補助率はプロジェクトによって異なります。

事業再構築補助金には下記の枠があり、それぞれ条件等が異なります。対象事業者の詳細は、「事業再構築補助金:必須申請要件」にて確認してください。

全ての枠に共通する必須要件は「事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること」と「付加価値額を向上させること」です。

■補助支援枠

●成長枠
●グリーン成長枠
●卒業促進枠
●大規模賃金引上促進枠
●産業構造転換枠
●サプライチェーン強靱化枠
●最低賃金枠
●物価高騰対策・回復再生応援枠

■補助金額(上限)
もっとも補助金が少ない「最低賃金枠」で補助上限が500万円、そのほかの枠では補助上限が2,000万円〜

申請は、電子申請システムの オンライン申請フォーム(jGrants)で行います。
第10回公募「交付申請」受付期限は2024年10月6日です。

公式サイト 事業再構築補助金

産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)

新型コロナウイルス感染症の影響等で事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主向けの助成金です。新たな事業への進出等の事業再構築を行うための人材を円滑に受け入れるために活用できます。

■対象者

●令和5年11月29日以降にものづくり補助金事務局の実施する「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(以下「ものづくり補助金」)」の事業計画書の申請を行い、当該ものづくり補助金の交付決定を受けていること
●下記の【労働者】の雇入れにあたって、次のa~cまでの全ての条件を満たすこと
a. 雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者として雇い入れること
b. 期間の定めのない労働契約を締結する労働者(パートタイム労働者は除く)として雇い入れること
c. 「ものづくり補助金」の補助事業実施期間の初日から当該期間の末日までに雇い入れること
など

■助成額
●中小企業
250万円/人※(125万円×2期※)
※1事業主あたり5人までの支給に限ります。

■助成対象期間
1年


■申請受付
雇用関係助成金ポータルにて受付中。(「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です)

公式サイト 産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)

雇用調整助成金

売上減少などにより雇用の維持が困難になった事業主に対して、休業手当の支払いや教育訓練費用の一部を助成する制度です。

■対象者

●雇用保険の適用事業主であること
●売上高または生産量などの事業活動を示す指標について、その最近3か月間の月平均値が前年同期に比べて10%以上減少していることなど

■助成額
助成内容と受給できる金額中小企業中小企業以外
休業を実施した場合の休業手当または教育訓練を実施した場合の賃金相当額、
出向を行った場合の出向元事業主の負担額に対する助成(率)
※対象労働者1人あたり8,635円が上限
対象経費の2/3対象経費の1/2
教育訓練を実施したときの加算(額)(1人1日当たり)
1,200円

※令和6年4月1日以降に開始する対象期間からは以下が適用されます。(令和6年3月31日以前に対象期間を開始していた事業主、令和6年能登半島地震に伴う特例を利用する事業主には適用しません。)。

支給日数(※1)と教育訓練実施率(※2)により、助成率と教育訓練加算額がそれぞれ以下が適用されます。
累計の支給日数が30日に達した判定基礎期間までは、上記と同様です。
累計の支給日数が30日に達した判定基礎期間の次の判定基礎期間からは次のとおりです。

事業計画書_記事画像21

※1 1つの判定基礎期間の休業等の延日数を対象労働者で除した数
※2 休業等の延日数のうち、教育訓練を実施した日数の割合

■申請受付
雇用関係助成金ポータルにて受付中。(「GビズIDプライムアカウント」の取得が必要です)

公式サイト 雇用調整助成金

補助金や助成金申請の一般的な流れ

補助金や助成金の申請から交付までの一般的な流れは以下の通りです。

1. 用途にあった補助金・助成金を探して募集要項を熟読する
2. 必要な申請書類を準備して、規定に則って申請する
3. 書類や面談をもとに審査が行われ、採択結果が通知される
4. 採択されたら交付申請を行う
5. 交付が決定したら、申請内容の事業や活動を行う
6. 必要に応じて定期報告を行う
7. 事業や活動の実施内容を報告書にまとめて提出後、請求書を提出して補助金・助成金を申請する
8. 指定の口座に補助金・助成金が交付される。必要に応じて事業状況の定期報告を行う

補助金・助成金の申請にあたり、いくつかの注意点があります。
採択される前に事業に取り組んでしまうと、補助金・助成金の交付対象外となることも。採択後に事業を開始しましょう。

採択後も、交付申請や事業実施の期間には締切があります。採択=交付ではないので、事業に取り組んで報告書を提出するまでは気を抜かないようにしましょう。

補助金や助成金の種類が多岐にわたるように、申請書類の内容や手順もそれぞれ異なります。利用したい制度を見つけたら、公募要項とスケジュールをしっかり確認して準備に取り組んでください。

2024年から始まる補助金「中小企業省力化投資補助金」にも注目!

2024年から始まる「中小企業省力化投資補助金」は、飲食店を含む中小企業の省力化投資を支援する新たな補助金です。こちらの補助金は、業務効率化や生産性向上のための設備投資の促進を目的としています。

具体的には、セルフオーダーシステムや配膳ロボット、店内の温度管理システムなど、IoT技術等の導入に対する費用をサポートし、人手不足の解消や作業効率の向上が図れます。

■補助金額(上限)

●従業員数5名以下200万円(300万円)
●従業員数6~20名500万円(750万円)
●従業員数21名以上1,000万円(1,500万円)
※賃上げ要件を達成した場合、()内の値に補助上限額を引き上げ

■補助率
対象経費の1/2

■申請受付
2024年6月25日(火) ~ 随時受付中

公式サイト 中小企業省力化投資補助金

自治体によっては独自の補助金や助成金があるケースも

地方自治体によっては、国の補助金や助成金に加えて、独自の支援策を提供している場合があります。

例えば、東京都中央区では「ECサイト活用補助金」という独自の制度を設けています。こちらの補助金は、中央区内の事業者がオンラインでの販売を強化するためのWebサイトやECサイトの開設・強化に必要な費用の一部を補助するものです。

補助限度額は6万円と少額ですが、補助率は100%に設定されています。このような支援制度は多数あるため、補助金や助成金を検討する際は自店が属する自治体の情報もチェックしましょう。

参考 中央区|ECサイト活用補助金

補助金や助成金を活用して売上拡大を目指そう

本記事では、飲食店が使える補助金や助成金について、2024年版の最新情報をまとめて解説しました。補助金や助成金を活用すれば、経営の負担を軽減できるだけでなく、売上の拡大や競争力の強化に繋がる可能性もあります。

補助金や助成金を活用するにあたって重要なのは、各補助金や助成金の申請条件や特徴を理解し、自店のニーズに合ったものを選ぶことです。本記事で紹介した内容を参考に、最適な支援制度を活用し、自店の発展に繋げていきましょう。

※本記事で紹介した情報は、2024年1月時点の最新情報です。今後、補助金や助成金に関する条件等が変更になるケースも考えられるため、継続的に関連情報をチェックすることをおすすめします。

補助金や助成金を活用して売上拡大を目指そう

この記事の執筆

ライター・飲食店経営_大杉元則

ライター・飲食店経営

大杉元則

調理師学校卒業後、大手老舗ホテルの西洋料理部門に勤務。フレンチレストランやベーカリー、給食会社を経て2010年、無農薬野菜にこだわったイタリアンを開業。現在は店舗のオーナーシェフを務めながら飲食関連を中心としたライターとして活動中。

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