広告代理店と外食企業で研鑽した哲学を武器に！事業展開を見据えて挑む飲食ブランドづくり

開業を目指すきっかけ

これまでのご経歴を教えてください。

社会人としての最初のキャリアは広告代理店の営業でした。そこで外食チェーン企業のクライアント様をメインで抱えていまして、マーケティングやプロモーションにがっつり関わらせていただくうちに興味深くなり、外食系の事業会社に転職しました。そこから外食業界に入り、商品開発から営業や出店のマネジメント、業態開発に携わりました。外食の企業人としてはほとんどの仕事を網羅した頃、自分の哲学で飲食店をやっていきたいなと思ったのが独立のきっかけです。

どのようなビジョンを持って開業されたんですか？

明凛堂は、大きなほろほろの肉塊が入った欧風カレーをアーバンモダンな空間で楽しめるお店として開業しました。ビジョンは今回の1店舗にとどまらず、明凛堂をブランドとして広く展開していくことを視野に入れてスタートしています。ブランドを通していろんな情報を発信したり、業界の後継者となる若手の育成に力を入れたいという考えが根底にあるからです。そのため、開業準備をスタートした段階からカレーという業種選びに始まり、商品づくりや店舗づくりに至るまで、大きな展開を前提とした仕組みづくりとブランディング戦略を進めてきました。

代表の方と共同経営という体制を取られていると伺いました。役割分担はどのようにされていますか？

10年来の友人でもある代表の福富が主にプロモーションの領域と、会社としてのファイナンスや労務を担当しています。店舗運営に関することはすべて僕が担っています。
店舗のコーディネートや戦略立案をしていく中で、僕自身の経験則やこだわりから生まれる「こうじゃなければならない」という考え方に対して福富がフラットな視点で意見をする。彼はマーケティングのプロでもあるので、消費者目線とマーケティング目線で見てもらっています。このように屈託なく意見交換をすることで、バランスよく店舗づくり・ブランドづくりを進められるよう心がけています。

開業準備での課題と解決方法
（物件探し・資金集め, etc.）

開業準備で一番苦労したことは何ですか？

物件探しですね。場所は最初からイメージしていた中目黒で探していたんですが、なかなか条件に合う物件がなくてやきもきしました。駅からの距離など、どこからどこまでが中目黒と呼べるのか？という定義をもって選ぶのも難しかったですね。
実際、いま店舗を構えている物件は条件を満たしていたのですが、競合が10社。2人で入念に準備してプレゼンに挑みました。この物件は事業譲渡を条件としていたので、従業員さんも残っているなどクリアしなければならない課題もあって。そこに関しては前職の会社とも交渉して外堀を固めるなど手を尽くしました。ぜひここでやりたいんだという気持ちを込めてプレゼンし、ありがたいことに我々を選んでいただいて、晴れてこの場所でオープンすることが叶いました。

canaeruの開業プランナーにはどんなご相談をされましたか？

物件が決まってすぐ、事業譲渡の譲渡金を支払わないといけなくなったんです。自己資金だけではまかなえないような金額だったため、急いで資金調達をすることになりまして。そこでcanaeru開業プランナーの山下さんにサポートいただきました。
金額が大きいので融資審査の前に税理士さんを通すことを勧めていただいたり、日本政策金融公庫との面接対策についてアドバイスをいただいたりしました。面接では「中目黒でカレーで勝負できるのか？」など突っ込んだ質問も受けましたが、対策のおかげで難なくクリアすることができました。
また、市場のトレンドや、他の開業者がどのような手順を踏んでいるかなど、僕たちの事業について客観的な立場で意見をいただけたのもありがたかったです。出店自体は会社員時代に数多くやってきましたが、自分で資金調達をすることは未経験だったので、山下さんから意見をいただきながら進められてよかったです。

開業後の気づき／今後の課題

今後の事業展開に向けて進められる中で、今抱えている課題はありますか？

人材育成ですね。ありがたいことにフランチャイズを希望する声やOEMのお話もいただいています。それらの進め方を検討することや、メーカーとしての下地をつくっていかなければならない中で、僕が365日店舗でオペレーションするわけにはいかなくて。今はまだ満席時などどうしても僕のマンパワーに依拠している部分があるので、張り付かなくてもいい状態まで持っていくのが直近の課題ですね。店舗経営をしながら展開について同時進行で進めるので、どれかがおざなりにならないよう慎重に進めていきたいと考えています。